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2010-06-18 成長戦略発表

「新成長戦略」〜「元気な日本」復活のシナリオ〜

本日(6月18日)、「「新成長戦略」〜「元気な日本」復活のシナリオ〜」が閣議決定された。

早速科学技術の部分を抜粋。

p3-4

これらの成長分野を支えるため、第五の「科学・技術・情報通信立国戦略」の下で、我が国が培ってきた科学・技術力を増強する。効果的・効率的な技術開発を促進するための規制改革や支援体制の見直しを進め、我が国の未来を担う若者が夢を抱いて科学の道を選べるような教育環境を整備するとともに、世界中から優れた研究者を惹きつける研究環境の整備を進める。イノベーション促進の基盤となるデジタルコンテンツ等の知的財産や産業の競争力を高めるクラウドコンピューティング等の情報通信技術の利活用も促進する。

p15-16

第3章 7つの戦略分野の基本方針と目標とする成果

強みを活かす成長分野

(1)グリーン・イノベーションによる環境・エネルギー大国戦略

【2020 年までの目標】

『50 兆円超の環境関連新規市場』、『140 万人の環境分野の新規雇用』、『日本の民間ベースの技術を活かした世界の温室効果ガス削減量を13 億トン以上とす

ること(日本全体の総排出量に相当)を目標とする』

(「世界最高の技術」を活かす)

我が国は高度成長期の負の側面である公害問題や二度にわたる石油危機を技術革新の契機として活用することで克服し、世界最高の環境技術を獲得するに至った。

ところが今日では、数年前まで世界一を誇った太陽光発電が今ではドイツスペインの後塵を拝していることに象徴されるように、国際競争戦略なき環境政策によって、我が国が本来持つ環境分野での強みを、必ずしも活かすことができなくなっている。

(総合的な政策パッケージにより世界ナンバーワンの環境・エネルギー大国へ)

気候変動問題は、もはや個々の要素技術で対応できる範囲を超えており、新たな制度設計や制度の変更、新たな規制・規制緩和などの総合的な政策パッケージにより、低炭素社会づくりを推進するとともに、環境技術・製品の急速な普及拡大を後押しすることが不可欠である。

したがって、グリーン・イノベーション(環境エネルギー分野革新)の促進や総合的な政策パッケージによって、我が国のトップレベルの環境技術を普及・促進し、世界ナンバーワンの「環境・エネルギー大国」を目指す。

このため、すべての主要国による公平かつ実効性ある国際的枠組みの構築や意欲的な目標の合意を前提として、2020 年に、温室効果ガス1990年比で25%削減するとの目標を掲げ、あらゆる政策を総動員した「チャレンジ25」の取組を推進する。

(グリーン・イノベーションによる成長とそれを支える資源確保の推進)

電力の固定価格買取制度の拡充等による再生可能エネルギー(太陽光、風力、小水力、バイオマス地熱等)の普及拡大支援策や、低炭素融資の促進、情報通信技術の活用等を通じて日本の経済社会を低炭素型に革新する。安全を第一として、国民の理解と信頼を得ながら、原子力利用について着実に取り組む。

蓄電池や次世代自動車火力発電所の効率化、情報通信システムの低消費電力化など、革新的技術開発の前倒しを行う。さらに、モーダルシフトの推進、省エネ家電の普及等により、運輸・家庭部門での総合的な温室効果ガス削減を実現する。

電力供給側と電力ユーザー側を情報システムでつなぐ日本型スマートグリッドにより効率的な電力需給を実現し、家庭における関連機器等の新たな需要を喚起することで、成長産業として振興を図る。さらに、成長する海外の関連市場の獲得を支援する。

リサイクルの推進による国内資源の循環的な利用の徹底や、レアメタルレアアース等の代替材料などの技術開発を推進するとともに、総合的な資源エネルギー確保戦略を推進する。

p18

(2)ライフ・イノベーションによる健康大国戦略

【2020 年までの目標】

医療介護・健康関連サービスの需要に見合った産業育成と雇用の創

出、新規市場約50 兆円、新規雇用284 万人』

医療介護・健康関連産業を成長牽引産業へ)

我が国は、国民皆保険制度の下、低コストで質の高い医療サービスを国民に提供してきた結果、世界一の健康長寿国となった。世界のフロンティアを進む日本の高齢化は、ライフ・イノベーション医療介護分野革新)を力強く推進することにより新たなサービス成長産業と新・ものづくり産業を育てるチャンスでもある。

したがって、高い成長と雇用創出が見込める医療介護・健康関連産業を日本の成長牽引産業として明確に位置付けるとともに、民間事業者等の新たなサービス主体の参入も促進し、安全の確保や質の向上を図りながら、利用者本位の多様なサービスが提供できる体制を構築する。誰もが必要なサービスにアクセスできる体制を維持しながら、そのために必要な制度・ルールの変更等を進める。

(日本発の革新的な医薬品医療介護技術の研究開発推進)

安全性が高く優れた日本発の革新的な医薬品医療介護技術の研究開発を推進する。産官学が一体となった取組や、創薬ベンチャーの育成を推進し、新薬、再生医療等の先端医療技術、情報通信技術を駆使した遠隔医療システム、ものづくり技術を活用した高齢者用パーソナルモビリティ、医療介護ロボット等の研究開発・実用化を促進する。その前提として、ドラッグラグ、デバイスラグの解消は喫緊の課題であり、治験環境の整備、承認審査の迅速化を進める。

アジア等海外市場への展開促進)

医療介護・健康関連産業は、今後、高齢社会を迎えるアジア諸国等においても高い成長が見込まれる。医薬品等の海外販売やアジア富裕層等を対象とした健診、治療等の医療及び関連サービスを観光とも連携して促進していく。また、成長するアジア市場との連携(共同の臨床研究・治験拠点の構築等)も目指していく。

p28-30成長を支えるプラットフォーム

(5)科学・技術・情報通信立国戦略

【2020 年までの目標】

『世界をリードするグリーン・イノベーションとライフ・イノベーション』、

『独自の分野で世界トップに立つ大学・研究機関の数の増』、『理工系博士課程修了者の完全雇用を達成』、『中小企業知財活用の促進』、『情報通信技術の活用による国民生活の利便性の向上、生産コストの低減』、『官民合わせた研究開発投資GDP 比4%以上』

〜「知恵」と「人材」のあふれる国・日本〜

(科学・技術力による成長力の強化)

人類を人類たらしめたのは科学・技術の進歩に他ならない。地球温暖化感染症対策、防災などの人類共通の課題を抱える中、未来に向けて世界の繁栄を切り拓くのも科学・技術である。

我が国は、世界有数の科学・技術力、そして国民の教育水準の高さによって高度成長を成し遂げた。しかし、世界第二の経済大国になるとともに、科学・技術への期待と尊敬は薄れ、更なる高みを目指した人材育成と研究機関改革を怠ってきた。我が国は、今改めて、優れた人材を育成し、研究環境改善と産業化推進の取組を一体として進めることにより、イノベーションとソフトパワーを持続的に生み出し、成長の源となる新たな技術及び産業のフロンティアを開拓していかなければならない。

(研究環境・イノベーション創出条件の整備、推進体制の強化)

このため、大学・公的研究機関改革を加速して、若者が希望を持って科学の道を選べるように、自立的研究環境と多様なキャリアパスを整備し、また、研究資金、研究支援体制、生活条件などを含め、世界中から優れた研究者を惹きつける魅力的な環境を用意する。基礎研究の振興と宇宙・海洋分野など新フロンティアの開拓を進めるとともに、シーズ研究から産業化に至る円滑な資金・支援の供給や実証試験を容易にする規制の合理的見直しなど、イノベーション創出のための制度・規制改革と知的財産の適切な保護・活用を行う。科学・技術力を核とするベンチャー創出や、産学連携など大学・研究機関における研究成果を地域の活性

化につなげる取組を進める。

科学・技術は、未来への先行投資として極めて重要であることから、2020 年度までに、官民合わせた研究開発投資GDP 比の4%以上にする。

他国の追従を許さない先端的研究開発とイノベーションを強力かつ効率的に推進していくため、科学・技術政策推進体制を抜本的に見直す。また、国際共同研究の推進や途上国への科学・技術協力など、科学・技術外交を推進する。

これらの取組を総合的に実施することにより、2020 年までに、世界をリードするグリーン・イノベーション(環境エネルギー分野革新)やライフ・イノベーション医療介護分野革新)等を推進し、独自の分野で世界トップに立つ大学・研究機関の数を増やすとともに、理工系博士課程修了者の完全雇用を達成することを目指す。また、中小企業知財活用を促進する。

p35

また、高等教育においては、奨学金制度の充実、大学の質の保証や国際化、大学院教育の充実・強化、学生の起業力の育成を含めた職業教育の推進など、進学の機会拡大と高等教育の充実のための取組を進め、未来に挑戦する心を持って国際的に活躍できる人材を育成する。

さらに、教育に対する需要を作り出し、これを成長分野としていくため、外国人学生の積極的受入れとともに、民間の教育サービスの健全な発展を図る。

p38

強みを活かす成長分野

?.グリーン・イノベーションにおける国家戦略プロジェクト

グリーン・イノベーションを成長の原動力として位置づけ、制度設計、規制改革、税制のグリーン化、事業性評価などによる総合的な政策パッケージにより、将来への投資とする事業を行い、我が国のトップレベルの環境技術・製品・サービスを普及させ、環境・エネルギー大国を目指す。

p39-40

?.ライフ・イノベーションにおける国家戦略プロジェクト

今後、飛躍的な成長が望まれる医薬品医療機器・再生医療等のライフサイエンス分野において、我が国の技術力・創造力を発揮できる仕組みづくりに重点に置いたプロジェクトに取り組む。また、医療分野での日本の「安心」技術を世界に発信し、提供する。

4.医療の実用化促進のための医療機関の選定制度等

がんや認知症などの重点疾患ごとに、専門的医療機関を中心としたコンソーシアムを形成し、研究費や人材を重点的に投入するほか、先進医療に対する規制緩和を図ることにより、国民を守る新医療の実用化を促進する。

また、患者保護、最新医療の知見保持の観点で選定した医療機関において、先進医療の評価・確認手続を簡素化する。

これにより、必要な患者に対し世界標準の国内未承認又は適応外の医薬品医療機器を保険外併用にて提供することで、難治療疾患と闘う患者により多くの治療の選択肢を提供し、そのような患者にとってのドラッグ・ラグデバイス・ラグを解消する。

新たな医薬品医療機器の創出、再生医療市場の顕在化などにより、2020 年までに年間約7,000 億円の経済効果が期待される。

5.国際医療交流(外国人患者の受入れ)

アジア等で急増する医療ニーズに対し、最先端の機器による診断やがん・心疾患等の治療、滞在型の慢性疾患管理など日本の医療の強みを提供しながら、国際交流と更なる高度化につなげる。そのため、いわゆる「医療滞在ビザ」を設置し、査証・在留資格の取扱を明確化して渡航回数、期限等を弾力化するほか、外国人医師看護師による国内診療を可能とするなどの規制緩和を行う。

また、外国人患者の受入れに資する医療機関の認証制度の創設や、医療機関ネットワークを構築することで、円滑な外国人患者の受入れを図るとともに、海外プロモーション医療言語人材の育成などの受入れ推進体制を整備するほか、アジア諸国などの医療機関等との連携に対する支援を行う。

これらの取組を推進することで、2020 年には日本の高度医療及び健診に対するアジアトップ水準の評価・地位の獲得を目指す。

p42-43

8.グローバル人材の育成と高度人材等の受入れ拡大

我が国の教育機関・企業を、積極的に海外との交流を求め、又は国内のグローバル化に対応する人材を生み出す場とするため、外国語教育や外国人学生・日本人学生の垣根を越えた協働教育をはじめとする高等教育の国際化を支援するほか、外国大学との単位相互認定の拡大や、外国人教職員・外国人学生の戦略的受入れの促進、外国人学生の日系企業への就職支援等を進める。一方、日本人学生等の留学・研修への支援等海外経験を増やすための取組についても強化する。

さらに、優秀な海外人材を我が国に引き寄せるため、欧米やアジアの一部で導入されている「ポイント制」を導入し、職歴や実績等に優れた外国人に対し、出入国管理制度上の優遇措置を講じる仕組みを導入する。

また、現行の基準では学歴や職歴等で要件が満たせず、就業可能な在留資格が付与されない専門・技術人材についても、ポイント制を活用することなどにより入国管理上の要件を見直し、我が国の労働市場や産業、国民生活に与える影響等を勘案しつつ、海外人材受入れ制度を検討し、結論を得る。

これらの施策を通じ、海外人材の我が国における集積を拡大することにより、在留高度外国人材の倍増を目指す。また、我が国から海外への日本人学生等の留学・研修等の交流を30 万人、質の高い外国人学生の受入れを30 万人にすることを目指す。

あわせて、海外の現地人材の育成も官民が協力して進める。

9.知的財産標準化戦略とクール・ジャパンの海外展開

日本の強みを成長につなげる取組を強化する。

知的財産の積極的な取得・活用、特定戦略分野の国際標準獲得に向けたロードマップの策定、今後創設される「科学・技術・イノベーション戦略本部(仮称)」(総合科学技術会議の改組、知的財産戦略本部の見直し)の活用を進める。

p47-48

成長を支えるプラット・フォーム

?.科学・技術・情報通信立国における国家戦略プロジェクト

我が国の最大の強みである科学・技術・情報通信分野で、今後も世界をリードする。新しい知の創造とイノベーション創出を両輪として制度改革や基盤整備に果断に取り組むとともに、科学・技術人材の育成を進め、彼らが活躍する道を社会に広げていく。政策推進体制の抜本的強化のため、総合科学技術会議を改組し、「科学・技術・イノベーション戦略本部」(仮称)を創設する。

15.「リーディング大学院」構想等による国際競争力強化と人材育成拠点形成と集中投資により、我が国の研究開発・人材育成における国際競争力を強化する。すなわち、我が国が強みを持つ学問分野を結集したリーディング大学院を構築し、成長分野などで世界を牽引するリーダーとなる博士人材を国際ネットワークの中で養成する。最先端研究施設・設備や支援体制等の環境整備により国内外から優秀な研究者を引き付けて国際頭脳循環の核となる研究拠点や、つくばナノテクアリーナ等世界的な産学官集中連携拠点を形成する。また、「国立研究開発機関(仮称)」制度の検討を進める。

大学・大学院の理系カリキュラム改善を産学官連携で推進し、「特別奨励研究員事業(仮称)」の創設を含む若手研究者支援制度の再構築や大学等におけるテニュアトラック制(※)の普及により優秀な若手研究者の自立的研究環境を整備する。また、研究開発独法を活用した取組等により、産業を担う研究開発人材や研究マネジメント人材等を育成する。これらの取組により、特定分野で世界トップ50 に入る研究・教育拠点を100 以上構築し、イノベーション創出環境を整備するとともに、博士課程修了者の完全雇用と社会での活用を実現する。

(※)若手研究者が、厳格な審査を経てより安定的な職を得る前に、任期付きの雇用形態で自立した研究者としての経験を積むことができる仕組み

p50-51

20.新しい公共

新しい公共」が目指すのは、一人ひとりに居場所と出番があり、人に役立つ幸せを大切にする社会である。そこでは、国民の多様なニーズにきめ細かく応えるサービスを、市民、企業、NPO 等がムダのない形で提供することで、活発な経済活動が展開され、その果実が社会や生活に還元される。「新しい公共」を通じて、このような新しい成長を可能にする。

政府は、大胆な制度改革や仕組みの見直し等を通じ、これまで官が独占してきた領域を「公(おおやけ)」に開く。このため、「「新しい公共」円卓会議」や「社会的責任に関する円卓会議」の提案等を踏まえ、市民公益税制の具体的制度設計やNPO 等を支える小規模金融制度の見直し等、国民が支える公共の構築に向けた取組を着実に実施・推進する。また、新しい成長及び幸福度について調査研究を推進する。

官が独占していた領域を「公」に開き、ともに支え合う仕組みを構築することを通じ、「新しい公共」への国民参加割合を26%(「平成21 年度国民生活選好度調査」による)から約5割に拡大する。

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2010-04-29 文科省の成長戦略

文科省の成長戦略

国家戦略室が、各省庁から成長戦略のヒアリングをしている。

4月28日には、文科省などからヒアリングを行った

文部科学省関連の資料は以下。

議事次第

成長戦略事務局チーム資料資料

文部科学省説明資料/参考資料

next49さんが、参考資料について感想を述べられている。

文部科学省立案の成長戦略の説明資料を読んだ感想

この資料のなかで、私が注目したのは、経済効果雇用効果が試算されている点。8、9ページから。

ライフ・イノベーションのための研究開発

再生医療等の先端医療技術の実現に向けた研究の抜本的強化

・官民の垣根を越えた創薬・医療技術支援拠点の整備とオールジャパンでの外部開放

・ライフ・イノベーションを担う人材養成と新たな市場創出に向けた制度改革等の実施

再生医療:世界で10兆円以上の市場規模、約126万人の雇用に貢献

地域の研究開発力を活用した「地域成長プラットフォーム(仮称)」の構築

・地域成長戦略(仮称)に対し関係府省の施策を総動員できるシステムの構築

・地域の大学等が連携して地域活性化に取組む知的ネットワークの構築

→2020年時点で年間9,000億円程度の経済効果(売上げ)、2020年度までの累計5.6万人程度の雇用効果

トップレベル頭脳循環システム(仮称)の実現

・世界に誇る最先端研究施設、世界トップレベルの研究者を中心とした国際研究拠点・コミュニティの形成

・外国人研究者受入れのための周辺環境整備など国際的な人材流動の活性化

・高度専門人材が活躍する研究支援体制の構築・強化

・研究に専念するための基盤的・持続的な研究資金の確保

→HPCI(ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ)導入による経済効果:3.05兆円

世界的なリーディング大学院の形成

・世界をリードする「リーディング大学院」における教育研究への重点的支援

リーディング大学院の裾野を拡げる特定分野・学際分野の優れた教育研究拠点の形成、分野別評価の充実

産学連携による博士課程教育の充実とマッチングの戦略的推進、新たな時代やニーズに対応できる高度人材養成のための優れた取組の支援

・優秀な大学院生に対する経済的支援の充実

優秀な大学院生輩出による新たなイノベーション創出→年間約3,300億円(10年後)+α(新規市場創出)

なんでもお金に換算するのか、金ではない部分も重要だ、というのはそのとおりだが、社会や財務省を説得するのには、こうした観点も重要なのかもしれない。ただ、next49さんがいうように、この数値の妥当性はどの程度かが気になる。

14、15ページのポンチ絵は以下。

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対象のなかに社会起業のようなものが入っていないのがやや残念。成長戦略にはそぐわないかもしれないが。

あくまでイメージだが、重厚長大な産業で成長という感じがする。20世紀的というか。「飯を食わせる」にはそれが必要かもしれないが、社会と関わるのは産業だけではないので、そのあたりも含めて成長戦略を考えていただけると嬉しいかもしれない。

その他、科学技術関連の資料は以下。

内閣府(科技、経済財政)、IT戦略本部、知財戦略本部

議事次第

・成長戦略事務局チーム資料資料

内閣府(科技、経済財政)、IT戦略本部、知財戦略本部説明資料/参考資料

f:id:scicom:20100429095324p:image

経済産業省

議事次第

・成長戦略事務局チーム資料資料

経済産業省説明資料/参考資料

2010-01-06 問題は何も解決していない

問題は何も解決していな

 今日、別々の方から同じ内容のことを言われた。成長戦略や平成22年度の予算で、なんだかんだ言って科学技術が重視されていることが示されて、科学コミュニティが安堵してしまっているのではないか、事業仕分けが過去のものになっているのではないか、と。

 それではいけない。瞬間的に、そして感情的に反応しただけで終わってしまったら。

 まだ始まったばかりだ。政策を見つめ、人々を見つめ、社会を見つめていかなければならない。意見を聞き、情報を発信しなければならない。

 私はしつこく、あきらめず、活動してくつもりだ。

2009-12-30 成長戦略公表される

成長戦略発表される

f:id:scicom:20091230200222p:image

追記

発表された。

成長戦略策定会議〜「新成長戦略(基本方針)」の発表

「新成長戦略(基本方針)〜輝きのある日本へ〜」

「新成長戦略(基本方針)〜輝きのある日本へ〜」PDFファイル)

「新成長戦略(基本方針)」のポイントPDFファイル)

鳩山内閣総理大臣記者会見-平成21年12月30日

【2020 年までの目標】

『世界をリードするグリーン・イノベーションとライフ・イノベーション』、『独自の分野で世界トップに立つ大学・研究機関の数の増』、『理工系博士課程修了者の完全雇用を達成』、『中小企業知財活用の促進』、『情報通信技術の活用による国民生活の利便性の向上、生産コストの低減』、『官民合わせた研究開発投資GDP 比4%以上』

【主な施策

● 大学・公的研究機関改革の加速、若手研究者の多様なキャリアパス整備

イノベーション創出のための制度・規制改革

● 行政のワンストップ化、情報通信技術の利活用を促進するための規制改革

〜「知恵」と「人材」のあふれる国・日本〜

(科学・技術力による成長力の強化)

人類を人類たらしめたのは科学・技術の進歩に他ならない。地球温暖化感染症対策、防災などの人類共通の課題を抱える中、未来に向けて世界の繁栄を切り拓くのも科学・技術である。

我が国は、世界有数の科学・技術力、そして国民の教育水準の高さによって高度成長を成し遂げた。しかし、世界第二の経済大国になるとともに、科学・技術への期待と尊敬は薄れ、更なる高みを目指した人材育成と研究機関改革を怠ってきた。我が国は、今改めて、優れた人材を育成し、研究環境改善と産業化推進の取組を一体として進めることにより、イノベーションとソフトパワーを持続的に生み出し、成長の源となる新たな技術及び産業のフロンティアを開拓していかなければならない。

(研究環境・イノベーション創出条件の整備、推進体制の強化)

このため、大学・公的研究機関改革を加速して、若者が希望を持って科学の道を選べるように、自立的研究環境と多様なキャリアパスを整備し、また、研究資金、研究支援体制、生活条件などを含め、世界中から優れた研究者を惹きつける魅力的な環境を用意する。基礎研究の振興と宇宙・海洋分野など新フロンティアの開拓を進めるとともに、シーズ研究から産業化に至る円滑な資金・支援の供給や実証試験を容易にする規制の合理的見直しなど、イノベーション創出のための制度・規制改革と知的財産の適切な保護・活用を行う。科学・技術力を核とするベンチャー創出や、産学連携など大学・研究機関における研究成果を地域の活性化につなげる取組を進める。

科学・技術は、未来への先行投資として極めて重要であることから、2020年度までに、官民合わせた研究開発投資GDP 比の4%以上にする。他国の追従を許さない先端的研究開発とイノベーションを強力かつ効率的に推進していくため、科学・技術政策推進体制を抜本的に見直す。また、国際共同研究の推進や途上国への科学・技術協力など、科学・技術外交を推進する。

これらの取組を総合的に実施することにより、2020 年までに、世界をリードするグリーン・イノベーション(環境エネルギー分野革新)やライフ・イノベーション医療介護分野革新)等を推進し、独自の分野で世界トップに立つ大学・研究機関の数を増やすとともに、理工系博士課程修了者の完全雇用を達成することを目指す。また、中小企業知財活用を促進する。

(質の高い教育による厚い人材層)

成長の原動力として何より重要なことは、国民全員に質の高い教育を受ける機会を保障し、様々な分野において厚みのある人材層を形成することである。すべての子どもが希望する教育を受け、人生の基盤となる力を蓄えると

ともに、将来の日本、世界を支える人材となるよう育てていく。このため、初等・中等教育においては、教員の資質向上や民間人の活用を含めた地域での教育支援体制の強化等による教育の質の向上とともに、高校の実質無償化により、社会全体のサポートの下、すべての子どもが後期中等教育を受けられるようにする。その結果、国際的な学習到達度調査において日本が世界トップレベルの順位となることを目指す。

また、高等教育においては、奨学金制度の充実、大学の質の保証や国際化、大学院教育の充実・強化、学生の起業力の育成を含めた職業教育の推進など、進学の機会拡大と高等教育の充実のための取組を進め、未来に挑戦する心を

持って国際的に活躍できる人材を育成する。

さらに、教育に対する需要を作り出し、これを成長分野としていくため、留学生の積極的受入れとともに、民間の教育サービスの健全な発展を図る。

これからの予定だが、

国民の声を集め、(1)需要効果、(2)雇用効果、(3)知恵活用、の観点から、

目標・施策の深掘り、新たな施策追加(未来への「選択と集中」)を行い、来年6月頃までに、「新成長戦略」の最終とりまとめ

「成長戦略実行計画」(工程表)を策定(「新たな成長戦略」とりまとめ時)

−2010年内に実行する「早期実施事項」

−4年間程度で実施すべき事項と成果目標(アウトカム)

2020年までに実現すべき成果目標(アウトカム)

●各政策の達成状況を評価・検証する仕組みの採用

これからも積極的に意見を述べていけたらと思う。


【午前記】

30日の午前中の閣議で成長戦略が決定された。まだ公式ページにアップロードされていないので、報道から。

情報BOX:鳩山政権初の「新成長戦略」の基本方針

に詳しい内容が出ている。

科学技術政策は記事の6ページ目

【科学・技術立国】

目標


施策

  • 大学・研究機関改革の加速
  • イノベーション創出のための制度・規制改革
  • 行政のワンストップ化

【追記】

同じ記事だがこちらのほうが読みやすい

情報BOX:鳩山政権初の「新成長戦略」の基本方針

2009-12-29 事業仕分けの予算案への反映

成長戦略はあす公表

成長戦略が12月30日発表される。

成長戦略、環境など重点…科技投資「GDP比4%」

2020年GDP目標 首相が30日発表 「輝きのある日本」

政府、名目GDP3%成長が目標 20年に650兆円

新成長戦略、「政治主導」宣言へ=改革実行の意思明確化−政府

成長戦略の名前は「輝きのある日本へ」(仮称)。

日本が力を入れる環境や、需要拡大が期待される健康(医療介護)のほか、アジア、観光、科学技術、雇用・人材戦略の計6分野を重点分野と位置づけた。

とのこと。

戦略は科学技術をベースに日本が強みを発揮していく分野として、地球温暖化対策を成長機会にする環境分野のグリーン・イノベーションと、医療介護など健康分野のシルバー・イノベーションを取り上げる。

どのような戦略になるのか注目したい。

国家戦略室

成長戦略策定会議

検討チーム有識者ヒアリング

成長戦略策定会議ヒアリング2009.12.18 大阪大学・小野善康

の資料の中には

仕分け:雇用を減らしてお金の倹約では本末転倒

(例) 特別研究経費やGCOE予算のカット 若手研究員の失業・将来不安 研究者をあきらめる。

との指摘も。

2009-12-10 最先端研究開発支援プログラムの行方

希望の成長戦略を

行政刷新会議の事業仕分けも含め、今研究現場にあるのは、言いようのない閉塞感だ。

ポスドク問題をはじめとする博士の困難な状況は、若い世代を科学研究から遠ざけているように見える。実際年々博士課程進学者は減少している。

ロールモデルとなるはずの大学教授も、膨大な雑用に追われ、とても魅力的な職業には見えない。

こんな中、仕分けがさらに閉塞感を加速した。

かねてより述べてきたように、私はおおむね仕分けで出された意見は真摯に受け止めないといけないと思っている。非効率な予算の使い方をなんとかしなさい、という声に、科学コミュニティはきちんと答えなければならない。

ただ、一点、これだけは解せないというのが、若手研究者に対する支援の資金での議論だ。

競争的資金(若手研究育成)(文部科学省)の評価コメントは、誤解に満ちている。


博士養成に関する過去の政策の失敗を繕うための政策

ポスドクの生活保護のようなシステムはやめるべき。本人にとっても不幸。(本来なら別の道があったはず)。

雇用対策のようなものになっているのではないか。その為の統合的な対応が必要でないか。将来

的な雇用対策につなげることが必要ではないか。


こうした言葉が、若い大学院生研究者たちに大きな失望を与えてしまった。

今週のAERAの記事。ニッポン科学 滅亡の道


影響を受けるのは博士課程の学生だけではない。博士号を取って常勤ポストを得るまで特別研究員でいるいわゆる博士研究員(ポスドク)はAさんのまわりにもいる。彼らに対して、仕分け人はこう発言した。

「生活保護のようなシステムはやめるべき。本人にとっても不幸だ」

 その言葉を聞いて、Aさんは体から力が抜けた。

「俺たち研究者という人間は、そんなにいらない存在なのか」

もちろん、仕分け人の評価には鋭い指摘もあった。

若手研究者が安定して働き研究できる場所を見つけるための国の政策を若手にこだわらず再構

築。

若手研究者の問題は政治の問題でもあるので、十分な見直しが必要。

大学→大学院→キャリアのプランがないことは問題だが、むしろキャリア計画教育の問題。高等

教育全体にキャリア教育が不足している点と関係がある。

また、縮減といっても額を明記していない。そこにすくいはあるはずだ。

だが、言葉は独り歩きし、若手に失望が広がる。


国家戦略室は、3K(こども、雇用、環境)に加え、科学技術を成長戦略の柱とするという。


財政危機のおり、新たな予算は望めないかもしれない。けれど、一つだけ言いたいことがある。

それは、若手を含めた研究者、これからの世代の子供、学生たちに希望を持たせてほしいということだ。

科学技術が重要だと言っているのはよく理解した。それを分かりやすい言葉で語ってほしい。

希望で飯は食えないが、希望が未来の活力になる。

若手を重視するという昨日の報道だけで、若手研究者は喜んでいる。


希望の国家戦略を。

そのためには私たちも具体的提案で応援したい。

【追記】

政府が若手の声を聴くというだけで希望になる。ぜひ若手の声を定期的に聴くという道を開いてほしい。

2009-12-09 若手を救い、若手を力とするために

若手を救い、若手を力とするために

「若手切り」という状況が起ころうとしているなか、少しだけ希望が見えてきた。

若手、外国人研究者支援てこ入れ 科学技術予算で首相表明

http://svr.sanyo.oni.co.jp/news_k/news/d/2009120901000957/


政府の総合科学技術会議が9日、首相官邸で開かれ、議長の鳩山由紀夫首相は「若手が冷遇され、外国人に狭き門となっている日本の特徴を克服しないと、科学技術で世界をリードできない」と述べ、行政刷新会議の事業仕分けで予算削減を求められた若手・外国人研究者の育成、支援にてこ入れする姿勢を明らかにした。

政府も若手が苦境に陥っていることを理解している。

今ここで、ハコモノ、大型プロジェクト、旧態依然とした構造を残すのではない形で若手を救い、そして救うという後ろ向きのことだけではなく、前向きに、この国の成長戦略に乗る形で、若手を生かす具体的提案をすべきだ。

若手、というと若手以外は必要ないのか、ということを言われてしまうが、そうではないことは強調したい。他を排除する意図はない。

なぜ若手か。

これは科学技術白書からとってきた図。

平成19年版 科学技術白書 第1部 第1章 第4節 1 科学技術関係人材の育成

http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/hpaa200701/014.htm

f:id:scicom:20091210060407g:image

あくまでノーベル賞は象徴として扱ってほしいが、20代、30代が知的生産性が高いという事実はこれを見ればわかる。上の図では、30代、40代前半に山があるが、そこで業績をあげるためにはその前からやってないとだめ、という意味で、20代、30代が重要であると考える。

この20代、30代を苦境に陥らせるのは、非常にもったいない。この年代に創造的な仕事をしてもらわないと国はダメになる。


では、この年代に創造的な仕事をしてもらうためにどうすればよいか。

この年代に自由に研究を行ってもらうこと、そして研究だけでなく、社会の様々な場で活躍してもらうこと。

自由な研究のためには、この年代にダイレクトにお金がいくようにすることが重要だ。中間機関抜きにこの年代に渡す。そして、「100%エフォート縛り」をやめる。

若手の創造性を奪っているのが、研究資金による縛りだ。ある研究資金をもらったら、科研費に申請できない、他の研究ができない、出張も学会出席もできない。こんなバカなことはない。

自由に創造性の高いことをしてもらうべきだ。

若手を一か所に集め、そこで創造的な仕事をしてもらうという方法もある。科学飯場だ。

社会の様々な場で活躍してもらうためには、年齢制限など、移動を阻む壁を取り払う。

「持参金」をつけなくても、規制を取り払うだけで選択肢は増える。

また、研究経験者には図書館や論文情報など、知の情報を優先的に入手できる体制をつくることも、若手が社会で活躍の場を見つけるのに役立つのではないか。


目前に迫った「若手切り」を避けるためにはどうすればよいか。

研究資金の効率化を行わず、安易に若手を切る研究機関には何らかのペナルティを与える。

G-COEなど、研究機関ごとのお金から若手に行くのではなく、直接若手にわたるフェローシップを増やす。これは、私たちの公開質問状に民主党が答えた言葉が参考になる。

http://d.hatena.ne.jp/scicom/20090808/p1

幅広く研究者や各研究機関の意欲を高め、研究の質の向上させていくためには、組織単位の補助金を増やすのではなく、研究内容そのものに着目し、研究者単位で資金を配分すべきである。

こうした施策を展開していく中で、若手の博士号取得者、研究者雇用の確保、生活の向上に資する環境を整備していく。

もし解雇になったとしても、次の職場を見つけるための猶予期間を設け、その間の生活の安定を図ることは必要だ。そして次の職場を見つけるために、情報提供をしたり、マッチングをする機関を作るか、NPOや会社などを介して支援する。

「キャリアチェンジフェローシップ」というのがあるといいかもしれない。若手の活躍の場が広がれば、投資額は回収されるだろう。

まだこなれていないが、練り上げていきたい。

今は研究資金縮減反対だけでなく、ではどうすればいいのか、をいう時期だ。反対声明から一歩超えた動きを、科学コミュニティには期待したい。