日銀が利上げしないから外国人投資家が逃げる

日経平均続伸、午前終値57円高の1万7217円(同) 前日の米ダウ工業株30種平均の過去最高値更新は支援材料にはなったものの、一段の上値追いにはつながらなかった。市場では「外国人買いが想定より膨らんでいない」との声が多く聞かれ、国内機関投資家や個人などの売りが上値を抑えた。
NYに比べ、日経平均の方は年初来高値までまだ1000円以上の開きがある根本の理由は日銀がいつまでも利上げしないからだ。現状では利上げすると株価が下がるという常識と逆にむしろ利上げしないからこそ株価が伸び悩むというパラドックスに見舞われている。
その理由は日本株マーケットの取引でシェア6割を占めるという外国人投資家の買いが細っていること。今年前半まで大幅買い越しを続けていたが、夏以降、売り越し基調。そりゃそうだろう。円安とともに日本株が上がっても、当該国通貨に換算すれば円安での為替差損分で相殺されてちっとも上がってないことになる。これじゃ、やってられないから、売りたくもなる。
春までは我慢すればやがて日銀は適宜利上げして円安が止まると思っていたら、いつまで経っても日銀は利上げしない。もう我慢の限界とブン投げるしかないと売られたのが8月。その後もあれやこれやで利上げを見送り、本日も外国人投資家は買い細り。その分、ニューヨークが余計に上がっている感じがする。
日本株の出遅れは、少子高齢化、人口減による日本経済の先細りを反映しているのだとよく言われるが、これは俗説だと思う。そんなことはとおの昔から予想されていたことで株価に織り込まれていた筈だ。
個人消費が伸びないのも実は日銀が金利上げないものだから、円安が続き、不必要なまでに内需を縮ませている。石油価格の高騰×円安だともろにダブルパンチを受けるわけで平均給与も抑えられるに決まっている。むしろ、いつまでも超低金利政策続けるものだから日本株が上がらない。
結局、利上げ=株安という常識に縛られて本当に袋小路に入ったということだ。金利差の罠から脱するには今月こそ利上げに踏み切るべきだろう。
大体、アメリカの先月の0.5%大幅利下げも8月の雇用統計速報のお粗末か故意か「誤報」(日経)
8月の雇用者数は4000人減から8万9000人増に改定された。
によるもので、本来なら0.25%の引き下げだったはず。というわけで追加利下げは微妙な雰囲気なので、今度こそ日銀の利上げだろう。
利上げすればむしろ日本株が暴騰する可能性が高い。それでも利上げしないならますます外国人投資家から見放されそうだ。福井俊彦日銀総裁沢尻エリカさんを見習って「諸悪の根源は行き過ぎた超低金利政策でした」と陳謝して辞任すべきだろう。
こういう作為的とも思える円安というのは輸出系企業に補助金を出しているようなもので、これが続くとむしろ輸出系企業の足腰を弱めかねない。補助金漬けがろくなもんじゃないことは色々な分野で実証済みだ。経団連会長さんの会社がその典型なのだから困ったものだ。
思い起こせば、トヨタ、キャノンと輸出系企業から経団連会長が続いて出たのに合わせるように円安が続いている。キャノンの連結海外事業比率は78%、トヨタは74%だ。こういうのってアリなのか?
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