CEDEC2009堀井雄二の基調講演聴いてきた
先日はCEDECで講師役なんてのをやってきましたが、本日はCEDECにてドラクエでお馴染みの堀井雄二さんの基調講演を聴いてきました。
話の流れの通りには行かないかも知れませんが、要点を箇条書きでまとめてみます。
ちなみに、堀井雄二さんだけではなく、プロデューサー市村隆太郎さん、ディレクター藤澤仁さんでのトーク形式でした。
■ドラゴンクエストが目指してきたもの
- 堀井雄二さんはそもそもゲームが好きで、ウルティマなどで遊んでいた。そんなとき、ファミコンでRPGを作ってみようということになり構想を始めた。
- 当初はROM容量も小さく、64KBに納める必要があった。
- 1文字は6ビット、道具は3ビットなどかなり切り詰めて作る必要があった。
- 「出来るだけ分かりやすく」という点を非常こだわって作った。
- マニュアルを読まなくても遊べるように。
- 特に導入部には気を遣っており、基本的な操作を町の人などが教えてくれる。
→挫折者を作ってはいけない。離れたユーザはもう戻らない。
- プレーヤを能動的にさせるように細工をした。
- 能動的になったとき、ユーザは達成感を味わえる、楽しいと感じる。
- 約50時間くらいのプレイ時間を想定しており、「誰にもヒントを聴かないでもクリアできるもの」を目指した。
- ドラクエIIXまではハードが次々に進化していき表現力が増したが、IXは違う。
- 「どうぐや」は馴染んでしまっているが、そんなお店は世の中にはない。
- わかりやすさを追求したらこういう名前になった。言葉選びには非常に気を遣った。
- 堀井雄二「ファジーさが大事」
■ドラゴンクエストIXについて
- ドラクエIXが成功したかはまだ分からない。以下、販売本数の経緯。
販売本数 | |
---|---|
ドラゴンクエストI | 150万本 |
ドラゴンクエストII | 240万本 |
ドラゴンクエストIII | 380万本 |
ドラゴンクエストIV | 310万本 |
ドラゴンクエストV | 280万本 |
ドラゴンクエストVI | 320万本 |
ドラゴンクエストVII | 410万本 |
ドラゴンクエストVIII | 470万本 |
ドラゴンクエストIX | 370万本〜 |
- DSにターゲットを移し、DSらしいドラクエをめざした。DSといえば携帯性、マルチプレイ、すれ違い通信。
- 「エンディング後も遊べるもの」
- エンディング後にも何かがある事を表現した。
- どこまでも強くなれるというモチベーションを高めるための要素を入れた。
- 「一度離れてもまたやりたくなる」
- 「みんなで攻略できるゲームデザイン」
- 「人に話したくなるゲームデザイン」
- 着せ替えなどで他のユーザとの差別化。
- 宝の地図などの要素。
- スタートダッシュ型のゲームから、後半はロングラン型のゲームに進化する。
- 今回の試みの心配点
- シリーズゲームでありながら新しいプレイスタイルをこれまでのユーザに理解してもらえるか。
- 丁寧にフォローをするようにした。結論として多くのユーザに受け入れられており、やって良かったと確信している。
- 今回、堀井雄二さんはメインの開発には携わっておらず監修役。
- 近日中にセーブデータをアップロードするサービスが始まる。
- 堀井雄二「ドラクエはゆるいゲーム。テレビを観ながらでも出来る。DSは携帯できるのも良い。」
- 堀井雄二「ドラクエは漫画家で言えばマニアックになってしまった手塚治虫ではなく藤子不二雄になっていきたい。」
- 堀井雄二「ずっとドラクエ8のような画にしたいと夢見ていた。実現できた。」
- いろいろな統計データを携帯サイトで観られるようになる。
- ブームは日々変化する。現在は携帯機が流行っているが、ここで据え置き機をやれば新鮮みを感じるはず。
- →ドラクエXは据え置き機で発売?
個人的な感想となりますが、非常に聞きやすい講演内容で楽しんで聴く事が出来ました。
SATOXはドラクエIからやっていますが、当初の絶妙な数値バランスは近年の複雑なシステムのドラクエではちょっと崩壊気味でちょっと残念と感じています。最初からパーティプレイで職業を選べたりなんかするとバランスを取るのはそもそも難しいですけどね。
最初のスライム退治でちょっと欲張るとすぐ死んでしまうようなバランスがたまらなく好きだなぁ。「たけざお」からお金を貯めて「こんぼう」にして、スライムベスがちょっと楽に倒せたりして(笑)。