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《おしらせ》
2011年12月より、このブログは文字る(文字情報。時折印刷・文字本・雑誌の紹介も)および活字の小箱(活字・活版印刷に関する情報(組織・個人・作品・イベント・ワークショップなど)の提供)へ移転しました。引続き新しい方もご贔屓に。ここはそのまま残しておきます。

2007-11-08 Wikiはじめました

[]Wikiはじめました

以前のエントリ説文解字についての内容を、今回新たにWiki:辞源諸説にまとめてみた。

まだまだ構築途中だけれども、よかったらご覧あれ。

説文解字についての今後の更新はWikiにて行う予定。

2007-04-30 説文解字

[][]説文解字について

本日、2007-04-15付 説文解字に、以下の内容を追記。



  • 説文解字』の諸本に、『説文長箋』を追加。
  • 説文解字注(段注)』の参考文献に、「段玉裁『説文解字注』の成立過程について(一)」(著者:高橋由利子 氏)を追加。
  • 説文解字注の諸刊本』の『保息局本』の参考文献に、「段玉裁『説文解字注』保息局刊本の二種の異本について」(著者:高橋由利子 氏)を追加。
  • 説文解字注の備要書』の原稿本『説文解字讀』の参考文献に、「『段氏説文補正』と『説文解字讀』」(著者:高橋由利子 氏)を追加。
  • 説文解字』のための参考文献に、『「説文解字」と金石学』(著者:阿辻哲次 氏)を追加。

以上。

2007-04-15 説文解字

[]説文解字について

2007.11.7追記

以下の内容を、新たにWiki:辞源諸説にまとめたのでご覧あれ。まだまだ構築途中だが。今後の更新もそちらにて行うので。



説文解字について調べていたら、様々な刊本があることを知り、それが余りにもややこしいのでここにまとめることにする。
以下の内容は、説文入門を底本・種本としている。また、大修館書店websiteも参照。
また、段注については特に中国漢字紀行 (あじあブックス)も参照している。
あくまで初学者ゆえ、その辺はご容赦を。それにしても、たった2冊の書籍を底本・種本としただけでこの量とは。

説文解字』の成立

説文解字
著者:許慎
刊行時期(西暦):100年
刊行時期(元号):永元12年(後漢代)
解説リンク1:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
解説リンク2:中国学工具書提要:説文解字
解説リンク3:科斗烏跡蹲 がらんどう文字講座<序章>世界最古の字引「説文解字」

説文解字』の諸本

李陽冰校訂説文
著者:李陽冰
刊行時期(西暦):8世紀後半
刊行時期(元号):粛宗・代宗時代
説明:現存せず。この著作のことが間接的に知られている(徐鍇 著『説文繋傳』祛妄編などに論及されている)、と云う。

唐鈔本*1
刊行時期(西暦):9世紀前半
刊行時期(元号):唐の穆宗即位の頃
説明:最古の写本だが、現存するのは木部と口部のほんの僅かのみ、と云う。
木部:現在、四庫善本叢書初編本に掲載。
口部:現在、『韻鏡考』・『唐本説文與説文舊音』に掲載。

小徐本(説文解字繋傳)
著者:徐鍇(小徐)
刊行時期(西暦):10世紀半ば
刊行時期(元号):南唐代
説明:巻25だけは早くから失われ、現存のものは大徐本で補っている、という。
参考文献1:「清朝小學史話」(一)(倉石武四郎 氏)
参考文献2:「朱翺反切考」(張世祿 氏)
小徐本の諸刊本
汪啓淑本
刊行:汪啓淑
刊行時期(西暦):1782年
刊行時期(元号):乾隆47年(清代)
説明:朱文藻の『繋傳考異』が、汪憲の名で四庫館に入り、繋傳そのものはこれと別に紀瓦硫搬∨椶四庫館に入った。その四庫本を汪啓淑が刊行したもの、という。
龍威秘書本
説明:「汪啓淑本」を、馬俊良の『龍威秘書』(十集)に収めたもの、という。
祁寯藻本
校訂:祁寯藻
刊行時期(西暦):1849年
刊行時期(元号):道光29年(清代)
説明:『古經解彙函』にも所収。
四部叢刊本
初印:民国8年
重印:民国18年
説明:内容的に不完全な箇所は他本で継ぎ足ししており、また初印出版後、底本選択についての批判を受けて、重印では一部底本について善本との改換が行われている、という。
参考文献1:「四部叢刊底本の選択について」(神田喜一郎 氏)
参考文献2:「再び四部叢刊について」(神田喜一郎 氏)
参考文献3:『中国叢書綜錄』(どれだけ改換したかが調べられる。)
韻會所引本
説明:「韻會」とは、『古今韻會擧要』の略称。段玉裁『汲古閣説文訂』に、韻會は異系統の小徐本を所引していると書いている、という。

大徐本
校訂:徐鉉(大徐)
刊行時期(西暦):986年
刊行時期(元号):雍熙3年(北宋代)
説明:段玉裁のいう「雍熙校刊」、と云う。
参考文献1:『康熙字典』
参考文献2:「大徐本説文反切的音系」(嚴學宭 氏)
参考文献3:「清朝小學史話」(一)(倉石武四郎 氏)
参考文献4:『汲古閣説文訂』(段玉裁 氏)
大徐本の諸刊本
汲古閣本(毛本)
刊刻:毛扆
刊行時期(西暦):1713年
刊行時期(元号):康熙52年(清代)
説明:「汲古閣第五次修改本」。この原本(段玉裁のいう「汲古原本」あるいは「汲古未改本」?)は、清初に毛晉によって刊刻される、という。
朱筠本
刊刻:朱筠
刊行時期(西暦):1773年
刊行時期(元号):乾隆38年(清代)
説明:「説文眞本」。汲古閣本に基づいて刊刻、という。
和刻本
刊行時期(西暦):1826年
刊行時期(元号):文政9年(江戸時代)
説明:底本は汲古閣本、という。
藤花榭本
刊刻:額勒布
刊行時期(西暦):1807年
刊行時期(元号):嘉慶12年(清代)
平津館本(孫本)
刊刻:孫星衍
刊行時期(西暦):1809年
刊行時期(元号):嘉慶14年(清代)
説明:現在入手できるのは、「台湾影印本」(世界書局 刊)、という。
四部叢刊本
説明:「四部叢刊同系影印本」。字の小さい、小字の宋本の一種を収めた影印本、という。
参考文献:「説文展觀餘錄」(倉田淳之助 氏)
一篆一行本
校刻:陳昌治
刊行時期(西暦):1873年
刊行時期(元号):同治12年(清代)
説明:底本は「平津館本(孫本)」。現在入手できる影印本は、中華書局 刊(1963年)のもの、という。
詁林所収本
説明:『説文詁林』に所収されているもの。諸本のうちの平津館本が所収されているかと考えられている、という。

説文長箋
著者:趙宦光
刊行時期:明代
参考文献1:中国漢字紀行 (あじあブックス)阿辻哲次 著 大修館書店  1998年10月(再版発行)pg.158

説文解字』の諸注本

説文解字注(段注)
著者:段玉裁
刊行時期(西暦):1815年
刊行時期(元号):嘉慶20年(清代)
説明:その前段階として、『説文解字』の研究の成果であり、『段注』の「長編」*2でもある『説文解字讀』540巻を作成。
参考文献1:『十三經注疏挍勘記』(著者:阮元 氏)
参考文献2:「段玉裁の学問」(著者:近藤光男 氏)
参考文献3:「説文展觀餘錄」(著者:倉田淳之助 氏)
参考文献4:「考訂段注之属」(著者:林明波 氏)
参考文献5:『明治字典』(刊行時期:1885年(明治18年)〜1888年(明治21年)(未完))*3
参考文献6:「段玉裁『説文解字注』の成立過程について(一)」(著者:高橋由利子 氏)
説文解字注の諸刊本
原刊本(經韵樓本)
説明:一番はじめに段氏の經韵樓で刻した本、という。
説文解字注 原刊本の諸刊本
藝文印書館本
説明:影印本。大版・小版あり、という。
藝文印書館本
説明:影印本。「藝文印書館本」を種本にした一種の海賊版のようなもの。欄外に小篆(および重文)を楷書化して見出しのような形に字を入れている。いわゆる「眞書標眉」本、という。
四部善本新刊本
刊行:漢京文化事業有限公司
説明:廣文書局本の改良版ともいえるもの。篆書を朱にし、上欄の楷書には注音が施されている、という。
上海古籍出版社本
説明:廣文書局本の改良版ともいえるもの。上欄の楷書を明朝体にしてある(注音はない)。清朝時代の避諱の字が直してある、という。

皇清經解本*4
説明:『皇清經解』に所収されているもの(影印本だと第10冊)、という。
保息局本
刊刻:馮桂芬
刊行時期(西暦):1867年
刊行時期(元号):同治6年(清代)
参考文献:段玉裁『説文解字注』保息局刊本の二種の異本について
(著者:高橋由利子 所収文献:『お茶の水女子大学中国文学会報』 Vol.5(19860426) pgs. 99〜106 お茶の水女子大学)
石印本
説明:保息局本に基づいたもので、保息局本の代用として使用でき、『中國學術名著』という叢書に、その石印本を影印したものが所収されている、という。
和刻本
刊行:小畑詩山(行簡)
刊行時期(元号):幕末
説明:刊行されたのは途中までで未完、という。
崇文書局重鑄本
刊行時期(元号):同治年間
説明:原刊本を敷き写ししたもの、という。
四部備要本
説明:平装本・精装本・縮印本とある、という。
國學基本叢書本
説明:經韻樓原刊本*5を影印したものと思われ、薄冊本と、合訂四百種本とがある、という。
世界書局本
説明:
説文解字注の備要書
説文解字詁林
編者:丁福保
説明:説文の諸本および諸文献(説文の校訂書・注釈書なども含む)を集め、それに金文・甲骨文まで含めて、文字ごとに切り貼りして並べたもので、始めは正編と補遺とが別のままに影印されて、同じ字について正編と補遺を見比べなければならなかったのが、最近の影印本はその点が改良されて、「正補合編」本12冊となっている、という。
説文解字段注攷正
著者:馮桂芬
説明:「段注」での様々な用例の出典元をまとめたもの、という。
参考文献:説文解字段注攷正訂補」(倉石武四郎 氏)
説文解字
著者:岡本况齋(保孝)
刊行時期(元号):幕末
説明:「段注」での様々な用例の出典元をまとめたもの(第一篇(上下)と第十五篇のみ)、という。
六書音均表
著者:段玉裁
説文解字音均表
著者:江沅
説明:説文を段玉裁の説に従って、諧声符の順に並べ替えたもの。段玉裁の意向を受けて著した。『六書音均表』の「諧聲表」を拡大したものとも見なせるものである、という。
説文解字音均表の諸刊本
皇聽寛鱚編本
説明:第二部「䍃聲」、第十五部「(米+頁)聲」が脱落している、という。
清代稿本百種彙刊本(原稿本)
説明:
原稿本『説文解字讀』
著者:段玉裁
刊行時期(元号):乾隆41年に開始、乾隆51年に完成。
説明:『説文解字』の研究の成果であり、『段注』の原稿でもある。
参考文献1:「北京図書館蔵段懋堂『説文解字讀』」(抄録・解説:阿辻哲次 氏)
参考文献2:「北京図書館蔵段玉裁『説文解字讀』初探」(著者:阿辻哲次 氏)
参考文献3:「中央研究院歴史語言研究所蔵『段氏説文補正』について」(著者:高橋由利子 氏)
参考文献4:「『段氏説文補正』と『説文解字讀』」(著者:高橋由利子 氏)
説文解字義證
著者:桂馥
説明:まず説文の見出しの字を説明し、次には説解の部分を説明している』、という。
説文通訓定聲
著者:朱駿聲
説明:説文を諧声符中心に並べ替え、文字を音(古音)中心に注を加えたもの。諧声符の部分が共通の文字は共通な意味を持つことを明確にした、という。

説文解字』のための参考文献

『許學考』
著者:黎經誥
刊行時期(元号):永元12年(清代)
説明:説文解字の目録。
『唐本説文與説文舊音』
著者:周祖謨
刊行時期(元号):民國37年
『篆隷萬象名義解題』
著者:弘法大師 空海
説明:『弘法大師全集』所収。
説文解字之傳本」
著者:周祖謨
刊行時期(元号):民国24年
支那文を読む為の漢字典
編訳:田中慶太郎
刊行:研文出版(山本書店出版部)
刊行時期(西暦):1999年
中国字書史の研究 (1979年)
著作:福田襄之介
刊行:明治書院
刊行時期(西暦):1979年
刊行時期(元号):昭和54年
説明:説文解字の解説書。
『訓讀 説文解字注』
編:尾崎雄二郎
刊行:東海大学出版会
刊行時期(西暦):1981年〜
刊行時期(元号):昭和56年〜
説明:説文解字の最も優れた注釈である、段玉裁の説文解字注に詳細な註を附したもの。続刊中。
『白川静著作集〈別巻〉説文新義』
著作:白川静
刊行:平凡社
説文解字叙段注箋釈」
著作:岡村繁
掲載:『久留米大学比較文化研究所紀要』2
刊行時期(西暦):1987年
刊行時期(元号):昭和62年
説明:説文解字の解説。
漢字学―『説文解字』の世界
著作:阿辻哲次
刊行:東海大学出版会
刊行時期(西暦):1985年
刊行時期(元号):昭和60年
説文入門
監修:頼惟勤 編:説文会
刊行:大修館書店
刊行時期(西暦):1983年
刊行時期(元号):昭和58年
説明:このブログの底本・種本。
『「説文解字」と金石学』
著者:阿辻哲次
所収文献:『泉屋博古館紀要』 (1997/03) (通号 13) pgs. 63〜74 泉屋博古館

web上で閲覧できる『説文解字』および諸書

説文解字注(簡体字版GB2312)
説明:中華博物による説文解字段注の画像データベース。「繁体字版Big5」版もあり。
説文解字ー中國哲學書電子化計劃
説明:中國哲學書電子化計劃によるChinese Text Project。
説文解字 序文
説明:詞の玉垣website。
說文解字敘
説明:中華文化網website。
說文解字序
説明:中華文化網website(繁體中文版)。
説文解字注データ(XMLファイル)
説明:漢字データベース計画website。
重刊許氏説文解字五音韻譜十二卷(京都大学人文科学研究所所蔵)
説明:東方學デジタル圖書館ー京都大學 人文科學研究所附屬 漢字情報研究センターwebsite。
教育部異體字字典
説明:中華民國教育部國語推行委員會websiteー部首・画数で漢字を検索すると異体字一覧が表示され、またその文字の『説文解字(大徐本)』・『説文解字注(段注)』等の辞書の説明が参照可能。

説文入門

説文入門

中国漢字紀行 (あじあブックス)

中国漢字紀行 (あじあブックス)

*1:「鈔本」とは、手写本のこと。

*2:ある著作物を制作する際の、大部の原稿・草稿をいう。

*3:大日本スクリーン製造株式会社 連載「タイポグラフィの世界 書体編」の『第7回 無名無冠の種字彫り師』で、簡潔だが言及されている。

*4:『説文入門』では、「清」の字がP.66では旧字の「罅廖P.73では「清」と、表記が異なる。

*5:『説文入門』では、「韵」の字がP.69では「韵」、P.73では「韻」と、表記が異なる。