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2009-08-13 各党科学技術政策選挙政策まとめ

社民党選挙政策

社民党 衆議院選挙公約2009・概要版 Manifesto(第一次案)

http://www5.sdp.or.jp/policy/policy/election/manifesto01.htm

高校の入学金・授業料を無償化します

再建4 教育  貧困の連鎖を断つ

1.教育予算を他の先進国並みの対GDP比5%水準に引き上げます。

2.就学援助の充実・強化、高校入学金・授業料の無償化、私学助成の充実により、家庭条件による教育の格差をなくします。奨学金は給付型を増やします。

すべての食品にトレーサビリティを導入し、原料原産地の表示を義務化し、食の安全・安心を強化します。

衆議院選挙公約2009「マニフェスト」総合版

http://www5.sdp.or.jp/policy/policy/election/manifesto03.htm

再生可能エネルギーによる発電推進のための送電線網のスマート・グリッドの構築

高等学校の入学金・授業料を原則無償とします。

高等教育(大学、短期大学、大学院等)の無償化に向け、漸進的な無償化を定めている国際人権規約(社会権13条)の留保を撤回し、無償化をめざす姿勢を明確にします。

いわゆる「骨太方針」に基づく国立大学・高専運営交付金、私学助成費のシーリング・マイナスの方針を転換し、義務的経費の減額は行いません。

教育の機会均等を保障するため奨学金・育英制度を充実させます。無利子奨学金の拡充を図るとともに、選考基準については経済的条件のみとする改善も行います。返還義務のない給費奨学金を創設します。

食の安全・安心にむけて、すべての飲食料品に流通経路を明確にするトレーサビリティを導入し、外食・中食産業など原料原産地の表示を義務化します。複雑な食品表示制度・関連法を見直し、消費者の選択権確保のための「食品表示法」を制定します。

農薬や食品添加物を削減し、遺伝子組換食品の表示義務対象を拡大、受精卵クローン牛の表示を義務化します。

米国産牛肉の輸入条件緩和には反対、再リスク評価の実施などBSE対策の強化を求めます。消費者の信頼が高く、データ取得のためにも全頭検査を当面継続します。

自然エネルギーの導入を促進します。太陽光や風力発電を電力会社が一定の価格で買取る「固定価格買取制度」を導入します。すべての国公立学校や公共施設への太陽光発電設備の導入をすすめます。

自然エネルギーや省エネを推進するため、電力の供給・管理を調節・最適化するスマートグリッド(次世代・賢い送電網)の導入・普及をはかります。

バイオマスなど、地域循環型の自然エネルギーを大幅に拡充し、雇用をつくり、地域振興をはかります。

RPS法は目標値が低く、自然エネルギー導入の妨げになっていることから廃止も含めて見直し、「自然エネルギー促進法」の制定をめざします。

エネルギー特別会計は、原子力重視から自然エネルギーに大幅シフトします。EUの共通エネルギー政策の目標なみに、2020年までに自然エネルギーの割合(現在2%)は20%をめざします。

地域循環型のエネルギーシステムを構築するため、地域環境エネルギー事務所を全市町村に創設し、自然エネルギーアドバイザーを配置します。

脱原発をめざし、核燃料サイクル計画を凍結し、使用済燃料の再処理、プルサーマル計画を中止します。原子力発電からは段階的に撤退します。とくに耐震性に問題のある原子炉は速やかに廃炉にします。

チッソの分社化と患者の切り捨ては認めず、国の責任を明確にした水俣病の解決にむけて、国・県による不知火海一帯の地域住民の健康調査を実施し、被害実態を明らかにするとともに、被害者の救済・補償、地域の再生に取り組みます。

「石綿健康被害救済法」を見直し、迅速で隙間のない救済を実現します。補償の請求権の確保、給付水準・内容の引き上げ、長期的な健康管理制度の確立など、救済を拡大します。

アスベスト全面禁止を実現するとともに、アスベスト対策を一元的に推進するために「アスベスト対策基本法」を制定し、ノンアスベスト社会をめざします。

被害者と家族、労働者、市民等の代表をふくめた「アスベスト対策委員会」を設置し、アスベストに関する総合的な政策に当事者の声を反映させます。

総合的な化学物質対策を進めるため、予防原則の徹底、総量削減、情報公開、ライフサイクル管理、市民参加、国際的協調を柱とした総合的な「化学物質管理基本法」を制定します。WSSDの目標である「2020年までに化学物質によるリスクを最小化する」(ヨハネスブルグサミット)を実現するため、早期に SAICM(国際的な化学物質管理のための戦略的アプローチ)の国内実施体制をつくります。

2010年は「国連生物多様性年」で、名古屋で生物多様性条約締結国会議(COP10)が開催されます。日本においても生物多様性の存在価値を明確に定め、すべての開発に生物多様性の保全を義務づけるとともに、環境影響評価に生物多様性の確保を明記すること、政策決定段階で市民参加を担保するなど取り組みを強化します。計画段階での「戦略型環境アセスメント法」、主な産業施設や公共施設の設置許可についての「環境団体訴訟制度」、野生生物の生息可能な環境を維持・保全・回復していくための「野生生物保護法」を制定します。

共産党選挙政策

「国民が主人公」の新しい日本を――日本共産党の総選挙政策

http://www.jcp.or.jp/seisaku/2009/syuuin/index.html

(3)教育費負担を軽減し、経済的理由で学業をあきらめる若者をなくします

 高校入学から大学卒業にまでかかる費用は子ども一人当たり平均1045万円、教育費は年収の34%にのぼり、とくに年収200〜400万円の世帯では 55.6%に達します(日本政策金融公庫調査)。貧困と格差の広がりは、高すぎる学費のために中退せざるをえない若者を増やし、私立大学では年間1万人の学生が経済的理由で退学しています。子育て支援というなら、この重い教育費負担の軽減は避けて通れません。

 憲法は国民に「ひとしく教育を受ける権利」(第26条)を保障し、教育基本法は「すべて国民は…経済的地位…によって、教育上差別されない」(第4条)としています。

 高校授業料の無償化をすすめる…… 先進国(OECD加盟30カ国)で高校に授業料があるのは日本を含めて4カ国(韓国、イタリアポルトガル)にすぎません。公立高校の授業料を無償化するとともに、私立も「授業料直接助成制度」(入学金等も対象とする)を創設し、年収500万円未満の世帯は全額助成、800万円未満の世帯は半額助成にするなど、無償化をめざして負担を軽減していきます。

 給付制奨学金の創設など奨学金制度の改革で支援を強める……国の奨学金はすべて無利子に戻すとともに、返済猶予を拡大します。とくに就学が困難な生徒・学生のため、返済不要の「給付制奨学金」を創設します。給付制奨学金制度がない国は、先進国のなかで日本、メキシコアイスランドの3カ国だけです。

 大学の「世界一の高学費」を軽減する…… 国公立大学の授業料減免を広げ、私立大学の授業料負担を減らす「直接助成制度」をつくります。「学費の段階的無償化」を定めた国際人権規約の「留保」を撤回します。国際人権規約の第13条は、高校と大学を段階的に無償化することを定めていますが、条約加盟国160カ国中、この条項を「留保」しているのは、日本とマダガスカルの2カ国だけです。

農業者・消費者の共同を広げ、「食の安全」と地域農業の再生をめざします

 食品の産地・品質の偽装、添加物の表示違反、賞味期限の改ざん、メラミン混入など、山積する「食の安全」問題を打開するには、食品に関する検査体制をただちに強化するとともに、根本的には食料自給率を抜本的に高めることが必要です。BSE(牛海綿状脳症)対策の全頭検査を維持するなど食に関する信頼を高め、安全・安心の生産・流通の拡大など農業者と消費者の共同を広げて、「食の安全」と地域農業の再生をめざします。

自然エネルギーの活用を大幅に拡大します

 二酸化炭素の排出量の9割がエネルギー由来であり、エネルギー対策は温暖化抑制のかなめです。現在、自然エネルギー(再生可能エネルギー)は1次エネルギーのわずか2%(大規模水力発電分3%を除く)に止まっています。国際的にも日本は、大きく立ち遅れ、電力供給にしめる比率でEUを下回り、太陽光発電の導入量でドイツに首位の座を奪われスペインにも抜かれました。風力発電ではアメリカ、中国からも立ち遅れています。

 自然エネルギー利用の発電を促進する固定価格買取り義務制度を導入する……2020 年までにエネルギー(一次)の20%、2030年までに30%を自然エネルギーでまかなう計画を策定し、着実に実行していきます。そのためにすでに国会で提案したように、電力会社が、太陽光だけでなく自然エネルギーによる電力全般を、10年程度で初期投資の費用を回収できる価格で、全量買い入れる「固定価格買取義務制度」に転換します。初期投資を回収したあとは余剰電力の買い取りに切り替えます。そのさい、いま電気料金に含まれ主に原発用に使われている電源開発促進税(年間3510億円)や、温室効果ガスの削減目標に達しない分の穴埋めに海外から排出権を買い取るのにも使われている石油石炭税(同5100 億円)などの使い方を見直し、ユーザーへの負担を抑制するようにします。

 自然エネルギーの普及促進のために、家庭用の太陽光発電に対する国の補助を抜本的に引き上げ、公的助成を半分まで高めます。国、自治体の施設や、一定規模以上の建物については、自然エネルギーの利用、熱効率の改善を義務づけます。

 危険な原発だのみの「環境対策」をあらためる…… 自公政権は、原子力発電を「温暖化対策の切り札」とし、長期的にも電力供給の約半分を原発でまかなおうとしています。この間、地震などの自然災害や、事故、データ捏造(ねつぞう)などによって、原発の停止が相次いでいます。しかも、事故や廃棄物による放射能汚染という環境破壊の危険も大きく、安全上も、技術的にも未確立な原発に頼った「温暖化対策」はやめるべきです。

豊かな教育条件を実現します

 OECD加盟国で最下位の教育予算を、早期に平均にまで引き上げます。教員を増員・正規化し、「教員の多忙化」を解消し、「30人以下学級」を進めます。学校耐震化の促進など教育施設を整備します。不足している特別支援教育・障害児教育を充実させます。予算削減のための学校統廃合の強制を中止します。「私学の自由」を尊重し、私学助成を増額し、公私間格差を是正します。大学を疲弊させている「基盤的経費の連続削減」を中止し、予算を増額します。図書館、公民館などの拡充、専門職員の配置をすすめます。

2009年 総選挙 《各分野政策》

http://www.jcp.or.jp/seisaku/2009/syuuin/bunya/index.html

高校授業料無償化、大学学費負担の軽減、奨学金の拡充をすすめます

 先進国(OECD加盟30ヶ国)で、高校に授業料があるのは、日本を含めて4ヶ国(韓国、イタリアポルトガル)にすぎません。公立高校の授業料を無償化します。私立の初年度納付金は公立の6倍に達しており、負担軽減は急務です。入学金などを対象とする「授業料直接助成制度」を創設し、年収500万円未満の世帯は全額助成、800万円未満の世帯は半額助成とします。国立大学の授業料減免を広げ、私立大学の授業料負担を減らす「直接助成制度」を創設します。国の奨学金を以前のようにすべて無利子にするとともに、返済猶予を拡大します。とくに就学が困難な生徒・学生のため、欧米では主流の返済不要の「給付制奨学金制度」を創設します。「給付制奨学金制度」がない国は、先進国では日本、メキシコアイスランドの3ヶ国だけです。

「食の安全」と地域農業、農山漁村の再生をめざす

 近年、頻発する食の安全・安心を揺るがす事件の多くは、食の海外依存と深くかかわっており、根本的には、「安全な食料を日本の大地から」と結びついてこそ解決できます。食に関する信頼を高めるため、地産地消など農業者と消費者の共同を広げ、地域農業の再生をめざします。(→ 「14.消費者」参照)

 輸入食品の検査体制を強化し、原産国表示の徹底をはかる――膨大な輸入食品の10%にすぎない水際での検査率を50%以上に引き上げ、厳格な検疫・検査を実施します。原産国表示を徹底します。遺伝子組み換え食品の承認検査を厳密にし、遺伝・慢性毒性、環境への影響に関する厳格な調査・検証・表示を義務づけます。

 監視体制を強化し、製造年月日表示を復活する――くず米の混合品を「精米」と表示したり、生産国や産地を偽装したり、消費期限を改ざんするなど、“もうかりさえすればなんでもあり”の事態を一掃するために監視体制を強め、違反者にたいする罰則を強化します。偽装表示を抑制するため、JAS法の改正によって、直罰方式による厳罰かを全面的に導入します。また、食品に関する表示制度が各法律によって錯綜している点を一元化するため、統一的な食品表示法を制定します。製造年月日表示は復活させます。

 卸売市場の公正な運営をはかるとともに、相対取引をふくめて、大手スーパーと産地、中小小売が対等な立場で交渉できる協議会を設置するなど、公正な流通ルールの実現をめざします。

 BSE対策の全頭検査を維持する――アメリカは、わが国が同国産牛肉の輸入を「月齢20ヶ月以下」に限っている規制を撤廃するよう、執拗に迫っていますが、この圧力に屈することなく、わが国独自の対策を貫きます。米国産牛肉の輸入は、アメリカ側の安全体制が確立されないならば中止すべきです。自治体のおこなうBSE「全頭検査」への国の補助金を復活します。

 鳥インフルエンザなど各種感染症の監視体制を強め、発生の影響を最小限にとどめるよう機敏に対処します。殺処分や移動制限で打撃を受ける農家・業者への補償を万全にすすめ、感染爆発が起こったさいの医薬品等の備蓄、ワクチン緊急生産体制などの備えを抜本的に強化します。

遺伝子組み換え食品、クローン由来食品は安全性を十分に確認する―――検証する遺伝子組み換え食品・飼料のほとんどは、急性毒性とアレルギー誘発性の審査しかされず、慢性毒性や発がん性など消費者が確認を望んでいる安全性の審査としては全く不十分です。「全食料品・飼料のGM表示義務化」のために表示制度を改善します。

クローン技術は、出生率が極端に低く、安全性の検証なども不十分で、未成熟な技術です。クローン家畜由来食品の生産、流通を認めることについては、慎重でなければなりません。海外からの輸入品で、不用意に流通、消費することがないよう監視を徹底します。もし十分安全性が確認されて、生産、流通が認められるようになっても、クローンによって生産された肉などについては、当然、消費者の知る権利を保障するため、クローン由来食品として表示します。

食糧・エネルギー・環境・医療・福祉など地域経済をささえる中小企業を支援します

 地域に根ざしている中小企業は、地域住民に雇用を提供し所得を保障することで、地域経済を支えています。地域経済が発展し、住民の暮らしが向上するには、地域で生み出された付加価値が地域に還元され、再投資される経済循環が促進されることが必要です。それでこそ、地域で持続可能な社会が可能となります。最近、このことを自覚した自治体が、中小企業者や住民の要求にも応え、各地で、中小企業振興基本条例を定め、中小企業振興の取り組みをすすめています。この取り組みを支援します。地域への再投資を促進し、地域経済循環がすすむよう、地域金融機関にその役割の発揮を求めます。

 農・林・水の第一次産業の振興とむすんだ「農・商・工」連携の中小企業振興をすすめます。地元農水産物の給食材への供給や地元産の木材を使った公共施設や住宅の建設、消費者と結んだ直売所や産直センター、地元農林水産物による特産品づくりなどに力を注ぎます。

 21世紀の緊急課題となっている地球温暖化防止・持続可能な地域づくりのためにも、「地産地消」、「地産地商」の循環型の地域経済を発展させます。地球温暖化防止へ、大量生産・大量消費・大量廃棄の経済からの転換をはかる新産業政策、グリーンニューディールを推進し、これにとりくむ中小企業・中小工務店への仕事おこし、技術開発と普及を支援します。太陽光・風力・小型水力・バイオマス・地熱など再生可能エネルギーの開発と普及、静脈型産業、さらに再生医療・個人に合った福祉器具の開発などにとりくむ中小企業への支援をおこないます。

 地域の特性である自然と歴史を生かし、伝統・技術が蓄積された地元産業の発展と観光の振興をはかります。モノづくり技術の集積地や産地支援のための自治体ごとの振興計画づくりをすすめます。中小企業製品の開発・モノづくりを支援するとともに、販売への支援として、商品を広く知らせる常設展示場を各地にもうけ、インターネット上のサイトを提供します。

 ひも付きの補助金制度をあらため、地方が、生活密着型の公共事業に創意的にとりくめるようにします。公共工事入札は、中小企業の育成につながるようにします。公共事業・官公需の発注・入札は、分離分割発注、「小規模工事登録制度」など随意契約の活用、無制限の一般競争入札ではなくランク制の厳格な実施で、中小企業への発注率を高めます。最低制限価格制度を導入し、ダンピング入札をなくし、工事の品質を確保するなど、公正なルールを確立します。国や自治体の仕事を受注する企業に、人間らしく働ける賃金や下請単価、労働条件を義務づける「公契約法・条例」の制定をすすめます。

 地域医療の確保、国保料の減額、生活保護の改善、教育費扶助の増額など医療・福祉・教育を充実し、住民が安心して生活できる地域をつくります。

 中小企業の技術革新と発展、創業に生かすために、教育・研究機関などとの産学連携・人材育成を重視します。

8 エネルギー

自然エネルギーの開発・利用を広げ、原発依存のエネルギー政策を転換します

  エネルギーは食料とともに経済・社会の存立の基盤であるにもかかわらず、日本のエネルギー自給率はわずか4%(2006年。エネルギー白書)にすぎません。

 昨年は、先物取引などによる異常な投機、イラク、イランなど中東情勢の緊張や、中国やインドなど発展を続ける途上国のエネルギー需要の増加によって、原油などエネルギー価格が高騰しました。需給ベースでは1バレル60ドル程度のはずの原油が、147ドル(08年7月11日)と史上最高値を記録し、日本の経済・社会に打撃を与えました。エネルギーの値上がりは今後も起きる可能性があると懸念されています。

 エネルギー問題は、地球の温暖化対策とも密接な関係があります。日本は、京都議定書にもとづいて、その第一約束期間内(2008〜12年)に二酸化炭素などの温暖化ガスの排出量を、1990年比で6%削減する義務があります。しかし日本の目標達成は危機的状況にあります。政府は原発の新増設を“頼みの綱 ”としていますが、原発は安全性に問題があり、原発に依存するのではなく自然エネルギーの導入に本腰を入れるべきです(→温暖化対策全般については、 2008年6月25日発表の「地球温暖化の抑止に、日本はどのようにして国際的責任をはたすべきか―――日本共産党の見解」を参照)

 省エネの徹底やエネルギー効率の引き上げによって低エネルギー社会を目指すとともに、日本の条件にあった自然エネルギーの開発・利用を計画的に拡大することで、エネルギーの自給率の引き上げをはかります。

エネルギー政策の重点を自然エネルギーの開発・利用へ転換します

 二酸化炭素の排出量の9割がエネルギー由来であることからみても、エネルギー対策は温暖化対策の要です。エネルギーの自給率を引き上げ、また地球温暖化対策をすすめるためには、エネルギー効率の徹底した向上とともに、環境に配慮した自然エネルギー源の開発・利用に本格的にとりくむ必要があります。風力や太陽光・熱、地熱、小水力、波力や、あるいは畜産や林業など地域の産業とむすんだバイオマスエネルギーなどは、まさに地域に固有のエネルギー源です。そこから得られる電気やガスを販売することで地域に新たな収入が生まれます。事業の成果や副産物を地元に還元したり、雇用や技術、資金の流れを地元に生み出すことで、地域経済の活性化に役立ちます。

 ところが政府は、化石燃料偏重から自然エネルギー重視に転換する明確な展望ももたず、自然エネルギーの利用拡大のカギとなる自然エネルギー発電に関する固定価格買い取り制度の導入を長らく拒否してきました。そればかりか、サミット前に発表された「福田ビジョン」では、原発の新増設を今後のエネルギー対策の優先課題としています。日本の自然エネルギー利用の現状は、国際的にも大きく立ち遅れ、電力供給にしめる比率でEUを下回り、太陽光発電の導入量でドイツに首位の座を奪われスペインにも抜かれました。風力発電では、アメリカ、中国からも立ち遅れています。日本にとって、自然エネルギーの普及は急務です。原油・石炭など輸入エネルギーの需要増・高騰が予測されるもとで、経済基盤の安定のためにもエネルギー自給率の引き上げが求められているからです。

 化石燃料偏重・原発だのみから脱却し、自然エネルギー重視へと、エネルギー政策の抜本的転換が必要です。

(1) 自然エネルギーの割合を2020年までに20%とする導入目標を明らかにします

EUが2020年までに一次エネルギーの20%を自然エネルギーでまかなう目標を決定したのをはじめ、世界的に見ても、太陽光・熱、風力、小水力、地熱、バイオマスなど自然エネルギーの普及が本格的な流れになっています。こうしたなかで、日本だけが自然エネルギーの普及に背をむけ、一次エネルギーのわずか2%(大規模水力発電分3%を除く)をまかなうだけにとどまっています。2020年までにエネルギー(一次)の20%、2030年までに30%を自然エネルギーでまかなう「自然エネルギー開発・利用計画」を策定し、着実に実行していきます。

自然エネルギーから得られる電気やガス、将来的には水素などを販売することで、その地域には新たな収入が生まれます。ドイツでは、自然エネルギーの普及によって年間1億トンの二酸化炭素を削減するとともに、21.4万人の雇用と年間3.7兆円の売り上げなど、雇用や技術、資金の流れを地元に生み出し、事業の成果や副産物を地元に還元しています。自然エネルギーの拡大は地域経済への波及効果も大きく、雇用創出や内需拡大にもつながります。ドイツなどでの実績に照らせば、日本でも数年間で約6万人の雇用を増やし、2030年には約70万人の雇用をもつ産業となる可能性を持っています。

(2) 自然エネルギーによる電力を固定価格で買い取る制度を早急に導入します

 自然エネルギー発電の普及には、長期的な採算の見通しが重要であるため、電力の固定価格買い取り制度の導入がカギです。固定価格買い取り制度は、再生可能エネルギーの設備を導入した時点で、その設備から供給される電力の買い上げ価格を市場まかせにせず、中長期にわたって保障する方式です。EUのなかでも固定価格買い取り制度が導入されたドイツ、デンマークスペインでは、自然エネルギーの普及が急速にすすみ、世界をリードしています。

 政府は、太陽光発電についてのみ、自家消費分を除いた余剰電力に限定して、従来の倍の価格で電力会社が購入する制度を導入しようとしています。しかし、二酸化炭素の排出量を大幅な削減をめざして急速に自然エネルギーの普及を図るには、太陽光発電だけでは不十分です。すでに党国会議員団が国会で提案したように、電力会社が、太陽光だけでなく自然エネルギーによる電力全般を、10年程度で初期投資の費用を回収できる価格で、全量買い入れる「固定価格義務的買取制度」に転換します。初期投資を回収したあとは余剰電力の買い取りに切り替えます。そのさい、いま電気料金に含まれ主に原発用に使われている電源開発促進税(年間3510億円)や、温室効果ガスの削減目標に達しない分の穴埋めに海外から排出権を買い取るのにも使われている石油石炭税(同5100億円)などの使い方を見直し、ユーザーへの負担を抑制するようにします。

さらに、自然エネルギーの普及促進のために、家庭用の太陽光発電に対する国の補助を抜本的に引き上げ、公的助成を半分まで高めます。国、自治体の施設や、一定規模以上の建物については、自然エネルギーの利用、熱効率の改善を義務づけます。

また、排熱を熱供給に利用すること(コジェネレーション=電気・熱併給システム)で、エネルギーの利用率を40%程度から70%台まで引き上げることができます。小規模・分散型利用を促進する制度を整備し、コジェネレーションの導入を積極的に支援すべきです。

バイオ燃料は、食料と競合しない植物資源を使い、国内産・地域産の資源を優先活用します

 近年、原油価格の高騰などを背景に、世界各国でバイオエタノールの生産が急増しています。この動きは、トウモロコシの需給をひっ迫させ、国際価格をこの 1年で倍近くに高騰させました。たとえばメキシコでは庶民の食生活を直撃するなど、バイオエタノールの開発が、途上国や低所得者の食料を脅かしています。日本でも、トウモロコシの輸入価格が大幅に上昇し、飼料や多くの食品に影響が出ています。

 バイオエタノールは、地球温暖化対策に役立ちますが、原料となるサトウキビ生産の拡大やパーム油生産のためのヤシ農園の建設による熱帯林の破壊が、各国で新たな環境破壊として問題になっています。

 日本政府は、エタノールを含むバイオ燃料の利用促進を打ち出していますが、その大部分は輸入を見込んでいます。二酸化炭素の排出削減をいいながら、二酸化炭素の吸収源である森林を破壊するのでは、地球環境にやさしいエネルギー開発とはいえません。

 日本共産党は、バイオ燃料の開発・導入を自然エネルギーの重要な柱であると考えています。その具体化にあたっては、食料需要と競合しない植物資源などに限定する、国内産・地域産の資源を優先的に活用する(「地産地消」)、生産・加工・流通・消費のすべての段階で環境を悪化させない持続可能な方法を採用するなど、新たな環境破壊をひきおこさないためのガイドラインをもうけるよう政府に要求します。

プルトニウム利用をやめ、原発からの段階的な撤退をすすめます

 政府と電力会社が温暖化対策を口実に新増設を図っている原発は、十分な安全の保証がなく技術的に未確立です。磨耗した配管の破裂で死傷者を出した美浜原発の事故(2004年)にひきつづき、冷却用海水の温度データのねつ造、志賀・福島の各原発の臨界事故隠しなどが次々と発覚しました。経済産業省の指示で電力会社が行った調査の結果報告(07年3月)によれば、問題事例が全体で1万件をこえ、うち原子力関係が455件もあるという驚くべき数に上りました。その事例で明らかになった、基準や手続を無視したルール違反の横行とずさんな検査体制や経営・管理の実態は深刻です。国民の安全に責任を持つ規制行政を確立するうえで、原発を規制・監督する原子力安全・保安院を、促進官庁である経済産業省から独立させることは、国際的なルールに照らしても最低限やるべきことです。

 昨年の新潟県中越沖地震を契機に、柏崎刈羽原発や高速増殖原型炉「もんじゅ」などの地下に活断層があることが明らかとなりました。六ケ所村の核燃料サイクル施設の地下にも活断層があると指摘されています。すべての原発について活断層調査を実施し、また耐震基準の見直しを行って、原発の耐震性の総点検を実施します。東海地震の想定震源域の真上には浜岡原発があります。このような政府・電力会社による原発立地のあり方は、無謀としかいいようがありません。今の原発では他にも、放射性廃棄物の処理と万年単位の管理の問題、莫大な費用がかかる問題など、多くの問題が解決されないままです。

 こうした問題を抱えた原発からは、計画的に撤退すべきです。原発の危険性を増幅するだけのプルサーマル計画や「もんじゅ」の運転再開計画は撤回し、六ヶ所再処理工場をはじめ核燃料サイクル施設の総点検を実施し、計画は中止すべきです。原発の総点検をおこない、老朽原発をはじめ安全が危ぶまれる原発については、運転停止を含めた必要な措置をとらせます。

 政府は、自治体にプルサーマル実施の受け入れや、高レベル放射性廃棄物の最終処分場への応募をうながし、受け入れれば手厚い補助金を出すとしてきましたが、補助金と引き換えに住民に危険を押しつけるようなやり方はやめるべきです。

 自公政権は、「原子力立国」をかかげて原発の輸出や技術協力を目指していますが、国内外で、安全を軽視した原発の新増設をすすめることはやめるべきです。

エネルギー高騰を許さないため、投機規制に取り組みます

 昨年の原油高騰では、中小企業、農林漁業、運輸業などが、燃料の値上がりで深刻な打撃を受けました。

 投機マネーに関しては、国連や各国政府が今検討している投機マネー規制を強化することが重要です。「投機マネーの暴走を抑える」という強い政治的意思を打ち出して、国際社会とも協力しながら、―――(1)原油や穀物など人類の生存の土台となる商品に対する投機の規制を具体化する、(2)ヘッジファンドに対して、直接の情報開示を求めるなど抜本的な規制強化にふみだす、(3)国際連帯税など、投機マネーの暴走を抑えるための適正な課税を本格的に検討する ―――こうした規制策を早急に具体化すべきです。

1、「消費者庁」「国民生活センター」の機能強化をはかります

「消費者庁」「消費者委員会」を真に実効あるものに-――消費者団体や消費者運動の悲願のひとつであった「消費者庁」「消費者委員会」が9月にも発足します。「消費者庁」が消費者問題についての司令塔的機能を、「消費者委員会」が全省庁を監督する機能を、それぞれ効果的に発揮するために、体制や人選を適切なものにします。また、消費者被害救済の最前線で奮闘している消費生活相談員の体制を強化し、待遇を改善するために、十分な補助をおこないます。

 国民生活センターの拡充―――情報提供や相談助言活動を強化し、商品検査業務の強化・拡充、紛争処理権限の付与などで、国民生活センターの拡充をはかります。そのための人員の配置、予算の増額を求めます。

教育予算をOECD平均並みまで引き上げます……日本の教育予算の水準はGDP比3.4%でOECD諸国最下位、諸国平均の7割にも達していません。そのため日本はヨーロッパとくらべて教育条件が大きく立ち遅れています。財界が「もっと教育予算を削れ」と圧力をかけ、自公政権はその言いなりに、予算を抑制してきた結果です。いま圧倒的多数の教育関係者は一致して教育予算の増額を求めています。財界の妨害をはねのけて、教育予算についてOECD平均をめざして計画的に引き上げます。

私学助成を増額します……私学教育は公教育の大切な一翼を担っています。公私間格差を是正し、私学の教育条件をきちんと保障するため、当面、経常費2分の1助成の早期実現、授業料直接補助、施設助成の拡充をすすめます。

 私学の自主性を守ります……「私学の自由」は、国民の教育の自由を保障する上できわめて大切なものです。一昨年、自公政権が強行した「教育三法」は、私学にたいする権力統制に道をひらく危険があります。日本共産党の国会質問にたいして、政府は「私学の建学の精神尊重」を認めるとともに、教員評価・学校評価を私学助成の交付要件にすることを「考えていない」と答弁しました。こうしたことをふまえ、私学の自主性を守るために全力をあげます。

高校教育の無償化を進めます……高校は進学率97%を超えた「準義務教育」ともいうべき教育機関です。先進諸国でほとんど高校学費が無償になっているにもかかわらず、日本では高額な負担が強いられています。とくにこの間の経済不況の中で、高校から経済的な理由で排除される若者が生まれていることは、憲法と法律が禁じている「経済的な地位による教育上の差別」そのものです。

以下の無償化政策を実行に移し、経済的な理由で高校から排除される子どもを一人も出さないようにします。

《公立高校》授業料を無償とします。

《私立高校》私立の初年度納付金は公立の六倍に達し、負担軽減は急務です。私立高校授業料を減額する「直接助成制度」をつくり、年収500万円以下の世帯を授業料(入学金、施設整備費を含む)全額助成、800万円以下の世帯を授業料半額助成とします。専修学校・各種学校(高校に準じるもの)も同様とします。

《共通》学費支払いが困難な場合の無保証人・無利子・返済猶予付の緊急貸し付け制度をつくります。高校通学費補助制度をつくります。高校奨学金制度を無保証人・無利子・返済猶予付とし、成績要件を撤廃します。経済的困難な高校生への給付制奨学金制度を創設します。

 大学学費の負担軽減を進めます……「世界一高い学費」は、学生とその家庭に重くのしかかっています。高校入学から大学卒業までにかかる費用は一人平均1045万円、わが子のための教育費は年収の34パーセントに達しています。しかも、「貧困と格差」の拡大の中で、学費を捻出するために毎日深夜までアルバイトをして体を壊したり、学校をあきらめる若者がふえています。ヨーロッパでは大学学費を無償としている国は少なくありません。

緊急に次の政策を実行し、経済的な理由で大学・大学院を諦める若者を一人も出さないようにします。

国公立大学国立大学では1982年に学生比12.5%だった減免予算の枠は、いまや5.8%に削られています。国公立大学・高専については国及び地方の減免予算枠を引き上げ、東京大学がはじめた「世帯年収400万以下は全員免除」などの制度を全国でおこなえるようにします。

《私立大学》私立大学にいたっては国の予算枠は学生比わずか0.1%にすぎません。私立大学の授業料負担を減らす「直接助成制度」をつくります。年収400万以下の場合に一定額が減額となるような授業料直接助成制度をつくります。

《奨学金制度》国の奨学金をすべて無利子に戻し、イギリスのように一定の収入(年300万円)に達するまで返済猶予とします。欧米で主流である、返済なしの「給付制奨学金制度」を創設し、当面、経済的困難をかかえる学生に支給します。

 「学費の段階的無償化」を定めた国際人権規約への留保を撤回します……日本政府は、国際人権規約に加わりながら、無償化条項を留保したままです。そういう国は今や日本、マダガスカルの2ヶ国のみです。留保を撤回し、国の姿勢を転換し、「世界一高い学費」を計画的に引き下げるようにします。

7 大学改革、科学・技術

国民の立場から大学改革を実現し、科学・技術の調和のとれた振興をはかります

1.「構造改革」による大学再編をやめ、国民の立場からの大学改革を実現します

 自民・公明政権が、「世界最高水準の大学をつくる」といいながら、「効率化と競争」に拍車をかける「大学の構造改革」をすすめた結果、大学の教育・研究現場に深刻なゆがみと疲弊がひろがっています。

 国立大学は、法人化によって運営費交付金が毎年1%削減され、財政ひっ迫による教育・研究基盤の弱体化、基礎研究の衰退、大学間格差の拡大と地方大学、人文系、教育系大学の経営危機をもたらすなど、極めて深刻な事態に陥っています。私立大学でも国庫助成が削減され、定員割れした私学は「不要だ」とばかりに補助金がカットされています。私立大学の経常費に対する補助割合が11%に低下し、学生の学費負担の増大、教育・研究条件の国公私間格差の拡大、中小私大・短大での経営困難をもたらしました。その一方で、政府は、競争的資金(評価によって配分する研究費)を旧帝大系大学や一部の大手私大に集中させました。まさに「弱肉強食」の大学政策です。そのもとで、「学問の自由」を保障する「大学の自治」が脅かされるとともに、多くの大学教員が研究費獲得とそのための業績競争にかりたてられ、大学で長期的視野にたって自由に、腰をすえた研究や教育にとりくむことは困難になっています。

 自公政権は、教育・研究現場のこうした現状を無視して「大学の構造改革」をさらにすすめようとしています。国立大学の運営費交付金の1%削減をつづけるとともに、教職員数に応じた配分から競争的な配分に変えることを検討しています。これでは、多くの大学で教育・研究の基盤が崩れてしまい、財政力の弱い中小の国立大学は存亡の危機にさらされます。新しい産業拠点をつくるために大学の大規模な再編統合がくわだてられていることとあわせ、国民にとって重大な問題です。私立大学の経常費補助についても、増額要求を無視する一方で、競争的な性格をいっそう強めようとしています。また、「経営困難」と評価した法人に対して、「経営指導」と称して介入を強めようとしていることは、私学の自主性を脅かすものです。

 わが国の大学・大学院は、学術の中心を担い、地域の教育、文化、産業の基盤をささえるという大事な役割をはたしている、国民の大切な共通財産です。大学改革はこうした大学の役割を尊重し、その発展を応援する方向ですすめるべきです。日本共産党は、大学の公共的役割をまもるため、大学を疲弊させる「構造改革」路線から脱却し、「学問の府」にふさわしいやり方で、国民の立場に立った大学改革をすすめます。

大学予算を大幅に増やし、基盤的経費の充実、大学間格差、国公私間格差の是正をはかります

 国立大学法人の運営費交付金を充実する……運営費交付金を毎年削減する方針を廃止し、基盤的経費として十分に保障します。法人化後に削減した720億円は直ちに復活させます。政府が検討している競争的資金化を中止し、財政力の弱い中小の大学に厚く配分するなど、大学間格差を是正する調整機能をもった算定ルールに改めます。国立大学法人の施設整備補助金を大幅に増やし、老朽施設を改修します。また、国立大学の地域貢献をきめ細かく支援するとともに、国による一方的な再編・統合に反対します。地方交付税における大学運営費を増やし、公立大学・公立大学法人の予算を増額します。

 私立大学の経常費二分の一補助を実現する……私立大学が高等教育において果たす役割を重視し、私立大学への財政支援の拡大、学費負担の軽減など、国公私間の格差を是正します。私大収入の七割以上を学費にたよる経営のあり方を改善するため、年次計画をもって経常費二分の一補助を実現し、国庫負担の割合を大幅に高めます。定員割れした大学への助成金を削減するペナルティを直ちにやめるとともに、定員確保の努力を支援する助成事業を私学の自主性を尊重しつつ抜本的に拡充するなど、私立大学の二極化の是正をめざします。「経営困難」法人への指導と称して私立大学の運営に国が介入することに反対します。

 財政負担への国の責任をはたす……わが国の大学がかかえる最大の問題は、大学関係予算がGDP(国内総生産)比で欧米諸国の半分の水準にすぎず、そのことが主な原因となって、教育研究条件が劣悪で、学生の負担が世界に例をみないほど重いことです。教育研究条件の整備をはかることは国の責任であり、大学関係予算を大幅に引き上げます。

「大学の自治」を尊重するルールを確立し、大学の自主的改革を支援します

 「大学の自治」を尊重するルールを確立する……世界で形成されてきた「大学改革の原則」は、「支援すれども統制せず(サポート・バット・ノットコントロール)」であり、「大学の自治」を尊重して大学への財政支援を行うことです。わが国でも、国公私立の違いを問わず、大学に資金を提供する側と、教育・研究をになう大学との関係を律する基本的なルールとして、この原則を確立すべきです。

 国立大学法人制度を根本的に見直す……国が各大学の目標を定め、その達成度を評価し、組織を再編するなど、大学の国家統制を強めるしくみを廃止し、大学の自主性を尊重した制度に改めます。教授会を基礎にした大学運営と教職員による学長選挙を尊重する制度を確立します。

 独立した配分機関を確立する……一部の大学や大学院に多額の資金を投入するCOE(センター・オブ・エクセレンス、卓越した拠点)予算やGP(グッド・プラクティス、優れた取り組み)予算など、大学・大学院を単位に国が交付する競争的資金は、国の財政誘導による大学間競争、大学統制を強めるものです。これを見直し、大学の自主性を尊重するものへ切り替えます。そのため、大学関係者、学術関係者などからなる独立した配分機関の確立と審査内容の公開をはかり、公正に資金配分を決めるようにします。

 私立大学の公共性を高める……私立大学の設置審査を厳正な基準で行うようにし、私学のもつ公共性を高めます。安易な廃校によるリストラを防止するため、私学の「募集停止」も報告事項にせず審査の対象にします。私立大学の財政公開を促進し、教職員によるチェック機能を高めます。まともな教育条件を保障できない株式会社立大学の制度は廃止し、私立大学(学校法人)として再出発できる環境を整備します。

だれもが安心して学べる大学、じっくりと教育・研究できる大学をつくります

 世界一高い学費負担を軽減する……国際人権規約(A規約=経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約)の高校と大学を段階的に無償化する条項(第 13条B、C項)の留保を撤回し、国立大学費の標準額を引き下げるなど、学費負担の軽減にふみだします。経済的理由による教育格差をなくし、だれもが安心して学べるために、(1)国公立大学の授業料減免を広げる、(2)私立大学の授業料減免への国庫補助を増額するとともに、私立大学生の授業料負担を大幅に減らす「直接助成制度」をつくる、(3)国の奨学金をすべて無利子に戻すとともに、返済滞納者の「ブラックリスト化」を中止し、返済猶予を拡大する、(4)経済的困難をかかえる生徒・学生への「給付制奨学金制度」をつくる、などの緊急策をただちに実行します。

 少人数授業をふやし、教養教育を充実する……学生の人間形成や学問の基礎をつちかう教養教育の充実や、わかりやすく学びがいある授業づくりへの改善努力を励ます支援策を抜本的に強めます。少人数教育の本格的な導入や勉学条件の充実のために、教職員の増員をはかり、非常勤講師の劣悪な待遇を改善します。

 任期制教員の無限定な導入や成果主義賃金に反対する……任期制教員の無限定な導入や成果主義賃金は、じっくりと教育研究にうちこむことを妨げ、学問の発展を損なうため、導入に反対し、国による誘導策をやめさせます。大学における教育・研究の公共的役割にふさわしく、教員の安定した身分を保障します。

 留学生に魅力ある環境を整備する……留学生が安心して勉学できるよう、低廉な宿舎の確保、奨学金の拡充、日本語教育の充実、就職支援などの体制を国の責任で整備します。

2.経済効率最優先の科学技術政策から、学術発展へ調和のとれた振興策に切り替えます

 科学、技術は、その多面的な発展をうながす見地から、研究の自由を保障し、長期的視野からのつりあいのとれた振興をはかってこそ、社会の進歩に貢献できます。とりわけ、基礎研究は、ただちに経済的価値を生まなくとも、科学、技術の全体が発展する土台であり、国の十分な支援が必要です。

 ところが、自民・公明政権による科学技術政策は、大企業が求める技術開発につながる分野に重点的に投資し、それ以外の分野、とりわけ基礎科学への支援を弱めてきました。そのため、わが国の研究開発費(民間を含む)にしめる基礎研究の割合は12.7%と、欧米諸国に比べてもかなり低く、しかも低下傾向をつづけています。また、業績至上主義による競争を研究現場に押し付けたことから、ただちに成果のあがる研究や外部資金をとれる研究が偏重されようになり、基礎研究の基盤が崩れるなど、少なくない分野で学問の継承さえ危ぶまれる事態がうまれています。

 日本共産党は、こうした経済効率優先の科学技術政策を転換し、科学、技術の多面的な発展をうながすための振興策と、研究者が自由な発想でじっくりと研究にとりくめる環境づくりのために力をつくします。

基礎研究を重視し、科学、技術の調和のとれた発展と国民本位の利用をはかります

 科学・技術の総合的な振興計画を確立する…国の科学技術関係予算の配分を全面的に見直し、人文・社会科学の役割を重視するとともに、基礎研究への支援を抜本的に強めます。また、大企業への技術開発補助金や防衛省の軍事研究費など、不要・不急の予算を削減します。

 研究者が自由に使える研究費(大学・研究機関が研究者に支給する経常的な研究費)を十分に保障するとともに、任期制の導入を抑え、安定した雇用を保障する制度を確立するなど、研究者の地位を向上させ、権利を保障します。欧米に比べても少ない研究支援者を増員するとともに、劣悪な待遇を改善します。国立大学法人・独法研究機関への人件費削減の義務づけをやめさせます。

 科学技術基本計画を政府がトップダウンで策定するやり方をあらため、日本学術会議をはじめひろく学術団体の意見を尊重して、科学、技術の調和のとれた発展をはかる総合的な振興計画を確立します。

 科学・技術の利用は平和と「公開、自主、民主」の原則で…科学、技術の研究、開発、利用への国の支援は、「公開、自主、民主」の原則にたっておこなうとともに、大企業優遇ではなく、平和と福祉、安全、環境保全、地域振興など、ひろく国民の利益のためになされるべきです。

 憲法の平和原則に反する科学、技術の軍事利用、とりわけ、宇宙基本法の具体化による宇宙の軍事利用をやめさせます。政府が検討している軍事に転用できる技術の公開制限や秘密特許の導入に反対します。

競争的研究費の民主的改革をすすめ、研究における不正行為の根絶をはかります

 競争的研究費の民主的改革をすすめる…個々の研究者に対して交付される各種の競争的研究費については、科学研究費補助金を大幅に増額し、採択率を抜本的に引きあげるとともに、次の方向で改革します。(1)特定分野や旧帝大系大学に集中するのでなく幅広く大学・研究機関の研究者に配分する。(2)業績至上主義の審査ではなく、研究計画も十分考慮した審査に改める。(3)そのために、科学者による専任の審査官の大幅増員や日本学術会議との連携強化をはかるなど、専門家による十分な審査体制を確立し、審査内容を公開する。

 過度の競争を是正し、研究における不正行為を根絶する…研究における不正行為は、科学への社会の信頼を裏切る行為であり、根絶をはかります。そのため、不正の温床となっている業績至上主義による過度の競争を是正するとともに、科学者としての倫理規範を確立します。大学における外部資金の管理を厳格におこなうとともに、研究機関や学術団体が不正防止への自律的機能を強めるよう支援します。

産学連携の健全な発展をうながします

 産業と学術が連携し、協力しあうことは、互いの発展にとって有益なことです。同時に、大企業の利潤追求に大学が追随するような連携では、大学本来の役割が弱められ、研究成果の秘匿や企業との癒着がうまれるなど、学術の発展に支障をきたす弊害をひろげます。

 産学連携の健全な発展のために、国からの一方的な産学連携のおしつけでなく、大学の自主性を尊重し、基礎研究や教育など大学の本来の役割が犠牲にされないようにします。また、産学連携を推進する国の事業(共同研究への補助など)は、地域や地場産業の振興にも力を入れ、中小企業の技術力向上への支援を拡充します。

 大学と企業との健全な関係をむすぶため、以下の点で国のきちんとしたガイドラインを作成します。(1)企業との共同研究の際、学会などでの研究成果の公開が原則として保障され、だれでもひろく使えるようにする。(2)共同研究や委託研究での相当額の間接経費や、共有特許での大学の「不実施補償」を、企業側が負うようにする。(3)企業から受け入れた資金は、大学の責任で管理、配分することを原則とし、研究者と企業との金銭上の癒着をつくらない。

女性研究者の地位向上、研究条件の改善をはかります

 研究者のなかで女性の比率は13.0%、大学教員では24.3%(国立大学は13.4%)と世界的にみても低く、他方で大学の専業非常勤講師のような不安定雇用では5割以上をしめるなど、女性研究者の地位向上、男女共同参画のいっそうの推進が期待されています。大学・研究機関が男女共同参画推進委員会などを設置し、教員、研究員、職員の採用、昇進にあたって女性の比率を高めるとりくみを、目標の設定、達成度の公開をふくめていっそう強めるように奨励します。民間企業の研究者における女性の比率は6.6%でとくに低く、企業に対しても男女共同参画の推進を働きかけます。

 出産・育児・介護にあたる研究者にたいする業績評価での配慮、休職・復帰支援策の拡充、大学・研究機関内保育施設の充実など、研究者としての能力を十分に発揮できる環境整備を促進します。文科省が実施している「女性研究者支援モデル育成」の採択枠を大幅に拡大し、保育所の設置・運営も経費負担に含めるなど利用条件を改善します。非常勤講師ポスドクについても出産・育児にみあって採用期間を延長し、大学院生にも出産・育児のための休学保障と奨学金制度をつくるなど、子育て支援策を強めます。

 セクシャルハラスメントアカデミックハラスメントなどの人権侵害をなくすため、大学・研究機関の相談・調査体制の充実をはかります。

3.大学院生、ポストドクターなど若手研究者の劣悪待遇と就職難の解決をはかります

 この数年来、大学院博士課程を修了しても安定した研究職につくことができない若者が急増し、パートタイムのポストドクター(以下、ポスドク)や大学非常勤講師、企業への派遣労働など不安定で劣悪な雇用状態におかれ、「高学歴難民」「高学歴ワーキング・プア」として社会問題化しています。こうした若者は 10万人を超えるとみられ、優秀な学生が研究者をめざす道を敬遠する傾向がつよまっていることとも合わせ、日本の学術の発展と社会の発展にとってきわめて深刻な事態となっています。

 この事態を生んだ要因は、何よりも自民党政治が、財界の要求をうけて1990年代以降の「大学院生の倍加」政策をすすめながら、博士の活躍できる場を大学・研究機関や民間企業など、ひろく社会につくりだす施策を怠ったことです。さらに、小泉内閣以来の「構造改革」路線が、大学・研究機関の予算削減、人件費削減と、研究費の競争的資金化を推進したことにあります。国立大学法人では、旧助手の初任給で一万人分にあたる人件費を削減し、他方で研究費によるポスドクの雇用など研究者の非正規雇用を増大させました。また、大企業が、博士課程修了者を専ら契約社員や派遣社員などの非正規で働かせ、正規雇用を怠ってきた責任も厳しく問われるべきです。

 ポスドクや大学非常勤講師、派遣社員などの非正規雇用の多くは、年収300万円以下の低所得であり、社会保険にもまともに加入できないなど、劣悪な待遇を強いられています。大学院生が、高い学費負担や劣悪な研究条件のもとで、じっくりと研究に打ち込むことが困難な状況におかれていることも重大です。

 こうした若手研究者の「使い捨て」といえる事態は、学術の将来の発展をそこなうものであり、日本の社会にとっての重大な問題です。日本共産党は、国の責任で若手研究者の劣悪な待遇と深刻な就職難の解決をはかり、若手研究者が研究に夢をもてる環境を確保するために全力をつくします。

若手研究者の就職難の解決をはかります

 大学・研究機関による博士の就職支援、ポスドクの転職支援が充実するように政府の対策を抜本的に強化すべきです。文科省の「キャリアパス多様化促進事業」を継続・拡充し、人文・社会科学系にもひろげ、採択機関を増やすとともに、機関間の情報交換、連携を強化します。大学・研究機関がポスドクなどを研究費で雇用する場合に、期間終了後の就職先を確保するよううながします。博士が広く社会で活躍できるように、大学院教育を充実させるとともに、博士の社会的地位と待遇を高め、民間企業、教師、公務員などへの採用の道をひろげます。博士を派遣社員でうけいれている企業には、直接雇用へ切り替えるよう指導を強めます。

 日本の大学の本務教員1人当たりの学生数は、イギリスの1.4倍、ドイツの1.7倍であり、大学教員の増員は必要です。大学教員の多忙化や後継者不足を解消するために若手教員を増員し、研究者の非正規雇用の拡大をおさえます。

 大学院を学生定員充足率で評価することや、画一的な大学院博士課程の定員削減はやめ、大学院の定員制度の柔軟化をはかります。

若手研究者の劣悪な待遇を改善し、じっくりと研究できる環境をつくります

 院生やオーバードクターへの研究奨励制度の抜本的拡充、ポスドクの職場の社会保険への加入を促進します。日本共産党は政府に働きかけて、独立研究機関が雇用するポスドクの公務員宿舎への入居を実現しました。国立大学法人の宿舎整備をすすめ、ポスドクの入居をひろげます。

 大学非常勤講師で主な生計を立てている「専業非常勤講師」の処遇を抜本的に改善するため、専任教員との「同一労働同一賃金」の原則にもとづく賃金の引き上げ、社会保険への加入の拡大など、均等待遇の実現をはかります。また、一方的な雇い止めを禁止するなど安定した雇用を保障させます。

 大学院生が経済的理由で研究を断念しなくてすむように、無利子奨学金の拡充と返還免除枠の拡大、給付制奨学金の導入を実現します。卒業後、低賃金などの事情で返済が困難な研究者を救済するため、日本学生支援機構の奨学金の返済猶予事由を弾力的に運用し、年収300万円に達しない場合に返済を猶予する期限(5年)をなくし、広く適用させます。

2009-08-12 各党科学技術政策選挙政策まとめ

自民党選挙政策

自民党 「日本を守るための約束。」

http://www.jimin.jp/sen_syu45/seisaku/2009_yakusoku/index.html

高校生・大学生を抱える中堅世代の教育費の負担が増大している現実。低所得者の授業料無償化、就学援助制度の創設、新たな給付型奨学金の創設など、具体的な支援の仕組みで家計を助けます。

世界で闘える基礎学力の向上。道徳教育や伝統文化教育の強化。食育や環境教育など新しい分野への挑戦。自民党なら、偏向教育を進める日教組の強い影響を受けた民主党にはできない、教育現場の一新ができます。「スポーツ基本法案」を制定し、スポーツ庁を創設。トップレベルのアスリート育成や地域スポーツを振興します。子供に夢を与える2016年東京オリンピックパラリンピックの招致なども進めていきます。

低炭素社会や健康長寿社会の実現を目指して、引き続き大胆かつ集中的な経済対策を実施し、平成22年度後半には年率2%の経済成長を実現。さらには、ものづくり技術の開発、イノベーションの推進などによる産業の高付加価値化を実現します。あわせてアジア諸国の市場を取り込むための投資環境の整備などにより、日本経済を平成23年度から、安定的な成長経路へ復帰させます。今後3年間で40〜60兆円の需要を創出し、概ね200万人の雇用を確保します。経済成長戦略の着実な実施により、10年で家庭の手取りを100万円増やし、1人当たり国民所得を世界のトップクラスに引き上げることを目指します。

緊急信用保証、セーフティネット貸付の実施などで、中小企業の経営支援を強力に進めます。そして、最先端技術が、経済をリードしていけるように、ものづくり技術、試作品の開発・販路開拓などを積極的にサポートします。

最先端技術が、研究室止まりではいけない。世界と闘える研究者を、もっと増やします。

数多くのノーベル賞受賞者を輩出してきた日本。その力を育て、世界で活躍する研究者をもっと増やすために、世界トップレベルの研究拠点の約30カ所設置や、研究費基金を創設し、現場にフィットしない予算の単年度ルールを廃止します。具体的なプランを次々に進めていきます。

政策BANK

http://www.jimin.jp/sen_syu45/seisaku/2009_yakusoku/bank_index.html

全ての子供に質の高い幼児教育の機会を保障するため、3〜5歳児に対する幼稚園・保育所等を通じた幼児教育費の負担を段階的に軽減し、3年目から無償化する。高等学校や大学についても、教育費についての負担感が増している家庭が増えてきている現状に鑑み、就学援助制度の創設や新たな給付型奨学金の創設、低所得者の授業料無償化等を行う。教育の公私間格差を解消する。

新しい教育基本法にのっとり、世界最高水準の義務教育を実現するため、OECD諸国並みの公財政教育支出の確保を目指す。新学習指導要領を確実に実施し、世界トップレベルの基礎学力の定着、道徳教育の充実や体力の向上、食育を通じ、「生きる基本」を身に付ける。さらに、特別支援教育、自然体験学習、環境教育、キャリア教育日本語教育、理数教育、英語教育、読書活動などを進める。

低炭素革命で世界をリードするとともに、安心・元気な健康長寿社会を目指して、引き続き大胆かつ集中的な経済対策を講じ、景気の確実な底入れ・反転により、平成22年度後半には年率2%の経済成長を実現する。

その後、平成23年度から内需と外需にけん引された持続的かつ安定的な成長経路へ復帰させ、今後3年間で40〜60兆円の需要を創出し、概ね200万人の雇用を確保する。

今後3年間は地域活性化に資する支援を継続して行い、将来の経済成長の芽となる内需拡大の基盤づくりを重点的に整える。

基礎から応用に至る研究開発の強化、ものづくり技術の開発や支援策の継続・拡充、リスクマネーの供給による環境技術の強化、イノベーションの推進によるサービス部門の一層の生産性向上等を通じて、産業の高付加価値化を実現する。

BRICs・アジア諸国など各国市場の取り込みを行うための投資環境の整備や経済協力政策を進める。

経済成長による新規需要に加え、女性や高齢者の労働参加により、10年で家庭の手取りを100万円増やし、1人当たり国民所得を世界トップクラスに引き上げることを目指す。

国際競争力のある高等教育の展開

国立大学運営費交付金や私学助成の充実等により、高等教育の財政基盤を強化する。特に地方大学を重点的に支援する。「留学生30万人計画」を進め、国際化拠点大学30大学を重点的に支援する。

国際的に活躍できる人材の育成や環境整備

世界最先端の研究成果を創出し、ノーベル賞級の研究者を育成するための世界トップレベルの研究拠点を約30ヵ所整備する。若手研究者育成に重点を置いた科学研究費補助金など競争的資金を拡充する。この他、基金の創設による研究費の単年度制約からの脱却や女性や外国人研究者など多様な人材が活躍できる環境の整備、競争的な環境を作り上げるための各大学の改革の支援等、最先端の研究分野などで国際的に活躍できる人材の育成や環境整備を行う。

科学技術創造立国の実現

ips細胞や太陽電池をはじめとする生命科学・エネルギー技術など、世界をリードするわが国の革新的研究・技術開発を戦略的に行い、「第3期科学技術基本計画」による研究開発投資25兆円の達成を目指すとともに、次期基本計画における投資目標を設定し、拡充する。また、最先端研究開発支援プログラムの実施や「研究開発力強化法」「宇宙基本計画」「海洋基本計画」等に基づく投資を充実する。科学技術の成果を国民に還元し、地域発の豊かな社会を実現していくため、47都道府県産学官連携拠点を整備する。

安定的な資源・エネルギーを確保するため、主要な資源供給国との関係を深め、「資源外交」を強化するとともに、国内における水力、風力、太陽光等「再生可能エネルギー」の開発・利用や、原子力エネルギーの利用を強化(発電比率:25.6%→40%発電所の設備利用率:58%〈現行〉→84%〈平成10年水準〉)する。

世界的な人口増加や気候変動により大きな影響が懸念される日本と世界の水問題に対し、食料、エネルギーの安全保障の観点も含め、政産学官が連携して取り組み、次世代に豊かな社会を引き継ぐ。また、安全・安心な上・下水道を維持・管理し、資源の循環・再利用も含めた水循環プロセスが安定的かつ健全に行われる社会を構築するとともに、利害関係者が連携する流域単位の総合水資源管理体制を整える。また、膜技術、漏水対策や再生水利用技術など日本の優れた水関連技術と知見で「世界の水危機」解決に貢献し、国際社会から尊敬される日本を目指す。

「1万人オピニオンリーダー制度」の確立

「1万人オピニオンリーダー制度」を創設し、国民から公募したモニターの方から党運営や各種政策課題について提言をいただき、党内で最大限活用し国民本位の政治を実行する。

民主党選挙政策

民主党 マニフェスト2009

http://www.dpj.or.jp/special/manifesto2009/pdf/manifesto_2009.pdf

12.公立高校を実質無償化し、

  私立高校生の学費負担を

  軽減する

【政策目的】

○家庭の状況にかかわらず、全ての意志

 ある高校生・大学生が安心して勉学に

 打ち込める社会をつくる。

【具体策】

○公立高校生のいる世帯に対し、授業料

 相当額を助成し、実質的に授業料を無

 料とする。

○私立高校生のいる世帯に対し、年額

 12 万円(低所得世帯は24 万円)の

 助成を行う。

○大学などの学生に、希望者全員が受け

 られる奨学金制度を創設する。

【所要額】

9000 億円程度

1₅.全ての人に

  質の高い教育を提供する

【政策目的】

○学校の教育環境を整備し、教員の質と

 数を充実させる。

【具体策】

○全ての人にとって適切かつ最善な教育

 が保障されるよう学校教育環境を整備

 し、教育格差を是正する。

○教員の資質向上のため、教員免許制度

 を抜本的に見直す。教員の養成課程は

 6 年制(修士)とし、養成と研修の充

 実を図る。

○教員が子どもと向き合う時間を確保す

 るため、教員を増員し、教育に集中で

 きる環境をつくる。

○公立小中学校は、保護者、地域住民、

 学校関係者、教育専門家等が参画する

 「学校理事会」が運営することにより、

 保護者と学校と地域の信頼関係を深める。

○現在の教育委員会制度を抜本的に見直

 し、教育行政全体を厳格に監視する「教

 育監査委員会」を設置する。

○生活相談、進路相談を行うスクールカ

 ウンセラーを全小中学校に配置する。

○国際社会の中で、多様な価値観を持つ

 人々と協力、協働できる、創造性豊か

 な人材を輩出するためのコミュニケー

 ション教育拠点を充実する。

【所要額】

600 億円程度

32.食の安全・安心を

  確保する

【政策目的】

○国民が安全な食料を、安心して食べら

 れる仕組みをつくる。

○食品安全行政を総点検する。

【具体策】

○食品の生産、加工、流通の過程を事後

 的に容易に検証できる「食品トレーサ

 ビリティシステム」を確立する。

○原料原産地等の表示の義務付け対象を

 加工食品等に拡大する。

○主な対日食料輸出国に「国際食品調査

 官( 仮称)」を配置して、輸入検疫体

 制を強化する。

○BSE対策としての全頭検査に対する

 国庫補助を復活し、また輸入牛肉の条

 件違反があった場合には、輸入の全面

 禁止等直ちに対応する。

○食品安全庁を設置し、厚生労働省と農

 林水産省に分かれている食品リスク管

 理機能を一元化する。併せて食品安全

 委員会の機能を強化する。

【所要額】

3500 億円程度

45.環境分野などの技術革新で

  世界をリードする

【政策目的】

○1次エネルギーの総供給量に占める再生

 可能エネルギーの割合を、2020 年まで

 に10%程度の水準まで引き上げる。

○環境技術の研究開発・実用化を進める

 ことで、わが国の国際競争力を維持・

 向上させる。

【具体策】

○世界をリードする燃料電池、超伝導、

 バイオマスなどの環境技術の研究開

 発・実用化を進める。

○新エネルギー・省エネルギー技術を活

 用し、イノベーション等による新産業

 を育成する。

国立大学法人など公的研究開発法人制

 度の改善、研究者奨励金制度の創設な

 どにより、大学や研究機関の教育力・

 研究力を世界トップレベルまで引き上

 げる。

46.エネルギー

  安定供給体制を確立する

【政策目的】

○国民生活の安定、経済の安定成長のた

 め、エネルギー安定供給体制を確立する。

【具体策】

エネルギーの安定確保、新エネルギー

 の開発・普及、省エネルギー推進等に

 一元的に取り組む。

レアメタル(希少金属)などの安定確

 保に向けた体制を確立し、再利用シス

 テムの構築や資源国との外交を進める。

○安全を第一として、国民の理解と信頼

 を得ながら、原子力利用について着実

 に取り組む。

民主党政策INDEX2009

http://www.dpj.or.jp/policy/manifesto/seisaku2009/index.html

宇宙開発利用体制の再編一元化

わが国の宇宙開発利用を強力に推進していくために、2009年度中に各省庁の宇宙関係セクションと宇宙航空研究開発機構(JAXA)企画部門を内閣府のもとに再編一元化するとともに、将来的にはJAXAを含む独立した組織の創設を検討します。

教育予算の充実

先進国中、著しく低いわが国の教育への公財政支出(GDP(国内総生産)比3.4%)を、先進国の平均的水準以上を目標(同5.0%以上)として引き上げていきます。学校教育に関連する公財政支出については、国内総生産に対する比率を指標として、予算の確保・充実の目標を定めなければならないとした規定を盛り込んだ「学校教育環境整備法案」が参議院で可決されました。引き続き同法案の成立を目指します。

教育の無償化

高等学校は希望者全入とし、公立高校の授業料は無料化、私立高校などの通学者にも授業料を補助(年12万〜24万円程度)します。この内容を具体化した「高校無償化法案」は参議院で可決されましたが、引き続き同法案の成立を目指します。

義務教育就学前の5歳児の就学前教育の無償化を推進し、さらに漸進的に無償化の対象を拡大することによって、保護者の教育費負担の軽減を図ります。

高等教育の機会の保障

すべての人が、生まれた環境に関わりなく、意欲と能力に応じて大学などの高等教育を受けられるようにします。現在、日本とマダガスカルのみが留保している国際人権A規約(締約国160カ国)の13条における「高等教育無償化条項」の留保を撤回し、漸進的に高等教育の無償化を進めます。

奨学金制度改革

学生・生徒に対する奨学金制度を大幅に改め、希望する人なら誰でもいつでも利用できるようにし、学費のみならず最低限の生活費も貸与します。親の支援を受けなくても、いったん社会人となった人でも、意欲があれば学ぶことができる仕組みをつくります。具体的には、所得800万円以下の世帯の学生に対し、国公私立大学それぞれの授業料に見合う無利子奨学金の交付を可能にします。また、所得400万円以下の世帯の学生については、生活費相当額についても奨学金の対象とします。

今後は、諸外国の例を参考に、給付型の奨学金についても検討を進めます。

大学改革と国の支援のあり方

「学生・研究者本位の大学」「創意ある不断の改革を現場から創発する大学」「社会に開かれ、社会と連携・協働する大学」を目指し、「象牙の塔」から「時代が求める人づくり・知恵づくりの拠点」として大学改革を進めます。その際、世界的にも低い高等教育予算の水準見直しは不可欠です。また、産業振興的な側面ばかりでなく、学問・教育的な価値にも十分に配慮を行います。

自公政権が削減し続けてきた国公立大学法人に対する運営費交付金の削減方針を見直します。また、大幅に削減されてきた国立大学病院運営費交付金については、地域高度医療の最後の砦であることや、医療人材養成の拠点、研究機関としての機能を勘案し、速やかに国立大学法人化直後の水準まで引き上げるとともに、今後十分な額を確保していきます。

なお、大学入試のあり方については、大学センター試験・大学入試そのものの抜本的な検討を進めます。

イノベーションを促す基礎研究成果の実用化環境の整備

2008年の169回通常国会で超党派で成立させた研究開発力強化法の趣旨を踏まえ、今後とも科学技術を一層発展させ、その成果をイノベーション(技術革新)につなげていきます。

産学官が協力し、新しい科学技術を社会・産業で活用できるよう、規制の見直しや社会インフラ整備などを推進する「科学技術戦略本部(仮称)」を、現在の総合科学技術会議を改組して内閣総理大臣のもとに設置します。同戦略本部では、科学技術政策の基本戦略並びに予算方針を策定し、省庁横断的な研究プロジェクトや基礎研究と実用化の一体的な推進を図り、プロジェクトの評価を国会に報告します。

また、素粒子物理学や再生医療等の巨額な予算を要する基礎科学研究分野において今後もトップランナーの地位を維持していくためにも、世界的な研究拠点となることを目指して、欧米やアジア諸国との連携強化に積極的に取り組んでいきます。

科学技術人材の育成強化

スーパーサイエンスハイスクール(科学技術・理数教育を重点的に行う学校)を拡充するとともに、科学の面白さを子どもたちに実感させるため、産業界の協力を得て、サイエンスキャンプ(研究所などでの実験体験など)や研究者の小中学校への派遣などを行います。

研究者奨励金制度を創設するとともに、国内の優れた研究プロジェクトへの支援を強化します。また、研究者ビザの拡充など優れた外国人研究者がわが国に集まる環境をつくります。

中小企業の研究開発力の強化

政府の中小企業研究開発予算120億円を、中小企業の技術力が高く評価されるドイツの政府支出比率と同等の600億円へと5倍増するとともに、大学・研究機関と中小企業の共同研究を制度・予算上で強化します。また、中小企業基盤機構の技術情報提供・流通の機能を強化します。

世界最先端の環境エネルギー技術の確立

2020年までにエネルギーの10%程度を再生可能エネルギーとすることを目標に、世界をリードする燃料電池技術、太陽光発電技術、超伝導技術、バイオマス技術など環境エネルギー技術の研究開発や実用化への重点化を図ります。

食の安全・安心に関する行政組織の抜本的改革

牛海綿状脳症(BSE)の発生を契機にリスク分析システムが導入されましたが、リスク評価機関(食品安全委員会)もリスク管理機関(農林水産省厚生労働省)も食品をめぐる数々の問題・事故に適切な対応ができていません。食品安全委員会は、米国産牛肉の輸入再開に際し、リスク評価を事実上放棄するに等しい結論を出すなど、その在り方について様々な問題が指摘されてきました。また、リスク管理機関は、農林水産省厚生労働省に分かれ、責任の所在が不明確なため、中国産餃子中毒問題、食品表示偽装問題、事故米穀不正規流通問題等の事件への機動的な対応ができませんでした。

こうした現状を踏まえ、わが国の食品安全行政の在り方を抜本的に改革するため、まず、食品安全委員会については、リスク管理機関からの独立性を担保し、リスク評価機能が十全に果たせるよう組織体制を強化します。また、農場から食卓までのリスク管理の一貫性を確保するために、農林水産省消費安全局と厚生労働省食品安全部とを統合し、リスク管理機能を一元化した「食品安全庁」を創設します。

食品のトレーサビリティ(追跡可能性)・システムの導入

トレーサビリティは、生産者と消費者との距離が拡大する経済社会の下では、食品事故発生時の原因究明や製品回収に、また、表示などの情報の正しさの検証に有効な仕組みです。

すべての食品にベーシックなトレーサビリティを義務付けているEUの例を参考に、わが国においても、一定期間経過後にすべての食品について、仕入先、仕入日、販売先、販売日を記録・保管するトレーサビリティを義務付けます。

事故米穀不正規流通問題を受け国会に提出された「米穀等の取引等に係る情報の記録及び産地情報の伝達に関する法律」は、米および米加工品にのみトレーサビリティを義務付ける内容でしたが、民主党の主張により「政府は全食品のトレーサビリティ導入等を検討する」旨の条文を追加する修正が行われました。

なお、トレーサビリティの義務化の時期を踏まえ、食品の製造工程での安全管理や品質管理を図るための措置として、農業生産工程管理工程(GAP)や危害分析重要管理点(HACCP)への対応も義務化します。

食品表示の拡大等

食品に関する消費者の合理的な選択に資するため、加工食品や外食における原料原産地表示の義務付けを拡大します。ただし、一定規模に満たない中食・外食業者に対しては現実的対応を行います。

また、遺伝子組換え食品及びクローン動物由来食品については、その旨の表示等を義務付けます。

トレーサビリティ(追跡可能性)等とリンクした輸入検疫体制の強化等

日本は、食料の6割を輸入に依存しており、食品及び動植物の検疫体制の強化・拡充が必要です。輸入食品について国産の食品と同等の安全性を確保するためにわが国への主要な輸出国に「国際食品調査官(仮称)」を配置できるように検討を行うほか、トレーサビリティや危害分析重要管理点(HACCP)等を義務化して、事前に「国際食品調査官」が生産地における施設の検査を行えるようにします。原則として、「国際食品調査官」の検査を受けた施設以外の食品の輸入は認めないこととします。

また、国内の牛海綿状脳症(BSE)対策として、2008年に打ち切られた全頭検査に対する国庫補助金を復活します。

中小企業の技術力の発揮と向上

中小企業の技術力と大企業や外国企業のニーズとのマッチングを効果的に行う環境を整備します。中小企業の培った技術力が次世代に適正に継承されるよう、税制の見直しなどの環境を整備するとともに、IT、バイオ、ナノテク、環境、エネルギーなどの先端分野に対する科学技術研究費を大幅に増やします。

ものづくり政策の推進

わが国の製造業が国際競争力を維持していくためには、製造現場における「ものづくり力」をさらに向上させていくことが重要です。「ものづくり人材」の確保、熟練技能者の退職に伴う技能継承教育の推進、研究開発投資の促進、知的財産の利用促進などの支援を行います。

知的財産立国の実現

国際競争力の強化、科学技術の振興を図るために、知的財産権の強化に取り組みます。知的財産基本法をさらに具体化し、中小企業・ベンチャー企業に対する支援強化、知的財産紛争処理能力の強化、知的財産権に関する専門家の育成、地域をはじめとする産学の連携強化、研究開発予算の見直し、研究者の意欲向上につながる環境の整備、技術移転機関(TLO)の充実、模倣品対策や特許権侵害対策の強化を進めます。

起業・ベンチャー支援

ベンチャー企業の立ち上げを容易にすると同時に、中小企業などの技術開発を促進する制度を導入します(日本版SBIR制度の改善やSTTR制度の導入(*))。ベンチャー企業の株式購入時に投資額の一定割合を税額控除できる制度の導入やエンジェルネットワークの設立・運営を支援します。また大企業からのスピンアウトリストラをきっかけとした開業等)に対して特別融資枠を設定することを含め、総合的な起業支援策を講じます。これらの施策を通じ、「100万社起業」を目指し産業の競争力を再生します。

*日本版SBIR制度/STTR制度:Small Business Innovation Research(中小企業技術革新制度)/Small Business Technology Transfer(中小企業技術移転制度)。いずれも中小ハイテクベンチャー企業への補助金制度。

事業規制の原則撤廃と次世代競争力の確保

現行の事業規制はすべてゼロベースで見直し、民間事業活動に関する規制を改革します。他方、公正競争の環境整備を推進します。すべての官業を納税者・生活者の視点で徹底して見直し、効率化と質の向上を図ります。

IT、バイオ、ナノテク、環境、エネルギーなどの先端技術分野における研究者・技術者の質的・量的不足の解消に向けて、集中的に施策を展開し、民間経済の成長・拡大を支えます。

エネルギー安定供給体制の確立

エネルギーを安定的に確保するエネルギー安全保障の確立は、国家としての責務です。このため、長期的な国家戦略を確立・推進する機関を設置し、一元的に施策を進めます。

現在、日本のエネルギー自給率は原子力も含めて16%にすぎず、先進国では最低水準にあることから、自給率の目標を2030年に30%、2100年には50%とします。

安定的な経済成長を図るため、エネルギーレアメタル(希少金属)等、資源の安定確保に向けた体制を確立し、資源保有国に対する戦略的な外交を強化します。

経済と環境との両立を図るエネルギー政策の確立

経済の持続的な成長と実効性のある地球温暖化対策との両立を目指します。省エネルギー、再生可能エネルギー技術を活用した新産業の育成を積極的に支援し、経済や雇用を活性化させます。風力、太陽、バイオマスなど再生可能エネルギーの1次エネルギー総供給に占める割合については、2020年までに 10%程度の水準を目指します。

CO2を増やさない非化石エネルギーの利用を促進するとともに、エネルギー供給インフラの信頼性確保に注力し、国民や企業の利便性、経済の効率性を損なうことなく、低炭素社会への円滑な移行を実現します。

また、環境やエネルギー利用効率化における新技術の移転普及のための国際協力を積極的に推進します。

原子力政策に対する基本方針

原子力利用については、安全を第一としつつ、エネルギーの安定供給の観点もふまえ、国民の理解と信頼を得ながら着実に取り組みます。

原子力発電所の使用済み燃料の再処理や放射性廃棄物処分は、事業が長期にわたること等から、国が技術の確立と事業の最終責任を負うこととし、安全と透明性を前提にして再処理技術の確立を図ります。また、国が国民に対して原子力政策に関する説明を徹底して行うとともに、関連施設の立地自治体および住民の十分な理解を得るため、国と自治体との間で十分な協議が行われる法的枠組みをつくります。

安全を最優先した原子力行政

過去の原子力発電所事故を重く受けとめ、原子力に対する国民の信頼回復に努めます。原子力関連事業の安全確保に最優先で取り組みます。万一に備えた防災体制と実効性のある安全検査体制の確立に向け、現行制度を抜本的に見直します。安全チェック機能の強化のため、国家行政組織法第3条による独立性の高い原子力安全規制委員会を創設するとともに、住民の安全確保に関して国が責任を持って取り組む体制を確立します。また、原子力発電所の経年劣化対策などのあり方について議論を深めます。

設備・機器に対する検査、さらにはソフト面も考慮したいわゆる「品質保証型」の検査も含めた厳正な検査体制の運用、現行のあいまいなトラブル等報告基準を抜本的に見直し、事故・トラブルを原則的にすべて公開することなどの「原子力情報公開ガイドライン」を早期に具体化します。

2009-08-11 各党科学技術政策選挙政策まとめ

改革クラブ選挙政策

改革クラブ 2009衆議院選挙 マニフェスト発表

http://www.kaikakuclub.jp/news/2009/07/31_1856.html

IT と環境・エネルギー問題への取組みを融合し、新産業分野を創造します。環境問題にいかに対応し、また、IT の活用をいかに図るかは、21 世紀のすべての産業のみならず国民生活の帰趨きすうに大きな影響を及ぼします。

1) IT と環境・エネルギー問題への取組みを融合させ、人や物の流れを情報に置き換えることで環境負荷を低減させるとともに、企業や人材が地球規模で共同作業を行うことにより、新産業分野の創造や農・商・工・サービスの各産業競争力の

強化を図ります。

2) 原油価格の未曾有の高騰や地球温暖化問題など、我が国の資源・エネルギー政策をとりまく情勢が大きく変化している中、新エネルギーの開発(創エネ)や安全な原子力発電の推進により、エネルギーを確保するとともに、環境保全や経済成長との両立を目指します。

技術立国(ものづくり)日本を支えるための高等教育とりわけ理工系人材育成強化に取り組みます。

「我が国の宝」である「人材」育成のため、教育に重点的に投資します。また、親・保護者の教育費負担を減らすための給付制の奨学金や税控除を組み合わせ活用します。

消費者行政の一元化により、消費者の安全・安心を確実なものにします。

近年、頻発した製品事故や食品偽装、さらに今般の汚染米問題の発生は、縦割の消費者行政の限界を露呈したものです。そこで消費者の安全、安心を確実なものとするため、消費者庁を誕生させたことを機に、これまで以上に消費者第一との立場から消費者行政の一元化を図ります。とりわけ輸入食品の安全対策については断固たる措置を講じます。

また、消費者行政に当たる行政機関の活動を消費者が参加してチェックする仕組みを設け、安全・安心を消費者の手に取り戻します。

まず生活者に目を向け、成長が見込まれる経済分野が軌道に乗るよう経済対策を実施し、環境・バイオ・IT など新たな経済成長戦略によって税の自然増収を図ることで、歳入、財源の確保を図ります

みんなの党選挙政策

●選挙公約

http://www.your-party.jp/manifest.html

産業構造を従来型から高付加価値型へ転換。ヒト、モノといった生産要素を、予算、税制等でバイオ、エレクトロニクス、新素材、環境、エネルギー等の将来成長分野へシフト。

グリーン・グロース(「緑の成長」=環境制約による成長)を実現。風力、太陽光、バイオマスなどの再生可能エネルギーの利用促進、省エネ技術への投資、排出量取引市場の創設等により、日本の温室効果ガス排出量の削減目標の達成をテコとし「緑の成長」を促進。特に電気自動車の開発に重点。

高校、専門学校、大学等の高等教育への奨学金制度の拡充(出世払い・返済不要型の活用等。)

2.「ゆとり」が「放縦」とならないよう基礎教育・公教育を充実させる

1. 教育の機会均等のためにも、公教育の建て直しを充実。

2. 少人数・体験・個性重視の教育を実現。

3. 手に職を持つ教育、生き抜く教育のため、芸術・文化・スポーツ等を重視。

4. 大学入試を、上記にあわせ抜本改革。

5. 教員の質と数を充実。いじめや不登校等の問題に対処するスクールカウンセラーも全校配置。

6. 親の貧富で教育格差が広がらない環境整備。高校、専門学校、大学等の高等教育への奨学金制度の拡充(出世払い・返済不要型の活用等。既出)

新党日本選挙政策

http://www.love-nippon.com/PDF/mani2.pdf

未来を見据えたフロンティアエネルギーを技術開発の政策的誘導で実現し、エネルギー自給率を高めます。

(1)水素、バイオ等の新エネルギーを、日本の戦略的資源として、集中的な技術開発を行う。

(2)日本の風土を活かした「小水力=水車発電」設置の法的簡素化で、地産地消エネルギーを確保する。

(3)現在は大半の導管にステンレスを用いる原子力発電所の安全性を高めるべく、腐食に強いチタンを海水冷却部分、ニッケルクロムを高温高圧部分で使用する厳格な基準を具体的に規定する

平沼グループ選挙政策

平沼グループ

http://www.hiranuma.org/hiranumagroup.pdf

将来性のある技術・プロジェクトを発掘することにより、イノベーションを促し、1500兆円の個人資産を国際競争力強化のための投資に向かわせます。また、資源国に流出した資金を日本に還流するためのプロジェクトの立ち上げを支援します。

地球環境問題への対応と構造的な資源高時代に率先して立ち向かい、新時代の勝者になるため、中長期的観点から、資源エネルギー政策に重点を置きます。

日本の優れた安全技術を駆使し、原子力の内外における展開を図ると同時に、新エネルギーの開発・導入に思い切って踏み込みます。とりわけ日本が優位な技術を持つ太陽光エネルギーを資源として捉え直し、国内や海外に戦略的に展開していきます。そのための政策支援と導入方法を国民に提示します。

またメタンハイドレートのような近海の資源開発も思い切って進めます。

資源高は資源の乏しかった日本が資源国になりうる絶好の機会です。

2007-07-06 各党参院選マニフェスト、政策比較

50、3Rを通じた持続可能な資源循環

「もったいない」の精神を活かし、「3R」(リデュース、リユースリサイクル)の取組みを、レジ袋削減をはじめとして、国民運動として展開する。

 新たな循環型社会基本計画の策定、各種リサイクル法の強化等を進め、バイオマスと廃棄物エネルギーの利用を徹底するとともに製品のライフサイクル全体における環境負荷の最小化を推進し、循環型社会の構築を加速する。

エネルギーや水、食料を確保するために>

129、暮らしの安全を支えるエネルギー・水・食料の戦略的確保

  エネルギー・水・食料は、暮らしの安全・安心を支える大切な資源であり、地球全体の環境保全の観点も考慮しつつ、戦略的に確保していく。

 資源外交や経済協力の戦略的展開により、資源国との総合的な関係強化を図るとともに、国内における安定供給の担い手である石油産業の競争力・経営基盤の強化に取り組む。

 核燃料サイクルの早期確立や高レベル放射性廃棄物処分場の確保に向けた国民の理解獲得、次世代軽水炉の開発、高速増殖炉サイクルの実証・実用化に向けた研究開発等に取り組む。

 原子力施設における改ざん・隠ぺい等の不正の判明を踏まえた対応、原子力施設の耐震安全性の向上に向けた取組み、核燃料の再処理や放射性廃棄物の処分に係る安全性の検討・確認等を進める。

 水・食料は生命の維持に必要不可欠であり、国内農業の食料供給力の強化を図る。

142、バイオマス・ニッポンを目指して

  農林業を21世紀の戦略産業として発展させていくため、バイオマス利活用などの新たな分野にも果敢に挑戦し、農林業の新境地開拓を加速化させる。

京都議定書達成へ低炭素社会をつくる>

144、京都議定書目標の確実な達成に向けた制度等、あらゆる面からの抜本的強化

京都議定書目標を確実に達成するため、産業界の削減努力の確実な実施とさらなる深掘りに加え、排出量の伸びが著しい業務・家庭部門の対策を抜本的に強化する。

  このため、地球温暖化対策推進法を抜本的に見直すとともに、財源の確保を十分に図るなど、政府の行う対策を一層強化する。率先的取組みとして、今年度中に政府公用車にバイオ燃料を完全に導入する。

145、世界に先駆けた「低炭素社会づくり」に向けた国民運動の推進

製品・サービスごとにCO2排出量を表示するなど環境配慮の「見える化」による省エネ行動の徹底、省エネ家電買換促進に向けた地域の新しい取組みへの支援、住宅・建築物の省エネ化、環境にやさしい行動に応じてポイントがたまる「エコポイント」などによる省CO2型製品・サービスの普及、クールビズの定着や「サマータイム」についても国民の理解を得つつその導入について前向きに検討するなど、官民力を合わせてビジネススタイル・ライフスタイルの変革に向けた国民運動を展開し、「1人1日1kg」のCO2削減を目指す。

1. 民主党は「脱地球温暖化戦略」を推進

地球温暖化対策のため、国内外において温室効果ガスの削減が必要です。

世界中で2050年までに50%削減するという中長期目標だけでなく、日本国内においても、中長期の目標設定が必要です。京都議定書温室効果ガス6%削減の達成はもちろん、中期的には2020年までに1990年比20%、長期的には2050年よりも早い時期に50%の温室効果ガス排出量の削減をめざします。その際、人為的排出の削減を優先します。民主党は、「脱地球温暖化戦略〜脱温暖化で、地球と人との共生〜」をとりまとめています。具体的には、|罅δ拘目標の設定、京都議定書目標達成のためのキャップ&トレード方式による国内排出権取引市場の創設、再生可能エネルギー導入の強力な推進、地球温暖化対策税の導入、ゾエネルギーの徹底、森林吸収源対策の推進、Т超技術開発、環境負荷低減技術・商品の普及促進、┫超外交の促進、脱フロンのさらなる推進、二酸化炭素の「見える化」の推進、都市過熱化防止などを図ります。

2008年には、G8サミットが日本で開催されることにかんがみ、ポスト京都議定書に向けた新たな国際的枠組みの構築に取り組みます。わが国は、エネルギー効率化の視点を踏まえ、米国および中国、インド、途上国の参加を促すべく、エネルギー効率化のための技術移転を促進します。また、ODAの環境分野への集中特化など環境外交を展開し、主導的役割を果たします。同時に、酸性雨や黄砂など国境を越えた環境被害に対しても、わが国の環境安全保障の観点から環境外交を強化します。

3. 生物多様性の保全

近年、絶滅危惧種の増加、農作物などに影響を及ぼす野生生物の保護管理対策、外来生物対策など、生物多様性の保全について、複雑な問題が山積しています。民主党は「ヒトと野生生物との共生」をめざしており、環境基本法の理念を生かし、「野生生物保護基本法」(仮称)を制定します。具体的には、〔鄒言己の保護に関する基本的な計画(5ヵ年計画)の策定、生物多様性(野生生物)の保全体制の整備、1洞蘇床舛竜遡害宗↓生物多様性に関する教育等の充実、ス駝韻悗侶写悄∪儷謀広報、省庁間の連携、法制上及び財政上の措置、┨駝嬰の参加を定めます。

さらに、豊かな生態系を育む自然環境を国際的に保護するための基金等への拠出を推進し、生物多様性に関する国際的な調査研究をNGOと協力しながら積極的に支援します。

4. エネルギー安全供給体制の確立

エネルギーを安定的に確保する「エネルギー安全保障」の確立は、国家としての責務です。長期的な国家戦略を確立・推進する機関を設置し、一元的に施策を進めます。

地球環境との調和を図り、環境対策技術の開発を推進します。省エネルギー技術をさらに発展させるとともに、天然ガス、石油、石炭、原子力に加え、風力、太陽、バイオマス、海洋エネルギーなど再生可能エネルギーや、水素、燃料電池などを中心とした未来型エネルギーの普及開発を図ります。こうして、エネルギー供給源の多様化を促進するにより、総合的なエネルギーのベストミックス戦略を確立します。特に、風力、太陽、バイオマスなど再生可能エネルギーについては、一次エネルギー総供給に占める割合を、EUの導入目標をふまえて大幅に引き上げ、2020年までに10%程度の水準の確保をめざします。

また、現在、日本のエネルギー自給率は原子力も含めて16%にすぎず、先進国では最低水準にあることから、自給率の目標を2030年に30%、2100年には50%とします。

1)地球温暖化防止策の推進

京都議定書の6%削減を実現します。

■ポスト京都議定書に関して、米国、中国、インドなどすべての主要排出国が参加する、実効性ある新たな枠組みを構築し、2050年までに温室効果ガス50%削減をめざします。

■国民総がかりで、家庭で簡単に実行できる省エネ対策など、二酸化炭素(CO2)削減のための広範な国民運動を展開します。

■エコ産業の市場規模を70兆円に、雇用を160万人に拡大します。このため環境関連サービス、廃棄物処理・リサイクル産業などの振興に集中投資します。

■省エネで事業費を生み出すESCO事業による余剰資金活用や寄付金優遇制度拡充などを通じ、環境に取り組む中小企業やNPO、学校などを支援する「市民環境基金」(仮称)を設立します。

地域の特性を生かしたESD(持続可能な開発のための教育)推進のための国内環境整備を前進させ、各地でESDの拠点づくりを進めます。

水環境保全に有効で、経済性及び効率性に優れた浄化槽(合併浄化槽)の普及を加速します。

大気汚染規制強化に伴い運送トラック等の適合車買替支援を拡充するなど、中小零細企業の省エネ・環境対策の取り組みへの支援を強化します。

■船舶版アイドリングストップへの支援や、埠頭内オフロード車の電気自動車導入などによるCO2排出減対策を進めます。また、外部電源式アイドリングストップ冷暖房システムによりエコトラックパークを実現します。

(2)化石燃料に拠らないエネルギーの活用

■「バイオマス推進基本法」の早期制定により、バイオエタノール普及などバイオマス活用の仕組みを早急に構築します。

太陽光発電、風力発電、燃料電池など自然エネルギー普及を拡大するため、支援制度の拡充や日本版RPS(電力会社に一定の割合の新エネルギー使用を義務付け)法等を活用します。

「低公害車導入促進アクションプラン」(仮称)を策定し、政府の低公害車導入目標を前倒しします。

エコハウスやエコビルの増加、エコ改修の普及も図ります。

エネルギー安定供給のため、原子力発電の一層の安全性の徹底を図り適正に推進します。事故情報の迅速な情報開示など安全性向上に向け事業者の体質改善を促します。

【9】京都議定書の約束を達成し、さらに低エネルギー低炭素社会への転換を進めます

 安倍内閣は「世界全体の温室効果ガス排出量を現状に比して2050年までに半減する」方針を閣議決定し、独ハイリゲンダムサミットでも、「2050年」に「半減」という長期の目標にかかわる言葉が盛られました。しかし、いま日本は、直近の目標である京都議定書での約束(2012年までに90年比6%削減)を達成する見込みがたたず、二酸化炭素排出は逆に8%も増えています。

 京都議定書で公約した「6%削減」の達成に、あらゆる手をつくします……京都議定書の目標達成には、排出量の8割を占める企業・公共部門での削減がカギです。ところが、政府は財界の要求に屈し、日本経団連の「自主」行動計画まかせにしています。また家庭(排出量の2割)でも、電気製品台数の増加や自動車の大型化、単身化による世帯増の影響で、二酸化炭素の排出が増加しています。

──経済界と政府の間で削減協定を締結し、達成責任を公的に裏うちします。

──小規模水力、風力、太陽光・熱、地熱、バイオマスなど自然エネルギーの開発・活用を抜本的に進めます。

──現行のエネルギー課税を見直し、二酸化炭素の排出量を考慮した環境税の導入をすすめます。

──商品や施設の省エネ促進とともに、二酸化炭素の排出を増やす長時間営業・労働や、都市再生の名による大規模な高層マンション・建物の建設、郊外店の増加などに歯止めをかけ、生活スタイルや経済活動の改善を図ります。

 中長期の目標を明らかにして、低エネルギー低炭素社会への転換をすすめます……科学者やEU、NGOは、気候変動を破局的な危険のレベルに達するまえに抑えるためには、工業化以前に比べて2度未満に気温の上昇を抑えることが必要だと考えています。それには、増え続けている二酸化炭素の排出量を2050年までに50%以下(1990年比)に削減する取り組みが求められ、とくに先進国は60%〜80%という大幅な削減をしなければなりません。

──日本も2020年までに30%、50年には70%削減することを目標に掲げ、それにむけて経済システムや生活スタイルなどを改革して、低エネルギー低炭素社会へ転換すべきです。

 原子力発電所の新増設をやめ、原発から段階的に撤退する……政府と電力会社は、温暖化対策を原発の新増設にたよろうとしています。しかし、原発は、技術的に未確立であり、耐震性を含めた安全性の問題、事故隠し・データねつ造が示す管理能力の欠如、放射性廃棄物の処理など、環境にとって大きな危険をかかえています。原発から計画的・段階的に撤退すべきです。

【7】環境問題

持続可能な経済・社会を実現するため、環境問題に真剣にとりくみます

 21世紀の世界を持続可能な経済・社会とするためには、温暖化ガスの大幅削減を実現する対策など地球環境の保全の見通しをたてるとともに、国内のアスベスト対策や大気汚染対策など身の回りの環境対策に真剣にとりくむことが必要です。将来にわたって良好な環境を維持していくために、環境汚染を規制し、生態系を守るとりくみを強化します。そのためにも環境汚染問題の解決には、少なくとも(1)汚染者負担の原則、(2)予防原則、(3) 国民・住民の参加、(4)徹底した情報公開──の視点が欠かせません。その立場で、次のようなとりくみを強めます。

京都議定書の目標を達成し、日本の中長期の温暖化ガスの削減目標を明らかにして、世界の温暖化抑制に貢献します

 安倍政権は温暖化ガスの「世界全体の排出量を現状に比して2050年までに半減する」方針を閣議決定し(「21世紀環境立国戦略」)、独ハイリゲンダムサミットでも、「2050年」に「半減」という長期の目標にかかわる言葉が盛られたと宣伝しています。しかし、いま日本は、直近の目標である京都議定書での約束(2012年までに90年比6%削減)を達成する見込みがたっていません。

 京都議定書で公約した「6%削減」の達成に、あらゆる手をつくす……EUはすでに削減目標の達成を見越していますが、日本は削減するどころか、逆に8%も増加しており、現在のままでは期限(2012年)までに目標を達成することは、極めて困難です。

 石炭や石油などの化石燃料を燃やした時点で排出量を計算すると、エネルギー・産業部門が日本の二酸化炭素排出量の65%をしめています。とくに産業部門の割合は主要国のなかで最大となっています。発電所、高炉製鉄所など180の事業所が日本全体の排出量の半分を占めています。日本経団連は、日本の製造業が世界一効率がいいと強調していますが、欧米の先進国と比べ、ほぼ同じか中には日本が劣るものもあります。90年代にエネルギー効率を上げる投資を企業がしなかったことや、火力発電所が増加したことによって、景気が上向けば排出量が増える状況になっており、政府が頼みにしている日本経団連の「自主」行動計画では、総量目標を達成する裏づけにはなりません。

 安倍内閣は、こうした問題を放置したまま、二酸化炭素の排出量の「1人1日1キログラム削減」をスローガンに「国民運動」を提唱しています。生活スタイルの見直しは大切ですが、家庭部門の排出量は、全体の5%であり、それを削減の決め手とするのは無理な話です。

 やはり日本の排出量の8割を占める企業・公共部門での削減がカギです。政府は日本経団連の「自主」行動計画まかせにせず、経済界と政府の間で削減協定(自主協定)を締結し、達成責任を公的に裏うちすることが大切です。排出権取引を実施し、そのさい各企業の排出状況と実効性のある削減目標を明らかにさせることが重要です。

 排出量の多いエネルギー部門では、小規模水力、風力、太陽光・熱、地熱、バイオマスなど自然エネルギーの開発・活用が決定的です。自然エネルギーの活用を広げるため、目標量を抜本的に引き上げるとともに、電力会社が買い取り価格を引き上げ、固定価格で買い取ることが必要です。既存のエネルギー税制を見直して、温暖化ガスの排出量を考慮した環境税を導入すべきです。

 家庭でも、電気製品台数の増加や自動車の大型化によるエネルギー消費の拡大、核家族化・単身化による世帯増の影響で、温暖化ガスの排出が増加しています。また、労働規制の緩和や残業規制の不徹底、深夜労働による長時間営業・労働や帰宅・出勤時間の不規則化、大規模小売店舗法の廃止による大型店の郊外出店による自動車の多用、都市再生の名による大規模な高層マンション・建物の建設促進によるエネルギーの多用なども、エネルギー消費をふやしています。

 地域でも路面電車など公共交通機関へのシフトや、パーク・アンド・ライドの推進、ロード・プライシング制の検討などで都市部への自動車流入の抑制をはかります。都市の気温が上昇するヒートアイランドを防止するため、都市の過密化を避け、緑化の促進をはかります。エネルギーのロスを減らし省エネをすすめるためには、廃熱利用、ヒートポンプの普及、エネルギーの“地産地消”、建物の断熱と交通輸送の切り換えや共同化によるまちづくりが重要です。

 商品や施設の省エネをすすめ、「省エネ生活」への支援を強めるとともに、生活スタイルや経済活動を変えることが必要です。

 中長期の目標を明らかにして、低エネルギー低炭素社会への転換をすすめる……温暖化対策でいま重要なことは、気候変動が危険なレベルに達しない温度上昇の上限を共通の認識にし、その範囲におさえるために、空気中の温暖化ガス濃度をどう抑えるのか、そのために何が必要かを考えることです。

 科学者やEU、NGOは、気候変動を破局的な危険のレベルに達するまえに抑えるためには、工業化以前に比べて2度未満に気温の上昇を抑え、温暖化ガスの濃度は1.7倍以内(480ppm程度)で早期に安定させることが必要だと考えています。それには、増え続けている温暖化ガスの排出量を基準年である1990年比で、2020年までには下回らせ、50年までには50%に削減するとりくみが求められています。

 2050年に世界全体で温暖化ガスの排出量を90年比で半分にするには、日本をふくむ先進国が60%〜80%という大幅な削減をしなければなりません。それを見越してEUは2020年までに20%削減する方針を明らかにしており、50年までにフランスは75%、ドイツは80%の削減を検討しており、イギリスは60%の削減を目標にする法案を国会に提出しようとしています。

 日本も、2020年までに30%、50年には70%削減することを目標に掲げ、それにむけて経済システムや生活スタイルなどを変革して、低エネルギー低炭素社会への転換を目指すべきです。

大気汚染被害者を救済し、自動車メーカーに社会的責任をはたさせます

 自動車排ガスと健康被害との因果関係を、あいついで司法が認め、国・都・道路公団に被害者への賠償を命じました。公害健康被害補償法(公健法)で認定されていなかった被害者の健康被害が司法で認められたのですから、国、東京都が救済するのは当然です。原告はメーカーの責任も追及し、判決は、健康被害を予見できたにもかかわらず、乗用車にまでディーゼル化をすすめたことなど、自動車メーカーの対応に社会的責任上、問題があったと指摘しました。メーカーは超低額の解決一時金(賠償金)ではなく、被害者の要求にこたえるべきです。また、企業がいま使用しているディーゼル車の汚染物質(粒子状物質や二酸化窒素など)除去装置の実用化など、メーカーが社会的責任を果たすよう求めます。大都市部への基準不適合車の流入を抑え、幹線道路における汚染状況のひどい地域での走行規制など、汚染対策をすすめます。くるま優先で自動車道路の建設を促進して公害を悪化させる行政の姿勢の転換を求め、行政・メーカーに必要な情報公開を義務づけ、環境・製品アセスメントを強化します。

【8】エネルギー問題

自然エネルギーの開発・利用を広げ、原発依存のエネルギー政策を転換します

 エネルギーは食料とともに経済・社会の存立の基盤であるにもかかわらず、日本のエネルギー自給率はわずか6%(2005年度)にすぎません。

 イラク、イランなど中東情勢の緊張や、中国やインドなど発展を続ける途上国のエネルギー需要の増加、先物取引などの投機によって、石油や天然ガスの高値が今後も続くとみられています。政府は、灯油などの小売価格の便乗値上げを監視するとともに、備蓄を機動的に使うことや、自治体が冬季に実施している福祉灯油制度への助成を準備するなど、国民生活を守るための対策をとるべきです。

 エネルギー問題は、地球の温暖化対策とも密接な関係があります。日本は、京都議定書にもとづいて2010年前後までに二酸化炭素などの温暖化ガスの排出量を、1990年比で6%削減する義務があります。その日本の目標は、達成が危機的状況にあります。政府は原発の新増設を頼みの綱としていますが、原発は安全性に問題があり、原発に依存するのではなく自然エネルギーの導入に本腰を入れるべきです(→温暖化対策全般については、個別・分野別政策の環境の項を参照)。

 省エネの徹底やエネルギー効率の引き上げによって低エネルギー社会を目指すとともに、日本の条件にあった自然エネルギーの開発・利用を計画的に拡大することで、エネルギーの受給率の引き上げをはかります。

太陽光・熱、小水力、バイオマスなど自然エネルギーの開発・利用を本格的に促進します

 地球の温暖化防止のためにも、エネルギー政策はかなめです。エネルギーの自給率を引き上げ、また地球温暖化対策をすすめるためには、エネルギー効率の徹底した向上とともに、環境に配慮した自然エネルギー源の開発・利用に本格的にとりくむ必要があります。風力や太陽光・熱、地熱、小水力、波力や、あるいは畜産や林業など地域の産業とむすんだバイオマスエネルギーなどは、まさに地域に固有のエネルギー源です。そこから得られる電気やガスを販売することで地域に新たな収入が生まれます。事業の成果や副産物を地元に還元したり、雇用や技術、資金の流れを地元に生み出すことで、地域経済の活性化に役立ちます。

 2020年の一次エネルギーにおける自然エネルギーの割合を15〜20%に引き上げることをめざし、自然エネルギーの開発・利用のとりくみを強めます。導入目標の大幅な引き上げ、固定価格による電力の買い取り制度を導入など、自然エネルギーの普及にとりくんでいる人たちの声を反映させ、意欲の出る制度に改善します。廃棄物発電は、林業の廃材や加工くずなどに限定し、廃プラスチックなどを大量に燃やすやり方は対象外にすることが必要です。小規模・分散型という特徴をもつ自然エネルギーを利用して発電した電力を利用し、既存の電力供給システムに組み込んでいく系統連携のやり方についても、地域での先行的なとりくみをやりやすくするために、制度の改善や財政的支援を自治体や政府に求めます。

 自然エネルギーの設備設置への補助を手厚くし、発電量に応じた助成の創設を求めます。原子力のために巨費を注ぎ込んでいる電源開発促進税や、石油関係諸税などの税制の見直しを前提に、化石燃料の消費や自動車などがもたらす環境への負荷も考慮し、二酸化炭素の排出量などに着目した環境税の導入によって、自然エネルギー促進のための財源の充実をはかります。

バイオ燃料は、食料と競合しない植物資源を使い、国内産・地域産の資源を優先活用します

 近年、原油価格の高騰などを背景に、世界各国でバイオエタノールの生産が急増しています。最大の生産国・アメリカではトウモロコシ原料のエタノール生産が前年比3割増となり、2017年には05年比で10倍にするというブッシュ政権の計画のもと、エタノール工場の建設ラッシュが続いています。

 この動きは、トウモロコシの需給をひっ迫させ、国際価格をこの1年で倍近くに高騰させました。それが隣国メキシコでは庶民の食生活を直撃するなど、バイオエタノールの開発が、途上国や低所得者の食料を脅かしています。日本でも、トウモロコシの輸入価格が大幅に上昇し、飼料や多くの食品に影響が出ています。

 バイオエタノールは、地球温暖化対策に役立ちますが、原料となるサトウキビ生産の拡大やパーム油生産のためのヤシ農園の建設による熱帯林の破壊が、各国で新たな環境破壊として問題になっています。

 日本政府は、エタノールを含むバイオ燃料の利用促進を打ち出していますが、その大部分は輸入を見込んでいます。二酸化炭素の排出削減をいいながら、二酸化炭素の吸収源である森林を破壊するのでは、地球環境にやさしいエネルギー開発とはいえません。

 日本共産党は、バイオ燃料の開発・導入を自然エネルギーの重要な柱であると考えています。その具体化にあたっては、食料需要と競合しない植物資源に限定する、国内産・地域産の資源を優先的に活用する(「地産地消」)、生産・加工・流通・消費のすべての段階で環境を悪化させない持続可能な方法を採用するなど、新たな環境破壊をひきおこさないためのガイドラインをもうけるよう政府に要求します。

プルトニウム利用をやめ、原発からの段階的な撤退をすすめます

 政府と電力会社が温暖化対策を口実に新増設を図っている原発は、十分な安全の保証がなく技術的に未確立です。磨耗した配管の破裂で死傷者を出した美浜原発の事故(2004年)にひきつづき、冷却用海水温のデータねつ造が明るみにでただけでなく、臨界事故を志賀・福島の各原発が起こしたことを隠していた事実が次々と発覚しました。経済産業省の指示で電力会社が行った調査の結果報告(07年3月)によれば、問題事例が全体で1万件をこえ、うち原子力関係が455件もあるという驚くべき数に上りました。ルール違反の横行とずさんな検査体制や経営・管理の実態は深刻です。さらに東海地震の想定震源域の真上に浜岡原発が存在するような政府・電力会社の原発立地のあり方は、無謀としかいいようがありません。放射性廃棄物の処理と万年単位の管理の問題、莫大な費用がかかる問題など、多くの問題が解決されないままです。

 こうした問題を抱えた原発から、計画的に撤退すべきです。原発の危険性を増幅するだけのプルサーマル計画や高速増殖原型炉「もんじゅ」の運転再開計画は撤回し、六ヶ所再処理工場をはじめ核燃料サイクル施設の総点検を実施し計画を中止すべきです。原発の総点検をおこない、老朽原発をはじめ安全が危ぶまれる原発については、運転停止を含めた必要な措置をとらせます。

 政府は、自治体にプルサーマル実施の許可や、高レベル放射性廃棄物の最終処分場への応募をうながし、受け入れれば手厚い補助金を出すとしていますが、補助金と引き換えに住民に危険を押しつけるようなやり方はやめるべきです。

 安倍内閣は、「原子力立国」をかかげて原発の輸出や核燃料供給を目指していますが、国内外で、安全を軽視した原発の新増設をすすめることはやめるべきです。

みどり

1.京都議定書の目標達成(2008〜2012年)に全力をあげ、世界的な視野をもち中長期の目標として2020年までに30%、2050年までに70%の削減をめざします。

2.全排出量の6割を占める産業部門・発電施設の対策を強めるためCO2削減義務を課すとともに炭素税や大規模排出源の排出量をコントロールする国内排出取引制度を導入します。在日米軍、自衛隊など軍事関係のCO2排出量を公開させ、対策を促します。

3.温暖化対策からも脱原発を推進し、原子力関係予算は再生可能エネルギー予算にシフトさせます。自然エネルギーを2020年までに20%にします。

4.森林吸収源3.8%(毎年1300万炭素トン)の目標達成のための、必要予算額である毎年度1330億円の追加的森林整備費を確保します。また、不在村所有者対策を強化します。

5.森林保全・育成のため、林業労働者10万人規模(毎年1万人の新規就業者)の確保と、その定住化対策に取り組むとともに、林業の担い手確保に向けて緑の雇用担い手対策事業の充実と直接所得補償制度を導入します。

6.地域材・国産材の利用を推進し、木材自給率(現在20%)の向上を図ります。公共施設での国産材利用の義務づけや木質バイオマスの利用を推進します。違法な外国産材の流入規制を強化します。

7.拡大生産者責任の導入、3R(リデュース、リユースリサイクル)の優先順位を明確化し、廃棄物の発生を抑制します。

8.水俣病の被害実態を明らかにし、被害者救済、全面解決に取り組みます。総合的な「アスベスト対策基本法」を制定します。

9.「戦略型環境アセスメント法」を制定します。環境団体訴訟制度を導入します。「野生生物保護法」を制定します。