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2011-01-31 新成長戦略2011など

最先端・次世代研究開発支援プログラム・騒動から何を学ぶべきか

最先端研究開発支援プログラム、課題決定遅れに対する反応

最先端・次世代研究開発支援プログラムの「若手・女性研究者等を対象とした支援策」課題決定が遅れていた問題が解決したようだ。

1月28日付の科学新聞によると、1月20日に次世代プログラム運営会議が開かれ、

採択内定者のみに「国民にも分かりやすい」内容の研究概要を求めることで合意した

という。

早ければ2月初旬に開催する総合科学技術会議の本会議で、課題が決定する。

科学新聞によれば、20日の運営会議では、有識者議員から「不満が続出」し、「とにかく早く採択を決定すべきで、リーズナブルな人数に絞って再提出を求めるべき」「今回採択される研究者は、20年後、30年後の日本の先端を担う人達であり、こういう曖昧な基準(国民的わかりやすさ)で研究に支障を来してはいけない」等、発言が相次いだという。

これより、研究概要の再提出は採択内定者にのみ求めることとなったという。

日経バイオテクの報道によれば、再提出された書類は、審査に影響を与えないという。

一時は和田政務官(すでに科学技術担当から外れている)がすべての応募者に再提出を求めると発言し、科学コミュニティ内に不安が広がったが、それは回避された。

こうして「一件落着」となったわけだが、この騒動が浮き彫りにした問題は大きい。

まず挙げられるのは、政治と科学の距離の取り方だ。

そもそも最先端・次世代研究開発支援プログラムは、自民党政権末期に景気対策として補正予算で導入されたものであり、始まりから政治主導だった。政権交代で予算は圧縮され、若手、女性研究者向けの研究費が導入された。

そういう意味で、極めて政治的な予算ではあったが、問題は審査に政治が介入したことだ。

予算を出す、出さないは、国費を使うのだから、国民が決める、つまり、国民の代表者たる政治家が決定するのは当然だ。どの分野に分配すべきかも政治の問題だ。

しかし、審査そのものに政治家が介入することが、果たして妥当なことなのか。

政権交代後、科学と政治との距離は明らかに縮まったが、政権も、科学コミュニティも、まだ距離をどのように保つか、迷っているように見える。

政権交代が常態化している欧米各国の事情を踏まえつつ、政治と科学がどのような関係であるべきか、まだ模索していく必要があるのだろう。そういう意味で、今回の騒動を検証することは重要だ。

次に挙げられるのは、「国民に研究内容を分かりやすく説明する」とはどういう事なのかという問題だ。

和田政務官が審査にストップをかけたのは、明らかに後出しジャンケンであり、混乱を招いたという点で問題はある。しかし、研究内容を国民に理解できる表現で説明すべき、というのは、政権交代以来各所で言われてきたことだ。第4期科学技術基本計画にも盛り込まれようとしている。そういう点で、和田政務官の行動は、政府の方針に従ったものであったとも言えるのだ。

研究者の本分は優れた研究を出すことであり、国民に分かりやすく説明することは時間の無駄、という声はまだまだ多い。たしかにそういう面はあるだろう。

しかし、どの分野の研究を推し進めるのか、というのは、国費で研究を行う以上、国民の選択に従うのが当然であり、政治的な事項だ。最終的な判断は選挙という形で国民がすることになる。「素人に何が分かるか」という声が聞かれるが、素人が意思決定をするのが民主主義なのだ。

ただ、素人の集まりである政府の決定に専門家の関与は不可欠であり、説明責任は国費を分配した政府にある。政府研究者に分かりやすい資料を要求するのはある種理にかなっているとも言える。課題決定後に全員に資料を求めるのは問題だとしても、今後は最初から「分かりやすい説明」資料が求められるだろう。

結局これも政治と科学コミュニティの距離の取り方の問題であるわけだが、今後こうした「説明責任」の要求は減ることはないだろう。

その際、科学コミュニティはどのように対応するのか。

説明の「専門家」を設けることで、研究者の負担を減らすのか、研究者自身に説明を任せるのか。どこまで説明すればいいのか。誰に向かって説明すればいいのか。

今回の騒動は、政府の対応を批判するだけにとどまらない論点を提示したといえる。


さて、最後に言いたいのは、政府には今回の経緯を「分かりやすく」説明してほしいということだ。政治も研究も、透明性が重要ということだ。もちろん、研究成果そのものではなく、研究費配分に至る過程のことではあるが。

1月24日〜30日までのニュースピックアップ

★「新成長戦略実現2011」の概要

http://www.kantei.go.jp/jp/kakugikettei/2011/gaiyo_shinseicho2011.pdf

「新成長戦略実現2011」について(閣議決定)[PDF]

http://www.kantei.go.jp/jp/kakugikettei/2011/shinseicho2011.pdf

以下一部のみ抜粋。

大学間交流協定等に基づき3か月未満の交流を行う日本

人学生及び外国人学生(各 7,000 人)を新たに支援し、質

の高い外国人学生を受け入れるとともに、日本人学生が海

外で切磋琢磨する機会を拡大。

○ 研究開発投資の促進

・ 第4期科学技術基本計画に「官民合わせた研究開発投資

を対 GDP 比の4%以上にするとの目標に加え、政府研究開

投資を対 GDP 比1%、5年間で総額約 25 兆円(総合科学

技術会議答申の前提条件による試算)」の研究開発投資目標

を設定。

・ 科学研究費補助金の一部を基金化し、複数年度にわたる

研究費の使用を可能とすることで、研究者の利便性の向上、

予算の効果的・効率的な活用、研究活動の活性化。

※ 第4期科学技術基本計画に沿った科学技術関係施策の着

実な推進のため、政策の PDCA サイクルを確立。

※ 研究開発投資の促進に向けた各種施策の検討・実施。

(5)科学・技術・情報通信

○第2次大学院教育振興施策要綱(仮称)の策定

中央教育審議会において答申(1月)、3月までに「第2次大学院教育振興施策要綱

(仮称)」を策定。これらを受け、大学院設置基準改正等の制度改正の検討に着手。

○理数教育の強化と理系進学の促進(「科学の甲子園」「サイエンスインカレ」の創

設、国際科学オリンピック参加の支援、スーパーサイエンスハイスクールの強化)

・科学の甲子園及びサイエンスインカレの予選等準備。

・国際科学技術コンテストの国内予選において、一次選考の会場数拡大や二次選考合

宿・強化訓練のための支援強化。

スーパーサイエンスハイスクール指定校の増加と地域の理数教育の中核拠点として

の機能の強化。

○産学人材育成パートナーシッププログラム

・産学人材育成パートナーシップ全体会議の実施(2011 年4月目途。これまで実施さ

れた各種取組に関する9分科会による総括、国の支援によるプログラム開発事業の

成果の継続的な活用・普及、自立化等の体制構築等に関する検討を実施)。

平成22年度科学技術振興調整費の評価結果について

http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/23/01/1301020.htm

★大学分科会(第94回) 配付資料

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/siryo/1301577.htm

グローバル化社会の大学院教育(答申案)〜世界の多様な分野で大学院修了者が活躍するために〜 (PDF:1635KB)

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/siryo/__icsFiles/afieldfile/2011/01/26/1301577_1_2.pdf

が掲載されています。

★研究開発システムワーキング・グループ

http://www8.cao.go.jp/cstp/project/kenkyu/index.html

最終とりまとめ(2010年12月14日)が掲載されています。

表紙(PDF:304KB)

http://www8.cao.go.jp/cstp/project/kenkyu/houkokusyo0.pdf

本文1(PDF:447KB)

http://www8.cao.go.jp/cstp/project/kenkyu/houkokusyo1.pdf

2(PDF:359KB)

http://www8.cao.go.jp/cstp/project/kenkyu/houkokusyo2.pdf

世界経済フォーラム

http://www.weforum.org/

通称ダボス会議菅総理が「クロスカップリング」を引き合いに出し演説しています。

菅内閣総理大臣ダボス会議特別講演「開国と絆」 (平成23年1月29日)

http://www.kantei.go.jp/jp/kan/statement/201101/29davos.html

★「知的財産推進計画2011」の策定に向けた意見募集【募集期間:1月17日(月)〜2月7日(月)】

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/ikenbosyu/110117/bosyu.html

現在募集中です。

日本国際賞

http://www.japanprize.jp/prize.html

阪大の岸本、平野博士ほか4名に決定です。

岸本忠三、平野俊夫氏ら日本国際賞受賞

http://scienceportal.jp/news/daily/1101/1101252.html

オバマ大統領 一般教書演説

http://www.whitehouse.gov/state-of-the-union-2011

科学技術にも触れています。

米一般教書演説:オバマ大統領演説(詳報) 「未来の勝利」のために

http://mainichi.jp/select/world/news/20110127ddm007030101000c.html

大統領、日本に言及せず=教育科学先進国中韓称賛

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2011012600400

Obama touts science, education in State of the Union address

http://blogs.nature.com/news/thegreatbeyond/2011/01/obama_touts_science_education.html

林原、私的整理申請

林原グループ

http://www.hayashibara.co.jp/

本日の報道について(1)

http://www.hayashibara.co.jp/press.php?id=329

本日の報道について(2)

http://www.hayashibara.co.jp/press.php?id=331

当社の体制について

http://www.hayashibara.co.jp/press.php?id=332

チンパンジー研究や恐竜化石の発掘調査など、メセナを活発に行なってきた会社であり、こうした調査研究がどうなるのか気になります。

林原:私的整理申請 県政財界に衝撃 「再生」願う声、「不透明」指摘も /岡山

http://mainichi.jp/area/okayama/news/20110127ddlk33020317000c.html

2011-01-26 最先端・次世代研究開発支援プログラム、方針公表(訂正あり)

大学院はどうなる?

大学分科会(第94回) 配付資料(2011年1月19日)の中に

が含まれていた。博士課程も含めた大学院のあり方に対する答申であり、重要だ。

一部抜粋。

また,科学技術の成果を活かしイノベーションを生み出すベンチャー等の起業家や,地域の市民や企業,NPOなどの様々な主体が参画して公共的サービスを提供する「新しい公共」の担い手として高度な人材の活躍が期待されている。しかし,特に博士課程においては,修了者が社会の様々な分野で活躍するような多様なキャリアパスが十分に開かれているとは言えない。

このため,中長期的な社会の動向を見据え,各大学が企業,研究機関,行政機関,NPO等の多様な機関との連携を深め,多様なキャリアパスに対応した教育を実施するとともに,教育の質の保証に取り組み,これらを通じて,学生の多様なキャリアパスの開拓やそれぞれの学位に相応しい処遇を推進する必要がある。(p12)

このあたりは、拙書

博士漂流時代  「余った博士」はどうなるか? (DISCOVERサイエンス)

博士漂流時代 「余った博士」はどうなるか? (DISCOVERサイエンス)

で触れた内容と重なる。

また、以下に目が止まった。

一方,大学等においては,教員の年齢構成の高齢化傾向の中,各大学等の状況や課題に応じ,例えば,現在の教授等の退職の際に,助教准教授等のポストを拡充させたり,再任用制度を推進することなどにより,若手研究者のポストを増加させることが期待される。また,ポストドクターをはじめとする若手研究者が自立して独創的・挑戦的な研究活動を行うことができるよう,研究資金を充実するとともに,特に世界的な教育研究拠点を目指す大学等においては,テニュアトラック制の導入・拡大を進めることが必要である。さらに,女性研究者が出産・子育て等と教育研究を両立できるよう,在宅勤務や短時間勤務,柔軟な雇用形態・人事制度の確立,研究サポート体制の整備等を推進することが求められる。

(p12)

 とりあえずご紹介まで。

最先端・次世代研究開発支援プログラム、方針公表

内閣府が1月26日付で以下の文章を公表した。

最先端・次世代研究開発支援プログラム公募・選定等の方針 平成22年3月15日 平成23年1月25日改定 総合科学技術会議 次世代プログラム運営会議

追加されたのは以下。

6.追加事項

以下の事項を追加する。

(1) 運営会議は、研究者・研究課題決定案の作成にあたり、国民への説明責任を果たすため、応募者に対して平易な言葉で説明した研究概要の提出を求める。

(2) 提出された研究概要は、当該提案が採択された場合には、公表する。

というわけで、報道通り、応募者全員に研究内容の再提出を要求することになったということのようだ

コメント欄で情報いただきました。面接に望んだ450人のみ再提出とのことです。訂正いたします。

政務官の交代等は影響を与えなかったようだ。

最先端研究開発支援プログラム、課題決定遅れに対する反応に情報を加えた。

2011-01-24 最先端・次世代研究開発支援プログラムはどうなっているのか

政府は情報公開を

すでにお伝えしているとおり、最先端・次世代研究開発支援プログラムの若手・女性研究者等を対象とした支援策の決定が遅れ続けている。

日経BTJ記事「【特別無料公開】若手期待の最先端・次世代研究開発支援プログラム、採択者の年度内決定に暗雲、和田政務官が申請書の追加提出を示唆」

や、科学新聞の記事によれば、和田隆志政務官が、ストップをかけたため、今年度中の課題決定が無理だ情勢だという。

和田政務官は1月13日の会見で、

「一般国民が読んで研究内容が分かるような書類の提出を、5600人全ての応募者に要請しようと考えている」

記者会見で発言したとのこと。

これに対し、ウェブ上では不安と憤りの声が多数聞かれた。

最先端研究開発支援プログラム、課題決定遅れに対する反応

非常に混乱する状況のなか、科学技術政策を担当する政務官が交代になったという。

阿久津幸彦衆議院議員のページには、以下のような記述が掲載された(今は削除された模様)。

お陰様で内閣府大臣政務官に再任されました。今度は職務範囲が科学技術や省エネ宇宙開発にまで拡がったので、私に秘書官が二人も付くことになりました。

この交代がどのような影響をあたえるのか。

様々な意見が飛び交う中、とにかく情報が足りない。内閣府のページにも、日本学術振興会のページにも、情報が出ていない。

何が問題だったのか、現状がどうなっているのか、分からないままでは、研究者たちが右往左往してしまう。

どうなるにせよ、関係者には早急に情報公開をお願いしたい。

2011年1月第3週ニュース

★就職難をめぐる状況

非常に厳しい状況になっています。

平成22年度大学等卒業予定者の就職内定状況調査(平成22年12月1日現在)〜大学卒業予定者の内定率は過去最低の水準〜

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000010f10.html

これに対し、政府も様々な対策を立てています。

平成22年度大学等卒業予定者の就職内定状況調査(12月1日現在)及び厚生労働省との連携による未内定者に対する「卒業前の集中支援」の実施について

http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/23/01/1301442.htm

新規学校卒業予定者の厳しい就職環境を踏まえた就職支援の強化〜文部科学省との連携による未内定者に対する「卒業前の集中支援」を実施します〜

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000010eqm.html

新規学校卒業予定者の厳しい就職環境を踏まえた就職支援の強化〜文部科学省経済産業省と連携し、未内定者の就職支援を強化します〜

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000010vg9.html

「卒業前最後の集中支援」の実施について

http://www.meti.go.jp/press/20110121001/20110121001.html

財界側からも動きが。

経済同友会

新卒就職採用活動の適正化に関する意見

http://www.doyukai.or.jp/policyproposals/articles/2010/110121a.html

経団連

新卒者の採用選考活動の在り方について

http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2011/001.html

産業界の求める人材像と大学教育への期待に関するアンケート結果

http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2011/005/index.html

読者のみなさんに大卒就職に関わる人は少ないかもしれませんが、ポスドクなど博士の就職も含めて、共通する問題があるように思います。

★「科学技術・イノベーション推進特別委員会」(略称=科学技術特別委員会)設置

科技特別委員長川内

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2011012100913

科学技術特別委を設置

公明提案受け、通常国会から

衆院議運委理事

http://www.komei.or.jp/news/detail/20110121_4281

衆議院TV ビデオライブラリ 科学技術特別委員会 2011年1月24日 (月) http://www.shugiintv.go.jp/jp/video_lib3.php?deli_id=40752&media_type=

今後の議論に注目です。

平成23年度(第52回)科学技術週間の標語の決定について 〜輝いている 科学するときの あなたの目〜

http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/23/01/1301448.htm

決まりました。

こうのとり2号機打ち上げ

こうのとり2号機/H-IIBロケット2号機特設サイト

http://www.jaxa.jp/countdown/h2bf2/index_j.html

こうのとり」搭載H-IIB打ち上げ成功 「世界一の成功率目指す」

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1101/24/news027.html

H-IIBロケット2号機による宇宙ステーション補給機2号機の打上げについて[文部科学大臣談話]

http://www.mext.go.jp/b_menu/daijin/detail/1301719.htm

H-IIBロケット2号機の打上げについて【宇宙開発委員会委員長談話】

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/uchuu/reports/1301708.htm

★AAASフェロー503名公表

http://crds.jst.go.jp/watcher/data/20110124-005.html

「生物科学部門の東京大学の西澤直子教授(農学国際専攻)と、名古屋大学町田泰則教授(理学研究科生命理学専攻)の日本人2名が含まれる」とのこと。

鳥インフルエンザ、宮崎で発生

警戒レベル最高に=宮崎の鳥インフル強毒性確認で−環境省

http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011012400563

鳥インフルエンザに関する情報

http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/tori/index.html

1月22日未明、宮崎県の農場で飼養されている鶏において高病原性鳥インフルエンザの発生を確認しました。現在までに、2例の発生が確認されており、

殺処分・焼埋却、移動制限区域の設定等の防疫措置を実施しています。

韓国口蹄疫に関する情報

http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/katiku_yobo/k_fmd/korea.html

現在も発生が続いています。

武田薬品京大の協同研究契約

武田薬品京都大学協働によるオープンイノベーション創薬拠点

中枢神経系制御薬の基礎・臨床研究プロジェクト」の実施について

(略称:TKプロジェクト)

http://www.takeda.co.jp/press/article_41048.html

武田薬品京大協働研究契約‐肥満症と統合失調症治療薬を開発

http://www.yakuji.co.jp/entry21692.html

40代前半までの若手研究者10人を今年4月以降、京大特定准教授として新たに雇用。それぞれにポスドク技術者をはりつけて合計10グループとし、少なくとも総勢30人以上の研究者集団を構成する計画。それを各領域の中核研究グループが支援する。

とのことです。

★報告書「世界における日本の論文/学術誌のインパクト」

http://johokanri.jp/stiupdates/info/2011/01/005484.html

日本の学術論文と学術雑誌の位置付けに関する計量的調査分析http://www.nii.ac.jp/sparc/publications/report/pdf/negishi_report_201012.pdf

が公開されました。

文科省 今後の医学部入学定員の在り方等に関する検討会(第1回) 配付資料

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/043/siryo/1300372.htm

医学部の現状に関する重要資料あり。

資料2 これまでの医学部入学定員増等の取組について(文部科学省説明資料) (PDF:1249KB)

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/043/siryo/__icsFiles/afieldfile/2011/01/18/1300372_1.pdf

資料3 医師を取り巻く現状について(厚生労働省説明資料) (PDF:1006KB)

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/043/siryo/__icsFiles/afieldfile/2011/01/18/1300372_2.pdf

2011-01-22 政務官の交代

科学技術担当政務官の交代

最先端研究開発支援プログラムに関して、新たな情報が飛び込んできた。

科学技術担当の政務官が交代したいという。

阿久津幸彦衆議院議員のページ

2011年1月20日

政務官再任

お陰様で内閣府大臣政務官に再任されました。今度は職務範囲が科学技術や省エネ宇宙開発にまで拡がったので、私に秘書官が二人も付くことになりました。

他に情報がないので、これ以上は言えないが、最先端研究開発支援プログラムの行方に影響をあたえるかも知れない。

2011-01-19 最先端研究開発支援プログラム、課題決定遅れる理由

最先端研究開発支援プログラム、課題決定遅れる理由

最先端研究開発支援プログラムの、若手・女性研究者等を対象とした支援策に関して、採択課題決定が遅れている。

昨年末サイエンスポータルが「遅れる若手・女性研究者対象の研究開発支援課題決定 」という記事を出したが、最近その理由が明らかになってきた。

日経BTJ記事「【特別無料公開】若手期待の最先端・次世代研究開発支援プログラム、採択者の年度内決定に暗雲、和田政務官が申請書の追加提出を示唆」によると、和田政務官がストップをかけているという。

その原因は、9月に科学技術政策担当の内閣府政務官に就任した和田隆志・衆議院議員にあるとされる。実際、2011年1月13日の記者会見で作業の遅延について聞かれた和田政務官は、「プロジェクト自体を駄目だと言っているのではなく、誰に何をやってもらうかをきちんと決める必要がある。現段階では、その判断をするための材料が足りない」と発言。さらに「足りない材料とは何か」との質問に対して、「一般国民が読んで研究内容が分かるような書類の提出を、5600人すべての応募者に要請しようと考えている」と答えた

科学新聞2011年1月14日号も、以下のように報じている。

関係筋への取材によると、研究費の積算が不十分だということで、和田政務官がストップをかけているという。例えば、海外出張費を4年間で100万円で積算しており、どこに何回行くかが明確になっていない、ということを問題視しているという。

科学コミュニティからは懸念の声があがりはじめている。

以下、twitter上の声をまとめてみた。

最先端研究開発支援プログラム、課題決定遅れに対する反応

大型競争的資金の採択スケジュールの大幅な遅延は、国際連携・レピュテーション上もマイナス。海外国費留学院生や留学帰りポスドクの候補者(いずれも3月修了・満了予定)には、この期に及んでも採否の結果すら伝えられず、実に心苦しい。欧州の共同研究者からは、我が国の政策自体を訝しがる声も。

「一般国民が読んで研究内容が分かるような書類の提出を、5600人すべての応募者に要請しようと考えている」は過剰コストじゃないか?

和田政務官に対して懸念を示す声も。

この政務官氏は、東大法学部出身の元大蔵官僚だったのか。科学技術政策担当として適任なんだろうか。

いうまでもなく、法学部出身者でも、科学技術政策に必要な資質と見識を備えた人は存在しうるし、現にいるわけだけど、この方のexpertiseはそっち向きではないだろうな。

和田隆志議員のホームページ。

いずれにせよ

「一般国民にも研究内容が分かる書類」は、ピアレヴューでスクリーニングした後、最終選考段階で課す程度でいいだろうに。勿論最初から全応募者に課す助成金があってもいいが、少なくとも今回は後出しジャンケンすぎる。

と指摘されているように、問題はあとから条件が付け足されたことだ。

研究予算の使い道や成果に対する責任はあるにせよ、科学者コミュニティを混乱に陥れているのは事実だ。まずはこの件に対する情報収集をすすめていきたい。

2011-01-17 内向き志向を超えて

内向き志向を超えて

 先週号の巻頭言

「内向き志向」の欺瞞

 に様々な反応をいただいた。現時点でブックマークが150以上ついている。

 この問題は社会的にも関心があるようで、今週一週間だけでも、以下のような記事がみられた。

http://sangakukan.jp/journal/journal_contents/2011/01/articles/1101-01/1101-01_article.html

  • 休学のすすめ-日本が求める人材とは

黒川 清 氏(政策研究大学院大学 教授、前日本学術会議 会長)

http://scienceportal.jp/highlight/2011/110111.html

  • 「内向き志向」批判より大事なことが?

http://scienceportal.jp/news/review/1101/1101141.html

  • 日本人の海外留学生数は増加!若者は内向き志向にあらず(1)

http://www.toyokeizai.net/business/management_business/detail/AC/982429fb948bbed1b8190fd3849ffcba/

  • 東大ブランドは世界には通用しない 灘高トップはエール大学を選んだ

http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20110111/217870/


 若干誤解を生んだ表現があったので、説明させていただきたい。

 まず、リスクを負って挑戦した博士が漂っている、という部分。

 ここでは、博士に平等に職を与えよ、セーフティネットを整えよ、と言っているのではなく(博士に限らず、社会としてセーフティネットは必要だが)、何かに挑戦した人の、挑戦したという行為自体を醒めた目でみるような社会の雰囲気が問題なのではないかと言いたかった。

 博士も事業仕分けで「能力低い」と散々な言われようだった。

 挑戦して敗れた、失敗した。けれど、挑戦したことに価値がある。失敗を糧に再挑戦しよう…

 そういうことが言えないと、リスクを負う気にはならないのではないか。

 非常に極端な例ではあるが、紛争地に出かけていき、拘束され、殺害された若者を、その当時「無謀だ」「社会に迷惑をかけた」と多くの人が非難の声をあげたことは記憶にあるだろう。

 たしかに無謀だったと思うが、同じ時期、同様に拘束された西欧各国の人たちは、空港に政府高官が迎えに来るなど、政治的背景を問わず歓迎されていた。

 失敗してもいいじゃないか、と気軽に人は言うけれど、実際失敗したときに「社会に迷惑をかけた」と非難の声を投げかけるようでは、そうおいそれと挑戦などできないではないか。

 挑戦する人は「空気」を乱す人。乱された空気を社会が許容できないのなら、気安く挑戦を奨励するな、といいたい。

 なお、「若者は内向き」は違うと思うが、日本人が内向きかもしれないとは思う。

 どこから内向きかの定義によるが、そもそも明治時代にどれだけの人が外国に行ったというのか。人口比、絶対数ともわずかだろう。もちろん、交通手段の乏しい時代に外国に行く人は、エリート中のエリートだろうし、気概に溢れていただろうが、現代の日本人はその時代以上に外に出ていっている。

 現代と明治時代と、どちらが内向きだろう。大河ドラマを現代の若者に当てはめるようなことは意味がないと言いたい。

 とは言うものの、グローバル化する現代、もっと外に出て行く人が必要だ、という声は重要だ。

 その場合、昔と比較し批判するのではなく、現在のことを考えよう。日本の歴史のなかで、今までにないほど外国に国民を出す、という、前代未聞の時代になったという自覚が必要なのではないか。

 その時必要なのは非難ではなく応援、支援だと思う。

 最後に、経済が傾き、これほど盛んに「外へ出ろ」と言われながら、(若者が、ではなく)国民が今以上に外に出たがらないとしたら、それはこの国にいることに利点があるということなのだろう。

 大学はトップレベルの人材を集め、治安はよい、食事はうまい、言葉は通じる…様々な原因があると思うが、外にでなくても十分やっていけるのなら、出たがらないのは当然だ。

 東大はレベルが低いとよく言われるが、それでもタイムズなどのランキングでは世界20位台。自然科学に至っては、トップ10に入る。欧米各国よりは少ないが、ノーベル賞受賞者を出し続けている。益川さんのように、一歩も外にでないでノーベル賞を取った方も現れた。これはすごいことだ。

 つまり、日本人を惹きつけるという点で、今のところ日本という国は諸外国に優っているのだ。brain drain(頭脳流出)が諸外国で問題になっている中で、これは大きな利点なのかもしれない。

 ただ、そこに満足せず、国民をもっと外に出したいのなら、挑戦させたいのなら、外に出た人、挑戦した人をを猛烈に評価し遇する制度を作るなど、インセンティブを設けるか、あるいは外にでないと生きていけないくらい、国家が破綻するしかない。

 「内向き志向」と個人のせいにしてしまうのではなく、人財をどう育成し、活用していくべきかという点を考えないと意味がないということだ。

 これはあくまで皮肉ではあるが、ポスドク問題の破綻や事業仕分けなどによる科学技術への厳しい評価は、外に出るというインセンティブを高めるのかも知れない…

 

 少しずつ、挑戦する人を応援しようという声が増えてきているような気がする。「内向き志向」を超えて、行動する人が増えることを期待したい

1月11日から16日までの科学技術政策ニュース

★管改造内閣発足

菅第二次改造内閣閣僚名簿

http://www.kantei.go.jp/jp/kan/meibo/daijin/index.html

科学技術担当大臣は玄葉氏になりました。

菅第二次改造内閣閣僚記者会見高木義明大臣」

http://www.youtube.com/user/kanteijp#p/u/11/8dkMZpRg7Mw

菅二次改造内閣閣僚記者会見玄葉光一郎大臣」

http://www.youtube.com/watch?v=n6W-va8aIYs&feature=channel

ポスドク問題などについて触れています(4分10秒あたりから)

こんな記事も。

「新IT戦略」の読み解き方 第7回 「玄葉寄せ」と「原口はずし」

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20110112/356002/

★科学技術予算のまとめ

様々資料、報道が出ました。

平成23年文部科学省 予算案等の発表資料一覧(1月)

http://www.mext.go.jp/a_menu/yosan/h23/1301071.htm

平成23年政府予算案における科学技術関係経費(速報値)

http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/23/01/1301234.htm

政務三役 記者会見録(平成23年文部科学省予算(案))(平成22年12月24日)

http://www.mext.go.jp/b_menu/daijin/detail/1301258.htm

平成23年度科学技術関係予算案の概要について(PDF438KB)」

http://www8.cao.go.jp/cstp/budget/h23yosan.pdf

ファイル:科技予算総額3兆6485億円に−−来年度予算案

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2011/01/14/20110114ddm008020089000c.html

総合科技会議、第4期計画を答申投資は5年総額25兆円

http://www.sanpo-pub.co.jp/topnews/2011/0114009776.html

Japan Boosts Competitive Grants at Expense of Big Science

http://www.sciencemag.org/cgi/content/summary/331/6014/132-b

大学関連予算、6年ぶり増額

http://www.asahi.com/edu/news/TKY201101170096.html

★今後の学生に対する経済的支援方策の在り方について(論点整理)

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/029/houkoku/1300569.htm

文科省資料です。

中央教育審議会(第73回) 配付資料

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/gijiroku/1301101.htm

資料2-3.大学院教育の実質化の検証を踏まえた更なる改善について(中間まとめ) (PDF:811KB)

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/gijiroku/__icsFiles/afieldfile/2011/01/12/1301101_7.pdf

ほか様々な資料あり。

★科学技術関係人材のキャリアパス多様化促進事業(平成19年度採択機関)事後評価結果について

http://www.mext.go.jp/a_menu/jinzai/koubo/careerpath/1301197.htm

産業技術総合研究所日本物理学会東京農工大学京都大学が評価されています。

医療イノベーション推進室設立

医療イノベーション推進室の設置について

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/iryou/secchi/index.html

医療イノベーション推進室の創設

平 成 2 3 年 1 月 7 日

内閣官房医療イノベーション推進室

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/iryou/secchi/siryou1.pdf

医療イノベーション推進室創設 室長に中村祐輔氏

http://scienceportal.jp/news/daily/1101/1101112.html

医療イノベーション推進室」設置を評価−日医・羽生田副会長

http://www.cabrain.net/news/article/newsId/31845.html

こんな批判も

内閣府医療イノベーション推進室を設置、政府の意欲は理解できるが苦言を二つ(2011/01/11 RANKING MAIL 第1526号)

http://blog.nikkeibp.co.jp/bio/miyata/2011/01/206754.html

★「知的財産推進計画2011」の策定に向けた意見募集

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/ikenbosyu/110117/bosyu.html

平成23年1月17日(月)〜2月7日(月)まで。

日本経団連 新卒者の採用選考活動の在り方について

http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2011/001.html

以下記事です。

新卒・修了者の採用広報活動のみ2カ月遅れに

http://scienceportal.jp/news/daily/1101/1101131.html

就活は大学3年12月から

http://mainichi.jp/select/biz/news/m20110113k0000m020074000c.html

就活開始2か月遅らせ12月1日 「効果ない」「負担増える」との不満も

http://www.j-cast.com/2011/01/13085465.html

クローズアップ2011:経団連、就職説明会「大学3年12月から」

http://mainichi.jp/life/today/news/20110112ddm003020099000c.html

長い就活の解消遠く 経団連要請に拘束力なし

http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819591E3E0E2E3EA8DE3E0E2E3E0E2E3E39C9CEAE2E2E2

東大院生も3割、就職難 学生生活実態調査

http://www.asahi.com/edu/news/TKY201101110112.html

東京大学学生生活実態調査

http://www.u-tokyo.ac.jp/stu05/h05_j.html

★読み物など

University cuts show science is far from saved

http://www.nature.com/news/2011/110112/full/469133a.html

Science evaluation needs a rethink

http://www.scidev.net/en/editorials/science-evaluation-needs-a-rethink-1.html

2011-01-11 「若者は内向き」の欺瞞

「若者は内向き」の欺瞞

 正直いってもうんざりだ。

 何のことかというと、昨今声高に唱えられている「若者は内向き志向」のことだ。

 いつごろからだろう。これが言われ始めたのが…

 いろいろなデータが、外国に留学する学生や若手研究者の減少を伝えている。これに対して

「最近の若者はチャレンジをしなくなった」

気概がない」

「上昇志向がない」

という、上の世代の嘆きが、各種メディアで語られるようになったのだ。

 長年米国で研究され、ノーベル賞まで取られた根岸さんが、若い世代の「内向き志向」を批判し、盛んに「チャレンジしろ」という。その言葉は重い。なぜなら、ご自身がアメリカで挑戦された方だから。

 それはいい。また、アメリカで教授までされた黒川清氏が言うのはわかる。

 このほか、大前研一氏とか、ユニクロ柳井正氏とか、経済界の人たちがさかんに「外に出ろ」言っている。それは分かる。

 ただ、日本人の留学者が減っているという各種データと、「内向き志向」なるものは一対一ではないはずだ。

 すでに何度か紹介しているが、リクルートエージェントは、「キャリアに関するデータの真相 その1「若者は内向き」という誤解。」という記事の中で、「内向き志向」がデータでは示されていないことを明らかにしている。

http://www.r-agent.co.jp/kyujin/knowhow/tatsujin/20101118.html

 最近文部科学省が公表した留学生のデータでは、留学者が減っているではないか、という意見もあるだろう。

http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/22/12/1300642.htm

 リクルートエージェントで同じ調査が引用されているが、その最新版だ。たしかに07年から08年への急激な落ち込みは気になる。

 しかし、それをすぐに「内向き志向」に帰することはできないはずだ。

 果たしてそれが08年だけの減少なのかは長期的に見なければ分からない。その時期の経済的な状況も考慮に入れなければならないだろう。

 なにより、絶対数でみたら、1980年代よりはまだはるかに留学者が多い。

 本来データの解釈でさえ、慎重にならざるを得ないはずなのに、根拠となるデータを示さず「若者は内向き」と唱える人さえいることに不快感を感じるのだ。

 「若者は内向き」と言っている人たちに問いたい。あなたは、あなたの世代は内向きではなかったのか。すくなくとも、人口に対する留学者数は、今の若い世代のほうが高い率ではないのか。

 また、留学経験者に問いたい。あなたは「片道切符」で行ったのか。

 会社や官公庁のお金で留学したのではないのか。また、戻ってくるポジションがあって留学したのではないのか。

 言いたいのは、「リスクを負わない若者」ということを言っている人たちが、リスクを負って行動したのかということだ。

 もう一点言いたいのは、果たして今の日本は、リスクを負って行動した人たちを尊重する社会なのか、ということだ。

 リスクを負うということは、他人と違う行動をするということだ。そして、一握りの成功者の影には、多くの失敗した人がいる。

 今光が当たっているのは、リスクを負って成功した人たちだけだ。そういう人がほめたたえられるのは当然だが、挑戦し、失敗した人はどうなるのか。

 「無謀なことして」「親が泣いている」「無駄な時間を過ごした」

 などとけなすだけではないのか。

 リスクを負って挑戦し、研究に青春を費やした博士たちは、今社会で「無能」の烙印を押されて漂っている。挑戦を是としない社会で暮らし、自分が安全なところにいながら、若者だけに「挑戦せよ」という人たちに、欺瞞を感じる。

 ただ、私は何も挑戦するな、留学するなと言っているわけではない。

 日本の世代の軸で比較するという無意味なことをするな、と言っているだけだ。

 どの人も「なぜ挑戦しないんだ」と最初から否定形で語る。「若者は内向き」が脳裏にインプットされているからだ。「もっと挑戦しようよ」と言えばいいのに。若者叩きに「内向き志向」が使われることに不快感を感じるのだ。

 諸外国と比べれば率は低いのだから、諸外国並みにしろ、という比較なら分かる。

 ただ、その場合は、日本は高等教育を自国で賄えない国であるということを十分自覚しなければならないかもしれない。

 諸外国で必死に留学する人たちがいるのは、自国にいても教育の機会がなく、成功できないから、あるいは、留学者が自国で評価されるからだ。留学が自分にとってプラスになると分かれば、留学者は増える。それだけだ。大学を何個か廃校にして、その分のお金を留学者に使ったらいい。企業や大学は留学者しか採用しなければいい(あるいは優遇する)。

 ただ、まだそうなってはいない。東大京大は世界で有数の大学だし、国内の優秀な学生をまだ惹きつけるだけの魅力があるということだろう。ただ、諸外国の優秀な学生を惹きつけられていないという点でローカル大学かもしれない。

 うかうかしていると、国内の優秀な人材は外国に流れる。すでに進学校の一部では、東大に入学するような優秀な生徒が外国の大学に入学しているという。

 大学関係者は、自国の若者に留学を期待するということと、他国の若者を引きつけるということが表裏一体であることを自覚しないといけないだろう。

 留学者の問題が、意味のない「内向き志向」のレッテルに逃げるのではなく、知的人財が生かされる社会をどうすれば作れるのか、ということを考えるきっかけになることを願う。

その他参考

ハーバード大学の日本人数激減」の意外な真相 ?

http://money.jp.msn.com/banking/yucasee/82/index.aspx

ハーバード大学の日本人数激減」の意外な真相 ?

http://money.jp.msn.com/banking/yucasee/84/index.aspx

2011-01-10 1月第2週のニュース

1月第2週 第4期科学技術基本計画のパブコメ意見の反映など


「「科学技術に関する基本政策について」へのご意見募集(平成22年10月18日〜11月8日)」の結果概要、「いただいたご意見への対応について」

第4期基本計画に対する意見がどのように反映されたかがわかります。

意見数は974件。このメルマガの発行数より少なかったです。

山形大:「結城プラン」発表 就職活動支援など63項目 /山形

就職に行くための交通費を出すということで話題になっていますが、それ以外にも記載があります。

結城プラン2011

国際競争力維持のため科学技術の進歩・発展は「不可欠」−「科学技術に関する意識調査」の結果について−2010年12月21日 (財)経済広報センター

少し古いですが、最近知りましたので、ご紹介させていただきます。

「『MMRワクチンで自閉症』データは捏造」ニュース資料

一般社団法人 サイエンスメディア・センターが公表しました。重要資料。

高学歴の人材不足、深刻に=急速な高齢化で−世界経済フォーラム

企業が戦力として必要とする専門知識を持つ高学歴の人材は「(高齢化が顕著な)日本、ドイツカナダスペインで20年にも深刻な不足に見舞われる」と警告した。

以下が報告書です。人財ミスマッチを感じます。

Global Talent Risks Report 2011

How New COMPETES Science Law Broadens NSF Education Programs

America COMPETES Act

についての記事です。

every component of the $7 billion agency is involved in training the next generation of researchers and improving public scientific literacy.

というのは、かなり大きなことなのではないかと思います。

2011-01-02 新年最初のごあいさつ

2011年に向けて

 2011年の第一号ということで、科学技術政策に関して昨年を振り返り、今年の展望を考えてみたい。

 一昨年の政権交代から、科学技術政策の風景は大きく変わった。変わったというより、見えるようになったというのが正気なところだろうか。

 みなさんも気づかれたと思うが、大きな違いは、パブリックコメントだろう。もちろん以前からパブリックコメント募集はあったわけだが、ここまでパブリックコメントが政策を左右されると言われたことはなかったわけで、必死にパブリックコメントを書かれた人も多いだろう。

 正直いってまともにやっていたら、疲れてしまった。

 第4期科学技術基本計画、元気な日本特別復活枠…

 しかし、はしごを外されたような思いも抱いた。

 大量に送られた科学技術政策や大学政策へのパブリックコメントが、「組織票」と呼ばれ、厳しい評価をうけたのは記憶に新しい。

 ところが、厳しい評価を受けるかと思ったら、総理大臣の「鶴の一声」でひっくり返った。評価する声がある一方で、今までの議論はいったいなんだったのだ、という落胆の声も聞かれた。

 とは言うものの、私はこの流れを評価したい。

 基本的には政策の可視化、オープン化の流れだ。パブリックコメントと同時に、今まで意見をいう場のなかった若手研究者が意見交換会に呼ばれるようにもなっている。私自身もこうした会に出席する機会を得た。

 たしかに、科学技術政策の扱い方は拙いと言わざるを得ない。政策への市民参加の試みは、パブリックコメント事業仕分け、意見交換会だけではないわけで、政策の軸が右往左往した印象は拭えない。

 けれど、今年から始まる第4期科学技術基本計画には、研究支援人材の育成や活用、政策に対する市民参加の試みなどが書き加えられた。

諮問第11号「科学技術に関する基本政策について」 に対する答申(PDF:468KB)

 また、平成23年度の予算で、科研費基金化が盛り込まれ、年度繰越が可能になるなど、科学コミュニティの声を聞いた上で政策が作られた部分もある。

 すぐに完璧な仕組みなど作れない。試行錯誤する必要もあるのだろう。

 民主党も学習しているとみえ、科学技術調査会を新設したという。

科学技術調査会を新設=包括的な国家戦略提言へ―民主

 これは民主党政権を得て学んだことを活かしたということだろう。今後の動きを注視したい。

 こうした動きを受けて、私達は何をすべきか。

 政策サイドだけでなく、私達自身も学ばなければならない。政策の迷走は、科学コミュニティや市民の側の政策に対する働きかけの拙さと鏡合わせだ。

 政策側に意見をいうのに、パブリックコメント政府の方だけを向いた陳情だけではあまりに不十分だ。一昨年の事業仕分けで多少は学習したのかなと思ったが、残念ながら、まだまだ陳情の域を出ていない声明なども多い。

 突然増額された予算に、市民側からは疑問も投げかけられている。

マチ弁から見た科学技術予算

 こうした状況のなか、分野横断的な草の根の科学者、市民の組織、日本版の全米科学振興協会(AAAS)。やEuroscienceのようなが必要だという思いを強くしている。陳情だけでなく、社会の声に向き合い、政策提言、人材交流などを行う組織だ。

 今年は一歩でもよいので具体化していきたい。

 各方面でAAASのような組織の必要性が述べられ始めている。少しずつだが、機運は高まっているように思う。この機運を形にしたい。

 また、拙書

博士漂流時代  「余った博士」はどうなるか? (DISCOVERサイエンス)

博士漂流時代 「余った博士」はどうなるか? (DISCOVERサイエンス)

 でも述べたように、博士に代表される知的人材を、例えばNPOやソーシャルビジネスなど様々な場で活かすための取り組みを行いたい。

 私達の活動に関心がある方は、ぜひ

研究者ネットワークML

 などにご参加いただけたら幸いだ。

 私達に出来ることはまだ限られているが、諦めず、ブログメールマガジンメーリングリスト、書籍などを通じて、情報提供などの活動を行っていきたい。

 皆さまには、昨年のご支援に心より感謝申し上げるとともに、今年もご支援、ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げる。

2010年12月最終週ニュース

年末年始ということで、あまりニュースはありませんでした。以下気になった記事を。

Communication: a responsibility of all scientists

IBM、今後5年間で人々の生活を一変させる5つのイノベーションを発表

5年後には、「市民科学者citizen scientist)」というカテゴリーが生まれ、既存の単純なセンサーを使って研究に役立つ大量のデータ・セットを提供していくことになるでしょう。

 私達が考える市民科学者とは異なるようですが、気になります。

IBM、今後5年間で人々の生活を一変させる5つのイノベーションを発表

科学技術調査会を新設=包括的な国家戦略提言へ―民主

民主党のみならず、各政党の動きにも関心を持ち続けていきたいと思います。

★予算関係

財務省は、何とかしろと言うと何とかする…首相

菅首相は予算案を大声で自画自賛するも内実は「財務省の掌の上」

だが実際は「財務省に"何とかしろ"と言った。財務省というところは、何とかしろと言えば何とかするものだ。自民党政権でもそのようにしてきて借金が増えてしまったのだが・・・」と自ら漏らしたように、財務省への丸投げで実現したものだった。

【2010 経済重大ニュース】場当たり政策…底ついた埋蔵金

科学技術振興費の上積みをめぐっても迷走を続けた。菅首相は編成作業の最終盤になって「わがままを言わせてもらいたい」と突如、増額を指示した。いまさら他の予算を削るわけにもいかず、本来なら緊急事態のために取っておく予備費を削って決着。前代未聞の予備費先食いについて、財務省幹部は「極めて高度な政治判断」と皮肉った。

憂楽帳:主計官の苦笑

 厳しいことが書かれています。

「理系首相の英断」に沸く関係者。だが、喜ぶのは早い。大学予算の据え置きは1年以内に大学間の合従連衡や「すみ分け」の改革案を出すとの条件付き。定員割れの私学には容赦なく補助金半減の「規律強化」で臨む条項も入った。「未来への投資」のため借金してツケも未来へ回すのか、増税か。苦笑の意味は深そうだ。

 詳しくは財務省資料を。

文教・科学技術予算のポイント (PDF5,286kb)

iPS細胞など活用、再生医療実現へ3省連携

1月に内閣官房に新設する「医療イノベーション担当室(仮称)」を司令塔に、文部科学省厚生労働省経済産業省が連携して研究を加速させる。

とのこと。日本版NIHになるでしょうか。

参考

第1回 医療イノベーション会議 議事次第

医療イノベーションの今後の進め方(案)

The disposable academic

12月16日の記事ですが、最近知りました。世界中で博士余りが起きているとのこと。

語られることは、日本でもおなじみのことで、この現象が決して日本だけの問題ではないことが分かります。

必読です。