生きるとは、
- 作者: 小川洋子,河合隼雄
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2011/02/28
- メディア: 文庫
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昨日の夜にいろいろ考える事があって、かなり気持ちが沈んでたんだけどね、この本がそこに置いてあるのが目に入ったから、早めに寝る準備をして読み始めた。
帯にはこう書いてある。
奇跡のように実現した二人の出会い、 そして 最後の対話
最後の対談が行われる前に河合先生が亡くなられたので、この対談は未完となっている。まさに最後の対話です。
面白いな〜。本を読む気分じゃないのに本屋でこの本に出会って、ちょうど心が弱ってる時にこの本を読むことになるとは。うまいことが起こるもんですね(笑)
内容は、小川さんの「博士の愛した数式」を対談の軸として、河合先生の臨床心理士としての体験を交えながら、お互いの物語に対する思いを語り合うというもの。
このタイミングでこの本が読めて良かった。
小川 あまりにも「個」にばっかり執着していると、何か行き詰ってしまうんですね。
河合 そう。「個」というものは、実は無限の広がりを持っているのに、人間は自分の知っている範囲内で個に執着するからね。私はこういう人間だからこうだとか、あれが欲しいとか。「個」というのは、本当はそんな単純なものじゃないのに、そんなところを基にして、限定された中で合理的に考えるからろくなことがないんです。前提が間違っているんですから。
小川 何か大きな流れの中の一部として、自分を捉えるような見方が足りないんですね。