不思議感満載。PIANO PARADISE 2016。

ピアニスト・わたなべよし美さんプロデュース、
ご自身のsteinway「猫脚のたま」を会場に持ち込んでのコンサート
「PIANO PARADISE 2016」の1日目に参加してきました。
「猫脚のたま」は1938年うまれ。
かなりのご高齢。
そして今回は、普通(440〜442Hz)よりもはるかに低い、
432Hzという異例のチューニング。
時代とともに、スピートもチューニングもあがっていっているようですが、
もっとゆったりとした音で、音楽を楽しんでみよう、
というよし美さんの想いが、そこにあります。
リハーサルで、たまちゃんにご挨拶。
ポロロロローン。
ああ〜〜〜〜〜〜〜、なんて素敵な音色!
まあるくもあり、キラキラもしていて、小さな音もよくなるし、大きな音もしっかり響く。
すっかり気を良くして、次に、歌いながら弾いてみると、、、
あれ?普段、私、どこの鍵盤で弾いていたっけ?という
「あれれ?」感。
しかも、鍵盤全体がいつもより1割くらい小さく見える。
なんだか、ピアノじゃない、全く初めての楽器を弾いているような、、、不思議感満載。
うわ〜〜〜〜、音色はとても豊かで、涙が出そうなくらいなんだけど、
私の調子が狂っちゃうなぁ〜〜〜。
これは、いつもと違うチューニングのせい、、、、
だけではなく、たまちゃんに宿っているといわれている
精霊たちの悪戯としか考えられないっ!
というわけで、たまちゃんをなでなでして、
仲良くしてくださいな〜〜とお話しながらリハを終えました
(ちなみに私は霊感は全くありません)。
その後の本番。
冒頭で、よし美さんのお話とピアノ演奏があったのですが、
たまちゃんは、とても喜んで、幸せいっぱいにクラシックを奏でていました。
昔に、タイムスリップして、、、弾いている人も、周りの人も、その環境も、
愛があって、とてもあたたかい、、、そんな空間が再現されていました。
それは、たまちゃんの過去の思い出なのか、たまちゃんの夢(理想)なのかわかりませんが。
私は、勝手にそんなことを感じていました。
私の本番、約40分の弾き語りでは、
リハでさんざん遊んでもらったせいか、
たまちゃんサイドから「まぁ、いいよ〜、しっかりやっちゃって〜」とお許しが出たようで、
ぐぐっ、ぐぐぐ〜んと集中することができました。
チューニングの低さも、いつもより、少し太めの声にもなったりして、
良いように転んだと思っています。
そして、一人の弾き語りなのに一人じゃない、
誰かと一緒に音楽を紡いでいるような、リハの時とは違う意味での不思議感が満載でした。

きっと、毎回、どのピアノにも(どんな楽器にも、どんなものにも)、
魂みたいなものは宿っているんですよね。
今後、ピアノとの向き合い方が変わりそうな、とても貴重な体験でした。
わたなべよし美さん、
一緒に出演したシンガソングライターの遠藤雅美さん、
お二人とのセッションも、たくさんの気づきのきっかけになりました。
お二人をはじめ、関わって下さったみなさん、本当にありがとうございました!