MyFaces Cherokee Project - オラクル、JSFコンポーネントをオープンソース公開
ちょっと古い話題ですが、このblogで取り上げていなかったので紹介しておきます。
2005/12/12-16にベルギーで「JavaPolis 2005」が開催されました。JavaPolisは、年1回行われるJava開発者向けイベントであり、(サンの主催ではないものの)ヨーロッパにおけるJavaOne的なイベントになります。
- JavaPolis 2005 (2005/12/12-16)
12/12のセッション「Apache MyFaces」では、「Apache MyFaces Cherokee Project」の発表がありました。これは、Oracleが提供しているJSFコンポーネント「Oracle ADF Faces」をApache MyFacesのサブ・プロジェクトとして新たに開設される「Apache MyFaces Cherokee Project」に寄贈する、というものです。
実は、去年6月のJavaOneの時点でこの方針は決まっていたのですが、諸事情によりやっと今回発表できることになりました。
先週からリークされていたJDeveloper無償化、Eclipse JSFプロジェクト主導、MyFaces参加の件も、この基調講演で紹介されました。Oracleの持つ高度なJSFコンポーネントであるADF FacesをMyFacesに提供することも検討しているようです。
本セッションの概要やスライドのダウンロードは、次のページからどうぞ (スライドのダウンロードには、無償のアカウント作成が必要です)。
- JavaPolis 2005 > Apache MyFaces (2005/12/12)
Oracle ADF Facesをご存知ない方は、次のページでADF Facesの各種資料を参照してください。コンポーネントの無償ダウンロードもできます。
- OTN > Oracle ADF Faces
今回、MyFaces Cherokee Projectに寄贈されるのは、Oracle ADF Facesの主要な機能のほとんどすべてです。上記のセッション・スライドの60-103ページでMyFaces Cherokee Projectが取り上げられているので、詳細はそちらを参照してください。一部だけ引用/翻訳しておきます。
もちろん、第一にはJSFコンポーネント群です。Oracle ADF FacesのJSFコンポーネントのサンプルは、次のページなどをご覧ください。
- OTN > Oracle ADF Faces > ADF Faces Core Tag
他にも、モーダルなダイアログを簡単に作成できるフレームワークや、Ajax対応のRenderKit、容易にJSFコンポーネントすべてのルック&フィールの変更ができる「スキン」の機能なども寄贈されます。
「スキン」機能は、OraBlogsで試すことができます。左側のメニューの"Look and Feel"からどうぞ。(なお、OraBlogsは、Oracle ADF Facesの全身であるOracleUIXフレームワークを使って作られています。)
- OraBlogs
Ajax対応のRenderKitの内容も、セッション・スライドから引用/翻訳しておきましょう。
- HTML AJAX RenderKit
- インクリメンタルDOM更新サービス
- クライアント・サイド・バリデーション
- 全コンポーネントで組み込みサポート
- 高度な機能のサポート (テーブル・データのページングなど)
企業アプリでの典型的なユースケースとしては、巨大なデータセットをテーブル表示するときののソートやページングがあります。Oracle ADF FacesのRenderKitを使うと、フレームワークが提供するJavaScriptによって、毎回中間層呼び出しやDBクエリをすることなく、バックグラウンドで必要最小限のXMLデータセットの取得やブラウザのリロードなしの再描画が可能になります。
また、このAjax対応のRenderKitを使ったより高度なJSFコンポーネントとして、オラクルはリッチ・クライアント・コンポーネントを開発中です。これは、おそらく当初はMyFaces Cherokee Projectに寄贈されないと思いますが、非常に興味深いものです。あたかもWebブラウザの中で動くWebアプリなのにまるでクライアント/サーバアプリを操作しているような錯覚を感じてしまいます :-)
- OTN > Oracle ADF Faces > Coming features
- リッチ・クライアント・コンポーネント
- リッチでインタラクティブなコンポーネント(ツールバー、ドロップダウン・メニュー、スライダ、リッチ・テーブルなど)を現在開発中であり、ADF Facesの一部として利用可能になる予定です。
この話題を取り上げた記事やblogエントリも、いくつか挙げておきます。
- MYCOM > Oracle、ApacheにJSF実装「ADF Faces」を寄贈へ (2005/12/13)
- AMIS Technology blog > ADF Faces to become Apache MyFaces (2005/12/12)
- IT-eye Weblog > Oracle donates ADF Faces to Apache MyFaces (2005/12/12)