欧文書体の部位名称の泥沼にハマった輩がyPadを買いその巻末を見てしまったの巻

「yPad」を無事購入

さてさて、本日、巷で話題の「yPad」を無事購入。
感想は、
『10年前に出会いたかった!!!』
仕事内容が文字通りカタログ制作の最初(クライアントとの打合せ)から最後(納品)までほぼ全ての作業に関わるものだったので、
既存スケジュール帳ではすぐグチャグチャになって書くスペースが無くなってしまい、
結局最後はA4のコピー用紙に1週間ごとの作業予定表を手書きで何枚も作るなんてことをしてしのいでいたから。
ホンマにこれ良いわ〜。
ただ、現在このyPadの性能をフルに活かせる程の予定が、ナイ!
誰か、仕事クレ、もしくは雇ってクレ。(←エラそうやな)

yPad巻末の「書体名称表」

ところで、このyPadには巻末に「書体名称表」というのが付いている。
今の自分、つまり欧文書体の部位名称の泥沼にハマった輩としては
こういうの見つけたら目を皿のようにしてじっくり見てまう習慣がついてもうた。
だから、これを見ていてどうしても補足説明したい語を見つけて何かウズウズしまったので
以下に敢えて取り上げてみる。

「Font」の「n」のnickという語について

このnickという語はyPadにて初めて知りまして、大変有り難い。
で、他に用例が無いかと調べてみたらあったので、拙Wikiにまとめてみた。

「Font」の「t」のapexという語について

このapexという語は既に拙Wikiにまとめてあるが、
小文字の「t」の頭頂部を指す用例は、調べた中ではyPadのみ。(出典元知りたい)

「Designer」の「g」のhair lineという語について

このhair line(またはhairline)という語は既に拙Wikiにまとめてあるが、
この語はある文字の一番細い線またはセリフのことを云うのだが、本来相対的で同一文字でも書体によって該当する箇所が異なる場合があるので注意。

「Designer」の「r」のkernという語について

うむむ、この用例で「r」に指し示されているkernは、残念ながら本来は誤りなんです。
日本語としては「ケルン」で流通してしまっているのだけれども、本来は活版での「活字のボディからはみ出した字面の部分」を指す。
この用例でkernとしている箇所は、通例では「terminal」と総称していて、形状により「ball terminal」「teardrop terminal」などと具体名が付いている。
この話については、ライノタイプ社のタイプディレクター小林章さんの著書『欧文書体―その背景と使い方 (新デザインガイド)』のp.27に掲載されているのでご参考まで。


結局何か挙足取りになっちゃったなぁ…。
すみません。