軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

半島も大陸も大混乱!


≪沈没現場=産経から≫

セウォル号」(6825トン)沈没事件で新聞・TVは大騒ぎだが、この船は沖縄時代にAラインのフェリーとして那覇港でよく見かけた船だった。
その後韓国に売却されたそうだが、韓国はそれを改造して、定員を804人から921人に増加し、細分化された客室が大部屋に改造されたため、総トン数も800トン増えていたという。(産経)
中学生でもわかることだが、重心が上に移動すれば、少しの動きで船は転覆しやすくなる。

≪産経から≫


この図から分かることは、車両とコンテナなどの搭載量が少なければ、明らかに重心は上部に移動するので転覆し易くなることである。
急に舵を切ったと言う説もあるが、この状態では傾いたら最後、舵面は海上に露出するからほとんど修正効果はなかろう。それよりも搭載車両と積載物をしっかり固定していたかどうか疑問だ。どこかに手抜きがあれば、軽い衝撃でワイヤーなどが切れ、重量物が移動するから、それが全体に拡大して雪崩現象を起こし船体が傾くことは避けられない。高速道上でトラック転覆事故などに見られるいわゆる“荷崩れ現象”だ。


“アジアの先進国”の韓国の海運業だから「まさか…」とは思うが、寝ていた船長はただちに脱出し、乗組員は乗客には「動くな」と指示しておいて脱出して助かっているそうだから、海運業に疎い「半島国家」。多分、積載物の固縛に手抜きがあったのではないか?
航空機も重心の移動には細心の注意を払うもので、燃料タンクもバランスが取れるよう消費するように設計されている。
船は大型になればなるほどその威容に圧倒されて重量計算が疎かになりやすい傾向があるが、それを確実にやるのが乗組員の責務だ。
乗客をほったらかして逃げて助かったイタリアの豪華客船船長の様に、今回も乗組員たちが弛みきっていたような気がしてならない。
その上、“あの”反日大統領らしく、救助を申し出ている近隣諸国の申し出に一切応じないらしいから、犠牲者の家族は浮かばれまい。
だから私は「“従軍”慰安婦以外にやることはないのですか?」と彼女に忠告していたのだが…


それとも産経が書いたように、中国本土よりわずか480キロの済州島韓国海軍基地は、中国に海路運び込まれるエネルギーの8割が通る海上交通路に当たるから、米国は有事の際、この航路を扼す要衝の島に基地を造営する韓国の計画を、強く支持したといわれる。
その「最前線の米海軍基地」が「最前線の中国海軍基地」と化す恐れなしとしない。習主席は、今回の事故にただちにお見舞い電報を打ったが、勘ぐればやはり狙っているのかも…


そんなことよりも、ウクライナ情勢の方が、極めて緊要である。クリミヤ半島を“合法的”に取り込んだロシアは、東部ウクライナ地方のロシア系住民を焚きつけて“反乱”を起こさせており、鎮圧しようとしたウクライナ軍の動きを危険だと警告した。
米国は16日、「新たな対露制裁を導入する準備を整えた」とロシアを牽制したが、プーチン大統領は「東部の住民らは広範な自治権が付与される連邦制の導入を主張している」として、暫定政権に対して「席に着いて解決策を話し合うべきだ」と発言したが、「露上院が認めた軍事介入の権限を行使しないで済むことを強く望む」と、実にうまい表現で米国やEUを牽制した。
米国の警告よりも、ロシアの警告の方がはるかに現実味を帯びている。米国の対ロ牽制は実に下手だ。オバマ大統領が軍事力行使をためらった以上、どんなに「対ロ制裁」をちらつかせても口だけ番長、すでに効果はないからだ。
遠くない将来、ウクライナは内戦状態に陥るだろう。
エネルギー源をロシアに抑えられているEUは、ドイツを筆頭に拱手傍観する以外になかろう。

軍事力行使に自信がないウクライナとわが国の状況は同じレベルにあるから、わが国の政治家や外交官らは事の成り行きを注目しておくべきだ。エネルギー源をはるか中東に依存しているという点でも、わが国もEU程度の行動しかとれないことも知っておくべきである。



にもかかわらず国内では、STAP細胞の論文ミスの方が大ニュースで、それも今回の責任者、笹井教授の会見で、更に何とも情けない理研の実態が浮かび上がってきた。
≪3時間以上にわたって行われた理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの笹井芳樹・副センター長(52)の会見。STAP細胞の存在に自信を見せつつも、不正とされた画像や実験ノートを見ていないなど、釈明する場面も目立った(産経)≫が、これについては同じ記事にある「研究不正に詳しい東大医科学研究所の上昌広特任教授」の意見がすべてを物語っているといえる。

≪会見の始めに、笹井芳樹氏が「私が参加した時点で実験やデータ分析は終了しており、私の役割は論文の仕上げだった」「論文の文章を俯瞰(ふかん)する立場だった」などと語ったことに言葉を失った。会見は完全に失敗だった。「私は翻訳家です」と堂々と宣言したようなものだ≫

≪記者会見する笹井教授=産経から≫


軍隊という組織で上官がこんな態度をとれば、兵士は誰もついてはいかないだろう。特攻隊出撃時に「私も後から行く」と言った将軍閣下もいたが、終戦になった途端、「国家に尽くすのに死ぬだけが道ではない」とか何とか言って長生きした方もいた。
一朝有事になると「正直な人柄」が出るものである。理研という研究機関は生死をかけた軍隊とは違うから私にはわからないが…
いずれにせよ、STAP細胞の存在の有無を、研究所一丸となって解明する方が先決じゃないのか?


ところで一番気がかりなのは、中国の国内情勢である。
4月10日、大紀元日本は、香港「争鳴」誌4月号が、中国共産党中央政治局常務委員会のブレーンが3月に政治局に提出した研究報告で、習近平政権は「前世紀70年代末以来」の深刻で険しい状況に置かれていると警告したことを報じた、と伝えている。


≪同報告書によると、習政権は政治、経済、社会、外交などの分野において、12の挑戦に直面している。「党内旧来の意識や勢力が左から、または、右から、影響を及ぼしている」「正常でない形で形成された経済力をもつ利益集団が、経済資本を用いて、中央の政策決定と政策に妨害や影響を及ぼしている」「20数年にわたって、政治や経済、社会民主、道徳文化において手付かずにした問題を解決する必要がある」などが含まれる。

この7万字におよぶ研究報告は中央政治局委員で中央政策研究室主任の王滬寧氏が主導したもので、政治、経済、金融社会、国際という4つの研究チームに分かれて、調査研究が行われた。昨年11月から始動し、70数回の座談会を繰り返したという。

習氏が2月7日、ロシアのソチで現地テレビ局のインタビューを受けた際も、中国の改革は「難しい領域に入った」「おいしい肉の部分は食べ終わり、残りは噛み切るのが難しい硬い骨の部分だ」と述べた。

この論調は、共産党中央で議論を引き起こしたと争鳴誌は明らかにしている。江沢民氏は「この論点に関して統一した認識はあるのか。『硬い骨』とは何か」と内部資料に不満を述べ、これに対し、胡錦濤氏は「退任した元党と行政の指導者は反省し、原因を探すのが果たすべき責任だ」とコメント。両者と習政権との関係性の違いが露見した。

争鳴誌は、最高指導部の1人で政治局常務委員の張徳江氏が政権内で習氏と対立していることも明らかにしている。1月に党内で設立され、習氏をトップとする国家安全委員会は本来、3月の全人代の審議を経て行政部門としても起動する予定だったが、全人代常務委員会委員長でもある張氏が拒んで行わなかったと同報道は伝えた。この険しい状況は文化大革命が終了した70年代後半にも匹敵するという≫


今や明らかに、習近平政権と、江沢民胡錦濤派が対立して血みどろな戦いを進めているように見える。


薄キライと周永興と同様、汚職まみれの軍の高官らも次々に収監されていると言うが、習派が勝つか、それとも江・胡連合軍?が勝つか、現代版三国志の始まりらしい。
習近平は、13歳から23歳という人間修養の一番大切な時期に文化大革命によって青少年期を無為に過ごしている。その上栄養失調だったし、母親からも“ワル”として遠ざけされたという噂さえある。
だからドイツで毛沢東以降、誰も言わなかった≪南京虐殺30万人≫などと発言したのは、いかに歴史を知らないか、知識がないかという証拠だが、彼はギャング映画と戦争映画が大好きで、文革後精華大に入ったものの、当時の精華大は文革前の中学以下のレベルであり、米国に亡命した学者の性格分析によると、彼の性格はヒトラーよりも悪いと言う。


従って自分の地位が不利になれば「核戦争」さえ起こしかねないというのだが、それは毛沢東から胡錦濤までの歴代指導者は、国際的な場では“一応”「核兵器は防御用」であり「先制不使用」だと唱えていたが、習近平だけは不使用宣言をしていないことからわかると言う。
そういえば毎月と言っていいほど彼は軍隊を歴訪しているが、単なる高官の汚職防止やクーデター防止の訓示のためだけではなさそうだ。


現代版「三国誌」が始まっているという根拠は「1987年に失脚した中国共産党の改革派指導者、胡耀邦元総書記の死去から25年の記念日にあたる4月15日、中国のインターネットに改革派知識人らの追悼文が相次いで書き込まれたが、共産党機関紙、人民日報や中国国営新華社通信などの官製メディアも胡氏の命日のことを黙殺した(産経)」こと。
並びに胡錦濤・前国家主席が11日、湖南省胡耀邦氏の生家を訪ねて献花し、波紋を広げたから、「改革派の反撃が始まったのか」と期待する声もあった(産経)」といい、「胡錦濤氏は湖南省トップの徐守盛党委書記らと一緒に胡耀邦氏の生家にある記念館を訪れ、記念館中央の銅像に深々と一礼し、陳列されている写真と資料をゆっくりと見学した。約1時間滞在したが、ほとんど何も話さなかったという(香港紙「蘋果日報」)。
「引退後、ほとんど表に出なくなった胡錦濤氏が胡耀邦氏の生家を訪ねたことには政治的なメッセージが込められているとみられる(産経)」という記事が裏付けている。

 胡耀邦氏は現役時代、官僚の汚職に厳しく対応し、毛沢東の独裁的政治手法に批判的だったが、その胡耀邦宅を、胡錦濤が訪問し、胡耀邦氏の三男が訪日して安倍首相と会談した事実が何を意味するか。

≪訪日した胡徳平氏=産経から≫

STAP細胞問題や、「セウォル号」沈没問題で、右往左往している暇はない、とメディアは悟るべきじゃないか?

気分直しに今朝の産経から、曽野綾子女史の「透明な歳月の光=桜と善意」をご紹介しておこう。
日本人には、やはり『さくら』がふさわしい。

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