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写真生活

2017-02-23

暗室のBGMはTBSラジオ。

火曜日から3日間ずっと暗室。1月の個展で複数枚売れて手元に在庫がない7枚を早急に焼かなくてはならない。

まず掃除。とにかくピカピカにしないと。バットを洗い、乾燥棚のネットを洗い、伸ばし機周りを拭いて、準備ができた頃にはずっかり疲れている。

引き伸ばし機はLPL7450だったかな、カラー用のシノゴ対応の大型機。レンズはアポロダゴン、印画紙はオリエンタルFBウォームトーン。薬品は中外マイデベロッパーとフォマクールトーンを混ぜて使っている。そうすることでウォームトーンの色調を調整できる。

久しぶりのプリントなので初日は張り切らないで2,3カットくらいをコントラストと明るさを変えて焼いてみる。翌日どの辺のコントラストと明るさがいいかを確認する。そこからが本番。

2日目。7カットくらいなら1日で全て焼けるのだが、乾燥(乾くのに一晩かかる)フラットニング(プレスして印画紙を平らにする)のため翌日じゃないと完成しない。

3日目。フラットニングまですませたものを一枚一枚確認するのだが、上下の余白に、ほんのちょっと、ほんとにわずかにシミのような汚れがついている。その他はすべてOKなのに。1カットに4枚焼いているのに。あああ、、、

このくらいいいかな、マットをかけてしまえばわからないし。

というわけにもいかず、また暗室にはいる。3日目になるとちょっとハイ。いくらでも焼けそうな機になる。

2017-02-20

量子論と「君の名は」 ググってみたら案の定たくさんあった。

フィンランドエアの機内映画の中に「君の名は」があった。評判は聞いていたがまだ見ていない。これで2時間は楽しめそうだ。

泣ける、感動した、3回見たというのが周りにたくさんいて、そうなると見るときにバイアスがかかってしまうもんだが、それを超えて面白かった。単に男女が入れ替わる物語ではなかった。時間と空間という壮大なスケールに落とし込んでいて、伏線が周到に張り巡らせてある。

冒頭におばあさんが組紐をよりながらつぶやく、実はこの映画の全体の構成を表す重要なシーンだ。

「縒り集まってかたちを作り、捻れて、絡まって、時には戻って、途切れて、また繋がり」

「それがむすび。それが時間」

あらー、これって量子論に出てくる「量子のもつれ」と「量子のエンタングルメント」そのものじゃないか。それと日本の神話にも出てくる考えだ。

"demain"を作るときに時間という概念をしばらく調べていた。すると量子論にいきついて、時間がどういったものであるかを大雑把に捉えることができるようになった。それは、にわかに信じられないようなものだった。

「量子のもつれ」の理論を使うと時間が一方方向、つまり過去から直線的に流れているというのは幻想で、それは複層的に重なり合っているということが分かる。

そして量子レベルでは瞬間的な移動(テレポーテーション)がすでに観測されている。つまり空間をジャンプできるのだ。

すると複層的に絡み合った時間のなかも移動可能になるわけだ。過去が未来に影響を及ぼすことを我々は当たり前のことだと理解しているが、実は未来が過去に影響を及ぼすことも理論的には可能になる。タイムマシン夢物語ではなくなっているのだ。

そして一旦なんらかの理由で結びついた量子同士は、空間を超えても絶えず影響しあっていることも分かっている。これが量子のエンタングルメント。

そして日本の神話の根幹は「結びと解き(ほどき)」。結びと解きが絡み合い、物語が編まれていく。

最新の科学と神話(仏教も)は結構同じことを言っていたりするなとずっと思っていたが、それを目に見える形、映画として提示しているように見えた。

だから日本人にヒットしたのかな、などとと思いつつ2時間楽しんだのだった。

2017-02-16

ヘルシンキ乗り換え16時間で帰国。機上で「君の名は」を見た。

オープニングパーティが終わってちょっとホッとしたので翌日はアムステルダム観光。

ナショナルミュージアムレンブラントの「夜警」を見た。フェルメールの「ミルクを注ぐ女」はルーブルに貸し出し中で見れず。売れっ子なんだろうな。

歩いてはビール、昼飯にビール、夕食前にもビールで、夕食の時もビールという感じ。お茶のようにビール。値段もお茶並み。

最終日は権平さんとベルギーアントワープへ。今回3カ国目。といってもアムステルダムからは特急で一時間ちょっと。街並みが違う。洗練されているというか、アムステルダム高円寺ならアントワープ二子玉川っぽいというか。ちょっとお金の匂いがする(笑)駅前はダイヤモンド通りだ。

アントワープでの目的は"IBASHO"ギャラリー。オーナー夫妻は日本の写真のファンで膨大なプリントコレクションを持ち、日本人作家を多く扱っている。今回メインギャラリーは架け替え中だったが、サブギャラリーでは北島敬三の「ニューヨーク1980」をやっていた。

まあ、びっくりするくらいおしゃれなギャラリー。メインギャラリーが2フロアにサブギャラリー。ブックショップスペースもある。杉本博司柴田敏雄、濱谷浩もラインナップされている。

友人の写真家荻野直之さんが先月メインで展示していた。もう20年近く前にアシスタントをしてもらっていた鈴木麻弓も5月頃に展示がある。

ギャラリー冬青とも関係が深くPhotgrapher Halさんはメインで展示。今回ご一緒した権平さんや、伊藤計一さんもグループ展に参加している。日本人写真家の間で近頃話題にのぼることが多いギャラリーだ。

オーナーが日本に来た時にギャラリー冬青関係者で食事会が開かれて、そのときにいくつかのプリントを見せていた。食事会だったのでプリントを持って行くのをためらっていたのだが、それを知った鈴木麻弓に「絶対持っていけ!」と言うので素直に従うことにした。

結果気にいってもらえたので、今回の訪問となった。新しい写真集「demain」とプリントを30枚くらい持っていって見せたところ、現在北島敬三が展示してあるサブギャラリーで展示が決まり写真集フェア的なことをやることになった。

鈴木麻弓さまさまである(笑)

お昼を皆で食べに近くのレストランに行ったのだが、これまた雰囲気がありすぎて。ミュンヘンアムステルダムアントワープとまったく外れなし。注文した豆のスープがとてもおいしく感じたのは交渉がうまくいったからかもしれない。10年前のアルルでの昼ごはんを思い出した。

ギャラリーを出てからは写真美術館、現代美術館を見てから街を歩いた。アンティークショップを冷やかし、チーズとソーセージを買って、何やら行列ができているお店に並んでみた。そこはフライドポテトの専門店だった。

20分並んだ甲斐があった。ビールとよく合う。山盛りポテトでお腹いっぱいになったので、クラシックなバーに入りスピリットを一杯。

こんな店が江古田にも欲しいもんだ。

2017-02-13

ドイツもオランダもパンがサクサクしていておいしい。

ミュンヘンからアムステルダムに着いたら雪がちらついていた。

荷物をほどいて外に出てみる。ホテルは中央駅から歩いて10分ほどにあった。運河沿いに幅の狭い建物が隙間なく並んでいて、よく見ると数軒に一軒は斜めに傾いでる。

カーテンがない家が多い。通りから一般宅の部屋が見えたりするのだが、まるで住宅展示場のようにインテリが決まっている。あきらかに見られることを意識して暮らしている。

ドイツ料理にちょっと疲れていたのでタイ料理のお店に入る。ちょっと値段は高めだが味はよかった。

夕暮れ時になるとバーからこぼれる明かりが石畳を照らしている。一軒のバーに入って2人で飲んでいたら、カウンターの向かいのおじさんが一杯おごってくれた。

レストランはそうでもないがバーは安い。一杯300円以下ででビールが飲める。パッときてパッと飲んで帰る。つまみを頼んだりしていない。

翌朝ホテルの窓が光っているなと思ったら外が真っ白になっていた。夜半に雪がふっていたのだ。

朝ご飯を食べに向かいのカフェへ。朝の7時半でも、まだ日が上がっていない。街がモノクロームになっている。アムステルダムで雪が積もるのは珍しいと言っていた。旅行者としてはラッキーだが、電車もバスも遅延して大変だったそうだ。

さて、なぜアムステルダムに来たかと言えばギャラリーのオープニングレセプションのため。ゴッホ美術館近くにあるSBKギャラリープラチナプリントの権平さんと一ヶ月間2人展なのだ。

はたしてこんな雪で人が来てくれるんだろうか?権平さんは着物姿でのお出迎えだ。3時から始まったパーティはちゃんと主催者のメインディレクターからご挨拶と作家紹介があってちょっと驚いた。今まで出たレセプションパーティはいつ始まっていつ終わったのか分からないものばかりだったから。

ワインと巻き寿司や揚げたてのオランダコロッケとか並んでいた。ブレダフォトフェスティバルの関係者とかワーと来てワーと話しかけてきて、ワーと入れ替わるように去っていく。ワーワーしているうちになんとなく終了。

残念ながらプリントは売れず。評判がいい写真が意外と偏っていて「へーこれなんだ」という感じ。

その後関係者とレストランへ。クラシックなお店で雰囲気十分。これは外せないという伝統的な豆のスープ。野菜と豚肉が入っていて日本でいえば豚汁?結構おいしい。

ステーキのソースがおいしくてご飯を注文したくなるが、そこはフライドポテト大盛り。旨いんだけと罪悪感が。毎日肉を食べている感じだ。

外に出ると雪は消えていたがキンキンに冷えていた。ホテルに荷物を置いてバーでお疲れさま会。

これでアムステルダムミッションは無事終了。

2017-02-10

バーバリアン料理の定番はポークステーキとマッシュポテト、すっぱいキャベツ。それとビール。もちろんジョッキで。

ミュンヘン3日目。

今日は一段と冷えると思ったら0度だった。明日はマイナスらしい。

昨日はノイスバインシュタイン城観光。ディズニーのシンデレラ城のモデル。ルードリッヒ2世ね。

町がきれいだ。ゴミが落ちていない。建物がバウハウスだ。ご飯がおいしい。そして皆親切。地下鉄で迷ってると声をかけてくれたりするし、お店でも対応がやさしい。パリで感じた緊張感がない。

ミュンヘンで3月に展示があるので今回はギャラリーへ打ち合わせに来たのだ。プリントを持参してオーナーと、どれをどのように展示するかを決める。プリントの販売価格は14x17インチ(インクジェットでいうとA3ノビくらい)がメインで800ユーロ

このサイズはモノクロバライタだと現在オリエンタルのイーグルにしかないのだが、フランスオランダでも好まれる大きさだ。価格とサイズのバランスがいいと一様に言ってくる。


その後キュレーターの女性を紹介されてインタビューを受けることになった。どうやら彼女が僕の写真集を気に入ってくれてマスコミへのプロモーションをしてくれるらしい。彼女は写真集をすでに何度も見てくれていて、制作の背景を聞いてきた。例のコンテクストというやつだ。

日本語で答えるのもも難しいことを英語で説明するのは大変。ポートフォリオレビューみたいなものだが、いつもと違うのは向こうに理解したいという熱意があることだ(笑)写真集を見せながら次第に打ち解けあってくるのがわかるのは嬉しい。

彼女は長年ニューヨークMOMAキュレーターとして働いていたとあとで聞かされて驚いた。

夜はバーバリアン(ドイツ南部地方)のレストランで食事会。何か食べたいものがあるかと聞かれたから「ホワイトソーセージ」と言ったらちょっと困った顔になった。そこで驚きの事実が。

ミュンヘンではソーセージはお昼以降には食べないんだ。午前中に作ってフレッシュなうちに食べるものだから夕食には出てこない。一応聞いてみるけど」とオーダーしてみたらやっぱりなかった。

ドイツ人って一日中ビールを飲んでソーセージを食べてるイメージがあったから驚いた。ガイドブックに載っているお店では出るそうだが地元のお店では出ない。

これが今回ドイツで一番衝撃的な出来事だった。