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2012-06-11 文科省「大学改革実行プラン」の「衝撃」

文科省「大学改革実行プラン」の「衝撃」

メルマガScience Communication News

http://sci-support.org/?page_id=27

掲載ニュースです。

【ひとこと編集後記】

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■先週は大学絡みの話題が多かったように思います。

まず、話題になったのは文科省の「大学改革実行プラン」

http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/24/06/1321798.htm

「大学改革実行プラン」は、2つの大きな柱と、8つの基本的な方向性から構成されています。

1つ目の柱が、「激しく変化する社会における大学の機能の再構築」であり、

 1. 大学教育の質的転換、大学入試改革

 2. グローバル化に対応した人材育成

 3. 地域再生の核となる大学づくり(COC (Center of Community)構想の推進)

 4. 研究力強化(世界的な研究成果とイノベーションの創出) を内容としています。

2つ目の柱が、そのための「大学のガバナンスの充実・強化」であり、

 5. 国立大学改革

 6. 大学改革を促すシステム・基盤整備

 7. 財政基盤の確立とメリハリある資金配分の実施【私学助成の改善・充実〜私立大学の質の促進・向上を目指して〜】

 8. 大学の質保証の徹底推進【私立大学の質保証の徹底推進と確立(教学・経営の両面から)】 を内容としています。

期待と不安の反応が出ています。

はてなブックマーク

http://b.hatena.ne.jp/entry/www.mext.go.jp/b_menu/houdou/24/06/1321798.htm

大学改革実行プラン 「衝撃」は軽視できない

http://ejwatanabe.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/post-fb0f.html

国家戦略会議ではグローバル人材について議論されました。

議事次第 平成24年 第5回 国家戦略会議

http://www.npu.go.jp/policy/policy04/archive05_11.html

▼配布資料

資料1 文部科学大臣説明資料

http://www.npu.go.jp/policy/policy04/pdf/20120604/shiryo1.pdf

資料2 グローバル人材育成戦略

http://www.npu.go.jp/policy/policy04/pdf/20120604/shiryo2.pdf

■QS Asian University Rankings

http://www.topuniversities.com/university-rankings/asian-university-rankings/2012

が発表されています。日本では東大の8位が最高。

■大学改革まったなし…などという言葉はもう聞きあきた感があります。いろいろな提言や指針がどのように実行に移されていくかみていく必要があります。

■第2回基礎研究及び人材育成部会(平成24年6月 5日)の会議資料

http://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/innovation/jinzai/2kai/index.html

▼資料2 人材の育成強化に向けた工程表(たたき台)(PDF)

http://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/innovation/jinzai/2kai/shiryo2.pdf

参考資料2 基礎研究と人材育成に関する若手研究者アンケート(PDF)

http://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/innovation/jinzai/2kai/sanko2.pdf

先日ご紹介したアンケートの結果です。

■第5回 医療イノベーション会議

議事次第

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/iryou/dai5/gijisidai.html

▼資料2-1 医療イノベーション5か年戦略(案)

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/iryou/dai5/siryou2_1.pdf

資料2-2 医療イノベーション5か年戦略(案)の概要

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/iryou/dai5/siryou2_2.pdf

も話題です。

E.E

http://twitter.com/enodon

researchmap

http://researchmap.jp/enodon

最近はFacebookに書きこむ率が高いです。

https://www.facebook.com/enodon

Google

https://plus.google.com/u/0/106037507954237537783/posts

2011-03-07 大学院の価値

大学院の価値

 ふとみた新聞のほんの小さな記事だったが、衝撃は大きかった。

コマツ、大卒技術系の初任給を院卒と同額に上げ

日本の製造業では、専門知識を学んだ理系の修士課程修了者を待遇面で優遇するのが一般的。だが同社は入社後に触れる知識が実際の開発、製造現場でより有効と判断。

 工学系の修士課程付加価値は乏しい、とコマツは判断したということか。短い記事だが、いろいろなことを考えさせられる。

 工学の修士教育の質や内容が、企業の現場にすぐに役立つものではなかったということ。

 工学系の修士に進学する人材の質に疑問がもたれているということ。

 日本の製造業の現場が、まだまだ「現場知」が有効であり、なるべく早く企業内のやり方に触れさせたほうが得だということ。

 学部生を早期に囲い込み、汎用性に乏しい企業内ルールを身につけることにより、中国などへの人材流出を防ごうとしているのではないか、ということ。

 コマツには社会教育をしっかり行うだけの体制がととのっているのか、ということ。

 これに続く企業はあらわれるのか、ということ。

 修士課程の学生の選抜(修士一年で就職活動をする)がよいのか、ということ。

 もちろん、あくまで一社のことだし、分野にもよるだろうが、企業就職を考える場合、修士に進学することに金銭的なインセンティブは乏しいという印象をあたえる記事だった。短い記事であり、これだけで判断するのは時期早々なので、あくまで印象ではあるが。

 Twitterでつぶやいてみたが、当然という声も多かった。

 こういう声も含め、大学院とはいったい何なのか、考えさせられてしまう。

 先ごろ、文科省中央教育審議会から「グローバル化社会の大学院教育〜世界の多様な分野で大学院修了者が活躍するために〜答申」が発表された。これに対し、いろいろな意見が飛び交ったが、そうこうしているうちに、企業側から大学院教育にイエローカードが付きつけられたかっこうだ。

 大学院は特定の企業に役立つ人材を育成するための機関ではない。とくに修士課程だと、研究者技術者、教育者など、選択肢は多様なはずだ。大学院職業教育のようなことをすることに否定的な声は大きい。

 しかし、社会からの評価を無視することはできない。評価されていないとしたら、何が問題か、考えないといけない。

 私達はこれまで、博士課程の就職問題を考え続けていたが、修士にまで問題が及んだと考えると、大学院改革は待ったなしと言わざるを得ないのではないか。

2011-02-28 入試問題漏洩事件が明らかにしたもの

入試問題漏洩事件が明らかにしたもの

 まさか…しばらくしてとうとう…

 そんな気持ちだ。

 京大で入試問題が試験時間中にネットに書きこまれたという事件を聞いたときの感想だ。

 折しもその日、情報流出を扱った番組がNHKで放送されていた。

http://www.nhk.or.jp/tsuiseki/file/list/110226.html

 あらゆる情報が流出してしまう時代。そうは言っても、入試の事は頭になかった。寝耳に水だ。その後同じハンドルネームの人物が、複数の大学で同様の漏洩をしていることが明らかになっている。

 公正公平であるべき入試で不正をするなんて言語道断。そういう人が多いのはまず当然。もし自分が受験生だったら、そんな人達が自分を出しぬいて合格したら、悔しくてたまらないだろう。徹底的な調査が望まれる。

 ただ、それを前提として、とりあえず括弧にくくってみると、いろいろなものが見えてくる。

 まず、携帯電話が普及している時代に、何らかの不正が起こることを予想していなかったのか、ということ。カンニングはあの手この手で行われる。取り締まる側とのイタチごっこだ。あらゆる情報が流出する「メガリークス」の時代。起こりうる最悪の事態を想定していたかという、入試当局の姿勢が問われる。

 ウィキリークス、チュニジアやエジプト、リビアなどの「Facebook革命」、今回の入試問題漏洩。同時期に起こったこれらの出来事は、同じ問題の別の側面をみているように思えてならない。

 いくら自発的に携帯電話をオフにさせたり、カバンにしまえ、と言ったところで、すべての受験生が従うかは分からない。受験生の「良心」に任せすぎていたのではないか。

 一件こういう事態が明らかになったなら、発覚していない不正がすでに広がっている可能性もある。また、この事件が報道されることにより、模倣する者が増え、大学入試はもとより、各種試験で同じようなことが行われるかもしれないし、試験にとどまらない、あらゆるものが流出を前提に考えないといけないのかも知れない。

 対策の手間やコストをどうするか、という問題は、大学のみならず、あらゆる組織が考えなければならない重い課題だ。

 これだけにとどまらない。この事件が明らかにしたのは、入学試験のあり方への疑問だ。

 つまり、知識の多寡を競うだけの入学試験でよいのか、ということだ。

 誰かに聞くことによって簡単に答えが出てしまうような知識を問う入試で、優れた人材が獲得できるのか、という疑問がわいてくる。東大や京大の入試は、知識だけでは解けない問題が比較的多いとは思うが…

 ただ、知識ではなく思考力を問う問題を作成するのは大変だし、採点にも時間がかかる。合否判定も楽ではないだろう。教育、研究、その他膨大な仕事に追われる大学にそれだけの余裕があるのか、ということも問われることになる。

 実社会では、記憶力よりも、どんな方法を使ってもいいから解答を出す力のほうが求められる。分からない問題をクラウド、群衆に聞いて答えを出す、というのは、ある種スマートな方法だ。Yahoo知恵袋に投稿したことを稚拙という人もいるが、不特定多数の知恵に頼れる上、群衆に紛れるという効果も含め「頭のよい」方法なのかも知れない。(私は今回の行為を肯定しているわけではないので誤解なきよう)。

 とは言うものの、最近の学生の「基礎学力」の不足が各方面から指摘されているわけで、記憶力を問う意見がすべて悪いわけではない。基本的事項を知らないと、思考もできないのだから、それを問うことも不可欠だ。要は入学試験の全体のさじかげんをどうするか、ということであり、各大学が持てるリソース(教授の雑用の多さをどうするかということも含め)知恵を絞らなければならない。

 ある種起こるべくして起こった事件。犯人を探し出して処罰するだけでは終わらない、大きな問題を我々に投げかけているように思える。 

2011-01-26 最先端・次世代研究開発支援プログラム、方針公表(訂正あり)

大学院はどうなる?

大学分科会(第94回) 配付資料(2011年1月19日)の中に

が含まれていた。博士課程も含めた大学院のあり方に対する答申であり、重要だ。

一部抜粋。

また,科学技術の成果を活かしイノベーションを生み出すベンチャー等の起業家や,地域の市民や企業,NPOなどの様々な主体が参画して公共的サービスを提供する「新しい公共」の担い手として高度な人材の活躍が期待されている。しかし,特に博士課程においては,修了者が社会の様々な分野で活躍するような多様なキャリアパスが十分に開かれているとは言えない。

このため,中長期的な社会の動向を見据え,各大学が企業,研究機関,行政機関,NPO等の多様な機関との連携を深め,多様なキャリアパスに対応した教育を実施するとともに,教育の質の保証に取り組み,これらを通じて,学生の多様なキャリアパスの開拓やそれぞれの学位に相応しい処遇を推進する必要がある。(p12)

このあたりは、拙書

博士漂流時代  「余った博士」はどうなるか? (DISCOVERサイエンス)

博士漂流時代 「余った博士」はどうなるか? (DISCOVERサイエンス)

で触れた内容と重なる。

また、以下に目が止まった。

一方,大学等においては,教員の年齢構成の高齢化傾向の中,各大学等の状況や課題に応じ,例えば,現在の教授等の退職の際に,助教,准教授等のポストを拡充させたり,再任用制度を推進することなどにより,若手研究者のポストを増加させることが期待される。また,ポストドクターをはじめとする若手研究者が自立して独創的・挑戦的な研究活動を行うことができるよう,研究資金を充実するとともに,特に世界的な教育研究拠点を目指す大学等においては,テニュアトラック制の導入・拡大を進めることが必要である。さらに,女性研究者が出産・子育て等と教育研究を両立できるよう,在宅勤務や短時間勤務,柔軟な雇用形態・人事制度の確立,研究サポート体制の整備等を推進することが求められる。

(p12)

 とりあえずご紹介まで。

2009-10-13 博士は募集停止しろ、衝撃の提言

博士は募集停止にすべき…衝撃の提言

職業としての大学教授 (中公叢書)

職業としての大学教授 (中公叢書)

著名な教育学者、潮木氏がいうのだから、説得力がある。こういうことをいう人は多かったが、大学関係者から出たところが大きい。

とにかく引用する。

日本の大学教員は我が身を守ることには懸命になるが、その後継者世代をどうやって確保するのかに対しては極めて冷淡で、その結果、博士課程は目下、いまだかつて経験したこともない危機的な状況に陥ってしまった。青春は二度と取り戻せない。ただちに博士課程の募集を一時停止してでも、全国の博士課程を持つ大学を中心に、さらには全大学を含めて、今後の大学教員育成の制度設計を見直す必要がある。

三〇歳まで「生業」につかなかった人間を受け入れる場などまったくない


現在の大学院は定員補充率を高める圧力に晒され、院生集めに懸命になり、大学院が終われば、任期付き雇用という不安定なポストを工面して、当てのないチャンスを待たせているのが現状である。(中略)ますますプレカリアートを増やすだけ

学部卒あるいは修士修了の時点で、将来大学教員・研究者としてやっていけろだけの能力とガッツを持った者だけ選び出し、彼ら彼女らに集中的に資金を投入して、次世代の大学教員・研究者を養成する方が、博士号を持ったフリーターを量産するだけの現行大学制度よりもはるかに合理的である。

 博士のキャリア問題の責任の所在を大学に求めた点で、画期的な内容と言える。関係者必読。

 はたして、この提言を大学関係者はどう受け止めるのか。

2009-10-06 補正予算見直し情報

補正予算の見直し情報

情報が入り次第ご紹介します。

補正、各省庁の主な見直し内容

http://www.47news.jp/CN/200910/CN2009100601001054.html

予算額1兆3174億円の21%に当たる2814億円を削減。最先端の科学技術研究を支援するため研究者に配分する「先端研究助成基金」2700億円は700億円減額。

10月7日追記

先端研究費:700億円減額 支給対象者数は大幅に増

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20091007k0000e010010000c.html

方針によると、2700億円のうち700億円を執行停止▽1000億円を現在の支給対象者30人に配分▽残りの1000億円を若手研究者など、新たに決める支給対象者に振り分けるという。

10月9日

最先端研究プログラム700億円減額、配分先追加公募

http://scienceportal.jp/news/daily/0910/0910092.html

2009-10-05 人材を生かす投資

人材を生かす投資

 いまだ補正予算の見直し内容が発表されず、どうなるのか不明だが、10月7日発表という話もある。

政府、補正見直し7日に公表=鳩山首相「一層の努力必要」

http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2009100500563

はたして留学や理科教育関連が見直されるのか、最先端研究開発プログラムがどうなるかなど、注視したい。

 ところで、人材へのお金の投入に、批判的な声は根強い。それは理解できる。今の時点では負でしかないから。持ち出しになってしまう。

 しかし、ちょっと視点をずらすと、見え方も違ってくるのではないかと思う。

 教育は未来への投資だから、今という時間では負だ。短期的には投資が回収できない。だから、長期的に考えないといけない。

 人はダムや建物と違って持続的に価値を生み出しうる。価値を生み出してもらわないと、負のままだ。だから、投資を回収するために、価値を生み出す環境を整えたりすることが必要だ。

 「救う」とか、「かわいそう」とかいう感情ではなく、投じた金額以上の成果を社会にもたらしてもらうという意味で、若手研究者への支援が必要だということだ。国の予算を使って育成した以上、活躍してもらわないと、今まで投じた額が負債になる。それは困る。失業対策、弱者対策ではないのだ。

 教育や若手研究者支援は、個人のキャリアやスキルアップという視点ではなく、彼らの能力を社会にどう貢献させるか、どのような価値を生み出させるか、という視点で考えないといけない。社会も、研究者自身も、意識を変える必要があるように思う。研究者自身も、救ってもらうではなくて、自分の能力をどうしたら社会に役立てることができるのか、という観点で、必死に活躍の場をさがさないといけない。活躍できないということは、社会に対する背信なのだと思う。

 価値とか成果とか貢献が何を意味するのかはとりあえずおいておいて、メモ程度に書いた。新しい団体の目指す方向として。