精神科医の本音日記

2017-01-24

2年間保護室

f:id:satochan8:20110925184703j:image:medium:right 今週外来に来た、うつ病のOさん55歳男は、現在は完全寛解で、仕事(週3回半日)も出来ているが、実は、一昔前に、2年間継続して保護室に居た人である。その間、奇声を発するが言葉にはならず、壁に頭をブツケテ血だらけになっていたり、自分のウンコを食べたりして、「人格崩壊・荒廃」という悲惨な状態であった。主治医の僕とは全くラポール意志の疎通)がとれず仕舞いで、「この先は絶望」と放置せざるを得なかった。見兼ねた当時の師長さんが特別のメニューを組んで、スタッフを張り付けてくれて、隔離解除の試みが始まり、1年後には大部屋には出る事が出来たが、自発的な行動は全くなかった。妻も絶望して、引き取りは拒否していた。でも、母親が「可哀そう」と引き取る事になり、入院6年で退院した。退院後1年して、「母が認知症で施設に入所する」というような状況になった頃から、復活劇が始まった。Oさんが、「母親の面倒は俺が見る」と言いだして、炊事洗濯掃除を始めたのだ。初めは誰も回復を信じなかったが、数か月過ぎるウチには関係者は皆Oさんの完全復活を認めるようになっていた。外来でも僕と会話出来るようになり、「母親の介護についてアドバイスが欲しい」などと言われた時には、ホント涙が出そうになった。奇跡は起こるものなんですョ。

2017-01-17

趣味の発掘

f:id:satochan8:20170117201817p:image:medium:right 75歳の精神科医らしいI Dr老人ホーム非常勤を4つも兼ねている。彼の趣味は「隠れ精神障害者の発掘」。未治療のまま入所してくる精神障害者を見つけ薬物療法で症状の変化を確かめて、自分の「診断能力」を周りに見せつけるのだ。書き方で分かると思うけど、この趣味が実に迷惑なのだ。精神病の診断がつくとケアする事を拒否する施設もあるし、結局薬の副作用等で病院に転院となる患者も少なくない。また、患者の家族が発掘に不満で、又は治療に不審で、セカンドオピニオンを求めてきたりもする。当の患者本人も今迄でせっかく世に潜んで生きて来たのに、人生の終わり近くになって、「病気」だ「障害」だ「治療」だ、と、さぞ迷惑だろうに。。I Drは何を言われても馬耳東風の様だけど、趣味に付き合わされるこっちはいい迷惑なのだ。面と向かっては言えないけど・・

2017-01-10

救急に不満あり

f:id:satochan8:20110210214521g:image:medium:right 数年前から、近所の複数の救命救急センターでは、脳卒中心筋梗塞の疑いの患者は即、24時間何時でも送ってくれて良い事になってる(文書で確認した)。だから、年末、僕の入院患者が失神転倒後半身不随になった時、CTの検査をする前に、搬送先の病院とQQ車の手配ケースワーカー要請した。トコロがその後の転院手続きが上手く行かず、結局QQ車が来たのは、24時間後、そして行き先は、救命救急センターではない別の病院だった。。。まあ日本の救急とはそのレベルなのだと自分に言い聞かせるしかなかった。  昔々(20年前)沖縄米軍病院に見学に行った時、戦争に勝つ国の医療は、さすが格が違うと思った。当時、心臓カテーテル検査の待機時間が24時間何時でも20分と言っていたが、当時の僕の大学の病院では、平日・日勤帯で数時間以内が精いっぱいだった。日赤出身のDrにボヤいたら、「今も昔も日本の救急は日露戦争レベルですよ。検査体制にしてからが、健康診断の為の検査の為に救急患者が待たされるんだから」と言われた。残念ね。

2017-01-06

塩崎さん、自分の責任だよ!

f:id:satochan8:20170106205706j:image:medium:right 今日のニュース、「塩崎厚労相が高橋まつりさん自殺電通社長辞任では済まない。企業文化を変えるべき」と言い放ったのにはビックリした。開いた口が塞がらないとはこの事だ。労働基準監督署法律通りに会社を取り締まっていれば絶対こんな事態には至らなかった事は明らかなのに。本来なら、電通にモンク言う前に労働基準監督署法律通りに動いていなかった事を反省し、塩崎さんが辞任すべき話だよ。。。。でも、実態はもっと深刻な話で、日本の企業は、自分の社員に違法な残業を強いらなければ利益が出なくなっていることなんだよね、多分。介護現場でのスタッフの重労働の現実を無視して患者虐待非難する行政指導と同じ構造だね。まあ、政治家だから何か言わなくちゃ、と思って言って見ただけなのだろうけど、、腹が立つね。大体、塩崎さんは、厚労相就任以来、現場の人が意気消沈する事しか言わないのだよね。見て見ぬふりをしてたくせに何を今さら。。

2017-01-04

タクシー無賃乗車の患者さん

f:id:satochan8:20170104205426p:image:medium:right 年末ある日の朝10時頃、I(50歳女統合失調症)さんがタクシー無賃乗車で病院に受診した。本人がダメと分かると運転手はNsに助けを求めた。マニュアル通りに警察に通報し、一件落着と思いきや、警察官はヤジウマと一緒に遠巻きに見てるだけ。結局事務スタッフがIさん家族に連絡を取って、その運転手が引き揚げるまで2時間だった。Iさんは名物患者。ワガママで頑固で自己中。自分の思い通りになるまで、自分の言いたい事を一方的に大声で騒ぎ続けるのが得意技。お陰で僕の外来は散々だった。Iさん、営業妨害ですョ。警察官はIさんを、せめて院外に連れて行くべきだったと思うのですが、寒かったからかどうか、それとも時代が変わったせいかしら?昔なら警察が直ぐ連れてってくれたのに・・ぼやかない、ぼやかない。今年もFor The Patientで頑張ります。