ゲームの名は誘拐
- 作者: 東野圭吾
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で、まずこの作品のあらすじとして、狂言誘拐のお話なのですが。主に誘拐した犯人、誘拐された被害者、被害者の家族という3人の思惑が混じり、物語は進んでいきます。
仕事も恋愛もゲームだと言い切る主人公は、誘拐もまたゲームとみなして、すべき事を淡々と行っていきます。その手口については、読者の立場からすると、えっそれって本当に大丈夫?って思う行動がちらほらあって、主人公が自分を天才とかゲームに負けた事がないという程賢いようには、感じられなかったです。
とはいえ、文章はリズミカルにテンポよく進むので、スイスイ読めます。まさしく軽妙という感じ。伏線の張り方も上手いと思います。ただ、登場人物がやけに、ステレオタイプなんで、感情移入はしにくいかな。
深い社会性や、本格派といわれるような複雑なトリックはいらない、さらさらっと、ミステリーが読みたいという人に、お薦めですかね。