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2010-02-15 医学部と理工系、人材不均衡の問題

医学部VS理工系 twitterを通じて考えた

2月14日、インターネット上のミニブログtwitterで議論が起こった。

きっかけは、藤沢数希氏の以下のような発言だ。


日本の知的能力の高い人がお医者さんや弁護士にどんどん配分されるのは社会的には大きな損失。起業して新しい価値を作り出したり、科学技術の発展に貢献した方がいい。

http://twitter.com/kazu_fujisawa/status/9038241572

これに対し、経済学者池田信夫氏が答えている。

職業免許の「仕分け」を

http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51376580.html

これらに対しさまざまな意見が語られ、私もその流れに参加した。私自身、理学部大学院を中退し医学部に入りなおしたので、当事者として思うところがあったからだ。すでにこの欄で触れた話題であるが、改めて考えてみたい。

問題はなかなか根深い。

報道などによれば、成績の上位層が医学部を志望する傾向は、以前から受験界では常識化していた。高校によっては、成績上位者に本人の希望によらず医学部受験を促すということも行われていると聞く。

受験関係者によると、その理由は将来への展望、収入などだという。

国立大学医学部の多くは、東大の理科1、2類と同程度の難易度だ。東大の理1に入ったとしても、今や理工系では大学院修士課程に行くのは当たり前。その後博士課程に進んだとしても、「高学歴ワーキングプア」「余剰博士」と言われ将来の展望が見えない。企業に就職しても収入は文系より低い。それならば、卒業まで6年間かかっても医学部に行ったほうがよい、ということになる。

現実問題として、医師とその他の理工系の格差は大きい。

医師は卒後5年目くらいには年収が1000万円を超える。その後大幅には増えないと言われているが、1500万円くらいを推移する。

長時間の過酷な労働、訴訟リスクなどを考えれば、決して高いとは言えないと思う。

また、一部の「一流企業」では、もっと高額の収入をもらう者も多いから、そういう人たちからすれば薄給と言えるのだろう。

しかし、それはあくまで、「一流企業」や起業フリーランスで成功している人との比較だ。

たとえばポスドクの年収は400万円程度なのであり、たとえ博士課程終了後医学部に入りなおしても、学費を差し引いても10数年でペイしてしまう格差がある。

同じような入試を受けるのにこれだけの差があれば、多くの人が医学部を志すだろう。巨大な経済大国の隣にある小国から、国境を超えるリスクを冒してでも越境する人が絶えないように(大げさか)。

こうした情報が高校生の耳に達しているのか、データは知らないが、「医者は食いっぱぐれがない」というイメージは、多くの高校生が持っているだろう。収入が多いという印象を持っている高校生も多いと思われる。

また、受験校は東大京大、もしくは医学部への合格者数などがアピールになると言われており、生徒の意に反して医学部進学を勧める高校があるという。

不況が長引く中、地方の高校を中心に「医学部シフト」が起きたとも言われている。地方では東京などと違って産業も乏しいため、地元に残ってある程度の生活をするには医師になるのがよいとされているそうだ。

これとともに、東京大学の理科3類など最上位の医学部には、「一番だから」という理由で受験する者も多いと聞く。数学オリンピックメダルを取ったような生徒が東大理3に入っているとも聞いており、医学部が成績優秀者を大量に抱えているのは事実のようだ。

しかし、研究など一部を除いて、医師の仕事に高度な数学力や物理力は必要ではない。ある程度の記憶力、理解力などは不可欠だが、患者とのコミュニケーション能力なども不可欠であり、受験で優秀だったものが必ずしも医師として優秀というわけではない場合が多い。

そういう意味で、もしほかの理工系の分野に行っていたら、活躍したかも知れない人たちが医師になることは、社会的損失であるかもしれない。あたかも事業仕分けの際に、特別研究員制度が、社会に出るべき人材を抱え込んでいると批判されたように。

では、この医師への偏在を解消すべきなのか、解消すべきとするならば、どのような方法を取ればよいのだろうか。

私としては、偏在はやはり解消すべきだと思う。医師にはとても優秀な人が多いのは事実だ。受験秀才が必ずしも優秀とは限らないものの、ノーベル賞受賞者の多くが受験秀才であったことを考えると、ある程度の相関はあるはずだ。今をときめくiPSの山中教授も医学部出身だ。

もちろん、それだけ優秀な人材が集まっているのに、日本の医学部出身者に一人のノーベル賞受賞者もいないではないか、という意見はあるだろう。確かに、それだけの人材がいるならば、もっと優れた研究が出てもいいはずだ。その原因は、優秀な才能を生かしきれない医学部の体制というのがあるだろう。

それも踏まえて、才能はもっといろいろな分野に散ってほしい。

しかし、問題はどうやってそれを解消するかだ。

前述の池田信夫氏は、医師を「資格認定」にしたほうがよい、という。医業をやりたいものがやって、あとから認定するということか。そうすれば、誰でも医業に参入できるので、医学部に入る意味はなくなる。

しかし、それでは医療の質の維持をどうするのかという問題があるだろう。経済学的にいえば合理的かもしれないが…医師や市民の反発も多そうで、現実的ではない。

ならば、医師の数を増やすというのはどうか。今医師不足が深刻であり、医師を増やすのは国家的な課題になっている。実際医学部の定員は増えつつある。

医学部の定員を大幅に増やせば、難易度は下がる。医学部進学に対する「成績優秀者」というステータスは消失する。最上位層は東大理1に進学するかもしれない。

しかし、理工系、産業界に行くべき人材がさらに医学部に吸い寄せられてしまう可能性を危惧する声もあるという。

では、医師の待遇を下げるというのはどうか。医師の年収を引き下げ、一般の理工系並みにすれば、年収格差が引き起こす医学部への人材流入を防ぐことができるかもしれない。下げた年収の分を、コメディカルの充実などに使用すれば、医療の充実化を図ることができるかもしれない。医師は決してお金だけで仕事をしているわけではない。ある地方病院で、ある科に数千万円の年収を用意したが、なり手がいなかったという話も聞く。収入よりきちんとした医療体制のほうが重要なのだ。

しかし、そうすると、医師内の人材偏在がより顕在化する可能性がある。今医療が崩壊の危機にあるのに、かろうじて持っているのは、医師たちの超人的な献身のおかげだ。(追記:本来はこうした違法な過重労働を是正するのが先決のはずだが、それに手を付けずに)年収の引き下げだけでは、そうした医師の心を萎えさせるかもしれない。訴訟リスクや労働の厳しさに割が合わないと、比較的楽な科に転科したり、転職する者が増えるかもしれない。医師医師以外の仕事ができないので、転職する者は少ないのではないか、という声もあるが、医療専門学校の講師や製薬企業の研究員など、医師の資格が生きる道はあるので、転職する医師は出るように思う。

最後に考えたいのが、理工系の職種の待遇改善だ。

失業の可能性さえあるポスドクのような不安定雇用を改善したり、お金を払いながら大学院に進学しないと学位が取得できない体制を改める、理工系出身者、技術者の企業内での地位を上げる、国家公務員における技官の地位を上げるといったことだ。青色発光ダイオード特許訴訟のように、企業内技術者の反乱が相次いでいる。お金がすべてではないとはいえ、待遇や地位の改善も含めて改革がなされるべきではないだろうか。

医師の地位を相対的に下げることで、理工系に近づけることより、理工系の地位を上げたほうが自然なように思う。

とはいうものの、企業や社会も余裕がなく、急激な賃金の上昇や博士の雇用改善は望めないかもしれない。

以上、いろいろと考えてみた。はっきりとした結論が言えなくて、大変心苦しいが、一つだけ言えるのは、こうした医学部と他の理工系学部の格差を考えずに、理科は楽しい、科学は楽しい、理工系にいらっしゃい、と言ったところで、効果がないということだ。

確かに研究者医師もお金だけで進路を決めたわけではない。多くは使命感や好奇心で進路を決めている。

けれど、お金も、そして何より将来の展望が、進路選択に大きな影響を及ぼすのは間違いない。キレイゴトだけで世の中は動かないのだ。

一つだけの解決策はないかもしれないが、上で挙げたようなさまざまなことを考え、実行に移していかないと、この国の将来は危うい。

昨年末に公表された成長戦略には「理工系博士の完全雇用」が明記された。批判も多かったが、理工系を志す者、現在理工系博士を目指している者にとって、希望が見えたという感想も多かった。

私も、理工系の世界と医師の世界を知る者として、この問題を考え続けていきたい。

2009-10-13 博士は募集停止しろ、衝撃の提言

博士は募集停止にすべき…衝撃の提言

職業としての大学教授 (中公叢書)

職業としての大学教授 (中公叢書)

著名な教育学者、潮木氏がいうのだから、説得力がある。こういうことをいう人は多かったが、大学関係者から出たところが大きい。

とにかく引用する。

日本の大学教員は我が身を守ることには懸命になるが、その後継者世代をどうやって確保するのかに対しては極めて冷淡で、その結果、博士課程は目下、いまだかつて経験したこともない危機的な状況に陥ってしまった。青春は二度と取り戻せない。ただちに博士課程の募集を一時停止してでも、全国の博士課程を持つ大学を中心に、さらには全大学を含めて、今後の大学教員育成の制度設計を見直す必要がある。

三〇歳まで「生業」につかなかった人間を受け入れる場などまったくない


現在の大学院は定員補充率を高める圧力に晒され、院生集めに懸命になり、大学院が終われば、任期付き雇用という不安定なポストを工面して、当てのないチャンスを待たせているのが現状である。(中略)ますますプレカリアートを増やすだけ

学部卒あるいは修士修了の時点で、将来大学教員・研究者としてやっていけろだけの能力とガッツを持った者だけ選び出し、彼ら彼女らに集中的に資金を投入して、次世代の大学教員・研究者を養成する方が、博士号を持ったフリーターを量産するだけの現行大学制度よりもはるかに合理的である。

 博士のキャリア問題の責任の所在を大学に求めた点で、画期的な内容と言える。関係者必読。

 はたして、この提言を大学関係者はどう受け止めるのか。

2008-07-31

朝日新聞私の視点いきさつその1

 私は本業は医者で、医師不足の直撃を受けて、ワークライフバランスもあったもんじゃない生活をしているので、ブログを書く優先順位は極めて乏しい。

 ただ、せっかく今新聞に載せていただいたので、少しだけいきさつや補足などを。

 今回の投稿は、朝日の記者の方からお題をいただいて書き始めた、ある種の依頼原稿。

 で、ポスドク問題について書いてくれ、とのことで…

 うちのNPOでは、2001年に私が、2002年に檀理事が、2003年に林副代表(当時)が私の視点に書いているのだけれど、しばらく間があいたということもあって、書いてみないかと機会を提供していただいた。

 しかしながら、ポスドク問題といっても幅が広い。何から書くべきか、非常に迷った。

 NPO内部でも議論を重ねたが、とっかかりがつかめない。

 で、最初に書いたのがこれ。


博士を活かす仕組みを作れ

 理工系の博士号取得者の就職難が言われて久しい。彼らの多くは任期つきの研究員(博士研究員)になるが、博士研究員の数は近年漸増しており、1万5千人を超えた。しかし少子化等により常勤の研究職は増えておらず、一人の募集に数百人もの応募者が殺到することもあるという。このため、博士研究員を繰り返さざるをえない者が増え、40歳以上の博士研究員の10%に達している。

 これに加え博士研究員は専門に固執しすぎて柔軟性がない、といった先入観が広まり、博士研究員を毎年採用している企業は1%に満たない。また、一般の人たちの多くは、博士研究員は好きなことだけをやってきたのだし、博士号を取得するほど優秀なのだから、就職など自分で見つければよい、と関心を払わない。さまざまな対策がたてられているが、決定打はなく厳しい状況に改善のめどが立たない。こうした状況のなか、大学院博士課程の入学競争倍率が1倍を切った。優秀な人材が科学技術研究に取り組まなくなりつつある。

 私は、こうした事態を改善したいと願い、NPOを立ち上げて理工系の博士研究員の就職問題に取り組んできた。就職に悩む博士研究員の悲痛な声を数多く聞いたが、彼らの多くは、将来に不安を感じている一方、長らく続けてきた研究を完全に捨てたくないと思っていた。それを贅沢だとか、甘いだとかいうのは簡単だ。しかし、長年の夢をあきらめることは、簡単ではないことは理解できる。

 そのような思いを無駄にすることなく、彼らの能力を社会に活かす道はないだろうか。

 私は、博士研究員は、長い間研究に従事してきた経験や知識を無駄にせず、それらを社会に役立てるために、科学と社会をつなぐ、いわば科学の大使の役割を担うことができると考えている。

 博士研究員は、10年以上科学技術究に従事しており、研究の現場や先端の科学技術に通じている。これらは理科教育や市民と科学をつなぐイベントや、あるいは身近な環境問題など、市民が直面している問題解決を手助けするような研究に大いに役立つだろう。理科離れが言われ、先端科学技術の負の側面が懸念される現代において、こうした活動は非常に重要だ。

 最近秋田県では、博士号を持った教員を採用しているが、他府県や研究機関の広報などで、博士研究員の採用が広がってほしい。また、たとえ直接過去の研究経験と関連のない職業に就いたとしても、余暇を用いて地域や職場で科学と社会をつなぐ活動をすれば、科学と社会の関係がより密接になるのではないか。そして、過去の経験が生き、社会に貢献することのできる役割があると分かれば、博士研究員の多くが研究職に固執することなく、自信と誇りをもって積極的に多様な職に就けるだろう。私自身、現在は過去の研究と全く無関係な職業に就いているが、NPOを通じて科学と社会をつなぐさまざまな活動をしており、充実した毎日を送っている。

 関係者は、博士研究員が科学と社会をつなぐ活動を始めやすい環境を整えるため、知恵を絞ってほしい。大学や研究機関の関係者は、多様な職に進む博士研究員たちを、研究競争に敗れた者として見下すのではなく、温かく社会に送り出してほしい。地域社会は、科学館や学校などの場所を提供するなど、活動を支えてほしい。

 研究者が一人前になるまでに、一億円もの費用がかかるという試算もある。資源のない日本は、人材こそが資源だ。こうした人材を眠らせておくのは非常にもったいない。


 しかしながら、没に…

 また明日以降に続く…

優秀なら仕事を見つけられる論に思う

本日もちょっと仕事が逼迫しているので、丁寧なレスができないけれど…

ポスドク問題を語るとよく言われるのが

「博士を出たくらい優秀なら、自分で道は見つけられる」

というもの。何度いわれたことか。


私は博士=優秀なんて思ってない。


「優秀」をどうとらえるのか、という問題だが、社会でやっていけるスキルと定義するのなら、優秀じゃない。


まあ、博士をマルチ能力の資格、と認識されているのなら、それはありがたいことではあるけれど…


優秀なら仕事は見つかる…確かにそういう面はあるだろう。そういう人は実際にいて、どの世界でも頭角をあらわす。それは心配していない。

ただ、能力はあるのにコミュニケーションやアピール力に欠けるとか、そういう人が生きる道があるといいのかなと思う。フューチャーラボラトリの橋本社長によると、そういう人は6割くらいだという(日経BTJジャーナル2007年7月号)。


具体的には、田中耕一さんみたいな人。田中さんは飛びきり優秀だから、あくまでみたいな、でとどめるが、エンジニアとか、一つのことに秀でた能力を持っているが、自分からその能力を生かす場を見つけられない人というのがいると思うl。

そういう人は、場が設定されれば生きる。場というのは、ある実験機材があるところだったりする。


実験機材というのはどこにでもあるわけじゃないから、それを見つけられなければ、能力が生かされないということになる。

#「優秀ならば仕事が見つかる」と言っている人は、機材に依存しない(自分自身のスキルに大きく依存する)お仕事をされている方が多いような気がする。


社会の視点からみれば、そういう能力を生かしたほうがいいんじゃない、と思う。適材適所ということ。

もちろん個人的視点からみれば、一つにこだわらず広く活躍の場所を求めたほうがいいんじゃないと思うが。

ポスドク問題は個人的対応と政策的社会的な対応をわけて考えたほうがいいと思う。



そういう人がとりあえず、門前払いをされず、せめて就職試験を受けられるようになることが、まずの目標。それ以降は個体差の問題。


城繁幸氏は、日本企業が博士を採用しない理由は年功序列だ、と言っている。

http://www.doblog.com/weblog/myblog/17090/2615701#2615701

だが、どんなに大学や学生の尻を蹴っ飛ばしても、企業という最大の受け皿自身が変わらなければ、現状が大きく変わることは無いだろう。


こういう社会慣行は、そうは変わらないと思うが、まずは博士はダメ、というイメージを変えたいわけで。

市場価値を高めるというか。とりあえずまずは「博士、いいね、会ってみようか」と言ってくれる社長さんが増えることを願う。


そののち「こいつつかえねーや」となってもいいけれど、博士だから使えない、じゃなくて、博士でも使える人もいればそうでない人もいる、というレベルにはなってほしい。


#もちろん他の資格とちがって「博士」をもっていたからどんな能力があるか、というのが見えにくいという問題もあるのだけれど。


とりあえず時間なので。ここまで。

もう一点 産総研のメルマガには…

 朝日の投稿に直接答えてなくてすみません。


 とりあえず、もう一点だけ。

 私は、Dr’s イノベーション メールマガジン(産総研)

http://unit.aist.go.jp/humanres/ci/phd-career/mailmag/mailmagazine-no9.html

 では、

ポスドクは忙しい。研究以外のことをする暇

などない。あるいは研究以外のことをすればクビになるかもしれない。

ただ、もし他人が何かしてくれる、と思って黙っているだけだったと

したら、考え方を変えたほうがいい。

ポスドクの就職が問題だ、と言ったところで、ポスドクは公式には1万

5千人しかいない。公式データにはない「隠れポスドク」もいるが、

それを合わせても、人口の1%にはるかに満たないだろう。

ポスドク問題は、社会の中のマイノリティの問題なのだ。これは認識

しなければならない。

 と書いた。朝日と全然違うことを言っているじゃないか、と思われると思うが、これは媒体によって誰を対象にしているかということ。


 朝日はポスドクという言葉すら聞いたことがない、当然ポスドクなど接したこともない、しかもあまりウェブなども見ないといったような一般市民対象。

 そうなると、まずは問題を知ってもらおうということになり、ポスドクの中にも変なのがいるとか、そういう話は「故意に」外した。まずはきっかけとして。

 一方産総研は、ポスドク相手なので、ポスドクが動け、みたいなことを強調した。


 私は、ポスドク問題をすべて社会、政治のせいだ、などとは思っていない。

 だから、ポスドクを企業が雇うのを義務付けろ、ということは支持しない。

 そうではなくて、ポスドクの能力を生かしたほうが社会のためになるんじゃないか、と考えている。

 また時間切れ。ここまで。

2008-07-29 朝日新聞私の視点

朝日新聞私の視点「博士研究員 就職難が招く科学技術の危機」

 本日(2008年7月29日)の朝日新聞のオピニオン欄「私の視点」に、NPO法人サイエンス・コミュニケーション代表理事榎木名で

「博士研究員 就職難が招く科学技術の危機」

というタイトルの文章が掲載されました。

 内容は、博士研究員(ポスドクだとあまりなじみがないので)を社会でもっと活用するために知恵をしぼろう、ということです。

 異論反論を覚悟しつつ書きました。

 よければご覧ください。


 わずか1000字ちょっとで言えなかったことなどは、来週月曜日発行のメルマガなどでも取り上げます。もちろんここにも書きます。しばしお待ちを。

7月30日追記

柳田充弘先生のブログに取り上げていただきました。

あと、NPO仲間の立花さんのブログにも。

その他

ブログでバイオ第47回(かな?)「今日の私の視点を読んで」

2008-04-14 科学技術政策研究会開催

第4回 若手理系研究者、技術者、テクニカルスタッフのための“無料” キャリアセミナー開催! (先着20名様)

第4回 若手理系研究者技術者、テクニカルスタッフのための

“無料” キャリアセミナー開催! (先着20名様)

日時: 2008年4月19日(土)14:00−16:30

(セミナー後、お茶を用意しておりますので、講師や参加者とお気軽に交流くださ

い。)

場所: ケリーサービスジャパン(品川インターシティB棟10階)

会場へのアクセスはこちらをご参照ください。

主催: ケリーサービスジャパン http://www.kellyservices.co.jp/index.html

NPO法人サイコムジャパン http://www.scicom.jp/

趣旨:

人材サービス会社ケリーサービス社とNPO法人サイコムジャパンでは、理系人材の

キャリア形成をサポートするために、若手研究者技術者大学院生の方々を対象と

したセミナーを開催します。大学や研究所、企業の研究部門で培われた経験は、必ず

しも研究分野のみで活かされるものではありません。キャリアアップ、特に、異業界

へのキャリアチェンジに成功した理系出身者、ポスドク経験者をお招きして、成功体

験の共有や、キャリアアップ、チェンジを行う上で必要なスキルをワークショップで

体験できる場を提供いたします。日常の研究生活では、なかなか接することのない

方々との交流は、皆様の今後の可能性、キャリア形成にお役に立てると思います。ぜ

ひ、お気軽にご参加ください。

当日のスケジュール(一部変更することがあります。)

************************

今回は、ビジネスの基本となる“マーケティング”をキーワードにした、前半と後半

の二部構成です。

1.「博士取得から企業ポスドクを経て外資系企業で働く自分を振り返って」

 (プロメガ株式会社 市川 祐介 氏)

2.マーケティングミクスを活かした自己商品化→自分をいかに売るか→転職活動の

戦略化

  (サイコムジャパン 新山 元 氏)

(1)修士号、博士号を取得後、企業ポスドク(旭硝子)を経て、現在プロメガ株式

会社にて、システムインテグレーターとして活躍されている市川氏をお招きして、お

話いただきます。特に、企業ポスドクとしての研究のアカデミックポスドクとの違い

や利点、その後の転職活動の進め方、さらには企業における博士号取得者の活躍につ

いて、自身や周囲の方の経験含め、お話いただきます。企業ポスドク経験者と直接お

話いただけるチャンスです。

(2)転職時には、ご自身の志望動機はもちろんのこと、先方の企業(研究機関)に

いかに自分が利益をもたらし、貢献できるかについて、ご自身のキャリアをアピール

する必要があります。しかし、研究実績のみを羅列しても、先方は興味を持ってくれ

ません。どのようにすれば、魅力的にアピールできるのでしょうか。その秘訣を新山

氏にお話いただきます。応募書類や面接にも応用することができます。ご自身がポス

ドクを経て、バイオ業界、製薬業界にキャリアチェンジした経験、また現職にてマー

ケティングに携わり、顧客への商品販売戦略も合わせてご説明いただきます。(前回

の基礎編とは内容異なりますので、奮って御参加ください。)

対象とする参加者:

・ 若手(20、30歳代)理系人のキャリアパスに関心のある方

・ 実際にキャリアチェンジやアップを考えている方

参加することで期待される効果:

・ 若手理系人のキャリアアップ・チェンジの成功体験が共有できます

・ キャリアアップ・チェンジをするうえでの準備方法が共有できます

・ ビジネスの現場で要求される実務を体感できます

・ 人的ネットワーク形成できます。

2007-08-17 キャリアサポートセンター

生化学若い研究者の会・生命科学夏の学校〜はやくも2週間

 生化学若い研究者の会・生命科学夏の学校でお話をさせていただいてから、はやくも2週間がたちました。

 私はワークショップ「研究下流社会をぶっとばせ!幸せをつかむためのサバイバル術」で、ちょっと過激なお話をさせていただきました。

 話の内容は、このブログでも書いてきたように、研究者になりたい、大学で研究したい、と思っても皆が可能なわけじゃないから、将来のことを考えるように、また、研究以外のほかの道に行っても、考え方次第で幸せになれるよ、ということでした。

 いろいろ反論などもあると思います。まだ将来を決めていない学部生の希望を奪ったとか(^_^;)。

 でも、サッカー選手だって野球選手だって、厳しい現実を知りつつ、その可能性にかけているわけです。研究が本当に魅力的なものだったとしたら、厳しい現実を語っても、やりたいという人が出てくるでしょう。

 実際、参加者のみなさんも、それでも研究者になる!と宣言してくださる方がいました。それはすばらしいことだと思います。

 このブログでは何度か取り上げましたが、Jリーグにキャリアサポートセンターがあるの、ご存知ですか?

 サッカー選手になるのなんて、自己責任の最たるものですよね。厳しいの分かって挑戦したのだから、駄目だったら自分でなんとかするのが筋だろ…そんなことを言う人もいるでしょう。

 けれど、Jリーグは、そんな批判を踏まえたうえで、選手の引退後のキャリアを斡旋したりしているのです。

 日本学術会議あたりは、是非こういうサポートセンターを作ってほしいなと思ったりします。

 ちょっと脱線しましたが、生化学若い研究者の会(生化若手の会)は、私の活動の原点でもある会なので、今回講師として参加できてうれしかったです。

 生化若手についてはこのブログでも何度か取り上げました→たとえばこちら

 皆さんにとって、生化若手が有用であったことを祈っています。


 夏の学校後ですが、失敗しない大学院進学ガイドSNSに何人かの皆さんがご加入くださいました。

 夏の学校に参加されたみなさんも、そうでない皆さんも、若手研究者の進路、キャリア問題に関心がございましたら、是非お声がけください。ご招待させていただきます。詳しくはこちら

 あと、キャリア問題にもっと取り組むべきだろうと思い、科学政策ニュースクリップに情報を集約させています。こちらもご覧ください。

2007-08-08

日本物理学会誌に原稿を書きました。

 日本物理学会から依頼されて、物理学会誌にポスドク問題で原稿を書きました。

 いくつかやりとりして、昨日アクセプトされました。

 日本物理学会は、25年間のオーバードクター問題の時代から、地道な活動を続けてこられました。現会長の坂東昌子先生が、私たちの勉強会にこられたこともあります。

 私たちは、こうした学会の動きを心強く思います。学会とも連携して、さまざまな活動を行うことができたらと考えています。