上甑島へ

 博物館の人が上甑島へ調査に行くというので参戦.上甑には大規模な礫州があり,しかもあまり人の手が入っていないという.それは楽しみ.
 早朝の飛行機にのるために5時台に家を出る.こんな時間に淡路島を出る公共交通機関はないので,やむを得ず自家用車.伊丹空港に2泊3日駐車する.往路の機材はB737-800.通路側.カメラを用意していないこんなときにかぎって視程がばつぐんで,剣山とか石鎚山とか霧島山とかがすごくよかった.レンタカー(フィット)を借りて串木野新港へ.レンタカーをデポして,フェリーこしきで東シナ海に漕ぎだし上甑島の里港へ.船体にカノコユリの絵がかかれたかわいいフェリー.トンボロの上に形成された集落,里村の港に到着.上陸して島のレンタカー(パッソ)を借り,調査地へ.道中,民家の形をみてみると,沖縄の民家とおなじように平屋で寄せ棟でひさしが低く塀が高い.台風への対応だろう.海岸の多くが礫浜で,しかも礫の径が大きい.そのことを反映して,民家の石垣は楕円の礫をくみあげたもの.これもおもしろい.
 島の北端には4つのラグーンがある.里村の集落に近い方から,須口池(すぐち池),鍬崎池(かざきいけ),貝池(かいいけ),海鼠池(なまこいけ)の順にならぶ.
 展望台から鍬崎池,貝池,海鼠池をながめる.なんという絶景.鍬崎池から白い鳥がとんできた.サギかと思ったが飛び方や身体のバランスがちがう.双眼鏡でみてみたらクロツラヘラサギだ.感動.この日は主に貝池の湖畔や周辺の礫州でいろいろな植物・植生を見る.夕方5時すぎてもまだ明るくて調査ができる.さすが東経129度.
 宿に帰ったあとは深夜まで植物標本の整理.里村の酒造会社がつくる島の芋焼酎「六代目百合」がすごくおいしい.お酒の味の分からない僕にもおいしいと感じられるお酒.

初日のごはん

 串木野ではまぐろラーメンを売り出しているらしい.あっさりしつつも動物的なこくのあるスープで,鶏ガラと魚の合わせ出汁かと思ったけど,あとから調べたらマグロ出汁らしい.すごいなマグロ.トッピングにもマグロの漬け.スープの熱で,食べてる間にどんどん熱がとおる.わさびを溶きつつ食べるのが斬新.わさびとラーメンが合う.

 調査を終えて里村にもどる.夕食は漁り火という居酒屋へ.看板もなにもでてなくて,どこにあるのかわからんかった.お任せメニューで,キビナゴの刺身や塩焼きや薩摩揚げを堪能.