帰らない日々

reservationroad公式サイト。原題:Reservation Road。テリー・ジョージ監督、ホアキン・フェニックスマーク・ラファロジェニファー・コネリー、ミラ・ソルヴィノ。原作者のジョン・バーナム・シュワルツはよほどのボストン・レッドソックス嫌いなのだろう。レッドソックスバンビーノの呪いを解かれた代わりにレッドソックスファンの容疑者に呪いがかけられたに違いない。
現在はニューヨーク・ヤンキース所属のジョニー・デーモンがひげ面(ヤンキースに移籍後はひげをそり落としている)でいきなり出て来るからレッドソックスがワールド・シリーズを制覇してバンビーノの呪いがとけた2004年設定だろう。ダイヤモンドバックスから移籍したばかりのカート・シリング投手も登場している。
大体、ひき逃げ犯になる地元のレッドソックスファンの弁護士ドワイト(マーク・ラファロ)の離婚した女性(ミラ・ソルヴィノ)の名前がルースRuth、バンビーノの正式名ベーブ・ルース(Babe Ruth)と同じ名前だというのは悪意すら感じる。
しかも、息子を奪われたイーサン(ホアキン・フェニックス)が犯人の顔を思い出すのはドワイトがレッドソックスの野球帽をかぶっていたのを見た時なのだから、レッドソックスファンは怒りに震えるかもしれない。しかも、ひき逃げは英語でhit and runなのだから野球用語ヒットエンドランと重なりそうだ。シリアスな映画なのになぜかおふざけがまぶされているとしか思えない。
妻グレース役のジェニファー・コネリーは相変わらず美しい。グレースは「ホタルはすぐ死ぬから放してあげなさい」と子供に言ったがために息子がすぐ死んだことを自分のせいにして精神的にかなりおかしくなるが、これもホタルの儚さと重ね合わせるというのは味付けとしてはイマイチ。
依頼した弁護士が犯人で、その弁護士の元妻が娘のピアノの先生というのは偶然が過ぎるという向きがあるかもしれないが、まあ、世間ではよくある偶然だろう。
ドワイトがピストルを川面に投げるシーン。これがまた野球の好きの息子に川面に向かって石を投げさせるシーンと重なり、最後までバンビーノの呪いから解放されていない感がある。一番美しいのはこの夕焼けのシーン。そして、ドワイトが息子と過ごす最後の美しい日々はレッドソックスワールドシリーズ制覇へ驀進中の時と重ね合わせられている。レッドソックスファン必見。
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