S嬢 はてな

2007-01-31

[]南無さんからトラックバック受信

 gooで初めて南無さんにコメントいただいたときに、「こんな遠方までようこそ」と、ご挨拶をした記憶があります。当時のgoo内で、知る人ぞ知る、という感じだった南無氏が、まあまあこんな弱小の地まで足をのばされて、というような感じ。これが2004年の秋のこと。

 それが今回、はてなとその場を変えて、また2年ちょっとという歳月を経過して、回り回ってトラックバックをいただいたなあ、などと、ちょこっと感慨。

コンテンポラリィ・ユニットG - 愚民の唄 - 愚民的謝辞

 いろいろな方々の評を取り上げたいのですが今回ベストと選ばれた「漬物蔵」に対する優れた評として私はS嬢氏(id:satomies)の女としての視点からみた深い洞察力をあげたいと思います。「S嬢 はてな - 母性愛やら、そこに潜む罠やら」のエントリは男にはない視点、しかも人間として普遍的で原生的な関係にまで至る言及に一種の驚きを感じさせていただきました。書く者にとって常に書くものが独りよがりという位相を越えたところにあるものを描きたいという無意識な欲望があるものだと思います。それをあなたなりの読解力というか、あえていうならば直観とか共感とか言われる中のあなた自身の持ちうる感性で逆に作品を自らに引き寄せてしまうという妙技を見た思いでした。見事に深い読解ありがとうございました。

 今回の企画は、読む、という行為の中で、非常に刺激的な企画だったと思います。生半可な姿勢で向かい合ってはいない、ということがわかるからこそ、目立った動きも少なかったんじゃないか、と思います。

 それぞれの方の「陥穽」を扱った文章は、どれも興味深く読ませていただきました。元々、単なる読者としてこの企画を見ていたものの、〆切間際に投票に参加したのは、「漬物蔵」を一位にしたい欲、が出たからだと思います。それは慈愛という定説をもつものを、はっきりと明確にしかもわかりやすく覆した、というところがあったのが大きかったです。

 さて南無さんの「浄土」。これを読みつつ考えていたことは。「自分の男を生活に絶望させず、帰るべきところを創り出すということはどういうことか」ということ。なぜこの男が帰るべきところを現実の生活の中に失ったのか。夫は何をあきらめたのか、妻は何をあきらめたのか。主人公が「帰るべきところ」とイメージしている世界の妻には、残念ながら男性の幻想的イメージが強く、人間として存在していない。この「妻」を人間として存在させて、失望を与えないこととはどんなことか。

 見えてきたものはあります。実は投票期間中に20回目の結婚記念日なんぞ迎えておりまして。「自分の男を生活に絶望させず、帰るべきところを創り出す」ビジョンをもって、結婚生活21年目に踏み出します。