軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

民主丸“浸水!”沈没か?

 わが国周辺では緊張が高まっているにもかかわらず、気にも留めない政府部内の動きはまさに「沈没寸前」の状態である。
以前、政権交代を狙った民主党のTV・PRに、難破寸前の「民主丸」船上で翻弄される鳩山、小沢、菅のお三方が、ぬれねずみになりながら手を取り合って立て直すシーンが話題になったことがあったが、私はこの「民主丸の難破シーン」はこの党の実態を表した“象徴的”なものだと受け取り、このシナリオライターとディレクターは「民主丸」の実態をよく見抜いているな〜と感心したものである。


腐敗した自民・公明政権に嫌気がさした有権者の気の迷いからタナボタで政権をとったものの、やはりシナリオライターの見通し通り、1年もしないうちから民主丸の浸水が始まった。TV・PRのように、いまやお三方が手を握ることもあるまいから沈没は近いというべきだろう。
私は年内に沈没するだろうと予測していたから、それにしてはよく持った方である。野党の「予算編成」支援というミス行為がなかったら、もっと早く沈没していたろうに…


それはともかく、そんな見苦しい「国民不在の内ゲバ」に付き合わされている国民はたまったものじゃない。メディアは「海老蔵事件」と「政界混乱ニュース」を無責任に論評していれば、ボーナスもたんまり出ることだろうからいいだろうが、実生活がかかった国民としては早く交代してもらわねば一家心中せねばならない!
もっと情けないことは、こんな内ゲバに時間を費やしている間に我が国の国益がどんどん失われていっていることである。昨年の「政権交代」から一年経過して、失われたものは取り返しがつかないことだろう。隣の国は「文化大革命」で“10年失った”が、さてわが国は…?

今朝の産経は「制御不能の一兵卒」「茶番」「政権末期空洞化あらわ」などと酷評しているが、笑いごとじゃなかろうと思う。


ところで、2010年もはや残すところ2週間余、ロシア副首相が国後島に「不法入国」し、そのロシアでは「クレムリン前で“暴動”」が起きている。
イギリスでは学費値上げに抗議する“学生たち?”が、皇太子の車を襲撃、スウェーデンでも北欧で初めてのイスラム系?による自爆テロが起き、バングラディッシュでも数千人規模の賃上げ暴動が起きた。中国国内では土地を奪われた人民や農民たちが、暴動まがいの抗議活動を繰り広げている。韓国と北朝鮮はご承知の通り緊張は解けていない。
世界は異常気象も加わって爆発寸前かのように見える。


そこで思い出すのは以前岡崎研で日中安保対話を継続していた頃、私は「2008年危機説」を唱えていたが、仲間の経済専門家から「『経済危機→利下げ→バブル→崩壊』の循環論」を提示されて感銘を受けたことがある。以前書いたかと思うが、彼の論はこうであった。

1、1987年→1989年=日本のバブル
       →1990年に崩壊→1991年湾岸戦争勃発

2、1997年→1999年=米国のITバブル
       →2000年に崩壊→2001年に9・11テロ勃発

3、2007年→2009年=アジア(中国?)のバブル
       →2010年に崩壊??→2011年に中台紛争???

お気づきのように、10年ごとにバブルが起き、1年後に崩壊し、その1年後に「事変」が起きている。

私は2010年の上海万博のバブル?終了後1年の2011年に中国が台湾を併合する何らかの動きに出るのではないか?と用心したのだが、中国国内でチベットウイグルなどの国内暴動が発生し、世界経済恐慌が起きた。

2012年は中国はじめ世界各国の政治指導者交代時期を迎える。北朝鮮も3代目の世襲で焦っている。とにかく何が起きてもおかしくない「2012年危機」を控えた状況の中、わが政府は次元の低い「茶番」劇と「政権末期空洞化あらわ」な状態、国家安全保障確保と国民の生命財産を守る危機管理意識の欠如は村山政権と変わらない。あきれたアマチュア政権である。

万一、2011〜12年に「事変」が生起したら、備えがない我が国はひとたまりもないだろうが、おそらくその責任はだれも取らないに違いない。

その場合は、被害者になるであろう国民の一人一人が、しっかりと「犯人」を認識しておき、「戦後に“戦犯”」として裁く必要があるだろう。


船の沈没は船から「ネズミたち」が逃げ出すことが徴候だという。浸水が始まった「民主丸」でもかなりのネズミたちが脱出の機会を窺っているようだから、沈没は意外と速いのではないか?と思った次第。

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