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2011-02-28 入試問題漏洩事件が明らかにしたもの

入試問題漏洩事件が明らかにしたもの

 まさか…しばらくしてとうとう…

 そんな気持ちだ。

 京大入試問題が試験時間中にネットに書きこまれたという事件を聞いたときの感想だ。

 折しもその日、情報流出を扱った番組がNHKで放送されていた。

http://www.nhk.or.jp/tsuiseki/file/list/110226.html

 あらゆる情報が流出してしまう時代。そうは言っても、入試の事は頭になかった。寝耳に水だ。その後同じハンドルネームの人物が、複数の大学で同様の漏洩をしていることが明らかになっている。

 公正公平であるべき入試で不正をするなんて言語道断。そういう人が多いのはまず当然。もし自分が受験生だったら、そんな人達が自分を出しぬいて合格したら、悔しくてたまらないだろう。徹底的な調査が望まれる。

 ただ、それを前提として、とりあえず括弧にくくってみると、いろいろなものが見えてくる。

 まず、携帯電話が普及している時代に、何らかの不正が起こることを予想していなかったのか、ということ。カンニングはあの手この手で行われる。取り締まる側とのイタチごっこだ。あらゆる情報が流出する「メガリークス」の時代。起こりうる最悪の事態を想定していたかという、入試当局の姿勢が問われる。

 ウィキリークスチュニジアエジプトリビアなどの「Facebook革命」、今回の入試問題漏洩。同時期に起こったこれらの出来事は、同じ問題の別の側面をみているように思えてならない。

 いくら自発的に携帯電話をオフにさせたり、カバンにしまえ、と言ったところで、すべての受験生が従うかは分からない。受験生の「良心」に任せすぎていたのではないか。

 一件こういう事態が明らかになったなら、発覚していない不正がすでに広がっている可能性もある。また、この事件が報道されることにより、模倣する者が増え、大学入試はもとより、各種試験で同じようなことが行われるかもしれないし、試験にとどまらない、あらゆるものが流出を前提に考えないといけないのかも知れない。

 対策の手間やコストをどうするか、という問題は、大学のみならず、あらゆる組織が考えなければならない重い課題だ。

 これだけにとどまらない。この事件が明らかにしたのは、入学試験のあり方への疑問だ。

 つまり、知識の多寡を競うだけの入学試験でよいのか、ということだ。

 誰かに聞くことによって簡単に答えが出てしまうような知識を問う入試で、優れた人材が獲得できるのか、という疑問がわいてくる。東大京大入試は、知識だけでは解けない問題が比較的多いとは思うが…

 ただ、知識ではなく思考力を問う問題を作成するのは大変だし、採点にも時間がかかる。合否判定も楽ではないだろう。教育、研究、その他膨大な仕事に追われる大学にそれだけの余裕があるのか、ということも問われることになる。

 実社会では、記憶力よりも、どんな方法を使ってもいいから解答を出す力のほうが求められる。分からない問題をクラウド、群衆に聞いて答えを出す、というのは、ある種スマートな方法だ。Yahoo知恵袋に投稿したことを稚拙という人もいるが、不特定多数の知恵に頼れる上、群衆に紛れるという効果も含め「頭のよい」方法なのかも知れない。(私は今回の行為を肯定しているわけではないので誤解なきよう)。

 とは言うものの、最近の学生の「基礎学力」の不足が各方面から指摘されているわけで、記憶力を問う意見がすべて悪いわけではない。基本的事項を知らないと、思考もできないのだから、それを問うことも不可欠だ。要は入学試験の全体のさじかげんをどうするか、ということであり、各大学が持てるリソース(教授の雑用の多さをどうするかということも含め)知恵を絞らなければならない。

 ある種起こるべくして起こった事件。犯人を探し出して処罰するだけでは終わらない、大きな問題を我々に投げかけているように思える。 

2011-02-27 2月最終週ニュース

2月最終週ニュース

日本経済新聞に掲載

私のコメントが、日本経済新聞に掲載されました。

2011/02/27 朝刊 ニッポン この20年 第5部 揺らぐ土台(2) 科学立国のつまずき 既得権残り政策生かせず

結果的に「大学はお金をかけて育てた若手を即戦力としてだけ利用し、使い捨てにしている」と、若手支援で活動する特定非営利活動法人(NPO法人)の榎木英介代表は言う。

★学術研究の推進について(審議経過報告)

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu4/toushin/1302033.htm

1月17日に開催された科学技術・学術審議会学術分科会の資料です。

★利益相反:申告義務付け 医学会指針、加盟学会に要請

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2011/02/24/20110224ddm012040039000c.html

日本医学会:「利益相反」で指針

http://mainichi.jp/select/science/news/20110224k0000m040050000c.html

▼日本医学医学研究のCOIマネージメントに関するガイドライン

http://jams.med.or.jp/guideline/index.html

以前医学における利益相反で記事を書いたことがあります。日本はやや取り組みが遅れてい

るように思いますが、各学会に広がることを願います。

中央教育審議会(第75回) 配付資料

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/gijiroku/1302446.htm

資料7−1.「グローバル化社会の大学院教育〜世界の多様な分野で大学院修了者が活躍するために〜」(答申)に関する主な取組

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/gijiroku/attach/1302610.htm

まとまった資料。

平成22年度科学研究費補助金の配分について

http://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/hojyo/1302515.htm

★我が国における「国連持続可能な開発のための教育の10年」実施計画の

改訂案に対する意見の募集について(お知らせ)

http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=13522

最先端・次世代研究開発支援プログラム関係

日本学術振興会内閣府から資料が出ています。

最先端・次世代研究開発支援プログラム >> 交付条件・様式集

http://www.jsps.go.jp/j-jisedai/joseikin.html

最先端研究開発支援プログラムの公開活動について

http://www8.cao.go.jp/cstp/sentan/kyouka_koukai.html

研究費の重複受給制限について

http://www8.cao.go.jp/cstp/sentan/jisedai_jukyu.html

イレッサ訴訟に関して

イレッサ大阪訴訟判決が出ましたが、一方で、厚労省が日本医学会に声明文の案を提供していたという事実も明らかになりました。

イレッサ訴訟大阪地裁判決について)

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000013g5h.html

イレッサ訴訟 厚労省医学会に働きかけ 和解勧告批判の文案作成

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110224/trl11022417250010-n1.htm

イレッサ副作用死:投薬訴訟 大阪地裁判決 原告、国の賠償棄却を批判

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2011/02/26/20110226ddm041040014000c.html

クローズアップ2011:イレッサ大阪訴訟 薬害責任、割れた結論

http://mainichi.jp/select/science/news/20110226ddm003040147000c.html

イレッサ副作用死:投薬訴訟 国が声明文案提供 上昌広氏の話

http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2011/02/24/20110224ddm041040150000c.html

★Middle East must seize the moment for science

http://www.scidev.net/en/opinions/middle-east-must-seize-the-moment-for-science-1.html

★Now is the time for science diplomacy in the Arab world

http://www.scidev.net/en/editorials/now-is-the-time-for-science-diplomacy-in-the-arab-world.html

★How to Grow Your Own Army of Citizen Scientists

http://news.sciencemag.org/scienceinsider/2011/02/how-to-grow-your-own-army-of.html

★(株)林原生物化学研究所類人猿研究センターの存続を求めるため、ネット署名をお願いいたします。

http://gari-sonzoku.info/

これに関してこんな意見もあります。

林原チンパンジーブログ 油断するなここは戦場だ)

http://nojirimiho.exblog.jp/12995910/

2011-02-21 科学者維新塾に参加

科学者維新塾にて講演〜飛び出せ行動する博士!

 2011年2月19日(土)、大阪大学中之島センターで開催された科学者維新塾にてお話する機会を得たので、報告したい。

 この科学者維新塾、大阪大学の河田聡教授の発案で始まって3年目を迎える。

 この塾の目的は、緒方洪庵の「適塾」のように、「理系博士や博士を目指す人たちが、広く世に貢献する人材へと醸成すべく」設立された。「「蘭学」を「科学」へ置き換え、世界に貢献する人材を養成」することを目的にしているという。

 以前からこの塾のことは噂で聞いていた。私達が行なってきた活動のミッションとも共通する部分が多く、何らかの形で関わることができたらと思っていたところ、幸運にもお話させていただく機会を得たのだ。

 「これからの「理系博士の使い方」の話をしよう。」と、ちょっとどこかで聞いたようなタイトルでお話させていただいた。集まったのは20人くらい。理工系大学院生を中心に、ポスドクの方や企業に勤めている方など。

 著書

博士漂流時代  「余った博士」はどうなるか? (DISCOVERサイエンス)

博士漂流時代 「余った博士」はどうなるか? (DISCOVERサイエンス)

 をベースに、私の歩んできた道のり(失敗談たくさん)なども交えて、私の考える「博士の能力活用法」を述べさせていただいた。

 今回は、理工系の院生、ポスドクの方々の前で話すということで、著書の趣旨「社会で博士を使いこなそう」をひっくり返し、「博士を社会で活かす」にはどうすればよいか、ということを強調した。

 しのぎを削る最先端科学の外側に、博士の能力を活かすことのできる「中間的な科学」の領域が広がっているのだ。

 特に言いたかったことは、自分の能力を活かすためにどんどん行動しよう、ということだ。

 博士の能力を活かすというと、どうしても職業=食っていくということを念頭に考えてしまう。

 たしかに食っていくことは重要だが、やりたい事=職業となる人など今の時代少ないわけで、偶然やることになった職で能力を活かすことだって重要だ。

 それだけでなく、何も職業でなくても、博士の能力を活かす方法はある。

 最近はやりのプロボノだっていい。ブログを書く、Twitterでつぶやく、新聞に投書する、寄付をする、イベントに参加する、ボランティアをする、NPOのスタッフになる、NPOを立ち上げる、会社を作る、それで食っていく…

 できることには段階があるのだ。だから、博士になるのを待ってなくてもいい。今すぐできることをやればいい。

 専業でなくても、逆に専業でないほうが、複数のキャリアを同時並行で生きることができて、楽しいかもしれない。これは、と思う時が来たときに、どれかに絞ればいいわけだ。

 こういう風に考えたら、たとえ食っていくためだけの職業につかざるを得なくなっても、怖がる必要はない。もちろん、食っていくって大変なことだし、今の時代、それだけで手一杯になるだろうが、ほんの少しでもやりたいことをやれていれば、自信を持って生きていける…

 こんな話をしたのだが、塾生のみなさんに届いただろうか。

 懇親会も含め、熱いディスカッションをすることができた。そんな塾生に接することで、博士の未来に希望を感じることができた。

 この塾に集まった人達は、お金を払って、貴重な時間を割いて参加している。すでに行動しているわけだ。そんな塾生が行動をおこせば、何か新しいものが生まれ、そして世の中が変わるかもしれない…そんなことを感じることができた。

 私自身、偉そうなことは何も言えなくて、まだ何も成し遂げていないわけだ。塾生のみなさんとはまったく同じ場所に立っている。

 塾生のみなさんとともに、行動していこう…私も大いに刺激を受け、気持ちを新たにすることができた。

 科学者維新塾は、大阪だけでなく東京でも始まっている東京でも熱い議論が展開されたという。

 私達が行って来た「博士ネットワークミーティング」でも感じたが、自分の専門領域の枠を超えて行動しようとする人達が、少しずつ増えているように感じる。

 著書に書いたように、博士を取り巻く状況は厳しいけれど、自分の人生の主役は自分だ、という気持ちで、小さなことからでもいいから、行動する…

 そんな博士はきっと増える。そんなことを感じた一日だった。

2月第3週のニュース

★「新成長戦略実現2011 参考資料集」(2011年2月)

http://www.npu.go.jp/policy/policy04/index.html

科学技術政策に関する資料があります。

15.「リーディング大学院」構想等による国際競争力強化と人材育成(40ページから47ページ)

17.研究開発投資の充実(53ページから56ページ)

?.科学・技術・情報通信 (117ページから131ページ)など

★科学技術・学術審議会(第34回) 配付資料

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu0/shiryo/1302203.htm

第6回機能強化検討チーム「私案」をベースとした

国立研究開発機関(仮称)制度のイメージ

http://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/detail/__icsFiles/afieldfile/2010/11/18/1298909_3_1.pdf

など資料が掲載されています。

★学生の下宿生活、30年前の水準 不況の影響、大学生協連調査

http://www.47news.jp/CN/201102/CN2011021401000431.html

大学生:仕送り、80年代並み 親の収入減影響 食費、書籍代切り詰め−−生協調査

http://mainichi.jp/life/edu/archive/news/2011/02/20110215ddm041100192000c.html

▼第46回学生生活実態調査 概要報告

http://www.univcoop.or.jp/press/life/report.html

厳しい状況です…

日経BP宮田さんのブログをめぐって

日経BPの宮田満さんのブログ

教育や産業振興の基盤となる科学・技術が危うい状況のいま、関係者はもっと議員の教育

を(2011/02/14 RANKING MAIL 第1540号)

http://blog.nikkeibp.co.jp/bio/miyata/2011/02/206921.html

に関して、こんな議論が展開されました。

日経BP宮田さんのブログに端を発した@hirakawah さんのつぶやき

http://togetter.com/li/101726

アメリカ予算教書

科学も厳しい状況に直面しているようです。

Office of Science and Technology Policy

http://www.whitehouse.gov/administration/eop/ostp

米国12年度予算教書、財政赤字削減目指す

http://www.cnn.co.jp/usa/30001804.html

FY2012科学技術R&D予算:重点領域への戦略的予算拡充方針

http://crds.jst.go.jp/watcher/data/20110217-006.html

Obama's 2012 Vision Clashes With House Cuts in 2011

http://www.sciencemag.org/cgi/content/summary/331/6019/832

AAAS R&D Budget and Policy Program R&D in the FY 2011 Budget

http://www.aaas.org/spp/rd/fy2011/

Obama resists research cuts

http://www.nature.com/news/2011/110215/full/470313a.html

Impossible arithmetic

米科学界は、科学予算を守るために幅広い勢力と手を結び、理にかなった財政赤字削減策を考えるよう議会に働きかけるべきだ。

http://www.nature.com/nature/journal/v470/n7334/full/470305a.html

★Social media: A guide for researchers

http://www.rin.ac.uk/our-work/communicating-and-disseminating-research/social-media-guide-researchers

研究者向けソーシャルメディアガイド。イギリス

★Urgent action required to secure future of UK science

http://www.timeshighereducation.co.uk/story.asp?sectioncode=26&storycode=415196&c=1

揺れるイギリスの科学。Royal societyから以下の文章が出ました。

▼'State of the nation' - preparing for the transfer from school and college science and mathematics education to UK STEM higher education

http://royalsociety.org/State-Nation-Increasing-Size-Pool/

★Transforming science strategy in the developing world

http://www.nature.com/news/2011/110218/full/news.2011.108.html

ルワンダの科学大臣の経験もあるRomain Murenzi氏へのインタビュー記事。

★Top universities take 1 per cent of poor

http://www.independent.co.uk/news/education/education-news/top-universities-take-1-per-cent-of-poor-2220658.html

イギリスで今学費値上げが大きな問題になっています。

こちらが元ネタのようです。

The Sutton Trust

Private school pupils 55 times more likely to go to Oxbridge than poor students

http://www.suttontrust.com/news/news/private-school-pupils-55-times/

WEBRONZA 政権交代は科学技術を変えるか

http://webronza.asahi.com/science/2011021800002.html

契約者のみ閲覧可能な記事ですが、

誰の声を聴くか――政権交代時代の科技基本計画 小林傳司

http://astand.asahi.com/magazine/wrscience/2011021500016.html

技術の芽を育め、されど過大視するなかれ 中西準子

http://astand.asahi.com/magazine/wrscience/2011010300003.html

が掲載されています。当ブログ科学政策ニュースクリップへのリンクもあります。

★科学技術政策・高等教育政策分野の調査プロジェクト 非常勤調査員募集のお知らせ

http://www.ndl.go.jp/jp/employ/employ_part.html

以下の案内をいただきました。

▼職種:国立国会図書館 非常勤調査員

募集人数:若干名

勤務場所:国立国会図書館東京本館

職務内容:以下3点を主に行う。

・科学技術に関する調査プロジェクト「研究開発に対する国の支援―大学・公的研究機関を中心に」への参加

・報告書等への原稿執筆

・その他、関連する調査

応募条件:以下のすべてに該当する方。

大学院博士後期課程在学者、同単位取得者又は大学等において助手、助教等の職にある方(見込みを含む)

・科学技術政策又は高等教育政策に関する研究業績のある方。国際的な動向に詳しいことが望ましい

募集期間:平成23年2月28日(月)まで(書類必着)

2011-02-14 エジプト「革命」など

エジプト、チュニジア、ウィキリークス〜時代の転換点に

 今、世界史が作られる瞬間を目撃していると言ってもいいだろう。

 チュニジアの一人の若者が自らに火をつけるという痛ましい出来事から1ヶ月半。北アフリカで二つの政権が倒れた。

 長い間虐げられてきた人々の怒りが、猛烈な勢いで広がっていった。この勢いは、まだ収まらないかもしれない。

 これを「革命」と呼ぶべきかはまだ分からないが、何かが変わったのを、遠い日本でも感じる。

 いったい何が変わったのか。

 それは情報のあり方だろう。ウィキリークスが象徴するように、良い、悪いにかかわらず、国家機密さえ暴露される時代。そして、ソーシャルネットワークを使い、情報が拡散する時代。チュニジアエジプトの「革命」はフェースブック革命とも呼ばれる。

 もちろん、過大視するのは問題だ。ベンアリ大統領の不正はウィキリークスが暴露しなくても国民は知っていたという。ソーシャルメディアは体制側も利用するという。TwitterFacebookが「革命」を引き起こしたのではなく、「革命」がTwitterFacebookを利用したということだろう。

 しかし、一般の市民が、大きな手段を手にしたのは事実だ。ソーシャルメディアを駆使して当事者が動けば、世の中が変わるということだ。

 非常にローカルでミクロな視点ではあるが、こうした状況の中、日本の科学コミュニティはどうなるのか、考えてみたい。

 エジプトでデモが行われていた同じ日。大阪大学から不正事件の顛末が明らかされた。

医学系研究科における研究費の不正使用に関する調査結果について

 4000万円もの研究費の不正使用。一部は私的流用もしていた。

 そして、「特任研究員等5人が、支払われた給与から 少なくとも合計3,781,057円を研究室に 戻している 」という。

 ポスドクに給料を返還させるという、立場の弱さに付け込んだ行為。

 この他、獨協医科大学で、研究データの捏造疑惑が報道されている。

「独協医大で論文不正」と告発文…調査委設置

 これらはいずれも、匿名告発によって明らかになった。

 また、2月10日に最先端研究開発支援プログラム、若手、女性研究者の課題が決定したが、政府のサイトには掲載されていなかった採択者リストが、匿名の誰かによって、ウェブにアップされ、twitter上でまたたく間に広まった。

http://www1.gigafile.nu/v3/?1d30700333c2a2e37c838b4cfbd01a17#download

 もちろん、このリストは14日には政府のサイトに公開されており、そういう意味で、インパクトには乏しいが、このことは、研究不正も含め、情報はもはや隠せず、そして拡散するということを表しているように思う。

 これから何が言えるのか。

 部下や院生に行った理不尽な扱い、研究費の不正使用やデータ捏造はいずれ発覚しうるということだ。

 また、政府の持つ情報も同様に、明らかにされうるということだ。

 これは、良い、悪いで語ることは難しい。既得権益を持った人には脅威、そして個々は力のない院生、ポスドク、一般市民にとっては希望かもしれないからだ。

 私はここに、チュニジアエジプトと同じものをみる。

 ただ、政権が倒れたり、研究不正が明らかになるのは、いわば破壊であって何かが作られるわけではない。そこから何か新しいものがつくられるのか。

 佐々木俊尚氏は、ソーシャルメデイアが発達しつつある今、「キュレーター」が重要な役割を果たす、キュレーションの時代が来ていると述べている。

 キュレーターの定義とは、収集し、選別し、そこに新たな意味付けを与えて、共有すること。

 収集される以前は膨大なノイズの海の中に漂う情報の断片でしかなかった存在が、キュレーターに拾い上げられることによって新たな意味を与えられ、別の価値をもって光り輝き始めます。

 ソーシャルメディアには、無数のキュレーターが存在する。そしてわれわれはそのキュレーターの多層構造の中で生きています。(「キュレーションの時代」佐々木俊尚著 ちくま新書p252-253)

 課題ごとに、キュレーターを介して集う人達。そこから、破壊でなく創造が生まれるかもしれない。まだ考えがまとまっていないが、たとえば私達の目指す、全米科学振興協会(AAAS)のような組織も、ひとつの巨大な組織ではなく、ソーシャルメディアを通じた緩やかなネットワークを通じて、同じことが行えるのかも知れない。

 そして、博士号取得者は、キュレーターとして重要な役割を果たしううかもしれない。

 チュニジアエジプトウィキリークスソーシャルメディア

 この大きな流れの前に、私達も無縁ではいられない。日本とエジプトは、ウェブでは距離などない。

 私達一人ひとりの行動が、世の中を動かし、変える、そんな時代が来ている、と言ったら楽観のしすぎだろうか。

参考

秩序なき“無極化世界”を呼び込む時代の申し子 チュニジア、エジプト、国際情勢に合わせて秘密公電を公開

エジプト騒乱は「フェイスブック革命」ではない 体制側の抑圧行為にも貢献するネットの二面性

「革命2.0」:エジプトとソーシャルメディア

キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる (ちくま新書)

キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる (ちくま新書)

2月第2週科学技術政策関連ニュース

最先端研究開発支援プログラム、課題決定

最先端・次世代研究開発支援プログラム研究者・研究課題の決定について

http://www8.cao.go.jp/cstp/sentan/jisedai_kettei.html

最先端・次世代研究開発支援プログラム >>スケジュール

http://www.jsps.go.jp/j-jisedai/schedule.html

交付条件・様式集

http://www.jsps.go.jp/j-jisedai/joseikin.html

総合科学技術会議(第96回)議事次第

http://www8.cao.go.jp/cstp/siryo/haihu96/haihu-si96.html

▼資料1 最先端・次世代研究開発支援プログラム研究者・研究課題について(案)(PDF:331KB)

http://www8.cao.go.jp/cstp/siryo/haihu96/siryo1.pdf

参考資料 最先端・次世代研究開発支援プログラムの概要(PDF

http://www8.cao.go.jp/cstp/siryo/haihu96/sanko1.pdf

第 9 6回総合科学技術会議(持ち回り開催)議事要旨

http://www8.cao.go.jp/cstp/siryo/giji/giji-si96.pdf

第 9 6 回総合科学技術会議を持ち回り開催し、平成 23 年2月 1 0 日付をもって「最先端・次世代研究開発支援プログラム研究者・研究課題(案)」について、原案通り決定することを、全会一致で議決した。

ファイル:若手・女性研究者支援、329件選定

http://mainichi.jp/select/science/news/20110211ddm008040046000c.html

若手や女性研究者に486億円 政府の助成プログラム

http://www.47news.jp/CN/201102/CN2011021001000959.html

ようやく決定しました。2月10日時点では、政府のページには決定課題は出ていませが、どなたかがウェブにアップしています。

http://www1.gigafile.nu/v3/?1d30700333c2a2e37c838b4cfbd01a17#download

ウィキリークス時代を思い起こさせます。

★AAAS年次総会、今週末開催

全米科学振興協会(AAAS)の年次総会が今週末開催されます。

http://www.aaas.org/meetings/

日本からも出展があります。

世界最大の学会AAAS年次総会にて、産学官協力体制でジャパン・パビリオンを出展し、セッションを開催

http://www.jst.go.jp/report/2010/110208.html

私達SSAでも、寄付を募り大学院生1名を派遣することになりました。

報告をご期待ください。

★予算カットに直面する米英

House Panel to Take Second Bite Out of Science Budgets

http://news.sciencemag.org/scienceinsider/2011/02/house-panel-to-take-second-bite.html

US science agencies targeted for cuts

http://www.nature.com/news/2011/110210/full/news.2011.84.html

Science agencies under fire in US budget battle

http://blogs.nature.com/news/thegreatbeyond/2011/02/science_agenices_under_fire_in.html

House hearing tackles spending reductions at NASA and NSF

http://blogs.nature.com/news/thegreatbeyond/2011/02/house_hearing_tackles_spending.html

ケンブリッジ大学、学費を上限の9000ポンドに引き上げへ−BBC

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920012&sid=aU8WHUJvz3uI

Oxbridge to join £9,000 club on fees

http://www.guardian.co.uk/education/2011/feb/09/oxford-cambridge-9000-fees

Set Cambridge tuition at £9,000 with discount for poorest students, internal report advises

http://www.timeshighereducation.co.uk/story.asp?sectioncode=26&storycode=415108&c=1

U.K. Neuroscientists Complain Funding Cut Penalizes Them for Success

http://news.sciencemag.org/scienceinsider/2011/02/uk-neuroscientists-complain-fund.html

ファイザーの研究縮小

大きな反響が出ています。

Pfizer slashes R&D

http://www.nature.com/news/2011/110209/full/470154a.html

Pfizer's Shakeup Means Less Money for Research

http://www.sciencemag.org/cgi/content/summary/331/6018/658

★ヒトゲノムプロジェクト終了10年

NatureとScienceが特集をしています。

THE HUMAN GENOME AT TEN

http://www.nature.com/news/specials/humangenome/index.html

Special Series: Human Genome 10th Anniversary

http://www.sciencemag.org/site/extra/genomeanniversary/

Best is yet to come

ヒトゲノム塩基配列解読から10年が経ったが、その成果の実用化は、まだこれからである。

http://www.nature.com/nature/journal/v470/n7333/full/470140a.html

The Genome Project: What Will It Do as a Teenager?

http://www.sciencemag.org/cgi/content/summary/331/6018/660

エジプト革命

ムバラク大統領の退陣は、世界史的な出来事だったと思います。

一般のメディアのみならず、科学メディアエジプトに関する記事を寄せています。以下その一分です。

Egypt's turmoil: a wake-up call for Arab science

http://www.scidev.net/en/editorials/egypt-s-turmoil-a-wake-up-call-for-arab-science-1.html

Egypt's researchers hungry for reform

The Mubarak regime has left Egyptian science lagging by decades, says chemist Hassan Azzazy.

http://www.nature.com/news/2011/110208/full/news.2011.77.html

Egypt's youth 'key to revival'

http://www.nature.com/news/2011/110208/full/470147a.html

A vision for Egypt's universities

http://www.nature.com/news/2011/110208/full/news.2011.78.html

Egypt's revolution vindicates Gene Sharp's theory of nonviolent activism

http://www.scientificamerican.com/blog/post.cfm?id=egypts-revolution-vindicates-gene-s-2011-02-11

ElBaradei: 'greatest day of my life'

http://blogs.nature.com/news/thegreatbeyond/2011/02/elbaradei_greatest_day_of_my_l.html

From Nuclear Watchdog to the Maelstrom of Cairo

http://www.sciencemag.org/cgi/content/summary/331/6018/659

2011-02-07 2011年2月第一週科学技術関連ニュース

2月第一週ニュース

東大生協本郷書籍部で新書ベストセラー1位

博士漂流時代  「余った博士」はどうなるか? (DISCOVERサイエンス)

博士漂流時代 「余った博士」はどうなるか? (DISCOVERサイエンス)

が、東大生協本郷書籍部の新書ベストセラーランキング1位になりました。

同じ東大でも駒場ではランキングに入っていませんし、他大学でもランク外です。

東大本郷キャンパス周辺には院生や研究者が多いということなのでしょうが、それだけに、博士の問題が集約されている可能性があります。決して喜べる事態ではないかもしれません。

★科学研究費騒動顛末

衆議院予算委員会で、自民党甘利明議員が質問した内容が、twitter上で大きな話題になりました。

衆院予算委■【甘利篇】菅総理「科学技術予算を増額した!」の真相

当日の映像はこちら

http://www.shugiintv.go.jp/jp/video_lib3.php?deli_id=40764&media_type=wn

これに関して、vikingjpnさん(博士漂流時代でインタビューを引き受けてくださった方)が

「来年度の科学技術予算増額」は実は人文社会学系予算を合算したことによる見せ掛けのもの?

というエントリーを出されるなど、話題になりました。

「文科省分は」増額されている:科学技術予算水増し?疑惑の結論

で述べられているように、文科省の予算は増やされており、その他の省庁の分が減額されているというのが真相のようでした。

この騒動をみて思ったのが、民間非営利の独立の立場で、きちんと予算を監視するような組織を、あるいはネットワークを作らないといけないなということです。

 AAASが毎年詳細な連邦予算の分析などをやっているのは有名ですが、

http://www.aaas.org/spp/rd/

 こういうことを行うNPOが日本でも必要ではないかと思っています。

 私達の研究者ネットワーク(仮)が目指すもののひとつでもあります。

第4回会合(予算監視・効率化チーム)

重要資料が多数あります。

資料3-1 研究費・プロジェクト系教育経費の効果的予算措置に向けた文部科学省における取組状況 (PDF:168KB)

http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/02/07/1302032_8_1.pdf

別紙1(資料3-1) 文部科学省における主な取組状況(参考資料集) (PDF:828KB)

http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/02/07/1302032_9_2.pdf

別紙2(資料3-1) 平成23年文部科学省新年熟議 結果報告 (PDF:104KB)

http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/02/07/1302032_10_1.pdf

別紙3(資料3-1) 研究開発現場の意見を踏まえた政策形成を一層推進するための文部科学省における今後の取組み(案) (PDF:102KB)

http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/02/07/1302032_11_1.pdf

別紙4(資料3-1) 次期e-Rad構築の方向性(案) (PDF:634KB)

http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/02/07/1302032_12_1.pdf

グローバル化社会の大学院教育〜世界の多様な分野で大学院修了者が活躍するために〜答申

詳しくはブログにも書きましたが、

http://d.hatena.ne.jp/scicom/20110201/p1

産経報道

“徒弟制度”や修士論文の廃止求める 大学院博士課程で中教審答申

をめぐって議論が起きていました。

学術分科会(第42回) 配付資料

重要資料多数です。ブログをご参照ください。

http://d.hatena.ne.jp/scicom/20110201/p2

★第7回(平成22年度日本学術振興会賞の受賞者決定について

http://www.jsps.go.jp/jsps-prize/kettei.html

第7回(平成22年度日本学術振興会賞受賞者一覧

http://www.jsps.go.jp/jsps-prize/ichiran_7th.html

上田泰己氏をはじめ、若手研究者の受賞が決まりました。

最先端研究開発支援プログラム 次世代プログラム運営会議

平成23年2月3日に総合科学技術会議に提出する「研究者・研究課題決定案」を取りまとめました。

とのこと。ようやく決まるようです。

これに関して、科学新聞2月4日号で、総合科学技術会議の白石隆議員が、インタビューに答えていました。

総合科学技術会議議員 白石隆氏に聞く 政治主導と科学技術政策 研究開発支援プログラム 採択決定の遅れで混乱も 有望な人材を活かすために政治主導の”スピード感”必要

また、以下のような要望提言が出されました。

科学技術関連基金の研究課題決定プロセスについての要望提言

社団法人応用物理学会会長 東京都市大学教授 白木靖寛

社団法人日本化学会会長 電気通信大学教授 岩澤康裕

社団法人日本生化学会会長 東京大学教授 北 潔

生物科学学会連合代表 (独)産業技術総合研究所 幹細胞工学研究センター長 浅島 誠

社団法人日本地球惑星科学連合会長 東京大学教授 木村 学

社団法人日本物理学会会長 日本原子力開発機構 J-PARCセンター長 永宮正治

公益社団法人日本薬学会会頭 東京大学教授 松木則夫

平成23年2月1日

アメリカ科学予算、厳しい状況に

Tough cuts proposed for US science

Science Accounts Hit Hard by Planned House Budget Cuts

先の中間選挙での民主党の大敗も影響し、厳しい情勢が続いています。

エジプトデモと科学

科学、学術も影響を受けています。

Archaeologists Hold Their Breaths on Status of Egyptian Antiquities

http://news.sciencemag.org/scienceinsider/2011/01/archaeologists-hold-their-breath.html

Egyptian seed bank looted -- updated

http://blogs.nature.com/news/thegreatbeyond/2011/02/genebank.html

Inside Higher Ed: Getting out of Egypt

http://www.timeshighereducation.co.uk/story.asp?sectioncode=26&storycode=415010&c=1

How Egypt is getting online without the internet

http://www.newscientist.com/blogs/onepercent/2011/02/egypt-remains-officially-offli.html

Scientists join protests on streets of Cairo to call for political reform

http://blogs.nature.com/news/thegreatbeyond/2011/02/scientists_join_protests_on_st.html

Egypt Update: Rare Tomb May Have Been Destroyed

http://news.sciencemag.org/scienceinsider/2011/02/egypt-update-rare-tomb-may-have.html

Egyptians rally to defend cultural heritage

http://www.nature.com/news/2011/110203/full/news.2011.72.htm

中国、2020年の科学ビジョン発表

China sets 2020 vision for science

http://www.ndl.go.jp/jp/aboutus/tec/council_tec_report.html:title=国立国会図書館における今後の科学技術情報整備の基本方針に関する提言 [PDF 1.64MB](第52回科学技術関係資料整備審議会 平成23年1月19日開催)]

2011-02-01 中教審、大学院に関する答申を出す(追記あり)

学術分科会(第42回) 配付資料

1月17日に開催された学術分科会(第42回)の配付資料が公開された

以下のような重要資料あり。

「若手研究(B)」「挑戦的萌芽研究」「基盤研究(C)」を対象に、平成23年度から、新規採択分について 複数年にわたる研究費の使用を可能とする「基金化」を図る

中教審、大学院に関する答申を出す

追記

答申が公開されました。

グローバル化社会の大学院教育〜世界の多様な分野で大学院修了者が活躍するために〜答申

(追記ここまで)

“徒弟制度”や修士論文の廃止求める 大学院博士課程で中教審答申

http://sankei.jp.msn.com/life/news/110131/edc11013122040003-n1.htm

中教審が上記の答申をまとめ、twitter上も含めて大きな話題となっている。

1月31日産経ニュース報道「大学院教育改革策に関する中央教育審議会答申」に対する反応

中教審の提言に関して

産経新聞ウェブ報道では

院生が1人の教員に師事して研究を手伝いながら指導を受ける“徒弟制度”や、特定のテーマに絞り込んだ修士論文の廃止などを盛り込む

5年制の博士課程の2年修了時点で、特定の研究テーマについてまとめる修士論文を原則的に廃止。代わりに幅広い分野についてテストやリポート審査を行う「クォリファイング・イグザム」の導入を求めている。

との情報があり、様々な憶測が飛び交っているようだ。

ただ、やや情報が錯綜している。31日に発表された答申

であり、これは大学院については触れられていない。

どうやらこのブログですでに取り上げたグローバル化社会の大学院教育(答申案)〜世界の多様な分野で大学院修了者が活躍するために〜 (PDF:1635KB)のほうのようで、最終的な答申はまだ文科省ウェブにアップされていない。

これは大学分科会(第94回) 配付資料(1月19日)にあったものだが、12月16日の大学院部会(第52回) 配付資料には、概要も含め掲載されている(1月19日のほうは、12月16日の以下の3つをひとつにまとめたもの)。

資料1 グローバル化が進展する中での大学院教育〜世界の多様な分野で大学院修了者が活躍するために〜(答申案)(ポイント) (PDF:395KB)

資料2 グローバル化が進展する中での大学院教育〜世界の多様な分野で大学院修了者が活躍するために〜(答申案)(概要)

資料3 グローバル化が進展する中での大学院教育〜世界の多様な分野で大学院修了者が活躍するために〜(答申案) (PDF:969KB)

グローバル化社会の大学院教育(答申案)〜世界の多様な分野で大学院修了者が活躍するために〜 (PDF:1635KB)をもとに、産経報道にあった部分に相当する部分を一部抜き出してみる。

p6

4.大学院教育の改善方策

(1)学位プログラムとしての大学院教育の確立

? 課程制大学院制度の趣旨に沿った体系的な教育の確立

博士課程,修士課程専門職学位課程を編成する専攻単位で,人材養成の目的や学位の授与要件,修得すべき知識・能力の内容を具体的・体系的に示す。その上で,コースワークから研究指導へ有機的に繋がりを持った体系的な大学院教育を確立する。

<複数の教員による研究指導体制の確立>

高い専門性とともに幅広い視野を備え,専門分野の枠にとらわれない独創性・創造性を持った人材を養成する観点からは,異なる専門分野の複数の教員が論文作成等の研究指導を行う体制を確保することが重要である。各大学は,上記の助教制度の創設や講座制又は学科目制を基本原則とする規定の削除の趣旨を十分に踏まえ,教育研究組織を見直していくことが必要である。

また,国は,各大学院の組織的な教育・研究指導体制の現状と優れた事例の積極的な情報提供を進める必要がある。

p14

(2)グローバルに活躍する博士の養成

? 学位プログラムとして一貫した博士課程教育の確立

課程を通じ一貫した学位プログラムを構築し,産学官の中核的人材としてグローバルに活躍できる高度な人材を養成する質の保証された博士課程教育を確立する。

学士課程段階で充実した教養教育や基礎教育を受けた優秀な学生が,将来の見通しを持って自らの可能性に挑み,互いに切磋琢磨し,産学官の様々な分野で中核的人材としてグローバルに活躍できるよう,大学院教育,とりわけ博士課程教育に重点を置く大学などにあっては,専攻等の規模や人材養成目的に応じ,幅広い知識を修得させる広範なコースワークや複数専攻制,研究室のローテーションなど研究室等の壁を破る統合的な教育を経て,専攻する専門分野を選択し,独創的な研究活動を自立して遂行していく博士を養成することが重要である。こうしたプロセスを効果的に実現するため,修業年限を弾力的に取り扱い,課程を通じて一貫した学位プログラムを構築し,質の保証された博士課程教育を確立していく必要があり,制度と予算の両面から強力に推進していくことが求められる。

<博士課程学生の基礎的能力の審査>

課程を通じて一貫した体系的なカリキュラムを編成する観点から,アメリカの博士課程教育で広く行われている「Qualifying Examination」,すなわち,学生が本格的に博士論文作成に着手するまでに,博士論文作成に必要な基礎知識,研究計画能力,倫理観,語学力を含むコミュニケーション能力などを体系的なコースワーク等を通じて修得しているか否かについて包括的に審査を行う仕組みの導入が有効である。

区分制博士課程をとる多くの大学院においては,博士課程(前期)の修了要件に修士論文が課されているが,修士論文の作成に係る負担が過度となるとの指摘がある。このため,修士論文研究者としての訓練を積む上で大きな役割を果たしてきたことや,博士課程(前期)修了後に就職する者等の取扱いに留意しつつ,課程を通じ一貫したカリキュラムを編成する観点から,博士課程(前期)の修了時に,修士論文の作成に代えて上記のような審査を行う場合の制度的取扱いや博士課程(後期)へ受け入れる要件を明確にすることが適当である。

最終的な答申にどのような変更があったのかは不明だが、まずはこの答申案を各自読んでほしい。