精神科医の本音日記

2018-02-02

死んだらア・カ・ン

f:id:satochan8:20180202214438j:image:medium:left 西部邁さんの入水自殺を、佐伯啓先生がホメていた。「家族に迷惑をかけたくない」ための自死はエライ、と言うのだが、佐伯先生がそう思われるのは勝手であろうが、残された家族の気持ちを考えれば、そのまま載せてはイケナイコメントだったと思う。自殺された家族の苦しみは深いし、それを理解する故に自殺を思いとどまる人は多い。そして、うつ病の人の自殺の問題は、こんな簡単な事も判らなくなってしまうのだ、という所にあると思っている。自殺を美化してはいけない。人間には寿命があるのだから、寿命が尽きるまでは精一杯生きるのが人間の、もっと大きく言えば、生物の宿命なのだと思う。
 それでも自殺したければ、世間には自殺と分からない方法で、こっそりすれば家族もまだ救われる。それなのに、あろうことか、入水自殺企図の結果の病院死。そしてそれをホメル新聞。これじゃ家族は救われない。。。高齢化社会の日本で、介護する家族に優しい配慮が必要だと思う。日本の右翼は(左翼も?)世間知らずだ。あんまり悔しいので、久しぶりにブログってしまいました。

2017-05-31

ネタがつきました

f:id:satochan8:20170530223912j:image:medium:leftブログ始めてはや7年。途中で中断もあったけど、毎週1回、よくも続いたものだと思う。でも、どうもいよいよネタ切れだ。同じ話を繰り返すのは老人の悪い癖。気が付けば僕も60歳、もう「中年の現役」ではないね。。。という事で、取り合えず今回でこの日記は中断します。振り返っててみるに、ブログ書いてたことが、それなりに実人生に役に立っていたと思います。読んでくれた人、コメントくれた人には感謝です。今まで付き合ってくれた皆さんに幸せがありますように

2017-05-30

ノルウェーの患者中心医療

f:id:satochan8:20170530145715j:image:medium:rightノルウェーAsgard精神科病院に「薬を使わない医療」を標榜する6床(スタッフ22人)の開放病棟が出来た。ノルウェー精神科の入院治療で不祥事が続き、近隣諸国に比較し強制治療の比率が高い事が政治的な問題になった2011年に、精神科医療ユーザー達が議会に働きかけた結果、各精神科病院に「希望者には、薬を使わない医療」を行う事が推奨された。その推奨は暫く無視されていたが、2015年に推奨が命令に変わって、初めに出来たのがこのAsgardらしい。患者が薬物の中止や減量を希望し、担当医が認めた人が入院となる。その病棟では、DSMは使わず、患者は自分のカルテの閲覧が出来るだけでなく、カルテに自分の行動を記録する事を求められるらしい。病棟を立ち上げたMagnus Hald DrはフィンランドのOpen Dialogueにも理解を示し、「患者が薬を使わない医療を求めるのなら、医師は患者の意思を尊重すべき」と言い、さらには、「強制薬物治療の代替療法の確立を目指す」とも言っているという。ノルウェーでは現在他にも同様な病棟が準備されつつあるらしいけど、薬なしじゃ、医療でなくても良いんでないのかしら? 昔イギリスキングスリー・ホールでレイン達がやったよね。見事に失敗したけどね。

2017-05-23

アメリカの認知症者の介護問題

f:id:satochan8:20170523210619j:image:medium:right アメリカ認知症者は現在530万。全て自己責任のお国柄アメリカ。国民保険がようやく出来たと思ったら、それも元に戻ってしまった。そのアメリカでは国の主催する介護保険などは当然ない。で、ナーシングホームはまるめで、年800万位かかるらしい。メディケイドには色んなサービスがあるらしいが、貧乏でないと入れない。で、財産を隠してメディケイドに申請する不正行為が氾濫しているらしい。でも、アメリカでは不正(アンフェア)は通用しない。となると、出番は弁護士だ。カリフォルニア弁護士はみな、「全ての財産を他人の名義にして、5年後にメディケイドに申請すれば受理間違いなし」とやっている、という話がある雑誌に載っていた。これは不正にはならないにしても、眉唾だ。認知症発症5年前にそれを予知することなど出来はしないハズだ。多分、「後見人を私にすれば・・」という話が後に続くのだろうね。アメリカでも日本でも老人は金持ちが多い。その金にたかるのは、日本では福祉さんで、アメリカでは弁護士さん、という落ちなのだと思いますヨ。

2017-05-16

親父殿の近況

f:id:satochan8:20170515215748p:image:w360:right 僕の親父殿90歳は、脊椎圧迫骨折でただ今入院中。4人部屋のベッドで終日寝かされている(もしもの抑制には同意した)。81歳母が毎日面会に行くのだが、お互い耳が遠いので、大声での会話になってしまったようで、ある日、同室の患者さんに「ウルサイ」と注意されてしまった。それで親父が思いついたのが、伝声管昔の軍隊では、周りがうるさくて会話が出来ない時はそれを使って会話したのだそうな。何のことかと思ったら、ただ新聞広告を丸めただけのもの。でもこれで夫婦で心ゆくまで会話が出来る様になったのだと言う。で、一人になった後、その伝声管を眺めていると、「今まで如何に自分が妻に苦労を掛け続けてきたか」の思いが胸に溢れて、涙が止まらなくなったのだと言う。それで、自ら名付けて「愛の伝声管」。これからの病院の必需品ですかね。