Hatena::ブログ(Diary)

誰かの妄想・はてな版

2015-05-22

税金回避を目論む富裕層と国家の対立の問題なんですけど、韓国ってだけでそれが見えなくなる人が多いんでしょうね。

この件。

UAE富豪、投資紛争で韓国政府との仲裁申し立て

簡単に言えば、アラブの富豪が株式売買にあたって税率の低い国に作ったペーパーカンパニーを通して税金を安く済ませようとした、というセコい話です。それに対して国家側が脱税のためのペーパーカンパニーは認めないという対応をとったわけです。

税の公平性から言えば、国家側の対応の方が正当です。海外にペーパーカンパニーを作れるだけの財力を持った富裕層は財力のない一般市民よりも税率を低く抑えることができる、というのは公平ではありませんから。

富裕層対一般市民という視点で見れば、富裕層のやり方の方がセコくずるいやり方で、何とかして正当な税を課そうとするのが当然の対応でしょう。その意味では韓国政府の取った対応が特に責められるものとは思えません。

富裕層の視点で見れば、税率の高い国に税金なんか払ったりしたくないわけで、そこで税金を逃れる手段を色々考えるわけですが、これを富裕層視点でしか考えられない一般市民様は飼いならされてるなぁと思わざるを得ませんね。

日本の場合で考えれば、日本国内で金儲けをしていながら、税金日本政府ではなく税率の低い国に払っている、という状況です。

法人税率を下げないと富裕層が海外に逃げ出してしまう”的な論説は良く聞きますが、今回の件も同じような構図なわけです。

富裕層様に税金を国内に落としていただくために各国間で法人税ダンピング競争をやるべきか、それとも富裕層の税逃れを認めない仕組みづくりをするか、そのあたりがこの件での論点になるべきだと思うんですけど、嫌韓フィルタにかかるとそういう問題は見えなくなるんでしょうね。

困ったものだ。


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AIIB周辺の簡単な流れ

元々、日本主導のアジア開発銀行ADB)は融資に関して硬直性が指摘されていて、よく言えば審査基準が厳格、悪く言えば使い勝手が悪いという評判でした。ADBには中国も出資していましたが、日本主導のADBでは中国側の発言権はかなり制約されていたと言えます。歴代のADB総裁は全て日本人が独占しており、日本企業のための銀行だったわけで、まあ日本がアジア最大の先進国であった時代にはそれでも良かったわけです。

援助を受ける途上国側にしても、使い勝手の悪いADBであっても、事実上それしかないという状況ではそれに縋るしかなかったと言えます。

ところが、中国経済成長するにつれて、中国側はADBの現状に不満を持ち、途上国側も中国側の資金力に魅力を感じるようになりました。前ADB総裁黒田東彦氏ですが、安倍政権によりADB総裁の任期途中で辞職し日銀総裁になっています。もし協調路線を考慮するなら、新ADB総裁として日本人以外から選出するという手もあったと思いますが、結局は日本の中尾武彦氏が新総裁になっています。

この時点で、経済成長しているにも関わらず、それに見合った中国の関与を安倍政権が望んでいない、と言うのが明らかだったと言えるかもしれません。

中国側にしても、ADBを通じた影響力拡大には早々に見切りを付けたようで、それがアジアインフラ投資銀行AIIB)の構想につながります。

AIIBに対しても安倍政権は協力を事実上拒絶する方針を堅持しています。

日本主導のADB中国が出資しているように、中国主導のAIIBに日本が出資するという手段もありましたが、安倍政権は拒絶しました。外交的な失策と言うか、反中イデオロギーに支配された安倍政権では中国側と協力と言うこと自体ができないのでしょう。イデオロギー外交に優先しているわけですね。

むしろ中国側の方がイデオロギーフリーな感じで、日本に協力を呼びかけている状況ですが、日本語ネット上では“中国が金の無心をしている”程度の認識で凝り固まり、安倍政権もそのレベルから抜け出せない状況では話にならないでしょう。

安倍首相、AIIBに対抗し投資表明 「これが日本のやり方だ」(SankeiBiz 5月22日(金)8時15分配信 )」で安倍政権が、AIIBの一割増しの投資額を提示したのはかなり子供じみた対応です。

安倍政権は、中国との協力ではなく対立を選んだわけですが、現実的な選択とは言いがたく反共イデオロギー産物としか言いようがありません。

自民党の事実上の機関紙である産経は「安倍首相、AIIBに対抗し投資表明」と安倍首相の代弁をしていますが、さすがにこれはまずいと思ったのか、麻生財務相が否定する発言をしています。

AIIBへの対抗でない=麻生財務相(時事通信 5月22日(金)11時14分配信 )

まあ、「中国包囲網」とかを夢見る安倍政権ですから、麻生財務相の口先否定なんて誰も信じてませんけどね。

いよいよアジア覇権をかけた日中対立が経済面でも色濃くなってきたと言えるでしょう。

しかし、まあ次期大統領選前後に、米中接近とかではしごを外されるとかいうオチが結構な確率でありそうなんですよね。

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襲撃されるリスクは高くなるが、武器使用の条件を緩和して怪しい奴を片っ端から排除するから差し引きゼロってことかな

この件。

中谷防衛相自衛隊員リスク”「増大しない」

TBS系(JNN) 5月22日(金)12時58分配信

 新しい安全保障の法整備で懸念されている自衛隊員リスクについて、中谷防衛大臣は「増大することはない」と断言しました。

 「今回の法整備により隊員のリスクが増大するということはないと考えます」(中谷元防衛相

 中谷大臣はこのように、新しい安全保障法制で自衛隊員リスクが高まることはないと断言しました。その理由としては、武器の使用拡大など隊員のリスクを軽減する措置を盛り込んだなどと説明しています。

 今回の法整備は海外での自衛隊の活動を大幅に広げる内容で、隊員のリスクが高まる懸念が出ていますが、安倍総理大臣は、これまで明言を避けてきました。

 中谷大臣の発言は、国会審議での焦点になりそうです。(22日11:16).最終更新:5月22日(金)16時17分

http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20150522-00000038-jnn-pol

自衛隊員リスクが増大しない根拠が「武器の使用拡大など隊員のリスクを軽減する措置を盛り込んだ」ためだそうですから、ゲリラかも知れないと疑わしい相手を片っ端から射殺できるように武器使用条件を緩和するってこととしか理解できません。

まあ、自衛隊もようやく、1937年12月にやったように、軍帽の日焼け跡、銃を構えたときに出来るタコ、軍靴の靴擦れ、眼光の鋭さ、などで判断して敗残兵を市民もろとも何十万人も殺害するような「軍隊*1に復古するわけですね。

自衛隊員は、危険な地域に行くようになるけど、怪しい奴は片っ端から殺すから、差し引きでリスク増大はしない、と。

*1:そういえば安倍政権は、国際法的に自衛隊軍隊であることを認めましたが、それはつまり国際法的には日本政府日本国憲法を守っていない、ということを認めたわけですよね。

2015-05-19

まあ、こいつらは以前からこういう主張をしてきたわけですけどね。

こんなことを言ったそうです。

 安倍晋三首相は18日の参院本会議で、集団的自衛権の行使要件となる「存立危機事態」の例として、「日本で生活物質の不足や電力不足によるライフラインの途絶が起こるなど、単なる経済的影響にとどまらず、国民生活に死活的な影響が生じる場合」を挙げた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150519-00000088-san-pol

そう言えば、マッカーサーがこんなことを言っていたのを思い出しました。

They feared that if those supplies were cut off, there would be 10 to 12 million people unoccupied in Japan. Their purpose, therefore, in going to war was largely dictated by security.

原料の供給を断たれれば、国内で1000〜1200万人が職を失います。これは日本にとって死活問題でした。つまり、その危機を回避することが、日本が戦争に打って出た主たる目的だったのです。

https://www.facebook.com/iguchi.reiko.7/posts/277302169097696
http://d.hatena.ne.jp/scopedog/20120403/1333471436

安倍政権の理屈なら、憲法9条下であっても太平洋戦争は合憲ということになりますね。(タイトルに戻る)

勝者である都構想反対派こそが賛成派に手を差し伸べるべき

大阪都構想と称する大阪市廃止提案に関する件。

まあ、賛成派による負け惜しみや暴言・中傷と言えるものまで様々な反応があり、住民投票で勝利した側である反対派が反論したくなる気持ちはわかります。

ですが、所詮都構想などは行政機構を改善するためのひとつのツールに過ぎず、都構想というツールを否決したところで何らかの改善が必要な面はあるわけです。本来、賛成派も反対派も行政機構の改善という目的自体は共有しているはずであり、その手段に関して意見を違えているに過ぎません。都構想が否決された以上、賛成派がなすべきことは都構想以外の手段を検討することであり、反対派がなすべきことは賛成派と話し合って建設的な議論をすることのはずです。

投票結果を見てもわかるように、賛成派・反対派は拮抗しており、いずれかが単独で行政の改善という課題に立ち向かうのは困難でしょう。市民同士が協力しなければ話になりません。

協力の申し出、ノーサイドの宣言は勝者の側から言いだした方が価値があります。

そして、何よりも投票の結果だけを見て勝ち負けを決め、負けた方を排除するというやり方、それは橋下のやり方そのものです。

橋下を排除するために、橋下になるような愚行はすべきではないでしょう。

勝者である反対派が敗者である賛成派を罵ることは結局、橋下的価値観の具現化に他ならず、市民社会が橋下的価値観に敗北したことを意味します。

賛成派・反対派の市民が協力して行政の課題に立ち向かって初めて橋下価値観に市民社会が勝利したことになります。

これが出来ないようなら、来るべき安倍改憲の企みに市民社会は抵抗できずに敗れ去るでしょうね。

2015-05-18

権力者は民衆を騙す方法を懸命に学ぶが、民衆は権力者に騙されない方法をほとんど学ばない

怠惰とかいう話ではなく、民衆をより巧妙に騙す者が権力を得るという構造、騙された民衆は騙した張本人よりも手頃なはけ口を望むという性質に起因する話です。

まあ、大阪都構想の件で言えば、敗者は敗北から学ぶが、勝者は勝利から学べない、とも言えますが。

国政への影響、改憲国民投票

筆者は、大阪市住民投票は、安倍政権にとっては憲法改正国民投票の予行演習だったのではないか、と思っています。それは直接投票により結論を出す、ということだけではなく、権力を持ち、政治に責任を負っている側が積極的に虚実ない交ぜの「バラ色の未来」を描く政策宣伝、多額の広告資源の投入、金(広告料)と恫喝による報道機関の押さえ込みなどで、国民の意思を「買う」ことができるかどうかの実験だったのです。その目論見が上手くいかなかったことは、安倍政権が掲げる憲法改正国民投票の実施にも少なからず影響を与えるでしょう。そして、改憲課題で安倍首相の閣外協力者だった橋下氏が(同氏の言葉を信用するなら)政界を去ることでもブレーキが掛かるはずです。一方、改憲派住民投票の失敗から教訓を引き出し、新たな作戦を考え始めるのも必定です。筆者もそうである日本国憲法を擁護しようとする側も、住民投票から教訓を引き出し、憲法を守るためにはどのような議論が必要なのか、検討が必要でしょう。

http://bylines.news.yahoo.co.jp/watanabeteruhito/20150518-00045808/

都構想に関しては、それ自体よりも上記引用の件に私としては興味を持っています。

現実問題として、もし橋下勢力が勝っていたら、安倍政権による憲法破壊はまず確実だったわけで、今回の住民投票の結果はその動きを半歩は止めたと思います。しかし、半歩に過ぎず、渡辺弁護士の指摘通り、すぐに安倍政権は何らかの手を打ってくるでしょう。

それを阻止できるか、というと個人的には非常に不安な思いです。

住民投票の結果は都構想反対が勝ちましたが、票数はほぼ拮抗、薄氷の勝利に過ぎません。勝った勝ったと浮かれていれば、安倍のより巧妙な手口の前に簡単に敗北するでしょうね。

勝利から学ぶのは難しい上に、今回示したような保革共闘が維持できるかも疑問です。

前方の大敵に対峙するよりも隣の友軍の身だしなみの方が気になって仕方がない、というのはよくある話なわけで。

2015-05-17

労務動員における強制連行に関する記述1

すでに安倍政権下で教科書から隠蔽され、各地の記念碑撤去や記述の改ざんが進められている労務動員の強制連行に関して。

もともと動員時期によって傾向が異なり、一言で言いつくせるような事案でもありませんので、「朝鮮人戦時労働動員」(山田昭次、古庄正、樋口雄一、2005年)からまとめられている記述を引用します。それでも結構長いので、13項目のうち9項目までを引用。

(P266-269)

第一節 強制性について

 日本は国家総動員法に基づき一九三九−一九四五年までに六七万余(この数字には日本国内に動員された軍人・軍属などを含まない)の朝鮮人を日本国内に動員した。目的は不足していた労働力の充足のためであった。この動員が計画的、強制的なものであったこと、日本での労働と賃金、死亡者などについて事実に基づき具体的に論証してきた。また、これらの動員が国家意志に基づいていると同時に安い労働力に対する利潤追求をもくろむ企業意志が明確にしめされていることも明らかにした。朝鮮人戦時労働動員は国家の要求と企業意志という両者が結びつき、それに基づいて実施されたものである。こうした事実を朝鮮人戦時労働動員という場合、その要件、特徴などを箇条書き的にまとめてみると次のようにいえるだろう。

一 国家の責任と要求に基づく動員

 この戦時労働動員は日本国家の要求、即ち国家総動員法に基づく計画動員であり、募集など形態如何を問わず、国家が朝鮮人に対して日本の国内へ移動しての労働を要求し、実行させた行為である。すなわち国家の責任によって動員が行われたことが明らかである。

二 企業意志による動員

 戦時下の日本企業は、国家総動員法を基に企業利益を最大限にあげ、利用することを目的に活動を行った。利益を生み、企業拡大を狙う企業にとって組織的、且つ安価な労働力こそが最大の源泉になるものであった。企業は政府総督府から一人でも多くの労働力の配分を受けようと努力したのである。企業側からみると政府以上に強い安価な労働力に対する要求が存在した。気魚は「募集人」を朝鮮派遣し、警察官、面事務所の役人、企業が派遣した募集人の三者が一体となって動員が実行された。

三 陸・海軍による労働動員

 軍は必要な土木工事あるいは海軍工廠などの直営工場に軍属という形で日本国内、南方占領地など広範に徴用を実施した。この動員は単なる労働力としての動員のみではなく、軍隊という戦闘集団への直接軍属徴用であった。本書では本格的検討対象としなかったものの労働動員の形態の一つとして位置づける必要がある。

四 国家による渡航帰国管理

 この労働動員のための渡航は、日本国家の許可で行われていたこと。一般渡航朝鮮人渡航するためには警察の発行する渡航証明が必要であったが、一括して動員集団としての渡航管理がされていたこと。労働動員労働者が個別に帰国する場合も集団動員者の一部帰国として扱われ、一般渡航朝鮮人とは別に扱われた。渡航費用や途中の食費などは企業、国が負担しており、朝鮮人戦時労働動員者は旅費を含めて支払っていない。国家、企業責任で渡航帰国したことが明らかである。

五 朝鮮農村再編成下の動員

 動員地域は南部農業地帯に集中し、生産性の低い農民(強制供出などの政策で貧しさにあえいでいた下層農民)を農村から動員することによって農業生産の合理化をはかろうとしたこと。一般的には朝鮮農業再編成といわれる政策のなかで動員が位置づけられていた。動員は基本的には南部地域を中心に道別に割り当てられ、郡・邑・面へという体系で実行されていった。日本政府総督府農業政策のなかで動員された側面ともっている。

六 就労先の限定と選別動員

 就業先については戦時重要産業に配置され、募集の初期には炭鉱鉱山、土木などに配置された。動員された朝鮮人側には職場、地域を選別する権利は認められていない。一定の動員方式に基づいており、自由な契約とはいえない。炭鉱など行きたくないところでも指定され、労働の実態が判っても拒否できなかった。小学校(普通学校)を卒業した男子は工場に動員し、女子の小学校(国民学校)卒業者も「女子勤労挺身隊」員として炭鉱などとは区分して動員した。明確に労働者を区分し、選別し、管理する意志を持って動員した。また、就労先が決まれば二年間の契約が切れるまでは解約出来ないのが特徴である。また、二年契約の延長が労働者に強く要求された。この場合現員徴用という方法もとられた。

七 集団労働管理

 個人による個別契約というより、集団管理、隊編成で行動を統括されていた場合が多く個々の自由は認められなかった。労働以外でも寮生活など集団管理され、個々の自由な行動は規制されていた現場が多い。一般渡航在日朝鮮人労働者と大きく違うところである。

八 日本人との差別管理、協和会管理

 日本人から隔離され、労務管理も別であった。朝鮮人労働者統制のための協和会をつくり、朝鮮から来た労働者の労働訓練を実施した。協和会を通じた神社参拝、日本語の学習、教練など皇民化教育が行われた。在日朝鮮人全体の統制組織である協和会の体制に組み込まれていたが、企業内で独自の練成が実施されていたところもある。炭鉱鉱山、土木、工場などによって労務管理の方法が違っていた。

 なお、一般在住朝鮮人については協和会への加盟と同時に日本人と同じように隣組にも参加させられ、二重の動員体制の下に置かれた。日本に在住していた朝鮮人のすべてに協和会手帳を持たせ逃亡防止、労働動員に役立たせた。会員章を持たないと警察に拘留され、取調べを受けて、朝鮮へ送還されるか、元の労働現場へ再動員された。

個々のより具体的な内容については、同書に記載されていますので読んでください、といっても読まない人の方が多いでしょうから、そのうち余裕を見て要約を書いてみます。

ちなみにこの朝鮮人強制連行問題に関しては「朝鮮人強制連行 (岩波新書)」(外村大、2012年)も良書です。

2015-05-16

マッカーサー自衛証言説の系譜とその黒幕、あるいは歴史修正主義のデマはなぜ生き残ったか

マッカーサーが“太平洋戦争は日本の自衛戦争だった”と証言した、というデマの起源は、田中正明の「日本無罪論 (1972年)」のようです*1

田中正明1952年4月に「日本無罪論―真理の裁き (1952年)」を右翼団体政治家の支援下で出版して以降、精力的に歴史の改ざんに取り組んできた右翼言論人です。

1985年の「松井石根大将の陣中日記」で、日記原本から書籍に起こす際に大量に加筆・修正・削除を行い、南京事件が無かったかのように改ざんした人物としてよく知られています*2

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