リツエアクベバ

satomies’s diary

いや実はこのニュースにはこんなことを思ってました

知的障害者ねらい暴行、恐喝…少年グループ逮捕 - MSN産経ニュース

このニュースに関して。ちょいと長めに引用させていただきますが。

少年達が「知的障害者を狙う」ことは本当に可能なのか? - シロクマの屑籠(汎適所属)
 知的障害の人と一言で言っても、金銭の概念すら理解が困難な水準から、ある程度は労務に従事できる水準、さらには境界域知能といわれるIQ85以下の領域まで、幅広い領域が含まれている。最近では、療育手帳を持っている人であっても高校を卒業している事例も多く、ときには(人一倍の苦労の末に)大学や専門学校の教育を修める事例をさえ、見かけることがある。そんななかで、身振りや手振りから素人が「あれは知的障害者」と意識・認識出来る群というのは、それなりに障害の程度の重い一群に限られる。今回の事件の被害者は、襲われた時に八万円の現金を所持していたというが、現金八万円を所持して単独行動し、なおかつ自前の携帯電話を持っているということは、おそらく被害者の知的水準は、東京都療育手帳(愛の手帳)で言えば軽いほうの等級(3度、4度)だったのではないかと推測される。だが、軽いほうの等級ともなると、一目で知的障害者と見抜くのは殆ど困難、というか極めて困難で、専門家の場合でも、街ですれ違った程度ではなかなか気づきにくい。意志の弱そうな奴・気弱そうな奴・間抜けそうな奴を求めて徘徊していた少年グループが、御しやすそうだと目をつけた男性がたまたま知的障害者だった、という筋書きが本当のところなのではないか?

同意。東京4度、横浜B2のレベルくらいだったら、まず知的障害に縁が薄い人は「ぱっと見」じゃわからないと思う。ごく普通にある意味「普通の人みたいな生活」を送れるけど、突発的な事故・事件の対応が弱かったり、ってのもこの層だと思う。わたし自身も成人の知的障害のある方とのつき合いの中で(なんで手帳?)って思う人もいるけど、突発的な事故・事件の対応に弱かったりってとこを見て(そうかあ)みたいなとこはあったなあと思う。あと(ここまで普通っぽく見えてもB1なのかあ)とか。(横浜市:最重度A1 重度A2 中度B1 軽度B2)
わたしはこの報道を見たとき、この報道文は「どういう記事を作るか」ってことが関係しているように思った。
「『障害者をいじめて何が悪い』と反省の態度はないという」という報道部分。この発言もどんなやりとりで出てきたかはここではわからない。

  • 意志の弱そうな奴・気弱そうな奴・間抜けそうな奴を求めて徘徊していた少年グループ → 犯行 → 逮捕 → 「知的障害者なんだぞ、相手は!」的叱責や罵倒 → 「障害者をいじめて何が悪い」

どうもわたしは後者のように思ってました、このニュース。で、報道が「知的障害者」という言葉を「効果的に」使おうとしていたような感じで受け取ってた。
ただこの少年たちが厳密に言って「知的障害者狙いではない」と言い切れないかな、とも。おそらく「8万円」の件で「意外にちょろい」「さらに『一万円』にも成功」ってとこで、その後「うまく知的障害者に『出会えれば』ちょろい」、ってのはあったんじゃないかとは思う。
まあこの手の犯行をしようとする集団が、「相手が知的障害者であることを察知し、人道上ターゲットにすることを途中で中止する」なんてことはないだろ、とも思うわけで。自分たちにとって「ちょろいかどうか」の方が、そりゃ価値観にはなるんじゃないかとは思っていた。そのあたり、いわゆる犯罪者にとっちゃけっこう普通の感覚なんじゃないかとも。ドラマじゃないんだから「あなたには障害があったのですね(涙)(そこで攻撃をやめてそっと去る)」なんてこた、ありえねーだろ、みたいな。
変な言い方だけど、「知的障害者」という言葉に対して、報道を読む人が反応してくれればよくて、「それが報道の正義」みたいなとこがあるんじゃないかな〜みたいな感想。
その上でぼそっと思ってたことをngmkzさんが文章化して、ウケる。

例えばこの知的障害者がこの中学生たちよりも強かったら、どんな反応があったんだろう。
中学生をボッコボコに仕返したことが事件になった場合、どんな報道されていたんだろうか。
実存の人間は一般像の形成するために切除された個々の多様性の中にその姿が見える - note304*

何年か前に、小学校の地域保護者の委員会みたいなとこから連絡網が流れましてね。「どこどこの公園のところに危ない障害者がいる、子どもがからかったら怒って脅しをかけてきて、びっくりした子どもが車道に飛び出して危うく轢かれそうになった。どこどこの公園は気をつけましょう」。
はあ?みたいな。どんくらいしつこくからかったの?みたいなことを回してくれた人に聞いたら、「そうだね、なんかおかしいよね、この連絡」ってことでそこで「連絡」はストップ。その後その連絡がどうなったのかなんか聞くことがタブー的になって終わってしまった。そしてその連絡網の内容も、そのうち人は忘れていった。
まあなあ、そんなとこでやってく、ってとこもあるよなあ「障害」の現実。とも思うな。
*追記

知的障害者ら狙い暴行や恐喝、少年8人逮捕・1人相談所送致 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
発表によると、少年らは今年1月12日、同市内で自転車に乗っていた男性(20)に、「ガンをつけるな」などと因縁をつけて殴るけるの暴行を加えたうえ、男性が知的障害者とわかると、男性のバッグから現金8万円を盗んだ疑い。少年らはその後も、男性を呼び出して携帯電話を奪ったり、「携帯を返してほしかったら金を持ってこい」などと1万円をだまし取ったりしていた。
少年らはゲームセンターで遊ぶ仲間で、このほか、知的障害者の同級生や特別支援学級に通う後輩の少年など計5人に対しても、暴行を加えたり金を脅し取ったりする犯行を繰り返しており、殴りながら「痛いですか」などと聞いたりしていたという。

おお、確実に「狙って」ますね。この報道からの図式はこんな感じになるかな。

意志の弱そうな奴・気弱そうな奴・間抜けそうな奴を求めて徘徊していた少年グループ → 犯行 → うまくいったことに味をしめて同様のターゲットを自分たちで選んだ

「同級生や後輩(未成年の被害者)」ということで足がついたかな。ずっと成人狙いをやっていたら続いていたのかも、とも。