2015.9.7 ,7時NHK全国ニュース
東塔 薬師寺
大山明彦 奈良教育大学
えんじ
昆虫の分泌液

来年の夏から建て始める。
ーー
http://www.nara-edu.ac.jp/event/university/25kaigakiroku_tenrankai.html

http://www.h7.dion.ne.jp/~iba/enogu.htm

 顕色材は、鉱物および動植物から作る顔料が使われました。

鉱物からは、
赤として辰砂(しんしゃ・硫化水銀)や弁柄(べんがら・酸化鉄)、
黄は石黄(せきおう・硫化砒素)や黄土(おうど・水酸化鉄)、
緑は岩緑青(いわろくしょう・炭酸銅)、
青は岩群青(いわぐんじょう・炭酸銅)やラピスラズリソーダシリカ・アルミナ・硫黄化合物)、
白は白亜(炭酸カルシウム)などが使われました。

岩群青(アズライト)
ラピスラズリ
カイガラ虫と顔料化した臙脂(えんじ)

また動植物からは、
赤として昆虫から臙脂(えんじ・※植物のベニバナからも採れる)、

植物からは
茜(あかね)、
黄は植物樹脂の藤黄(とうおう)、
青は植物のタデアイの醗酵物の藍(あい)、
黒は動物の骨や、植物を蒸し焼きにした炭が使われています。

すなわち、顕色材のほとんどは天然物であったのです。

しかし、合成物もありました。
赤としての合成硫化水銀の朱、
鉛の腐食による炭酸鉛の鉛白です。

鉱物は粉砕し顔料にしますが、色数は限られています。そこで、

粒子が大きいと色が深く濃色(のうしょく)、
細かいと浅くなって淡色となる原理を利用して、色数を増やしたのです。

それらは現在、日本画の岩絵具にその発展形態が見られます。さらに、現代のものと比較すると、顔料全体の粒子は粗い傾向にありました。