何を聴いても何も思わない。

最近全く音楽を聴かなくなってしまいました。去年1年間でたぶん、CD10枚も買ってないと思う。これはヒドい有様です。別に私、特別なモノを聴いてきたわけじゃないんだけど、コドモの頃からピアノ10年習いお年頃の頃はバンドもやり大学時代にはPAもかじり結構な音楽環境にはいたと思うのです。それがまあどうしたことでしょう。最近の流行りモノをラジオなんかで聴いても、何も感じないんです。例えばクレイジーケンバンドも「GT」以降のアルバムは何かしっくりこないし、アルバム全部買ってた椎名林檎も結局東京事変は買ってないし、王菲もここ2年くらいダメな気がする(あくまでもわたくし的に、というだけですが)。音楽に不感症なのはどうすれば治るんでしょうか。
ちなみにタイトルは「何を見ても何かを思い出す」という、古舘伊知郎さんのトーキングブルースの2000年度の題名から。ヘミングウェイの短編のタイトルなんですね。初めて知った。

 何を見ても何もかもプロレスに見えてしまう。

でそこから派生して、何か自分の知らないモノについて教えて貰うときにいつもプロレスに置き換えてもらわないとわかんなくなっているのですよ。これマズいですね。先日も「BEASTIE BOYSが武道館でライブやった」ていう話をしている時、さすがに私だってビースティくらいわかるゼと思って会話してたら途中でFatboy Slimとごっちゃにしていることに気づき、「あ、アタシファットボーイと区別つかなくなってた」と告白したらドン引きされました。でそこからの会話。
連れ「ビースティとファットボーイじゃぜんっぜん違うから」
アタシ「じゃ例えば長州力泉州力みたいな違い?」
連れ「そういうことじゃないから。桜井マッハ速人とこないだ生ゴンにゲストに来てた、田口隆祐選手? それくらい違う」
アタシ「え、それ全然違うじゃん!そもそもジャンル違うし!」
連れ「そうだよ。だって片方ヒップホップで片方テクノだよ。マッハvs田口とかそうそう実現しないのと同じくらい違うんだから」
この例えが正しいのかどうかわからないんですが凄く違うことはわかりました。

 美しい表現者になるために。

こんなことではやはりいけないと決心し、尊敬する美しい女性アーチストの作品を買うてまいりました。

おめでとう (新潮文庫)

おめでとう (新潮文庫)

大好きな川上弘美の短編集を。この人の文体が好きです。見た目も美しいのでなお好きです。

王菲フェイ・ウォン)の2003年末の香港コロシアムでのライブDVD。元はといえば「恋する惑星」ですが、この人の歌声が、伸びやかな手足が、しっかりした生き方が好きです。アタシと生まれが3日しか違わないんです。はあ。
追伸: フェイのDVD見ました。楽曲は素晴らしい、歌も素晴らしい、Made in HongKongなのでいきなり中国語の「警告」が延々と出てこようが日本語字幕がなかろうが無問題、だけんど、相変わらずフェイのメイクがアヴァンギャルド過ぎてちょっと引いた。
なんだこれは・・・? 一瞬「目を閉じてもまぶたに目がかいてある」っていう古典芸かと思いました。