介護殺人

 日本で、認知症患者の介護者が被介護者を殺してしまう事故が多発している。認知症患者が介護者に「殺してくれ」と言いだして自殺ほう助、または心中失敗のケースが多い。年に平均40件位という。また、介護疲れによる自殺も年200件近くあるらしい。で、自称福祉の専門家達は、イギリスなどが介護者に手厚いサポートをしている事を指摘して、日本の福祉の後進性を強調し、患者や介護者を社会全体で、もっとサポートしなくては、と口を揃える。でも、そのイギリスでも実際は介護殺人は後を絶たず、2010年からは検察は、基本的に不起訴とするようになっているのだ。不起訴とするガイドラインを見てビックリすることは、殺人の動機が愛情と憐憫にあるかどうか、殺人に損得勘定があるかどうか、がポイントで、患者の病状や病態が自殺ほう助に値するかどうかは吟味されないのだ。イギリスには医師による安楽死の法律はまだないが、でも、既に身内による自殺ほう助は罰せられない事になっているのだね。だから、日本で介護殺人が問題になるのは、決して福祉が遅れているからではなくて、検察が律儀に裁判にかけるからなのだョ。