Hatena::ブログ(Diary)

Satomilogical Research

2009-02-17

私 et al. /ラテン語の略語をいくつか

| 01:19 |

 英語の文献にはとかくラテン語の略語が出てくるものです。初出のときには意味がわからないばかりでなく、読み方さえわからないのが常ですが、学部4年の終わりに立ついま、私のラテン語略語の知識もそれなりのものになりました。たぶん。今日はよく見るラテン語の略語について、その発音と意味を再確認してみよう、という話です。学術文献に限らず、i.e.やe.g.を見かけることはよくあると思います。知らない方は、この機会に「こんな略語があるのかー」と覚えてみることをお勧めします。

et al.

 「〜たち」。3名以上の共著者がいる文献を紹介・引用するときに使います。2名のときに使ってはいけません。人名のあとにet al.とつけて使います。ピリオドを忘れないように注意すること。etc.と同じような意味です。つぶやきながら調べて、やっと正しい読み方がわかりました。これまでは「えと・ある」や「えたーる」と読んでいましたが、一連の音としてつなげるのが正しいようです。「たー」の発音は、catの「きゃー」と同じです。IPAの表示方法がわからない。

発音e-TAIR-l (えてぁーる、えたーる)
元の形et alia.
英語And others; to complete a list, especially of people, as authors of a published work.
日本語〜ら、〜たち
Satomilogy et al. (2009) suggested that ....
参考http://en.wiktionary.org/wiki/et_al

i.e.

 「つまり」。カッコの中でよく使われているのを見ます。「これってどういうことかというとつまりー」のような意味合いでしょうか。読み方は「あいいー」ですが、これを見かけたときには「that is」と読み替えることにしています。それが一般的な作法かどうかは知りませんけど。また、世界一のシェアを持つウェブブラウザの名前とは無関係です。この表現がどのくらい古くからあるのかは知りませんが、きっとラテン語が言語として使われていた(いまもバチカンなどでは使われていると聞きますが)時代からあったに違いありません。元祖はこの表現です。

発音IE (あいいー)
元の形id est
英語that is; in other words; that is to say
日本語すなわち、つまり、言い換えると
実験刺激として被験者に気づかれないような強度のサトマイロジーを用いた。(i.e. 閾下提示である)
参考http://en.wiktionary.org/wiki/i.e.

e.g.

 「たとえば」。日本語で文章を書いていても使ってしまうくらい便利です。「たとえば」とタイプするよりも、半角英数状態にして"e.g."とタイプするほうがずっと速いのです。他人の発表を聞きながら、例示があったときに漢字の「例」を使ってメモをとるよりも「e.g.」と書いたほうが速いのです。また、これも声に出して読むときは"for example"と置換しています。

発音EG (いーじー)
元の形exempli gratia
英語for example
日本語たとえば
ここでは実験の対象としていくつかの果物(e.g. Apple, Orange, Grape)を扱う。
参考http://en.wiktionary.org/wiki/e.g.

cf.

 「参考」。これはconferの略語のようです。しーえふ。高校のころの英語の教科書にこの略語が出てきませんでしたか。そのチャプターで用いられる単語のリストのようなものがあって、その前にこれが書かれていたように思います。

発音CF (しーえふ)
元の形confer
英語compare; see also
日本語参考として、比較として
この他に、ほにゃららを中心に扱った研究もあるのです。(cf. honyarara et al.,2009)
参考http://en.wiktionary.org/wiki/cf

(2/19 加筆)cfの後にはピリオドをつけましょう。cf.

そのほか略語でないものも含めて

略語に限らず、ラテン語のまま使われる用語はわかりにくいです。今後わからないラテン語の略称に遭遇したら、このリストに加筆しよう。

etc.
e.g.に同じ。et cetra. 本来は"and so on."と読むものらしいです。(2/19 加筆)twitter上でご指摘をいただき、加筆。*1 e.g.とetc.とじゃあ確かにぜんぜん違う。うーん、あの文句はどこから出てきたんだろう。
ad hoc
アドホック。その場しのぎの、この問題に特別な。
deus ex machina
(論文じゃ出てこないと思うけど)機械仕掛けの神様。デウス・エクス・マキナ
sine qua non
必要条件
per se
パー・セイ。「それ自体で」とか「本質的に」という意味合い。by itselfと同じ意味と考えてよい。

最後に

 今回は、ラテン語の略語にどのようなものがあるのかを調べるために、ウィクショナリーを多く活用しました。普段はウィキペディアばかり見ていますが、ウィキペディアのサービスはそれだけではないのだと実感することができました。また、今日は無関係なところでウィキトラベルというものの存在を知る場面もありました。

 学術英語に関わる人間として、ラテン語の問題を避けて通ることはできないでしょう。そこで生じる問題というのは、もちろんラテン語文献がすらすら購読できるようになることではなくて、基礎教養としてのラテン語の知識を身につけることです。特に神経科学や生物学(生物の学名、物質の名前など)の用語にはラテン語がそのまま用いられているものが多くあります。これらを適切に理解するために、簡単でもよいのでラテン語の知識を身につけておくことは有益かもしれません。いつか、論文のFirst Authorとなって、「私 et al.」と引用されたいものです。いや、まずは教授の査読つきの論文になるんでしょうか。ところで文学部だからってラテン語ができると思わないでいただきたい。おしまい。