休職者多発の原因

統合失調症45歳男、独身。2回再発後、ずっと寛解状態で、20年間服薬しながら働いていたが、ちょっとした人間関係で躓いて、「自分でも少し考えすぎだとは思う」と言ってはいたが、その後落ち込むことが多くなり、「少し会社休みたい」というので、1週間位のつもりで入院して貰ったのが1年前。状態が少しも改善しないまま、傷病手当金も出なくなり、会社の人はとうに諦めて面会にも来なくなった。促されて行く作業以外は、ベット周りに一人ですごしている。隣のベットの10年来の長期入院中の慢性患者と全く違いはなくなってしまって、「何時でも働けるけど、もう少し入院している」と妙な自信。同僚は「うつ病の併発ってことも」と。若い先生は「PTSDみたいなトラウマが潜んでいませんか」と。某大学の教授に診て貰ったら、「まあ、無為自閉。統合失調症の慢性化」とツレナイ。・・実は、数年来、僕の患者で他にも、ずっと働けていた人達が休職→退職となるケースが続いているのだ。精神病患者だけでなく、神経症の患者も、また、飛び込みで休職の診断書貰いに来る「新型」うつ病患者にもいる。僕の考えは、「日本の労働者の労働環境の急速な悪化」が起こっているのではないか、と言う事だ。アンマリ大風呂敷すぎて、匿名でしか言えないけど、結構本気で信じているのだ。僕の労働環境が悪化してるだけなのかも知れないケド。↑の表に示したのは、公務員長期休職者だけど、実際民間の会社でも増えている。何でも個人の病理のせいにするのは精神科医の悪い癖だと思う。