軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

信賞必罰!

小池都知事は、豊洲の盛り土変更問題で、都の責任者8人を割り出した。平成23年8月18日の部課長会で変更していたという。
にもかかわらず今までその事実がすぐに判明しなかったことが奇妙だ。いかに都政が今まで「な〜な〜」といういい加減な活動をしていたかを示すものだろう。
盛り土問題は、豊洲市場の安全性を確保するための重要な決定事項だったにもかかわらず、“誰かの指示か判断”で、勝手に変更したのだから、約束違反であるとともに都民の安全無視も甚だしい。
当時の担当者は上司から「土壌汚染が発生したら掘り返して浄化するスペースが必要」などと指示されたという。という事はその上司も、汚染対策が十分ではないことを察知していた証拠である。
当時部長だった宮良氏は会議で「モニタリング空間をつくらないのはだめだといっただけ」だそうだが、ほかの出席者からは「汚染が出たら掘削除去しに行く準備をしていこう」と力強い発言があったというから、関係者は皆土壌汚染対策が不備なことを知っていた“確信犯”に相当する。
担当者の一部には「日本でだれもやったことのない土壌汚染対策工事を短期間に仕上げたプロジェクトX」だと思って取り組んだというから、誰も土壌汚染が完璧にできると思っていなかった証拠である。


其の昔、大騒動になって多くの犠牲者を出した『水俣病』の教訓は全く生かされなかったのである。こんな程度の担当者に都民は税金を払って命を預けているのだと思うとやり切れない。
この問題は根が深いから、第2、第3の「あっと驚くため五郎」が出てくるのだろう…。
小池知事には「“しがらみ”で動けないだらしない男どもにはできない」勇気ある行動を継続してほしいものだ。


今や世界は大変動期にさしかかっているのであって、世界中で既存の手法では対応できなくなっているのだ。そのいい例が英国のEU離脱であり、米国大統領選挙である。

今朝の時点ではオクトーバー・サプライズの効果か、トランプ氏が1ポイントリードに転じたらしいが、米国民の大半は、既成の一部特権階級による“隠ぺい”政治に飽き飽きしているのであり、その先頭に立って“うまい汁”を吸い続けてきた政治家らに反発しているのである。
19世紀にロシア革命で、残酷無比な不満分子のゴルシェビキが王政を倒して「労働者よ団結せよ」と庶民をだまして共産主義を打ち立て、世界中の青年らが一時的にかぶれたように「人民の不満」を十分に認識してまつりごとを行わぬ為政者は消え去る運命にあるのだろう。

19世紀に起きた変革が21世紀で繰り返されているのだといえるのかもしれない。しかしこの共産革命は人類にとって大失敗であり悲劇だったのだからその轍は2度とは踏んではならないだろう。
“革命”で一時的に政権を奪取して世の中を意のままに動かす快感を覚えた指導者が、自らが打ち倒した為政者に近づくから、初心を忘れるのである。

シナを見るがよい。農民のリーダーとして革命を唱えた毛沢東は政権を奪取したが、やがて甘い密におぼれ、初心を忘れ、倒した相手以下の指導者に落ちぶれたのだ。

高度経済成長を遂げたシナは、今や農民の生活保護などどうでもよく、己たちの利益と特権確保に汲々としているではないか。これじゃ先は長くなかろう。
米国大統領選と同様、やがて人民の反乱が起きて政権は崩壊するに違いない。ソ連が崩壊した時のように…


米国や中国がどうであれ、わが日本国だけはそうなってほしくはないのだが、“唯一”東京都民は一部目を覚ましたが、他の都市ではいまだに眠りこけている。
政治があまりにもレベルが低すぎるのである。
その程度の低レベルな候補者でも議員になれば、メディアにちやほやされて、うまい汁を吸い権力を持ったと錯覚する。
問題が起きなかった間はいい生活が送れて満足で気が付かなかったのだろうが、実はみんな裸の王様だったことが今回の小池改革で表面に浮き出たから有権者が知ってしまったのである。


軍事もそうだ。
平時の指揮官は「政治家か官僚」タイプでも勤まるが、いったん事が起きると“挫折体験のない”エリートほど役に立たない指揮官はないものだ。
官僚だったらまだ許せるが軍隊ではそうはいかない。
命令次第では部下の命が直接失われるからだ。それを『一将功成りて万骨枯れる』と詠んで昔の軍人たちは己を戒めた。


今回の豊洲問題で浮き彫りになったのは、まず組織に「指揮官が不在」であり、「命令系統がバラバラ」であり、「だれも責任を取る者がいなかった」ことである。
平時だったからまだ隠し通せたのだが、砲弾が炸裂する戦時下だったら、都民は全員戦死していたことだろう。東京大空襲の時のように…。


話は変わるが、隣国のシナでは、自分らを支えて政権を取らせてくれた農民(日本で言えば有権者とでもいうべきか)の苦しみなどそっちのけで、軍事強国を目指してまっしぐらのようだ。
今朝の産経に“最新鋭ステルス機”が公開されたという記事が出ていた。

中国航空工業集団幹部は、「中国の総合作戦能力をさらに向上させる」といったそうだが、問題は解放軍指揮官の“作戦指揮能力”にかかっている。技術者とってはきっと立派な作品なのだろうが「絵に描いた餅」「猫に小判」の例えもある。


≪10月23日の軍事新聞に出た事故の記事≫


10月22日、殲7A戦闘爆撃機江西省柳州市の繁華街に落ち、2名のパイロットは無事だったが地上被害は不明だという。
元々ソ連製のMIG21がベースになった古い機体だから、海軍の殲8同様「よく墜落した」と記事にはある。


次は空母だが、党は「空母建造の加速化を決定」し2隻の新空母を年内にも試験航海させる気らしい。


≪博訊紙9月9日発表≫

国産空母の第1号で、今年末までに甲板上の艦橋を縮小するという。戦闘機の着艦時の面積確保のためだというから、艦橋が邪魔になったのだろう。しかし艦橋を縮小しても目標探知能力は、遼寧号より優れているとか。



≪大連で建造中の「山東号」≫

来年初めころまでには進水するとか。中国空母建造情報は玉石混交だが、その中に「西側情報機関が意図的に流している」ものもあるらしい。
情報では国産空母は2013年と2014年から大連と上海の造船所で建造が開始されていた。
今回軍事委員会と国務院は、建造を急ぐように指示し、2019年10月の政権樹立70周年までには少なくとも1隻を完成させこれを「山東号」と命名することにしている。
もう1隻は「江蘇号」と命名し、進水と試験航海を行った後は、直ちに別の2隻の建造に着手するらしい。艦名は「海南号」と「北京号」らしいから、その意図は明々白々だろう。
中には「海南号」にしたら、地名を知らない国もあるのでは?という変更意見もあるらしいから、いっそのこと「南シナ海号」とすればいいのに…。
どうも国際仲裁裁判所の裁定が公表された途端、習近平主席が建造を急がせたという情報もある。それにしても経済悪化のまっ最中である。山東号と江蘇号の建造費は、当初176億元と見積もられていたが、その後のインフレもあって、最終的には200億元になると見積もられている。
3,4番艦の建造費がいったいいくらになるのか知らないが、東京五輪でも会場建設費用が3兆円に膨らんで、都知事が削減を決めた例があるから、多分建造不能になるのじゃなかろうか?

ただ気になるのは、艦載機の発艦方式が米国のような蒸気式ではなく、電磁式になる事だ。射出実験には成功しているというが、電磁カタパルト方式は米海軍でもジェラルド・フォード号に装備される予定で研究中のものだから、シナの技術革新には油断できない。
電磁式カタパルトの原理はリニア・モーターカーの原理と同じだから、案外JR関係から技術を入手しているのかもしれない??日本はスパう天国だから…。


≪中国は、ウォームギヤ発動機の研究で、新技術を開発した!=インターネットから≫

これら一連の画像はハルピンの軍企汽輪会社(軍事企業)が製造したもので、20MWのものから30MWのガスタービンの製造に成功したという。
5年内に生産に入り、100億元の収益目標を立てている、というが、このタービン開発の裏にも、何か裏がありそうな気がする。マサカ日本人技師が手伝っているのじゃなかろうが…。

いずれにせよ、経済混迷、権力闘争激化の中でも、シナは自国のテリトリーを拡大する努力を忘れていないことだけは確かである。
油断大敵な時期なのだが、わが政治家らにはなんとなくマンネリ「退嬰の兆し」が伺えていつの間にか憲法改正も話題にならなくなってしまった…。
亡国の予感がするのは私だけか。

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