軍事評論家=佐藤守のブログ日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

■軍事を語らずして、日本を語るなかれ!!■

2005-07-23 今朝の産経新聞から

新型レーダー配備記事

日本人の国際感覚は,小、中学校で教え込まれた「地図」が悪影響を及ぼしている!と言うのが私の持論であったし今でもそう感じている.

外務省に出向していたころ,私は「米ソ間の戦略兵器制限交渉(SALT)」の主担当であったが,当時米ソ間で問題になっていたのは、戦略核兵器の3本柱である,ICBM、SLBM.重爆撃機の数の制限であった.ところが一般的にこれら戦略兵器が,どのように運用され,どこが重点となるかに付いては,殆どの「軍事評論家」達が認識していなかった.ひどい評論家になると,米ソ核戦争が始まると,我国上空を双方のICBMが飛び交う,とテレビで解説するお粗末ぶりで,私はあっけに取られたものである.これを私は「メルカトル症候群」と名づけていた.彼らは地球が「丸い」ことを忘れているのである.当時,ICBMは、モスクワ・ワシントン間を30分弱で飛ぶとされていたが,何もわざわざ東京経由で飛ばせる馬鹿はいない.双方共に北極海経由で短時間のうちに攻撃,又は反撃する。当時米国はアラスカ,カナダを中心に早期警戒レーダー網を設置していたし,ソ連も北極海を重視していた.これは今でも変わらないが,人工衛星で監視しているので様相は大きく変わってはいる.その原理が日本人には分からないから,SALT交渉のたびに右往左往する.ソ連の新型爆撃機「バックファイアー」が,戦略爆撃機なのか,戦術爆撃機なのかについても,航続距離が8000Kmだから「戦略」爆撃機であるとする米国側の主張に対して,ソ連はそれほど飛べないからそうではない,と反論する.勿論米国は友邦NATOの安全を考慮して制限しようとするのだから,当然ソ連はそれに反発する.その駆け引きを巡る検討会で「バックファイアーは空中給油するとワシントンまで届くから米国が言うように戦略爆撃機のカテゴリーに入る」という者が、政治家や官僚,評論家の中にいたが、彼等などは典型的な「メルカトル症候群患者」であった.

ソ連の爆撃機に「給油」するための空中給油機は,そのためには米本土上空で待機する事になるが,そんな事が戦時に通用するだろうか?

このような「患者」達は,一度地球儀をしっかり見つめて欲しい、と私は図面を掲げて解説して周ったもので、私の著書「国際軍事関係論」にも充分解説したおいたが,ここではパソコン未熟で地図が書きこめないので残念である。しかし,今日の産経新聞が記事の解説に用いた地図は,私の持論が漸く認められた様で極めて嬉しい.この図に書かれているように,中国のICBMはほぼ日本上空を経由することなく,米国へ飛ぶのである.北朝鮮が開発中?の長距離テポドンも,ほぼこれと同様な航跡を描くから,米国が必死になってMD配備を急いでいる理由が理解できるであろう.

私は,米・中・ソ3国が,核戦争をする事は有り得ない!と言う大胆な説を唱えてきたが,この地図「ポーラ・プロジェクション」を見れば一目瞭然であろう.仮に米国が「ソ連相手」にICBM発射を決意しても,その延長線上にある中国が納得するまい.仮に「中国」相手に発射するにしても,果たしてソ連が米国のICBMが上空を「団体」で通過する事を納得するだろうか?

「相手は中国だ、と言うが本当は俺ではないか?俺を騙す気だ!」と受け取るのが国際関係である.

日本人が,世界に通用する「国際常識」を身につけるためには,学校で幼い頃から子供達に「地球儀」を徹底的に頭に叩き込ませる事が重要である.堕落した日教組の「エロ事師」と弱体な文部科学省の役人は、ジェンダーフリーと言う,極めつけの「エロ授業」を速やかに廃止して,子供達にじっくりと地球儀を眺めさせる時間を取り入れるべきであろう.

今朝の産経新聞は,極めて有意義な問題点を提供してくれた,と感謝したい.




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