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誰かの妄想・はてな版

2014-12-07

主権者のくせに投票を躊躇い棄権や白票で逃げるような有権者は非難されて当然だと思いますがね

こういうことを言っている人がいます。

投票率選挙結果を左右しない」 政治学者・菅原琢

2014.12.07 11:13

 投票を躊躇う有権者に、投票に行けと攻撃する有権者も同罪である。好ましい政党政治家が見つからない不幸な有権者に、「究極の選択」を偉そうに迫るのは止めて欲しい。他人を責める代わりに、まず現状における人々の選択の苦痛を理解したうえで、その人にとってどの党が好ましいのか示唆したり、あるいは自らの支持政党の魅力を語るなどしたほうがよい。

http://thepage.jp/detail/20141207-00000001-wordleaf

私は別に、投票率が上がれば支持政党の得票が増える、とは思ってませんので、「投票率選挙結果を左右するものではなく、選挙結果そのものなのだと、考え方を改めたほうがよい」という点はまあ、否定するつもりはありません。

政治の世界に限りませんが、判断する時というのは必ずしも間違いない正しい答えが選択肢の中にあるわけじゃありません。右に行くか左に行くか、どちらが正しいかわかっていて選択できるなんてことはほとんどなく、どちらが正しいか確信できないまま選択することの方が多いでしょう。そして多くの場合において、右か左か選択できずに時間をロスすることの方がどちらか選択する場合より悪い結果をもたらします。

ですので、「好ましい政党政治家が見つからない不幸な有権者に、「究極の選択」を偉そうに迫るのは止めて欲しい」なんてのは、さすがに何甘えたこと言ってんの?としか思えません。自分好みにカスタマイズされた選択肢がないからって駄々こねてるだけでしょ。そもそも今回の選挙では少なくとも与党の他に共産党候補者を出しており、政策面では全く異なる二つの選択がちゃんとあるわけですよ。この状況を踏まえれば、責任ある大人なら、自分の責任で選択しろ、とそう求めるのが傲慢だとは思いません。

(前文)

 日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法法令及び詔勅を排除する。

第十二条  この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S21/S21KE000.html

「好ましい政党政治家が見つからない不幸な有権者に、「究極の選択」を偉そうに迫るのは止めて欲しい」なんて甘えたことを言うのが「不断の努力」ですか?そんなことすら惜しむような国民に「この憲法が国民に保障する自由及び権利」がいつまでも保持されるとでも思ってるんですか?

生活苦しくても良ければ、どうぞ棄権を」民主枝野

2014年12月7日00時00分

枝野幸男民主党幹事長

 自民党圧勝か、という報道が出ている。でも年末は忙しいし、投票に行くのをどうしようかと(思う方がいる)。本当にいいんですか。投票を棄権すると(安倍政権が)2年間でやってきたことが、ますますまっしぐらに進んでいく。集団的自衛権もどうぞやってください、特定秘密保護法で国の秘密をどんどん隠してください。円安の物価高で生活が苦しくなるけどかまわない、という人は棄権して下さい。一票とはそういうことです。(静岡市の街頭演説で)

http://www.asahi.com/articles/ASGD661MJGD6ULFA00F.html

これはこれで真っ当な言い分ですよ。

現状で棄権するってことは、安倍政権の信任以外の意味を持ちませんから。

意味があるとすれば、今後の安倍政権下で悲惨な政治状況が招来した場合、棄権した人間は「オレは自民党には投票しなかった」と自己正当化できるという点くらいでしょう。将来の姑息な言い逃れのため、という点において棄権や白票は意味があるかもしれませんね。まあ、「不断の努力」とは到底言えませんけどね。

少なくとも、こういう姑息な棄権や白票で逃げるくらいなら、自民であれ民主であれ共産であれ、投票してその結果に対する自責の念を抱く方が、成熟した民主主義の市民だと言えますよ。

2014-12-06 upは12/7

今回の方針

単純に政策的に一番支持できるのは共産党なので、共産党に投票したいのですけどね。

一応言っときますが個別には支持できない政策も結構ありますよ。個々の政策の重要度を考慮したうえでの総合的な判断です。もちろん私個人の話ですから違う判断の人もいて当然ですけどね。

ちなみに、消費増税でさほど打撃を受けたわけでもなく、株価上昇でさほど得をしたわけでもありません。うちの経済状態としてはリーマンショック以前から一貫して大して変化ありません。なのでアベノミクスが争点とか言われても、大して重視する気にはならないんですよね。

すると当然に安倍政権の火遊びに対する評価が相対的に重要な争点となり、結果として自民党公明党支持はありえないってことになります。

自民よりも右の過激派極右政党維新や次世代と言った、閣外与党も当然ありえません。

それを前提とすると、まず比例区共産党で確定で簡単ですが、問題は小選挙区の方です。

候補者自民共産だけであれば迷うことなく共産に入れておしまいですが、民主の候補がいて三者になっていると迷います。

前回2012年の衆院選で、民主候補が結構票を集めていたなら民主、大して集票していなかったら共産かな、というのが今の方針です。

衆院選の仕組み

小選挙区比例区の2回投票』

衆院選挙制度は、小選挙区比例代表並立制がとられています。

同制度は、全国295に分けられた選挙区から1人ずつを選ぶ小選挙区選挙と、全国11ブロック(北海道、東北、北関東東京都南関東北陸信越東海近畿中国四国九州沖縄)に分けた比例区から180人を選ぶ比例代表選挙の二つを組み合わせたものです。

このため、衆院選の投票は、小選挙区比例区で、それぞれ1票ずつを投票する「2票制」になっています。

投票方法は、小選挙区の投票用紙には「候補者名」を書き、比例区の投票用紙には「政党名」を書いて投票します。

当選人の決定は、小選挙区では投票数が最も多い候補者1人だけが当選します。

一方、比例区では、ブロックごとに各政党が獲得した票数に応じて当選人数が割り当てられ、 公示日に各政党が届け出た候補者名簿の上位から順に、ドント方式※で当選人が決まる仕組みです。

https://www.komei.or.jp/campaign/shuin2014/vote/

2014-12-05

「報道各社におかれては、当然ながら公正な報道を行っていただけるものと理解して」いるなら、そもそも文書を出さないよね

自民党報道機関恫喝した件。

選挙報道「公正に」 自民、テレビ各社に要望文書

2014年11月28日05時31分

 自民党は27日、朝日新聞の取材に対し、「わが党が、報道の自由を尊重するという点は何ら変わりありません。なお、報道各社におかれては、当然ながら公正な報道を行っていただけるものと理解しております」とコメントした。

 一方、野党第1党の民主党は取材に対し「与党時も野党時も、このような内容の文書を発出した記録はありません」と回答した。

http://digital.asahi.com/articles/ASGCW5W6VGCWUCVL010.html

「あるテレビ局が政権交代実現を画策して偏向報道を行い」って・・・

 文書は萩生田光一・筆頭副幹事長と、福井照報道局長の連名で20日付。過去の例として、「あるテレビ局が政権交代実現を画策して偏向報道を行い、それを事実として認めて誇り、大きな社会問題となった事例も現実にあった」と指摘。

http://digital.asahi.com/articles/ASGCW5W6VGCWUCVL010.html

ああ、産経新聞のことですね。

2009年8月31日の産経「下野なう」事件で、政権交代直後の民主党政権打倒を画策して、東日本大震災時に災害ボランティア担当首相補佐官だった辻元議員をデマによる誹謗中傷を行い政府の震災対応を妨害するという偏向報道を行い、裁判産経新聞阿比留記者の敗訴が確定して、社会問題になった事例ですが。

ああ、デマをばら撒いて裁判で敗訴しても謝罪しない阿比留記者は、安倍首相のお気に入りだから偏向報道も黙認されるんでしたね。

2007年1月31日付の米下院決議案121号

忘れてる人が多いようなので、約8年前のエントリーから再掲。

この決議案は2007年7月30日に下院で可決しています。

HRES 121 IH

110th CONGRESS

1st Session

H. RES. 121

Expressing the sense of the House of Representatives that the Government of Japan should formally acknowledge, apologize, and accept historical responsibility in a clear and unequivocal manner for its Imperial Armed Force's coercion of young women into sexual slavery, known to the world as `comfort women', during its colonial and wartime occupation of Asia and the Pacific Islands from the 1930s through the duration of World War II.

IN THE HOUSE OF REPRESENTATIVES

31-Jan-07

Mr. HONDA (for himself, Mr. SMITH of New Jersey, Mr. ROYCE, Ms. WATSON, Mr. HARE, Ms. BORDALLO, and Mr. WU) submitted the following resolution; which was referred to the Committee on Foreign Affairs

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RESOLUTION

Expressing the sense of the House of Representatives that the Government of Japan should formally acknowledge, apologize, and accept historical responsibility in a clear and unequivocal manner for its Imperial Armed Force's coercion of young women into sexual slavery, known to the world as `comfort women', during its colonial and wartime occupation of Asia and the Pacific Islands from the 1930s through the duration of World War II.

Whereas the Government of Japan, during its colonial and wartime occupation of Asia and the Pacific Islands from the 1930s through the duration of World War II, officially commissioned the acquisition of young women for the sole purpose of sexual servitude to its Imperial Armed Forces, who became known to the world as ianfu or `comfort women';

Whereas the `comfort women' system of forced military prostitution by the Government of Japan, considered unprecedented in its cruelty and magnitude, included gang rape, forced abortions, humiliation, and sexual violence resulting in mutilation, death, or eventual suicide in one of the largest cases of human trafficking in the 20th century;

Whereas some new textbooks used in Japanese schools seek to downplay the `comfort women' tragedy and other Japanese war crimes during World War II;

Whereas Japanese public and private officials have recently expressed a desire to dilute or rescind the 1993 statement by Chief Cabinet Secretary Yohei Kono on the `comfort women', which expressed the Government's sincere apologies and remorse for their ordeal;

Whereas the Government of Japan did sign the 1921 International Convention for the Suppression of the Traffic in Women and Children and supported the 2000 United Nations Security Council Resolution 1325 on Women, Peace, and Security which recognized the unique impact of armed conflict on women;

Whereas the House of Representatives commends Japan's efforts to promote human security, human rights, democratic values, and rule of law, as well as for being a supporter of Security Council Resolution 1325;

Whereas the House of Representatives commends those Japanese officials and private citizens whose hard work and compassion resulted in the establishment in 1995 of Japan's private Asian Women's Fund;

Whereas the Asian Women's Fund has raised $5,700,000 to extend `atonement' from the Japanese people to the comfort women; and

Whereas the mandate of the Asian Women's Fund, a government initiated and largely government-funded private foundation whose purpose was the carrying out of programs and projects with the aim of atonement for the maltreatment and suffering of the `comfort women', comes to an end on March 31, 2007, and the Fund is to be disbanded as of that date: Now, therefore, be it

Resolved, That it is the sense of the House of Representatives that the Government of Japan--

(1) should formally acknowledge, apologize, and accept historical responsibility in a clear and unequivocal manner for its Imperial Armed Force's coercion of young women into sexual slavery, known to the world as `comfort women', during its colonial and wartime occupation of Asia and the Pacific Islands from the 1930s through the duration of World War II;

(2) should have this official apology given as a public statement presented by the Prime Minister of Japan in his official capacity;

(3) should clearly and publicly refute any claims that the sexual enslavement and trafficking of the `comfort women' for the Japanese Imperial Armed Forces never occurred; and

(4) should educate current and future generations about this horrible crime while following the recommendations of the international community with respect to the `comfort women'.

http://ameblo.jp/scopedog/entry-10031011920.html

一応、当時訳した和訳も。

(和訳)

下院決議案121号

2007年1月31日

Mr. HONDAとNew JerseyのMr. SMITH、Mr. ROYCEMs. WATSON、Mr. HARE、Ms. BORDALLO、Mr. WUが国際関係委員会にて参照された以下の決議案を提出した。

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決議案

下院は、以下の意向を表明します。

1930年代から第二次大戦を通した期間、アジア太平洋植民地・占領地にて、若い女性を、「慰安婦」として世界に知られる性奴隷に強要した歴史的な責任を、日本政府は明確ではっきりとした方法で、正式に認め、謝罪し、引き受けるべきである。

日本政府は、1930年代から第二次大戦までのアジア太平洋植民地化・占領していた期間に、帝国軍の性奴隷、いわゆる「従軍慰安婦」にすることを目的とした女性を公式に募集した。

日本政府による軍用売春を強制する「従軍慰安婦」制度は、20世紀最大の人身売買事件の一つであり、これには集団レイプ、強制堕胎、恥辱、障害・死亡あるいは自殺に至らしめる性暴力を含んでいる。

日本の学校で使われているいくつかの新しい教科書は、「従軍慰安婦」の悲劇や他の第二次大戦での日本の戦争犯罪について控えめに取り扱おうとしている。

日本政府関係者は、最近公式および非公式に、「従軍慰安婦」に対する誠実な謝罪と自責を表明した1993年の河野洋平内閣官房長官談話を弱めたい、あるいは無効にしたいという願望を示した。

日本政府は、女性と子供の人身売買禁止に関する1921年の国際協定に調印し、武力紛争での女性に対する被害を認識する女性と平和と安全に関する2000年の国連安保理決議1325を支持している。

下院は、安保理決議1325の支持者たらんとしていることと同様に、人命保護、人権民主主義の価値、法の支配を促進するための日本の努力を賞賛します。

下院は、日本政府関係者および民間市民の大きな努力と同情が1995年の日本の民間機関であるアジア女性基金設立につながったことを賞賛します。

アジア女性基金を通した日本の人々から従軍慰安婦に対する「償い」は570万ドルに達しました。

アジア女性基金政府が立ち上げ、主として政府によって資金が供給され、その目的は「従軍慰安婦」への虐待と苦痛に対する償いを目的としたプログラムとプロジェクトの遂行であった。そのアジア女性基金への委託は2007年3月31日に終了し、基金はその日を以って廃止される。

それゆえに下院は以下を表明する決議を行う。

(1)日本政府は、1930年代から第二次大戦を通した期間、アジア太平洋植民地・占領地にて、若い女性を、「慰安婦」として世界に知られる性奴隷に強要した歴史的な責任を、明確ではっきりとした方法で、正式に認め、謝罪し、引き受けるべきである。

(2)日本政府は、日本の首相に、首相として公式の謝罪声明を提示させるべきである。

(3)日本政府は、日本帝国軍のための「従軍慰安婦」の性奴隷化と人身売買がなかった、といういかなる主張に対しても、明確かつ公式に否定すべきである。

(4)日本政府は、「従軍慰安婦」に関する国際社会勧告に従って、この恐るべき犯罪について、現在と未来の世代に教育すべきである。

http://ameblo.jp/scopedog/entry-10031011920.html

言うまでも無いですが、河野談話による「謝罪」もアジア女性基金による「補償」もアメリカ下院はちゃんと評価しているんですよね。それでもなお、慰安婦問題を否認し、元慰安婦女性を侮辱し、慰安婦問題を無かったことにしようとする日本政府(当時、安倍政権)の姑息な策謀が非難されているわけです。

そのうえで、以下のように日本軍慰安婦制度を判定し、

Whereas the `comfort women' system of forced military prostitution by the Government of Japan, considered unprecedented in its cruelty and magnitude, included gang rape, forced abortions, humiliation, and sexual violence resulting in mutilation, death, or eventual suicide in one of the largest cases of human trafficking in the 20th century;

日本政府による軍用売春を強制する「従軍慰安婦」制度は、20世紀最大の人身売買事件の一つであり、これには集団レイプ、強制堕胎、恥辱、障害・死亡あるいは自殺に至らしめる性暴力を含んでいる。

http://ameblo.jp/scopedog/entry-10031011920.html

安倍政権(第一次)による卑劣下劣な歴史修正主義である以下の蠢動を

Whereas some new textbooks used in Japanese schools seek to downplay the `comfort women' tragedy and other Japanese war crimes during World War II;

日本の学校で使われているいくつかの新しい教科書は、「従軍慰安婦」の悲劇や他の第二次大戦での日本の戦争犯罪について控えめに取り扱おうとしている。

Whereas Japanese public and private officials have recently expressed a desire to dilute or rescind the 1993 statement by Chief Cabinet Secretary Yohei Kono on the `comfort women', which expressed the Government's sincere apologies and remorse for their ordeal;

日本政府関係者は、最近公式および非公式に、「従軍慰安婦」に対する誠実な謝罪と自責を表明した1993年の河野洋平内閣官房長官談話を弱めたい、あるいは無効にしたいという願望を示した。

http://ameblo.jp/scopedog/entry-10031011920.html

と評しているわけです。

河野談話アジア女性基金評価しつつも、それを無効化する安倍政権下での人権侵害が激化しているが故に、アメリカ下院は改めて安倍政権に対し、慰安婦問題における日本の加害責任を明確に認め、国家として首相として謝罪せよと求め、慰安婦否認論に対し公式かつ明確に反駁せよと決議したわけです。

そして、河野談話で述べているように、この巨大な人権侵害・人身売買事件である従軍慰安婦問題について、ちゃんと公衆に周知・教育するように求めたのです。


マイケル・ヨン氏の寝言が通用するような話じゃありません。

2014-12-04

マイケル・ヨン氏をありがたがっている人たちのための時系列整理

捏造と改ざんで知られる産経の古森氏が最近一押しの活動家、マイケル・ヨン氏の主張で利用されている2007年の米国の報告書です。

(古森記事)

米国政府は2000年頃からドイツや日本の戦争犯罪の再調査のためにIWG(各省庁作業班)という組織を作り、慰安婦問題などを8年もかけて調べた。だが、慰安婦制度の犯罪性や強制連行を示す米政府や軍の書類は一点も発見されなかった。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/42355

レイシストにクラスチェンジしたケント・ギルバートによる翻訳記事)

$30 million US Government Study specifically searched for evidence on Comfort Women allegations.

 慰安婦たちの主張を裏付ける証拠を求めて、米政府は3000万ドル(30億円超)の費用を掛けて調査を行った。

After nearly seven years with many dozens of staff pouring through US archives -- and 30 million dollars down the drain -- we found a grand total of nothing.

 約7年の歳月を掛けて、大勢の米政府職員や歴史学者が過去の公文書を徹底的に調査した結果、有力な証拠は何一つ見つからなかった。結局3000万ドルが無駄に費やされた。

The final IWG report to Congress was issued in 2007. (Linked below.)

 IWGの最終報告書は2007年に米国議会に提出され、発表された(文末のリンク参照)。

http://ameblo.jp/workingkent/entry-11958461771.html

さて、その米国の報告書ですが、“Nazi War Crimes & Japanese Imperial Government Records Interagency Working Group”による米国議会のための最終報告書のことです。これは2007年4月に提出されています。

上記、マイケル・ヨン氏の主張ではこの報告書はまるで、慰安婦の証拠調査だけを目的としたものであるかのように書かれていますが、それは嘘です。驚くべきことに古森記事の方が正確で「ドイツや日本の戦争犯罪の再調査のために」と慰安婦問題を専門に調べたわけではないことがわかるようになっています。まあ、どちらも結論を誤誘導している点については変わりませんが。

2007年のアメリカ議会の動き*1

2007年1月12日 「100,000 Pages Declassified in Search for Japanese War Crimes Records」*2と発表

2007年1月16日 IWGが「Interagency Working Group Announces Press Availability for Experts on New Japanese War Crimes Records Volume and Records Guide」*3を発表

2007年1月16日 「Experts to Discuss New Japanese War Crimes Records Volume and Records Guide」*4を発表

2007年1月31日 慰安婦問題に関する対日非難決議案(下院決議案121号)提案 共同提案者6名

2007年2月14日 慰安婦問題に関する対日非難決議案(下院決議案121号)共同提案者16名

2007年2月28日 慰安婦問題に関する対日非難決議案(下院決議案121号)共同提案者25名

2007年3月1日 安倍首相旧日本軍による組織的な女性の強制徴用の証拠はない」と発言

2007年3月2日 訪日中のネグロポンテ国務副長官安倍首相発言を批判

2007年3月5日 安倍首相参院予算委員会で「事実誤認がある」「日本政府のこれまでの対応を踏まえていない」と再度慰安婦問題を否認する発言

2007年3月5日 慰安婦問題に関する対日非難決議案(下院決議案121号)共同提案者33名

2007年3月6日 慰安婦問題に関する対日非難決議案(下院決議案121号)共同提案者36名

2007年3月9日 慰安婦問題に関する対日非難決議案(下院決議案121号)共同提案者42名(決議案反対を公言していたローラバッカー議員が賛成に転じる)

2007年3月16日 安倍政権が「河野洋平官房長官談話」について「(談話と)同日の調査結果の発表までに政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述も見当たらなかった」とする答弁書閣議決定

2007年3月20日 慰安婦問題に関する対日非難決議案(下院決議案121号)共同提案者49名

2007年3月22日 慰安婦問題に関する対日非難決議案(下院決議案121号)共同提案者54名

2007年3月24日 ワシントン・ポストが「安倍晋三のダブル・トーク(ごまかし)」と題する社説を掲載

2007年3月25日 下村博文官房副長官ラジオ日本で「従軍看護婦とか従軍記者はいたが、『従軍慰安婦』はいなかった。ただ慰安婦がいたことは事実。親が娘を売ったということはあったと思う。だが日本軍が関与していたわけではない」と発言

2007年3月26日 米国務省のトム・ケイシー副報道官が「日本は犯罪の重大性を認め責任ある態度で対処すること」を求める*5

2007年3月26日 慰安婦問題に関する対日非難決議案(下院決議案121号)共同提案者61名

2007年3月28日 慰安婦問題に関する対日非難決議案(下院決議案121号)共同提案者66名

2007年3月29日 慰安婦問題に関する対日非難決議案(下院決議案121号)共同提案者77名

2007年4月 Allen Weinsteinによるドイツや日本の戦争犯罪の調査報告書作成

2007年4月3日  Larry Nikschによる報告書「Japanese Millitary's "Comfort Women" System」*6が提出

2007年4月3日 安倍首相小ブッシュ大統領に電話して泣きつく

2007年4月17日 日本の戦争責任資料センターが外国特派員協会で会見し、「従軍慰安婦」徴用に軍関与があったことを示す資料が、極東国際軍事裁判東京裁判)の証拠書類として存在していた事を公表。

2007年4月17日 慰安婦問題に関する対日非難決議案(下院決議案121号)共同提案者80名

2007年4月17日 安倍首相ニューズウィークWSJの取材に対し、強制性否定を正当化、河野談話継承発言

2007年4月20日 中山成彬文部科学大臣が、米下院での慰安婦決議の動きを非難。「当時は公娼制があり、売春が商行為として認められていた。慰安婦はほとんど日本の女性だった」「(慰安婦は)もうかる商売だったことも事実だ」等発言

2007年4月23日 慰安婦問題に関する対日非難決議案(下院決議案121号)共同提案者83名

2007年4月24日 慰安婦問題に関する対日非難決議案(下院決議案121号)共同提案者90名

2007年4月26日 慰安婦問題に関する対日非難決議案(下院決議案121号)共同提案者93名

2007年4月27日 安倍首相、訪米して小ブッシュ大統領に謝罪。米議会での演説なし。

2007年4月30日 CNNによる安倍首相インタビュー配信。

2007年5月1日 慰安婦問題に関する対日非難決議案(下院決議案121号)共同提案者98名

2007年5月2日 慰安婦問題に関する対日非難決議案(下院決議案121号)共同提案者102名

2007年5月7日 慰安婦問題に関する対日非難決議案(下院決議案121号)共同提案者107名

2007年5月8日 慰安婦問題に関する対日非難決議案(下院決議案121号)共同提案者110名

2007年5月10日 慰安婦問題に関する対日非難決議案(下院決議案121号)共同提案者115名

2007年5月14日 慰安婦問題に関する対日非難決議案(下院決議案121号)共同提案者122名

2007年5月16日 慰安婦問題に関する対日非難決議案(下院決議案121号)共同提案者127名

2007年5月17日 石原慎太郎都知事が「戦争中に軍がそういう女性たちを調達した事実はまったくありません。ただ、便乗して軍にそういうものを提供することを商売にした人間はいましたな」と慰安婦問題否認発言

2007年5月22日 慰安婦問題に関する対日非難決議案(下院決議案121号)共同提案者129名

2007年5月25日 松原仁議員民主党)が衆院外務委員会慰安婦問題「無かった」発言

2007年6月5日 慰安婦問題に関する対日非難決議案(下院決議案121号)共同提案者130名

2007年6月12日 慰安婦問題に関する対日非難決議案(下院決議案121号)共同提案者135名

2007年6月14日 The Facts事件

2007年6月14日 慰安婦問題に関する対日非難決議案(下院決議案121号)共同提案者140名

2007年6月19日 慰安婦問題に関する対日非難決議案(下院決議案121号)共同提案者142名

2007年6月21日 慰安婦問題に関する対日非難決議案(下院決議案121号)共同提案者145名(下院外交委員会のラントス委員長が賛同)

2007年6月25日 慰安婦問題に関する対日非難決議案(下院決議案121号)共同提案者146名

2007年6月26日 下院外交委員会で対日非難決議案(下院決議案121号)可決

2007年6月26日 慰安婦問題に関する対日非難決議案(下院決議案121号)共同提案者149名

2007年6月27日 慰安婦問題に関する対日非難決議案(下院決議案121号)共同提案者151名

2007年7月10日 慰安婦問題に関する対日非難決議案(下院決議案121号)共同提案者153名

2007年7月11日 慰安婦問題に関する対日非難決議案(下院決議案121号)共同提案者155名

2007年7月12日 慰安婦問題に関する対日非難決議案(下院決議案121号)共同提案者156名

2007年7月16日 慰安婦問題に関する対日非難決議案(下院決議案121号)共同提案者160名

2007年7月19日 慰安婦問題に関する対日非難決議案(下院決議案121号)共同提案者162名

2007年7月26日頃 慰安婦問題に関する対日非難決議案(下院決議案121号)共同提案者168名

2007年7月30日 慰安婦問題に関する対日非難決議(下院決議案121号)可決

2007年9月28日 Allen Weinsteinによるドイツや日本の戦争犯罪の調査報告書が議会正式提出*7

報告書まわりの話

IWGの最終報告書が完成したのは2007年4月、この時期、慰安婦問題に関する対日非難決議の採決をめぐって下院内で攻防が続いていましたが、安倍政権による慰安婦否認発言が繰り返されたことにより可決に傾きつつありました。4月27日、安倍首相慰安婦否定論をぶちまけ日韓関係を悪化させたことを小ブッシュ大統領に謝罪するものの、まるっきり本音を隠しきらずに否認論を繰り返し、アメリカ国内での反安倍感情の悪化は止まらず、対日非難決議案への賛同者が増え続け、6月14日のThe Facts事件ワシントンポスト慰安婦否認論の歴史修正主義広告を掲載した事件)がダメ押しとなり、下院外交委員会のラントス委員長も賛成に転じ外交委員会で対日非難決議案が可決されました。

7月30日に下院決議が正式に成立しています。

IWGの最終報告書の正式議会提出は9月28日ですが、4月時点では完成しており、中間報告も2002年3月には出ていますし、2006年までの史料については2007年1月時点でまとめられています

IWGの最終報告書が完成した2007年4月には、Larry Nikschによる報告書「Japanese Millitary’s ”Comfort Women” System」が提出されており、それまでに知られていた資料で十分に日本軍慰安婦を非難に値する人権侵害であると示せており、その結果として対日非難決議121号が可決したわけです。

IWGの最終報告書では慰安婦問題に関して既に知られていた資料以上のものが出てこなかっただけで、既に知られていた史料だけで強制性は明確に示せています。

マイケル・ヨン氏をありがたがっている人たちは、マイケル・ヨン氏が言うとおりIWGが8年かけて調べても慰安婦強制性を示せなかったのなら、なぜ2007年に慰安婦問題に関する対日非難決議が可決されたのか、合理的に説明するべきでしょうね。

どうも、このIWG報告書に言及している連中が、同年の下院決議121号に触れているのを見かけないんですよね。

知らないわけはないでしょうに。特に古森氏やヨン氏は知ってて無視しているんでしょうね。

2014-12-03

BBCが韓国基地村慰安婦による提訴を報じた件・2

前回の続き。

BBCの「(BBC)Did Korea encourage sex work at US bases?」という記事ですが、2014年6月の提訴に対し、なぜ今さら報道するのかとまず思いました。ただ、内容を見てみると、かなりちゃんと取材している様子で、なるほど5ヶ月くらいかかるのは妥当かと思えます。

基礎知識

日本のネット上ではほとんど区別されていませんが、朝鮮戦争期に韓国軍国連軍向けの売春を強要された国連軍慰安婦と休戦後の駐留米軍基地付近で米兵相手の売春を強いられた基地村慰安婦は違います。いずれも人権侵害被害者であることに変わりありませんが状況はかなり違います。戦時中の日本軍慰安婦と戦後直後の占領軍慰安婦との違いというのが近いかもしれません。

人権侵害と見る上で、これをことさら分別する必要性はありませんが、当事者の主観では異なっていたりします。

BBC記事では、当事者主観を踏まえているためか、基本的に「prostitutes」と表現されています。これは、日本の慰安婦問題否認論者が、慰安婦等を侮辱するために売春婦呼ばわりするのとは全く異なるという点は踏まえておくべきでしょう。

BBC記事で言及されている元基地村慰安婦らは、自らを性奴隷ではなく売春婦だと認識しています。

BBC

Their argument is not that South Korea compelled them to work as prostitutes - this is not a case of sexual slavery - but that by instituting a system of official and compulsory check-ups on their sexual health, it was complicit, and facilitated a system which now leaves them in poverty.

http://www.bbc.com/news/magazine-30212673

一方で日本軍売春を強要された日本軍慰安婦と異なり基地村慰安婦は渋々ではあっても売春婦となる決断を自分でしているとも指摘しています。

Moon is at pains to point out that, unlike South Korea's World War Two "comfort women" - who were forced to become sex slaves by the Japanese military - many of these women took a decision to work as prostitutes, however reluctantly. They then become trapped, however.

Once these women were there, they couldn't get out easily. They were raped continuously - raped by the manager, she says.

http://www.bbc.com/news/magazine-30212673

ただし、この辺は注意が必要です。第一に他の部分の基地村慰安婦の証言などから“渋々ながら了承した”と簡単に表現できるかというと疑問で、今の日本人から見て想像を絶するような貧困と家族を養うための重圧があり、さらに女衒に追い詰められた状況での身を裂く思いの選択を、自発的意思だとは言えないでしょう。キャシー・ムーン博士もそれを理解しているようで、“They then become trapped, however.Once these women were there, they couldn't get out easily. They were raped continuously - raped by the manager”と述べています。貧困などに追い詰められた形式上に過ぎない“自発的意思”であり、さらにそのような思いでの“選択”すら、一度入れば抜け出せない罠であり、結局貧困から抜け出せないまま売春を強いられた(They were raped continuously)、という強制売春という認識がなされています。

もう一点、注意すべきは、日本軍慰安婦日本軍売春を強要されたという一節("comfort women" - who were forced to become sex slaves by the Japanese military)です。厳密に言うなら、日本軍慰安婦にも強制性に様々なグラデーションがあり、日本軍慰安婦は軍による強制売春、基地村慰安婦貧困に追い詰められた結果としての売春というような単純な線引きは難しいでしょう。両者は強制性の度合いにおいて互いに重なる部分があると言え、その点には留意すべきです。

一方で、全体として日本軍慰安婦と基地村慰安婦強制性を集団として比べれば、日本軍慰安婦の方が強制性が高いといえるのも確かでしょう。戦時中に植民地支配をした宗主国軍隊を相手に海外の戦地で売春を強要される状況を踏まえれば、それは容易に理解できる点です。「unlike South Korea's World War Two "comfort women"」と言うのは、その辺を前提として語られていると見るべきでしょう。

BBC記事を読む上では、1.基地村慰安婦本人は自らを性奴隷とは考えていない、あるいはそう思いたくない*1、2.実態としては性奴隷に他ならずBBC記者もそれを承知の上で基地村慰安婦の意思を尊重して記事中では「prostitutes」と表現している、3.基地村慰安婦日本軍慰安婦より強制性の度合いは低いが性奴隷であることに変わりない、という点を基礎知識として理解しておく必要があるでしょう。

それを踏まえて以下を読んでください。

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*1:あるいは、こういう側面もあるかもしれません。http://japan.hani.co.kr/arti/politics/17748.html「基地村女性たちは自らを‘米軍慰安婦’と呼ぶ。 実際、1990年代初めまで政府と言論はこれら基地村女性たちを慰安婦女性と呼んでいた。 その後、韓国社会で日本軍慰安婦問題が本格的に提起され、慰安婦という用語は‘日本軍慰安婦’被害女性に限定して使われている。 今後、米軍基地村女性を何と呼ぶのかについても社会的合意が必要と思われる。」