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2012年総選挙2013年参院選

2012-12-24 選挙が終わって 新政権への期待

選挙が終わって その2

 選挙が終わり一週間あまり。自民党は着々と政権交代の準備を進めています。

 文部科学大臣は下村博文氏が内定したようです。

 下村博文氏

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8B%E6%9D%91%E5%8D%9A%E6%96%87

 科学技術担当大臣が誰になるのか、また総合科学技術会議に安倍新首相はどの程度出席するのかなど気になります。

 安倍氏は総理だった時代に、高校の先輩であった黒川清氏を科学技術担当の内閣特別顧問にあて、イノベーション25を取りまとめたことは記憶にあたらしいです。

http://www.kiyoshikurokawa.com/jp/2006/10/post_9bfa.html

 先週書いたとおり、しっかりと政権のあり方をみていきたいと思います。

 さて、私達は今回の選挙にあたり、公開質問状を各党に出しました。

https://docs.google.com/spreadsheet/pub?key=0AkNK9F_18-hqdFYwaEdNSHhuaW8zc3pFU3I0YTRHRVE&single=true&gid=0&output=html

http://d.hatena.ne.jp/scicom/20121214/p1

 公明党、自由民主党日本共産党、国民新党、緑の党からご回答いただきました。ご回答くださった政党のご担当の皆様には、あらためて御礼申し上げます。

 こうした公開質問状の取組は様々な団体が行なっています。

全国大学院生協議会(全院協)

http://www3.atword.jp/zeninkyo/

は奨学金の会「学費・教育費および奨学金に関する質問書」を出し、自由民主党、民主党、日本共産党、国民新党、社民党から回答を得ています。

全国医師連盟

http://zennirenn.com/

自由民主党幸福実現党日本維新の会社会民主党みんなの党日本共産党から回答を得ています。

 サンプル数が少ないですが、今回自民、共産はこうした団体からの質問によく答えていたようで、その点は評価します。

 なかなか全部の政党から回答を得るのは難しいことではありますが、来年は参院選もあることですし、継続して行なって行きたいと思います。

 テクニカルなことを言いますと、私達は公明党、自民党、国民新党にはFAXで質問を送りました。メールでお送りして回答をいただいたのは日本共産党と緑の党だけでした。ウェブページ由来で依頼した政党からは回答をいただけませんでした。

 今後は全政党にFAXもしくは郵送で送りたいと思います。ウェブ時代とは言え、通信手段はまだまだアナログが重要なのかなと思います。


 繰り返しになりますが、政治と関わる機会は選挙だけではありません。

 私達はまだまだできていませんが、科学技術政策に対する各議員の関わりなども追っていく必要があるように思います。国会での発言や投票行動も含め、追っていくことができたらと考えています。

 そのためには、まだまだ私達は力不足です。力とは、アクティブメンバーの数、資金、知識情報量のことで、不十分と言わざるを得ません。

 ぜひこの問題に関心のある皆さんが、私たちの活動に加わってくださることを希望しています。Facebook等でお声がけくだされば幸いです。


 新政権の科学技術政策のあり方について、幾つか意見が出ています。

 科学新聞では、総合科学技術会議の白石隆議員が、民主党政権時代をかなり厳しく振り返り、新政権への注文を述べています。

 朝日新聞では、平川秀幸阪大准教授が震災後のエネルギー政策などの動きについて触れながら、新政権下の科学技術政策のあり方について注文をつけています。

〈あすを探る〉震災後の萌芽つぶさないで

平川秀幸(大阪大学准教授)=科学

http://digital.asahi.com/articles/TKY201212190810.html

 平川氏が言うように、「政治家任せ・専門家任せだった自分を反省し、社会や政治、自分たちの未来に関心を払い、自ら考え、議論し、政治に注文するだけでなく自分たちで担えることも探り続ける人々」は確実に増えていると思います。

 この流れは止めることはできません。

 私達の公開質問状の回答の中で、自民党は「科学技術研究の方向性や優先順位、また研究や応用における規制の問題等について、誰が議論に参加するべきか」という質問の回答として、

a. 実際に研究を行う自然科学の専門家

b. 法律、哲学、社会、宗教等についての人文・社会科学の専門家

c. 国民の代表たる議員

d. 科学技術の応用に携わる産業の専門家

e. 患者団体など、広い意味での「ステークホルダー

f. その他、この社会を形成する全ての人々

のすべてに○をしました。私はこのことを高く評価したいと思います。

 これが選挙のリップ・サービスではないことを見つめていく必要があると同時に、私達も当事者意識をもって、政策に関心を持ち、行動していく必要があります。

 お任せを望んだのは、研究者であり、国民でした。

 しかし、それでは世の中は動きません。いくら総理の首をすげ替えても、クレクレと叫ぶだけでは決して誰も満足しないでしょう。

 多分民主党政権にならなくても、当事者が動くという流れは止まらなかったと思います。多少か加速した面はあるとは思いますが。

 ボールは私達に投げ返されているのです。過度な期待も絶望も意味がありません。できることを当事者としてやっていきましょう。

E.E

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最近はFacebookに書きこむ率が高いです。

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2012-12-17 2012年衆院選終わる

衆院選 自民圧勝、再政権交代で科学技術政策はどうなるか

★選挙情報は

http://d.hatena.ne.jp/scicom/20121216/p1

に集約しています。

自民党の圧勝で再度政権交代が行われます。

自民党では、船田元氏、渡海紀三朗氏などの科学技術に詳しい議員が返り咲いています。

科学技術政策はどうなるのか…今回自民党、公明党は私達の公開質問状に回答をいただいています。

https://docs.google.com/spreadsheet/pub?key=0AkNK9F_18-hqdFYwaEdNSHhuaW8zc3pFU3I0YTRHRVE&single=true&gid=0&output=html

http://d.hatena.ne.jp/scicom/20121214/p1

市民が政策に影響を与える方法は、決して選挙だけではありません。

ポスドク問題や、科学技術政策への市民参加などを含め、回答どおりの政策を行うのか、しっかりと見ていきたいと思います。国会の議論などもより注視し、声を上げていきたいと考えています。

E.E

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2012-12-16 2012年総選挙

2012年総選挙 科学技術政策マニフェスト比較、公開質問状

選挙の日までトップにおいておきます。

2012年12月4日

公開質問状を作成し、各党に送付いたしました。

回答はこちらに掲載します。現在公明党、自民党、日本共産党、国民新党、緑の党からご回答いただいています(回答順:12月13日現在)。

テキスト版を作りました。こちら

公約比較は比較はこちらに書きました。

政権公約は以下に抜粋しました(随時追加)

 私達「サイエンス・サポート・アソシエーション」では、主要な選挙のたびに各政党に対して公開質問状という形で政策アンケートを実施してきました(2009年は前身のNPO法人サイエンスコミュニケーションにて)。

 かならずしも十分な回答をいただけているわけでもないのですが、こういうことは継続が大事ですので、今回もできれば実施したいと考えています。

2009年の衆院選では民主党、国民新党、日本共産党から、2010年の参院選では、たちあがれ日本日本共産党からご回答いただきました。

 議論はFacebookグループ、研究者ネットワークを中心に行いますが、Twitterなどでもやろうと思っています。このほか、2003年以来行なっている政党の科学技術政策マニフェスト比較も行います。どうぞよろしくお願いいたします。

なお、方針として、

1)これまでの反省として、質問文が長かったということがありますので、今回は極力簡潔にできればと思います。

2)他の団体が行うような質問は避けたいと思いますので、例えば原発問題やTPPに言及する場合でも、研究者として確認したい事項に限りたいと思います。

 それ以外については、みなさんとディスカッションの上、決めていきたいと思いますので、是非ご意見をお寄せください。

 アンケートは、メールやご意見フォームにて各党にお送りするつもりですが、手法などについてもご意見があればおねがいします。

 Twitterではハッシュタグ#科学公開質問状で質問募集します。どうぞよろしくお願いいたします。

2012年12月4日

作成し、送付いたしました。皆様ありがとうございました。回答があり次第ここにご紹介します。

12月9日

回答はこちらに掲載します。

民主党の政策を振り返りました。こちらです。

朝日新聞12月13日付朝刊科学面に榎木のインタビューが掲載されました。

2012-12-14 科学技術政策公開質問状回答テキスト版

科学技術政策公開質問状回答テキスト版

サイエンス・サポート・アソシエーションでは、衆院選に際し、科学技術政策に関する公開質問状を作成し、各党に発送しました。

送付方向としては、意見募集のウェブページやFAXなどを用いました。現在公明党、自由民主党日本共産党、国民新党、緑の党からご回答をいただいています。

回答はこちらに掲載しています。

https://docs.google.com/spreadsheet/pub?key=0AkNK9F_18-hqdFYwaEdNSHhuaW8zc3pFU3I0YTRHRVE&single=true&gid=0&output=html

上記をテキストにしてほしいとの要望がありましたので、ここに公開させていただきます。

問1

 国際的な潮流にあわせて、日本でも90年代から、大学・研究機関における応用研究の重要性が増してきており、企業との共同研究や、国策的に目標を定めたトップダウン型の資金の配分が増してきています。しかし、近年これが行きすぎではないかという批判も出てきており、ある程度の金額を広く薄く配分し、短期的な社会評価を気にせずに基礎研究を行える仕組みの重要性が再評価されてきています。この点を踏まえて研究資金のあり方について、貴党のお考えをお聞かせください。

a. 近年の既定路線通り、産業応用や雇用創出の可能性の高い課題を研究する競争的資金を増額していく

b. 産業応用にすぐにはつながらない基礎研究への配分を増やしていく方針転換を行う

c. どちらともいえない

d. その他(具体的に  )

●回答

 公明党:a

 自由民主党:b

 日本共産党:b

 国民新党:d(我が国のおかれている状況を考えた)場合、先端技術の研究開発とその実用化との関連において、特に実用化は、スピード感をもって進めるべきものと考えます。) 

 緑の党:b(どちらかと言えば:自由記載欄参照)

●自由記載

公明党

なかでも、宇宙・海洋・生命科学・脳科学・再生医療など先端分野の基礎研究を強力に推進すべきであると考えます。

日本共産党

  科学、技術は、国がその多面的な発展をうながす見地から、研究の自由を保障し、長期的視野からのつりあいのとれた振興をはかってこそ、社会の進歩に貢献できます。とりわけ、基礎研究は、ただちに経済的価値を生まなくとも、科学、技術の全体が発展する根幹であり、国の十分な支援が必要です。基礎研究が枯れてしまえば、政府がいうイノベーション(新しい社会的価値や技術の創造)も望むことができません。

 わが国の研究開発費(民間を含む)にしめる基礎研究の割合は14.7%と、欧米諸国に比べてもかなり低く、しかも低下傾向をつづけています。また、業績至上主義による競争を研究現場に押し付けたことから、ただちに成果のあがる研究や外部資金をとれる研究が偏重されるようになり、基礎研究の基盤が崩れるなど、少なくない分野で学問の継承さえ危ぶまれる事態がうまれています。

 日本の研究者が相次いでノーベル賞を受賞したことは、日本の基礎研究の国際的な水準の高さを示しています。この水準をさらに高め、わが国が「科学立国」として発展するために、日本共産党は、経済効率優先の科学技術政策を転換し、科学、技術の多面的な発展をうながすための振興策と、研究者が自由な発想でじっくりと研究にとりくめる環境づくりのために力をつくします。

緑の党

どちらかと言えばbだが、「産業応用」分野か「基礎研究」分野かといった二項論だけでは必ずしも語れないと考える。たとえば、「産業応用」的な分野の中でも、新自由主義的な市場経済の進む中で、短期的な利益をより多く期待できる分野に資金が集中している現状がある。中長期的な研究開発期間が必要なものや、より多くの市民が成果を享受できる可能性のある分野への配分について十分考慮することも必要と考える。

また、問5で触れられているiPS細胞の臨床応用を本格化させるためには、当面は多くの人員、高度な施設、巨額の資金が必要となり、それらの投資を市場経済の中で回収するためには、治療費もきわめて高額とならざるを得ない。先端技術の開発は歓迎されるべき側面がある一方で、その成果の享受における「格差」(国内のみならず国際的にも)という課題や矛盾を関係者は認識し、広く社会全体が利益や成果を享受できる仕組みを検討する必要があると考える。

財政的・政策的資源の振り分けについては、こうした課題やその背景にある経済・社会のあり方も含め、関係者のみならず、広く国民的な熟議が必要。

問2

 近年、競争的資金の多様化・複雑化、特許の取得に関わる業務、大学・研究機関のコンプライアンスの問題などで、大学教員の事務作業負担が増えている、という指摘があります。

一部に、科学技術コミュニケーターや研究マネージメントなどの職を雇用する動きもありますが、任期付きにせざるを得ないことや、本来研究者を採用すべき人員の枠を圧迫するなどの問題がでています。こういった問題の解決策について、貴党のお考えをお聞かせください

(複数回答可)。

a. 大学教員の増員を行う

b. 事務と教員(研究者)との中間形態として、科学や法律などの専門知識を持った研究支援職を大学が雇用できるようにする

c. ITなどを利用した申請や報告の簡易化、公的な研究資金における規格の共通化などを推

進する

d. 実質的に役にたっていないムダな事務手続・書類を削減する。

e. 特に対策は取らない

f. その他(具体的に    )

●回答

 公明党:b,d

 自由民主党:b,c,d

 日本共産党:a,b, f(自由記載欄参照)

 国民新党:c,d

 緑の党:a,b,c,d

●自由記載

公明党

加えて、研究開発力強化法に基づき、研究者の養成・確保を図り、ポストドクターや女性研究者、外国人研究者等の処遇の改善を進めるなど、研究者が安心して充実した研究を囲内で継続できるよう支揮の強化に取り組むべきと考えています。

日本共産党

 ご指摘の通り、大学は、教員だけでなく、テクニシャンなどの研究支援者、事務職員などによって支えられています。さらに近年、競争的資金の獲得、特許申請のための事務作業などが増大しています。ところが「ノーベル賞を受賞した山中伸弥氏のiPS細胞研究所でも9割が非正規雇用」に象徴されるとおり、研究支援者の雇用はきわめて不安定です。研究支援者は欧米に比べても極端に少なく、本来、高度な知識が必要な事務職員の非正規雇用化も進んでいます。そのため大学教員の研究時間が減少するなど、学術の発展にとって危機的な状況となっています。 こうした現状を改善するために、研究支援者を増員するとともに、その劣悪な待遇を改善しる必要があります。職員を増員するとともに、雇用は正規が基本となるよう促します。 科学・技術コミュニケーターは、大学や研究機関において教育や研究にも従事する専門職であり、競争的資金による短期雇用ではなく、安定した雇用を保障すべきです。 こうしたことを実現するために、大学や独立行政法人研究機関の基盤的経費を増額します。その財源は、日本共産党が2月に発表した「消費税大増税ストップ! 社会保障充実、財政危機打開の提言」で明らかにしています。第1段階で「大型開発や軍事費をはじめ税金のムダづかいの一掃と、富裕層・大企業優遇の不公平税制を見直すとともに、新たに富裕税、為替投機課税、環境税などを導入する」、第2段階で「負担能力に応じた負担の原則にもとづき、累進課税を強化する所得税の税制改革によってまかなう」、同時に「国民の所得を増やし、経済を内需主導で安定した成長の軌道に乗せる民主的経済改革によって税収増をうみだす」というものです。これによって、大学の漸進的無償化や教育・研究への国のとりくみの抜本的強化が可能となります。

問3

 博士号の取得者数は政策的に増やされてきた一方で、それらの人々の就職難が問題となっています。ポストドクター(ポスドク)と呼ばれる3〜5年程度の任期の職を転々とせざるをえないのが一般的になり、かつ40歳をこえるとこうした職に就くのも難しくなっています。また、労働契約法の改正によって、一大学と五年以上の契約を結べなくなり、ポスドクを継続的に行うことの困難は増しています。一方で国立大学法人の常勤職定員は削減の一途であり、この問題は大学・研究機関の自助努力では解決しづらいのが現状です。この問題の解決策について、貴党のお考えをお聞かせください(複数回答可)。

a. 大学教員の増員を行う

b. ポスドクを民間企業に転身させるための職業訓練や企業に対する助成措置を行う

c. 大学・研究機関を労働契約法の例外にする法改正を行う

d. 政府機関(学術振興会や科学技術振興機構など)で研究者を常勤で一括雇用し、各機関

に派遣する形式のポストをつくる。

e. 特に対策は取らない

f. その他(具体的に  )

●回答

 公明党:大学教員等に若手・女性研究者の積極的な採用を回るほか、大学と産業界との連携強化などにより、ポストドクターの就労支控をいっそう拡充すべきであると考えています。

 自由民主党:b

 日本共産党:a,b

 国民新党:b

 緑の党:a,b,c,c

●自由記載

日本共産党

●大学・研究機関の人件費支出を増やし、若手研究者の採用を広げる

大学教員にしめる35歳以下の割合は13%に低下し、将来の学術の担い手が不足しています。国立大学法人が「総人件費改革」で5年間に削減した人件費だけで、若手教員1万5千人以上の給与に相当します。国立大学や独法研究機関が削減した人件費分を回復するために、国から国立大学や独法研究機関への運営費交付金を大幅に増額し、若手教員・研究者の採用を大きくひろげます。

●任期制教員の無限定な導入や成果主義賃金に歯止めをかける

大学教職員への無限定な有期雇用や成果主義賃金の導入は、教育研究や支援業務の健全な発展を妨げています。国による誘導策をやめさせ、導入に歯止めをかけます。大学教員、研究員の任期制は任期制法に規定された3類型に限定するとともに、大学においては正規雇用を基本にすべきです。今年改正された労働契約法の実施(来年4月)にあたって、大学における有期雇用の実態と法改正の影響について国による調査を行います。有期雇用の大学教職員、研究者、非常勤講師の不当な雇い止めが広がらないようにするため、有期契約が1回以上反復されて5年経過したものを無期契約に転換した場合に、国が大学に対して財政支援する奨励制度をつくります。

●博士が能力をいかし活躍できる多様な場を社会にひろげる

公務員の大学院卒採用枠を新設し、学校の教師や科学に関わる行政職、司書や学芸員などに博士を積極的に採用します。博士を派遣や期間社員で雇用する企業に対して正規職への採用を促すとともに、大企業に対して博士の採用枠の設定を求めるなど、社会的責任をはたさせます。

●若手研究者の待遇改善をはかる

大学や独法研究機関が、期限付きで研究者を雇用する場合に、テニュアトラック制(期限終了時の審査をへて正規職に就ける制度)をさらに発展させ、期限終了後の雇用先の確保を予め義務づける制度を確立します。ポスドクの賃金の引き上げ、社会保険加入の拡大をはかります。

 研究費支援では、若手研究者に一定額の研究費を国が支給する特別研究員制度を大幅に拡充します。とくに、博士課程院生には6.4%しか適用されていない現状を改善し、院生には20%まで採用を増やします。また、大学院生に給費制奨学金を創設します。

 大学非常勤講師で主な生計を立てている「専業非常勤講師」の処遇を抜本的に改善するため、専任教員との「同一労働同一賃金」の原則にもとづく賃金の引き上げ、社会保険への加入の拡大など、均等待遇の実現をはかります。また、一方的な雇い止めを禁止するなど安定した雇用を保障させます。

 こうしたことを実現するための財源については、問2で答えたとおりです。

緑の党

a〜dに加え、十分な能力を持った研究者を育成する仕組みや学位の基準などについて、再検討も必要ではないかと考える。

問4

 研究業界は、大学・研究機関や一部の企業による閉じられた環境の中で行われ、その事情が外部からは見えにくいという側面があります。しかし、近年、政府の政策や資金の配分の仕方と大学の研究の関連性は増しており、政策的な決断が大学における研究の方向性を大きく左右することもまれではありません。こうした中で、研究者の意見や要望をどのように政治の現場に伝えるべきか、研究者の多くが悩んでおります。このことについて、貴党のお考えをお聞かせください(複数回答可)。

a. 日本学術会議や主要な学協会などが一般研究者からの意見を集約して政府に伝える仕組みを作ったり充実させることを奨励する。

b. 研究者は広く有権者に対して状況を説明し、有権者が投票活動によって研究を重視する政党に投票すると決断するのが望ましい

c. 政府が一般研究者の意見や要望を集約する仕組みをより充実させるのが望ましい。

d. 各党が窓口をつくって、そこに各政党の政策に近い意見をもつ研究者が意見をよせる等

の協力をする

e. その他(具体的に  )

●回答

 公明党:a,c

 自由民主党:a,c

 日本共産党:a,b,c,d

 国民新党:c

 緑の党:a,c

●自由記載

日本共産党

 意見や要望がなぜ政治に反映しないのかについて、考える必要があると思います。

 2009年総選挙で民主党は、「世界的にも低い高等教育予算の水準見直し」「産業振興的な側面ばかりでなく、学問・教育的な価値にも十分に配慮を」「国立大学の運営費交付金の削減方針を見直す」「国立大学病院運営費交付金は…法人化直後の水準まで引上げる」(「民主党政策集INDEX2009」)など、大学関係者、研究者の要求を一定反映させた公約をかかげていました。しかしこうした公約のほとんどは投げ捨てられました。

なぜ、民主党政権は研究者の期待を裏切ったのでしょうか。自民・公明政権が推進してきた「大学の構造改革」路線を、財界に言われるがままに引き継いだからです。研究者の意見や要望が反映する政治に改革するには、財界いいなりの「大学の構造改革」路線を転換し、国民の立場から「学問の府」にふさわしい改革をかかげる政党を大きくする必要があります。日本共産党はその実現のために全力をあげています。

 研究者の意見、要望を大学改革、科学・技術政策に反映させるには、政府のトップダウンによる大学改革、科学・技術政策を次のような方向で是正する必要があります。

(1)世界で形成されてきた「大学改革の原則」は、「支援すれども統制せず(サポート・バット・ノットコントロール)」であり、「大学の自治」を尊重して大学への財政支援を行うことです。わが国でも、国公私立の違いを問わず、大学に資金を提供する側と、教育・研究をになう大学との関係を律する基本的なルールとして、この原則を確立するべきです。具体的には、以下のとおりです。

・文科省が決定した「大学改革策定プラン」を中止し、国民の立場にたった大学改革プランを確立する。

・大学の現状と問題点を分析し、改革の方向を検討します。そのさい、大学関係者の意見を尊重するとともに、ひろく国民各層の意見を反映させます。

国立大学法人化がもたらした現状と問題点を検証し、大学関係者の意見を尊重して、法改正を含む制度の抜本的見直しを行います。

(2)科学技術基本計画を政府がトップダウンで策定するやり方をあらため、日本学術会議をはじめひろく学術団体の意見を尊重して、科学、技術の調和のとれた発展をはかる総合的な振興計画を確立するべきです。

科学、技術の研究、開発、利用への国の支援は、「公開、自主、民主」の原則にたっておこなうとともに、大企業優遇ではなく、平和と福祉、安全、環境保全、地域振興など、ひろく国民の利益のためになされるべきです。憲法の平和原則に反する科学、技術の軍事利用に踏み込むべきではありません。

公正で民主的な研究費配分を行い、研究における不正行為の根絶をはかるべきです。

(3)科学研究費補助金を大幅に増額し、採択率を高めます。競争的資金は、この10年で倍増し、新技術に直結する研究支援や一部の大学への巨額の資金投入が大幅に増えました。しかし、科学研究費補助金は2500億円にとどまったままです。

 研究費の配分がより公正で民主的になるように、審査の在り方を改革します。とくに、科学者で常勤の審査員を大幅に増員し、将来性のある研究、萌芽的な研究を見極める「目利き」のある審査、公正な審査を充実させます。

(4)産学連携の健全な発展をうながします。福島原発事故で明るみにでた原子力産業と一部大学との癒着にみられるように、大企業の利潤追求に大学が追随するような連携は、大学本来の役割が弱められ、研究成果の秘匿や企業との癒着などの弊害がうまれるため、抑制すべきです。

 産学連携の健全な発展のために、国からの一方的な産学連携のおしつけでなく、大学の自主性を尊重し、基礎研究や教育など大学の本来の役割が犠牲にされないようにします。

 詳しくは、日本共産党の総選挙政策各分野政策の大学改革・科学・技術を参照してください。

緑の党

aもしくはc。意見集約について学術会議経由が望ましいか政府へ直接がよいか、研究者たちの判断にゆだねたい。また、dの回答については各党が窓口を作るかどうかは自由意思にゆだねられると考えるので、回答としては選択しないが、われわれとしては当面の窓口を次項「問4-2に回答する。

問4−2

 dとお答えの場合、すでにそういった連絡窓口があれば、電話番号やメールアドレス等を

お書きください。

日本共産党

日本共産党中央委員会のメールアドレス(info@jcp.or.jp)にご意見をいただければ、担当部局である学術・文化委員会が対応いたします。

緑の党

(dは選択していないが、上記に回答した通り当面の窓口は、中山均nakayama@jca.apc.org   とする )

問5

 科学技術の発展が人々の生活に大きな影響を及ぼす、という場合はますます多くなっており、それと共に研究開発に伴う倫理的な問題も重要性を増しています。iPS細胞について、ノーベル医学生理学賞を受賞される山中伸弥教授が述べたように、これを「研究者だけ」が決めて良いのかという点に、研究者自身も悩みや恐れを抱いているというのが現状です。そこで、科学技術研究の方向性や優先順位、また研究や応用における規制の問題等について、誰が議論に参加するべきか、該当するカテゴリーをすべてお答えください(複数回答可)。

●回答

a. 実際に研究を行う自然科学の専門家

b. 法律、哲学、社会、宗教等についての人文・社会科学の専門家

c. 国民の代表たる議員

d. 科学技術の応用に携わる産業の専門家

e. 患者団体など、広い意味での「ステークホルダー

f. その他、この社会を形成する全ての人々

 公明党:a,b,c,d,e

 自由民主党:a,b,c,d,e,f

 日本共産党:a,b,c,d,e,f

 国民新党:a,b

 緑の党:a,b,c,d,e,f

●自由記載

公明党

例えば、国が再生医療の施策を推進するに当たっては、再生医療の特性にかんがみ、安全の確保、生命倫理、最新の研究開発および技術開発の動向等について、その有識者、医療従事者、研費者、技術者、その他の関係者の意見を聞くとともに、国民の理解を得るととを基本とすべきと考えています。

日本共産党

 科学・技術の研究、開発、利用は「公開、自主、民主」の原則のもとに平和と福祉、安全、環境保全、地域振興など広く国民の利益のために行わなければなりません。倫理問題など新しい問題も多くなってきているだけに、問4でのべたような方向の改革を基本に、研究者の自主性を尊重しつつ、できるだけ広範な関係者の論議を尽くすことが必要だと考えます。

緑の党

なお、この問題に関連し、問1の回答も参照願いたい。

2012-12-09 科学技術政策に関する公開質問状の回答、民主党政権の評価、マニフェ

科学技術政策公開質問状、回答来る

★選挙情報は

http://d.hatena.ne.jp/scicom/20121216/p1

に集約しています。

科学技術政策公開質問状に対する回答はこちらに掲載しています。

https://docs.google.com/spreadsheet/pub?key=0AkNK9F_18-hqdFYwaEdNSHhuaW8zc3pFU3I0YTRHRVE&single=true&gid=0&output=html

現時点で公明党と自民党からお返事をいただいています。

各党選挙公約マニフェスト比較

■各党の政策が出揃いました。

http://d.hatena.ne.jp/scicom/20121216/p1

科学技術政策に関する公約の比較をしたいと思います。科学技術政策の中でも、研究予算や若手研究者などに関する部分にしぼります。

民主党以外は、記載がない政党は掲載していません。

1)科学技術政策のあり方

★民主党

記載なし

★自民党

震災復興の原動力として「科学技術・イノベーション推進」の国づくりを目指すため、人材・予算・制度や研究体制の改革など、科学技術基盤を根本から徹底強化

安保・外交、経済・財政、規制改革等の総合戦略として科学技術イノベーション政策を位置づけ、官邸のリーダーシップを発揮するための司令塔を整備

福島第一原子力事故対応の教訓を踏まえ、政治決定と科学的助言の機能強化を図る

★共産党

基礎研究を重視

科学技術基本計画を政府がトップダウンで策定するやり方をあらため、日本学術会議をはじめひろく学術団体の意見を尊重して、科学、技術の調和のとれた発展をはかる総合的な振興計画を確立

みんなの党

現行の「科学技術会議」を改組し、予算配分権限等を有する「真の司令塔」を発足。前年比較での予算配分方式から目標設定方式へと変更

みどりの風

産業化に偏った科学技術開発を、国民生活とその環境観点から総合的再編

2)若手研究者、女性研究者支援

★民主党

大学等の理系カリキュラム改善やインターンシップを産学官連携で推進し、またテニュアトラック制(任期付き研究者が審査を経て専任となる制度)の普及等により優秀な若手研究者を支援する。

★自民党

入学金や授業料免除の対象拡大、給付型奨学金の創設、ティーチング・アシスタント及びリサーチ・アシスタントの充実など博士課程学生への経済支援を抜本的に拡充

単なる任期付ではない若手研究者のポストを大幅に増やすとともに、キャリアパスを多様化するため、産業界の研究職や知的財産管理等の研究支援に携わる専門職等での活躍を促進

公的研究機関等における、ポスドク等を対象とした専門人材育成の取り組みを支援し、活躍機会を拡大

若手研究者が自立して研究に専念できるようにするための新たな研究資金制度として、当該研究者の名前を冠した「冠プロジェクト」を創設

世界トップレベル大学からの博士号を持つ若手研究者の大量スカウト、資金支援などを行なう

★公明党

大学教員等に若手・女性研究者の積極的な採用を図る

★共産党

公務員の大学院卒採用枠を新設し、学校の教師や科学に関わる行政職、司書や学芸員などに博士を積極的に採用

博士を派遣や期間社員で雇用する企業に対して正規職への採用を促すとともに、大企業に対して博士の採用枠の設定を求める

大学や独法研究機関が、期限付きで研究者を雇用する場合に、テニュアトラック制(期限終了時の審査をへて正規職に就ける制度)をさらに発展させ、期限終了後の雇用先の確保を予め義務づける制度を確立

ポスドクの賃金の引き上げ、社会保険加入の拡大をはかる

特別研究員制度を大幅に拡充(院生には20%まで採用を増やす)

大学院生に給費制奨学金を創設

大学非常勤講師で主な生計を立てている「専業非常勤講師」の処遇を抜本的に改善するため、専任教員との「同一労働同一賃金」の原則にもとづく賃金の引き上げ、社会保険への加入の拡大など、均等待遇の実現をはかる

一方的な雇い止めを禁止するなど安定した雇用を保障させる

すべての大学・研究機関が男女共同参画推進委員会などを設置し、教員、研究員、職員の採用、昇進にあたって女性の比率を高めるとりくみを、目標の設定、達成度の公開をふくめていっそう強めることを奨励・支援

各大学・研究機関における男女格差是正のための暫定的措置(ポジティブ・アクション又はアファーマティブ・アクション)の運用を推奨し、女性研究者のキャリア形成を支援するプログラムの形成を促す

大学・研究機関が、男女共同参画の促進やセクシャルハラスメント・アカデミックハラスメントなどの人権侵害を防止する専門家を専任で配置することへの支援を強める

出産・育児・介護にあたる研究者にたいする業績評価での配慮、育児休業による不利益あつかいの禁止、育児支援資金の創設をはじめ休職・復帰支援策の拡充、大学・研究機関で働き・学ぶすべての者が利用できる保育施設の設置・充実など、研究者としての能力を十分に発揮できる環境整備促進に力を尽くす

文科省が実施している女性研究者支援のための補助事業を大幅増額

採択枠を文系・理系を問わずすべての分野に拡大し、保育所の設置・運営なども経費負担に含めるなど現場の実情に即して柔軟に利用できる制度に改善

非常勤講師やポスドクについても出産・育児にみあって採用期間を延長し、大学院生に出産・育児のための休学保障などの支援策をひろげる

企業に対しては、研究・技術職に女性を積極的に採用すること、昇進・昇格・仕事内容において性差別をしないことなどを求める

科学者で常勤の審査員を大幅に増員

みんなの党

若手研究者を世界トップクラスの研究機関に派遣する

3)科学技術予算

民主党

記載なし

自民党

科学研究費補助金をはじめとする競争的資金について、その多様性や連続性を確保しつつ、大幅に拡充

全ての競争的資金について、間接経費30%を確保

第4期科学技術基本計画で掲げている25兆円を上回る政府研究開発投資総額を目指し、必要な経費の確保を図る

共産党

科学研究費補助金を大幅に増額し、採択率を抜本的に引きあげる

国の科学技術関係予算の配分を全面的に見直し、人文・社会科学の役割を重視するとともに、基礎研究への支援を抜本的に強める

防衛省の軍事研究費、「もんじゅ」の開発など原発推進予算、大企業への技術開発補助金など、不要・不急の予算を削減

研究者が自由に使える研究費(大学・研究機関が研究者に支給する経常的な研究費)を十分に保障

国立大学法人・独法研究機関の人件費を増額

研究費の配分がより公正で民主的になるように、審査のあり方を改革

4)国立大学法人運営費交付金

★民主党

記載なし

★自民党

安定的に確保

★共産党

2012年度、2013年度の運営費交付金の減額を中止 大幅に増額する

★社民党

国立大学・高専運営交付金、私学助成費のシーリング・マイナスの方針を転換し、義務的経費の減額は行なわない

【講評】

今回の選挙でも、科学技術政策に記載を割く政党が少ないのが残念です。そのなかでも、自民党と共産党の記載が群を抜いています。

両党は、トップダウンとボトムアップという対立軸は明確で、両党の政策は価値観の違いということなるでしょう。

その他の政党では、みんなの党が、科学技術政策のトップダウン重視を打ち出しています。ここでは取り上げませんでしたが、みんなの党国立大学の民営化にも触れています。

民主党は、前回の公約から交代し、科学技術政策への記載が乏しくなりました。現時点での政権与党ですから、もう少し詳しく記載して欲しかったと思います。

論点は多岐に渡り、とくに原子力やエネルギーなどを含めたら、いろいろな対立軸や評価項目もあるかと思います。それは多くのNPOなどが評価しており、

(たとえば

言論NPOの未来選択2012

http://mirai-sentaku.net/

それゆえ今回は私達は比較しませんでした。それでよいのか、というご批判もあるかと思いますが、私達の能力の問題もあり、また、イシューを絞った形で多彩なNPOなどが政策を評価するということも重要だと思っていますので、こうした形にしています。

ぜひ皆様も、自分の関心で政策比較を行っていただけたらと思います。

民主党の科学技術政策を振り返る

 2009年に政権が交代してから3年あまり。民主党の科学技術政策を大まかに振り返りたいと思います。

 2009年のマニフェスト

http://d.hatena.ne.jp/scicom/20090812/p2

 公開質問状の答え

http://d.hatena.ne.jp/scicom/20090808/p1

 なども参考に、振り返ってみたいと思います。

 科学技術以外は言論NPOの未来選択2012

http://mirai-sentaku.net/

 が詳しいです。

  国際人権A規約(締約国160カ国)の13条における「高等教育無償化条項」の留保を撤回するなど、公約通りにいった部分もあります。

 また、奨学金に関しては

http://www8.cao.go.jp/cstp/stsonota/kenkyukai/houkokusho.pdf

にあるように、大学の授業料免除の拡充、「所得連動返還型無利子奨学金制度」の新設など、一定の成果があったように思います。

 また、科研費の一部基金化など、研究者の要望を聞き入れた制度改革は評価すべきだと思います。科学・技術関係予算の重点化・効率化に向けたアクション・プラン

http://www8.cao.go.jp/cstp/budget/action.html

 も、民主党政権の取組です。

 ただ、マニフェストの項目で未達成なものもあります。

 国立大学法人の運営費交付金は削減されています。

http://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/toushin/__icsFiles/afieldfile/2011/01/21/1301671_019.pdf

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu4/028/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2012/05/18/1320934_2.pdf

 運営費交付金は事業仕分けでも取り上げられました。

http://www.cao.go.jp/sasshin/oshirase/h-kekka/pdf/nov25kekka/3-51.pdf

 結果は国立大学のあり方を含め見直しを行うとなったわけです。

 純粋に金額からみれば、公約を達成できなかったと言えるでしょう。

 また、「科学技術戦略本部(仮称)」に関しては、政権末期に「総合科学技術・イノベーション会議」として閣議決定されましたが、解散で流れてしまいました。

総合科技会議、改組を閣議決定

http://www.nikkei.com/article/DGXNASGG09005_Z01C12A1EB1000/

第一八一回

閣第六号

内閣府設置法の一部を改正する法律案

http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/181/pdf/t031810061810.pdf

http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g18105006.htm

科学技術イノベーション政策推進のための

有識者研究会

報告書

http://www8.cao.go.jp/cstp/stsonota/kenkyukai/houkokusho.pdf

からは後退した内容になっています。「省庁横断的な研究プロジェクトや基礎研究と実用化の一体的な推進を図」るとされている部分も、結局うまくいかなかったようです。上記記事では

「昨年12月の有識者会合で示した「科学技術イノベーション顧問」の新設や、関係省庁に勧告する権利を新組織に付与することは見送り、既存の制度内で運用を工夫する」とされています。

よって、これも未達成と言わざるを得ません。

 そして、2009年の事業仕分けで多くの事業が取り上げられ、縮減や廃止の判定を受けました。

http://www.cao.go.jp/sasshin/oshirase/shiryo.html

 もちろん、科学技術を一層発展させるというマニフェストの記載と、無駄をなくすという事業仕分けの方針は矛盾するものではありません。ただ、特別研究員事業の縮減の判定など、とくに若手研究者のマインドにマイナスの効果を与えてしまいました。

 このほか、2012年には運営費交付金の50%停止といったこともありました。

国立大交付金50%停止 公債法案未成立で

http://www.47news.jp/CN/201208/CN2012083101001394.html

 国立大学の給料削減も、大きな話題になりました。

文部科学省所管独立行政法人国立大学法人等及び特殊法人の役員の報酬等及び職員の給与の水準(平成23年度)の公表についてhttp://blog.goo.ne.jp/la_old_september/e/0d1bb84bda97d7c89fa10b1839774c78

 震災や経済情勢の悪化などを考えると、科学技術のみが優遇されるべき、と主張することは難しいとは思います。とくに震災や原発事故以降、科学技術への信頼は低下しており、国民からの目は厳しいものがあります。

 また、世界各国で予算の減額は行われており(顕著な例はイギリスなど)、政権だけの問題とは言いがたい面もあります。科学技術が「聖域」でいられるはずはありません。

 しかし、こうしたことが、科学技術は重要ではない、というメッセージとなってしまい、研究者の気持ちを萎えさせたのは事実だと思います。総理が出席する総合科学技術会議があまり開催されないこと、総合科学技術会議が根拠を失うといったことも、民主党政権の「科学オンチ」ぶりを示したといえるでしょう。

総合科学技術会議が法律上存在しない事態に

http://scienceportal.jp/news/daily/1201/1201052.html

 労働契約法の改正

http://www8.cao.go.jp/cstp/output/20120531_roudoukeiyaku.pdf

 も、研究者を心配させました。

 ただ、こうしたことはマイナス面ばかりではありません。事業仕分けの直後、多く研究者、とくに若手研究者が声を挙げました。そして、神経科学者SNSが出した提言

http://d.hatena.ne.jp/scicom/20100206/p1

 のように、ただ文句を言うだけではない動きが出てきたことは大きいことだと思います。

 トップ研究者だけでなく、私のような若手や異端の研究者の意見を聞こうとした姿勢は評価すべきだと思いますし、また、科学技術コミュニケーションのように、政権交代後にはほとんど認識していなかった課題にも、ある程度対応していたように思います(科学の甲子園など)。また、総合科学技術会議の会議の議事録公開も含め、政策決定課程が透明化しつつある点もよい点だとは思います。こうした流れは、次期政権がどうなろうと、後退させないで欲しいと思います。

 民主党政権の特徴で言えるのは、先に挙げたように、ボールを私達に投げてくることが多かったということです。たとえば、パブリックコメントを募集することは多かったですし、

http://d.hatena.ne.jp/scicom/20101019/p1

研究費の使いにくさの問題は、文科省の熟議のなかで取り上げられました。

http://jukugi.mext.go.jp/jukugi?jukugi_id=10

 しかし、こうしたボールを打ち返す研究者が少なかったのも事実です。熟議の発言件数は、教育などと比べ少なかったといいます。

 民主党政権時代に作られた第4期科学技術基本計画

http://www8.cao.go.jp/cstp/kihonkeikaku/kihon4.html

 では、政策の企画立案及び推進への国民参画の促進が謳われています。

http://hideyukihirakawa.com/blog/archives/201010/200534.php

 「国民参加」は参加する国民がいなければ成立しないわけで、当たり前といえば当たり前ですが、我々が皆当事者である意識が必要です。

 政権がどうなろうと、当事者が動くこと。これは忘れてはいけないと思います。誰かに文句を言っているだけのおまかせの時代が終わりつつあることを、この3年間はいろいろな意味で思い知らされたと言えるでしょう。

2012-12-04 2012年衆院選、科学技術政策公開質問状

2012年衆院選、科学技術政策公開質問状

サイエンス・サポート・アソシエーションでは、以下のような公開質問状を作成しました。各党に送付します。Twitter、Facebookなどでのご意見ありがとうございました。皆様のご意見をすべて反映できていないのが心苦しいですが、御礼申し上げます。

原則として、政党要件を満たしており、連絡先を公開されている政党にお送りしておりますが、それ以外の政党からの回答も歓迎しますので、回答をお寄せください

問1

 国際的な潮流にあわせて、日本でも90年代から、大学・研究機関における応用研究の重要性が増してきており、企業との共同研究や、国策的に目標を定めたトップダウン型の資金の配分が増してきています。しかし、近年これが行きすぎではないかという批判も出てきており、ある程度の金額を広く薄く配分し、短期的な社会評価を気にせずに基礎研究を行える仕組みの重要性が再評価されてきています。この点を踏まえて研究資金のあり方について、貴党のお考えをお聞かせください。

a. 近年の既定路線通り、産業応用や雇用創出の可能性の高い課題を研究する競争的資金を増額していく

b. 産業応用にすぐにはつながらない基礎研究への配分を増やしていく方針転換を行う

c. どちらともいえない

d. その他(具体的に  )

問2

 近年、競争的資金の多様化・複雑化、特許の取得に関わる業務、大学・研究機関のコンプライアンスの問題などで、大学教員の事務作業負担が増えている、という指摘があります。一部に、科学技術コミュニケーターや研究マネージメントなどの職を雇用する動きもありますが、任期付きにせざるを得ないことや、本来研究者を採用すべき人員の枠を圧迫するなどの問題がでています。こういった問題の解決策について、貴党のお考えをお聞かせください(複数回答可)。

a. 大学教員の増員を行う

b. 事務と教員(研究者)との中間形態として、科学や法律などの専門知識を持った研究支援職を大学が雇用できるようにする

c. ITなどを利用した申請や報告の簡易化、公的な研究資金における規格の共通化などを推進する

d. 実質的に役にたっていないムダな事務手続・書類を削減する。

e. 特に対策は取らない

f. その他(具体的に    )

問3

 博士号の取得者数は政策的に増やされてきた一方で、それらの人々の就職難が問題となっています。ポストドクター(ポスドク)と呼ばれる3〜5年程度の任期の職を転々とせざるをえないのが一般的になり、かつ40歳をこえるとこうした職に就くのも難しくなっています。また、労働契約法の改正によって、一大学と五年以上の契約を結べなくなり、ポスドクを継続的に行うことの困難は増しています。一方で国立大学法人の常勤職定員は削減の一途であり、この問題は大学・研究機関の自助努力では解決しづらいのが現状です。この問題の解決策について、貴党のお考えをお聞かせください(複数回答可)。

a. 大学教員の増員を行う

b. ポスドクを民間企業に転身させるための職業訓練や企業に対する助成措置を行う

c. 大学・研究機関を労働契約法の例外にする法改正を行う

d. 政府機関(学術振興会や科学技術振興機構など)で研究者を常勤で一括雇用し、各機関に派遣する形式のポストをつくる。

e. 特に対策は取らない

f. その他(具体的に  )

問4

 研究業界は、大学・研究機関や一部の企業による閉じられた環境の中で行われ、その事情が外部からは見えにくいという側面があります。しかし、近年、政府の政策や資金の配分の仕方と大学の研究の関連性は増しており、政策的な決断が大学における研究の方向性を大きく左右することもまれではありません。こうした中で、研究者の意見や要望をどのように政治の現場に伝えるべきか、研究者の多くが悩んでおります。このことについて、貴党のお考えをお聞かせください(複数回答可)。

a. 日本学術会議や主要な学協会などが一般研究者からの意見を集約して政府に伝える仕組みを作ったり充実させることを奨励する。

b. 研究者は広く有権者に対して状況を説明し、有権者が投票活動によって研究を重視する政党に投票すると決断するのが望ましい

c. 政府が一般研究者の意見や要望を集約する仕組みをより充実させるのが望ましい。

d. 各党が窓口をつくって、そこに各政党の政策に近い意見をもつ研究者が意見をよせる等の協力をする

e. その他(具体的に  )

問4−2

 dとお答えの場合、すでにそういった連絡窓口があれば、電話番号やメールアドレス等をお書きください。

 (                  )

問5

 科学技術の発展が人々の生活に大きな影響を及ぼす、という場合はますます多くなっており、それと共に研究開発に伴う倫理的な問題も重要性を増しています。iPS細胞について、ノーベル医学生理学賞を受賞される山中伸弥教授が述べたように、これを「研究者だけ」が決めて良いのかという点に、研究者自身も悩みや恐れを抱いているというのが現状です。そこで、科学技術研究の方向性や優先順位、また研究や応用における規制の問題等について、誰が議論に参加するべきか、該当するカテゴリーをすべてお答えください(複数回答可)。

a. 実際に研究を行う自然科学の専門家

b. 法律、哲学、社会、宗教等についての人文・社会科学の専門家

c. 国民の代表たる議員

d. 科学技術の応用に携わる産業の専門家

e. 患者団体など、広い意味での「ステークホルダー

f. その他、この社会を形成する全ての人々

2012-12-02 日本未来の党の政策

日本未来の党の政策

日本未来の党の政策が出ました。こちら

原発政策以外の科学技術政策と思われる記述は以下。

子育て、医療、福祉、教育分野での産業・バイオマス資源の活用による環境配慮型産業の振興や、戸別所得補償による農林漁業の活性化などにより雇用の創出を進める。