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誰かの妄想・はてな版

2016-05-03

「個別的はよくてなぜ集団的はだめなのか」→自国を守るための武力行使は容認するが他国を守るための武力行使は容認しないってことでしょ

このツイート

井上武史 Takeshi INOUE @inotake77 2016-05-02 17:33:53

過去の解釈変更はよくてなぜ今回のはだめなのかとか、憲法に何の根拠もないのに個別的はよくてなぜ集団的はだめなのかとか、違憲論の理屈はいまだによくわからない。学問的な関心から単純に知りたいのですよ、なぜそうなるのかを。納得できれば考えを変えることもあります、当然。

https://twitter.com/inotake77/status/727053487062708224

集団的自衛権による武力行使には、自国が武力攻撃された場合に攻撃されていない第三国が自国側にたって侵略国に対する武力行使を行うというものと、自国は攻撃されていないが武力攻撃を受けている第三国を支援するために自国も侵略国に対する武力行使に参加するというもの、の2種類があります。

以前書いた「集団的自衛権に関する初歩的な話」で、前者を「受動的な集団的自衛権」、後者を「能動的な集団的自衛権」と呼びました。

前者の「受動的な集団的自衛権」に関しては、既に日米安保条約という形で存在していますから、井上氏ツイートで問題とされている集団的自衛権とは、「能動的な集団的自衛権」のことでしょう。

    個別的自衛権受動的な集団的自衛権能動的な集団的自衛権
被侵略国自国自国他国(同盟国)
武力行使による応戦国自国のみ自国+同盟国自国+同盟国
戦力にあたらない自衛力での行使可否可能可能不可能

自衛隊憲法13条による国民の生命を守るための戦力にあたらない範囲であれば合憲(9条に抵触しない)という考え方が一般的ですが、この考え方では個別的自衛権受動的な集団的自衛権については国民の生命を守るためとして容認できますが、能動的な集団的自衛権行使に対しては国民の生命を守るためではないので容認できません。

単純に言えば、個別的自衛権受動的な集団的自衛権含む)は国民の生命を守るためだが、能動的な集団的自衛権は国民の生命を守るためではない、ということです。

これが「個別的はよくてなぜ集団的はだめなのか」の理由ですね。

イデオロギーまみれのミリオタを見たことないのか、見ても気づかないくらいに自分もまみれちゃってるのか

この件に関連して。

きく☆まこ。

‏@kikumaco

ミリオタの皆さんを甘く見てはいけない。左右問わず、デマは徹底的に叩かれる。この「左右問わず」ができるところが、ある意味でオタクのよいところ。イデオロギーとは別の行動原理だからね

https://twitter.com/kikumaco/status/722657184698474496

で、「軍事板常見問題&良レス回収機構」の阪神大震災関連のページにこんなのがあります。

◆◆◆◆◆初動関連

【質問】

 阪神淡路大震災の情報は,首相へはいつ,どのように伝わってきたのか?

 【回答】

 本人の言によれば,最初に首相地震を知ったのは,朝6時のNHKのニュースで.

 5W1Hを多少なりとも伴った具体的情報がもたらされたのは,10時近かったという.

(略)

 少なくとも,情報収集に関する村山首相の感覚は,市井の一般市民よりも鈍かった,と言わざるをえない.

 先に引用したサイトも,村山首相の「情報不収集」責任について言及している.

(略)

 ちなみに,民間はどうだったか?

 シンガポールバンドンでは,午前9時半〜10時半にはすでに具体的な情報がもたらされていたという.

 以下引用.

 一九九五年一月十七日,定例の職員朝会(八時二十分開始)の最後に,校長訓話があった.そして,その最後に,「早朝,日本の淡路島神戸の辺りでかなり大きな地震があったそうです.詳しくは,情報が入り次第,先生方にもお知らせします」という文言が加わった.一瞬,おやっと思ったが,誰もそう驚かなかった.なぜなら,昨年も東京近郊で地震があったし,北海道地震奥尻島他)も同様の発表があったが,それらは被害が小さかったり,被災地大都市から離れていたため,大きな被害に結びついていなかったからだ.

 しかし,時間が経つにつれて,様相が一変した.まず,第一報のファックスが「大至急扱」で外務省通信課から大使館を経由して本校にも送られてきた.

 「近畿で直下型大地震,死者七十四名,負傷〇〇名,行方不明〇〇名.十七日午前五時四十六分頃,近畿地方兵庫県淡路島震源とした大きな地震が起き,神戸と同島洲本で震度6(烈震)(略)を記録した」

 たしか,十時三十分ころであったと記憶している.震度6といえば,この二十年間以上,聞いたことのない数値である.

中島 陽一 三十三歳 日本人学校教師 シンガポール在住

 ※シンガポールと日本の時差は1時間.つまり,日本発信時間は9時半頃.

(略:インドネシアの例)

 自衛隊のような装備を持たない民間でも,この程度の速度での情報伝達はできたわけである.

 村山内閣は言い訳できまい.

 なお,

「5千5百余名の死者を出した震災にあって,政治家首長官僚,誰一人として辞表を出した者がない」(「危機管理宰相論」,p.32)

んだってさ.

 真面目に生きるのが嫌になるね.

http://mltr.ganriki.net/faq05e01a03.html

上記サイトの回答を要約すると、シンガポールでも現地時間10時30分(日本時間9時30分)、インドネシアでも現地時間8時30分(日本時間10時30分)には民間人ですら被害状況を把握していたのに、村山首相は把握していなかったから無能だ、というものです。

ただですね、シンガポールの現地時間が10時30分なら日本は11時30分なんですよ。

「※シンガポールと日本の時差は1時間.つまり,日本発信時間は9時半頃.」とか書いちゃってるんですが、足し算と引き算を間違えています。

つまり「シンガポールバンドンでは,午前9時半〜10時半にはすでに具体的な情報がもたらされていた」というのは間違いで正しくは「シンガポールバンドンでは,午前10時半〜11時半にはすでに具体的な情報がもたらされていた」となるべきです*1

そして、午前10時半〜11時半であるならば、村山政権は10時過ぎに非常災害対策本部を閣議決定で設置しており、シンガポールバンドンで知られている程度の情報は把握していたと考えるべきでしょうね。

上記引用は10年ほど前の記事のようですが、何人かは「※シンガポールと日本の時差は1時間.つまり,日本発信時間は9時半頃」の記載を読んでいるはずですが、気づいてもいないようです。

そもそも当時の報道をちゃんと踏まえていればこんなミスはしないはずです。ラジオ関西による死傷者数の報道でも9時30分の時点では「9時現在の死者17人との県警発表」というのがあるくらいで「県下の現時点での死者189人、不明33人」との報道は10時23分になってからです。日本時間9時30分の時点で「死者七十四名,負傷〇〇名,行方不明〇〇名」などと言う情報をシンガポールの民間人が把握しているなんて、まずありえません。

村山憎しのイデオロギーが、常識的な確認を怠らせ、時差の計算ミスという初歩的な誤りを放置し、それに基づく村山政権批判に飛びつかせたのでしょう。

一部のミリオタさんに関しては、「左右問わず」どころか自らデマを拡げてる事例です。こういうイデオロギーが行動原理のミリオタだっているんですよ。

フリーダムハウスによる報道自由度でも政治環境というサブスコアでは日本は韓国より劣ってますよ

「お」の人、日本の「報道の自由」度は韓国よりも下と宣う

町山さんが既に潰してますよ?

http://togetter.com/li/969444

「「お」の人」というのは小倉秀夫弁護士を指しているようですが、名前で呼ばないのは侮辱目的だからでしょうね。

で、引用されている小倉弁護士ツイートはこれ。

小倉秀夫

@Hideo_Ogura

韓国よりは下なんじゃないですかね。RT @kitanihonganba: 日本の「報道の自由」は香港韓国より下なのか 国連を利用して「醜い日本人」を世界に売り込む活動家

https://twitter.com/Hideo_Ogura/status/726410388313530369

それを「潰してます」という町山氏のツイートが以下の2つ。

町山智浩・告知用認証済みアカウント

@TomoMachi

米ワシントンDCの無党派NGOフリーダムハウスが世界の報道自由度を発表。世界地図にカーソルを置くと得点が出ます。ゼロに近いほど自由。最悪が100点。日本は26点、フランス28点、韓国33点、中国87点、北朝鮮97点。

https://freedomhouse.org/report/freedom-press/freedom-press-2016 … …

https://twitter.com/TomoMachi/status/725507088986730497

町山智浩・告知用認証済みアカウント

@TomoMachi 町山智浩・告知用さんが町山智浩・告知用をリツイートしました

日本の報道自由度については、このNGOの評価のほうが妥当なのに

https://twitter.com/TomoMachi/status/725507088986730497

国境なき記者団」による不当に低い評価のほうばかり喧伝されるのが日本

https://twitter.com/TomoMachi/status/725671210248347648

なるほど、町山氏によればフリーダムハウス(FH)による報道の自由度の方が妥当であり、小倉弁護士を攻撃している人もそれに同調していると。

では、FHによる報道の自由度をサブスコアで見てみましょう。

Press Freedom StatusPress Freedom Score (0-100 points) Legal Environment (0-30 points) Political Environment (0-40 points) Economic Environment (0-30 points)
Japan Free 26 5 15 6
South Korea Partly Free 33 10 14 9

おや、法的環境や経済的環境では日本は韓国よりマシですが、政治環境については韓国より劣っていますね。

Under the political environment category, we evaluate the degree of political influence in the content of news media. Issues examined include the editorial independence of both state-owned and privately owned outlets; access to information and sources; official censorship and self-censorship; the vibrancy of the media and the diversity of news available within each country or territory; the ability of both foreign and local reporters to cover the news in person without obstacles or harassment; and reprisals against journalists or bloggers by the state or other actors, including arbitrary detention, violent assaults, and other forms of intimidation.

(試訳)

政治環境のサブスコアとして、ニュースメディアのコンテンツに対する政治の影響の度合いを評価している。検討しているのは、国営・私営メディアにおける編集の独立性、情報やソースへのアクセス、公式検閲あるいは自己検閲、各国内で利用できるメディアの活況度とニュースの多様性、外国・国内記者が妨害や嫌がらせを受けることなくニュースを報道できること、国家等によるジャーナリストブロガーに対する恣意的な阻止、暴力的な攻撃、他の形式の脅迫を含む報復。

http://d.hatena.ne.jp/scopedog/20160502/1462186257

“フリーダムハウスによる報道の自由度は妥当、国境なき記者団によるものは不当!”とか言ってる人は、報道の自由に関する日本の政治環境が韓国以下であることにもちろん同意するんですよね?


国境なき記者団とフリーダムハウスの報道の自由度は基本的に同じ

指標の見方や重み付けの方法、統計上の誤差によって、若干変動しますけど、両者は基本的に同じ内容です。単純に韓国に勝ったか負けたかでしか考えられない排外主義に毒されてしまうと、それが見えなくなるんでしょう。

そもそも、国境なき記者団による報道の自由度でもスコアで見れば、日本28.67に対して韓国28.58ですから同等ですよね。フリーダムハウスによる報道の自由度でも政治環境というカテゴリで見れば、日本15に対して韓国14でこれも同等です。

昨今の状況を見て安倍日本も朴韓国も同レベルという感覚は普通に持てそうなものですし、日本人であるならば自国の状況をより深刻にとらえる傾向くらいあってほしいものですが、そんなに難しいことですかね。

*1:ちなみに、引用ではシンガポールの例の10時30分を現地時間とみなしていますが、日本時間の10時半ではないかという指摘もあります。http://117hanshin.jugem.jp/?eid=15

2016-05-02

国境なき記者団による報道の自由度とフリーダムハウスによる報道の自由度は、相互に妥当性を補完しあうものであって、どちらか一方が正しいというものではない

もうね、自国のランキングが気に入らないからと言って「不当に低い評価」とかレッテル貼ったり、より都合のいいランキングの指標を自国のランキングが気にいった以外に大した根拠もなく「妥当」だとか評価したり*1するのは、それこそ“妥当”ではないと思うんですよ。

以前の記事で取り上げた国を対象に、国境なき記者団(RWB)による報道の自由度ランキング順位、同スコア、フリーダムハウス(FH)による報道の自由度のスコア、同サブスコア1〜3を以下に表示します。

国名RWB順位RWBスコアFHスコアFHサブスコア1FHサブスコア2FHサブスコア3
ベルギー 13 14.18 11 2 4 5
ドイツ 16 14.80 20 6 10 4
オーストラリア 25 17.84 23 6 10 7
イギリス 38 21.70 25 9 9 7
アメリカ 41 22.49 21 6 10 5
フランス 45 23.83 28 6 15 7
台湾 51 24.37 26 9 9 8
香港 69 28.50 39 13 17 9
韓国 70 28.58 33 10 14 9
日本 72 28.67 26 5 15 6
イスラエル 101 32.58 32 7 14 11
ブラジル 104 32.62 46 13 22 11
ウクライナ 107 32.79 53 13 24 16
インドネシア 130 41.72 49 16 18 15
パレスティナ 132 42.93 --------
インド 133 43.17 41 11 21 9
タイ 136 44.53 77 27 33 17
フィリピン 138 44.66 44 14 20 10
ビルマ 143 45.48 73 23 28 22
ロシア 148 49.03 83 25 34 24
トルコ 151 50.76 71 26 30 15
シンガポール 154 52.96 67 24 22 21
サウジアラビア 165 57.89 86 29 32 25
キューバ 171 70.23 91 28 35 28
ベトナム 175 74.27 85 30 33 22
中国 176 80.96 87 30 35 22
北朝鮮 179 83.76 97 30 38 29

ちなみに「FHサブスコア1」は法的環境に関するサブスコアで30点満点、「FHサブスコア2」は政治環境に関するサブスコアで40点満点、「FHサブスコア3」は経済的環境に関するサブスコアで30点満点です。

The legal environment category encompasses an examination of both the laws and regulations that could influence media content, and the extent to which they are used in practice to enable or restrict the media’s ability to operate. We assess the positive impact of legal and constitutional guarantees for freedom of expression; the potentially negative aspects of security legislation, the penal code, and other statutes; penalties for libel and defamation; the existence of and ability to use freedom of information legislation; the independence of the judiciary and official regulatory bodies; registration requirements for both media outlets and journalists; and the ability of journalists’ organizations to operate freely.

Under the political environment category, we evaluate the degree of political influence in the content of news media. Issues examined include the editorial independence of both state-owned and privately owned outlets; access to information and sources; official censorship and self-censorship; the vibrancy of the media and the diversity of news available within each country or territory; the ability of both foreign and local reporters to cover the news in person without obstacles or harassment; and reprisals against journalists or bloggers by the state or other actors, including arbitrary detention, violent assaults, and other forms of intimidation.

Our third category examines the economic environment for the media. This includes the structure of media ownership; transparency and concentration of ownership; the costs of establishing media as well as any impediments to news production and distribution; the selective withholding of advertising or subsidies by the state or other actors; the impact of corruption and bribery on content; and the extent to which the economic situation in a country or territory affects the development and sustainability of the media.

https://freedomhouse.org/report/freedom-press-2016-methodology

上記26カ国(パレスチナを除く)のRWBスコアとFHスコアについて散布図を作ると以下のようになります。

f:id:scopedog:20160502190957p:image

全ての国のデータを使っていませんので断言は出来ませんけど、RWBスコアとFHスコアの間にはかなり高い相関があることが示唆されていますよね。

国境なき記者団とフリーダムハウスはそれぞれ別々に報道の自由度を評価しているわけですが、それでもこういった高い相関が示されるのですから、RWBスコアとFHスコアは共に高い妥当性を持っていると考えるべきでしょう。

自国の評価が特定の他国より低いのは許せん、不当だ、とかいう狭い了見で妥当性を云々してほしくはありませんねぇ。

2016-05-01

熊本地震に対する安倍政権の対応について。あるいは安倍政権が熊本地震対応において、東日本大震災時のように緊急災害対策本部の設置はしなかったが、即応予備自衛官の招集だけは行った件

激甚災害指定に関して

遅いという指摘が多いですが、以前の記事に書いたように、東日本大震災を例外とすれば過去の激甚災害と比べて指定時期に大した差はありません。

最初の地震2016年4月14日21時26分頃 震度7)の後、安倍首相は河野防災担当大臣を本部長とする非常災害対策本部を立ち上げています。

平成28年4月14日

平成28年(2016年)熊本県熊本地方を震源とする地震非常災害対策本部会議

平成28年4月14日、安倍総理は、総理大臣官邸で「平成28年(2016年)熊本県熊本地方を震源とする地震非常災害対策本部会議」(第1回)に出席しました。

http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/actions/201604/14saigai.html

翌15日の時点でも「関係機関が一体となって、被災者支援に先手先手で取り組んでいただきたいと思います。」*1と述べてはいるものの非常災害対策本部のまま継続しています。同15日に行われた第3回会議では「明日、私自身が被災地を訪問し、『現場』を自らの目で確かめ、被災された方々の生の声に接し、今後の対策に十分生かしていきたいと考えています。」*2などと被災地訪問の意向を示していますが、その後2016年4月16日1時25分頃、再び震度7の本震が被災地を襲いました。

その後の非常災害対策本部会議(第4回)では、次のように述べています。

「本日、午前1時25分、熊本地方を中心に、14日の地震の規模を大きく上回る新たな地震が発生し、その後も余震が相次いでいる。被災地域が広範にわたっており、今後、被害が更に拡大する恐れもある。そこで、以下3点を改めて指示する。

 引き続き、関係機関・被災自治体が一体となって情報を共有し、早急に正確な被害状況を集約・把握すること。

 自衛隊を始め、対応に当たる実動部隊を大幅に増強し、住民の安全確保を最優先に、被災者の救命・救助、避難誘導、医療行為の提供などの災害応急対策に政府の総力を結集し取り組むこと。

 不安を感じている住民に対し、避難に当たって必要な余震や被害状況等に関する最新の情報をわかりやすく、タイムリーに提供すること。

 各位にあっては、それぞれの持ち場で強いリーダーシップを発揮し、特に以上3点について、全力を挙げてください。」

http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/actions/201604/16saigai.html

この時点で被害が広範に拡大したことを認識していますが、安倍政権は河野大臣を本部長とする非常災害対策本部から自らを本部長とする緊急災害対策本部への移行は行いませんでした。

2度目の震度7地震が発生する前、菅官房長官記者会見で以下のように「今回のような大規模災害が発生したような緊急時」と述べていました。

緊急事態条項「極めて重い課題」 熊本地震受け官房長官

2016年4月16日20時31分

菅義偉官房長官は15日の記者会見で「今回のような大規模災害が発生したような緊急時に、国民の安全を守るために国家や国民がどのような役割を果たすべきかを、憲法にどう位置づけるかは極めて重く大切な課題だ」と述べた。

http://www.asahi.com/articles/ASJ4J674GJ4JULFA00T.html

「今回のような大規模災害が発生したような緊急時」と呼んだ1回目の震度7地震(前震)に加えて、さらに2回目の震度7の本震が来てもなお、緊急災害対策本部への移行をしなかったのはいささか不可解に思えます。2度の震度7でも、非常災害対策本部で足りるのなら、現行法で十分対処できるということでしょう。「憲法にどう位置づけるかは極めて重く大切な課題」などではなく、現行憲法で問題ないという結論しか出てくるはずがありません。

安倍政権下での熊本地震激甚災害指定は結局2016年4月25日となりました。緊急災害対策本部を立ち上げた東日本大震災より遅かったことを指摘されましたが、安倍擁護のネトウヨ東日本大震災での菅政権の対応をデマで侮辱し不当に貶めています。今もって、復旧にかかる費用が現場から上がってくるまで激甚災害に指定してはいけないと信じ込んでいるバカもいます。

ちなみに、熊本地震では4月20日時点で以下のような見積もりが出ています。

平成28年熊本地震による災害復旧事業費の査定見込額等と激甚災害指定基準について

1 公共土木施設等 ※4月20日時点

<本激>

○全国の災害復旧事業費の査定見込額 2,811億円

(参考:激甚災害指定基準)

本激A基準 全国の災害復旧事業費の査定見込額1,785億円以上

http://www.bousai.go.jp/kohou/oshirase/pdf/20160425_01kisya.pdf

激甚災害指定の規準額(公共土木施設関連)1785億円を1000億円以上上回る2811億円が災害復旧事業費の査定見込額として挙げられています。これなら4月20日時点で余裕で激甚災害指定ができたように思えますが、それでも閣議決定は4月25日となっています。

平成28年4月25日(月)持ち回り閣議案件

一般案件

平成28年熊本地震により被害を受けた中小企業者等に対する災害融資に関する特別措置について(決定)

(財務・厚生労働・農林水産・経済産業省

政 令

平成28年熊本地震による災害についての激甚災害及びこれに対し適用すべき措置の指定に関する政令(決定)

内閣府本府・総務・財務・文部科学・厚生労働・農林水産・経済産業・国土交通省

http://www.kantei.go.jp/jp/kakugi/2016/kakugi-2016042501.html

土日(4月23日・24日)を挟んだとは言っても、対応が遅い観は否めません。

いずれにせよ、安倍政権東日本大震災時の菅政権のような緊急災害対策本部の設置も迅速な激甚災害の指定も行わなかったわけです。

なぜか急いで行われた即応予備自衛官の招集

東日本大震災時、震災発生から5日後の3月16日に予備自衛官即応予備自衛官の招集が閣議決定されています。

平成23年3月16日(水)持ち回り閣議案件

一般案件

予備自衛官災害招集命令及び即応予備自衛官災害等招集命令に係る内閣総理大臣の承認について

防衛省

http://www.kantei.go.jp/jp/kakugi/2011/kakugi-2011031601.html

熊本地震では、1回目の地震のわずか3日後の4月17日には即応予備自衛官の招集を閣議決定しています。

平成28年4月17日(日)持ち回り閣議案件

一般案件

即応予備自衛官災害等招集命令に係る内閣総理大臣の承認について(決定)

防衛省

http://www.kantei.go.jp/jp/kakugi/2016/Kakugi-2016041701.html

即応予備自衛官の招集は東日本大震災以来で、災害等招集がされたのは東日本大震災熊本地震の2回だけです。

首相を本部長とする緊急災害対策本部の設置を行わず、河野防災担当大臣を本部長とする非常災害対策本部での震災対応を継続し、激甚災害指定も東日本大震災を除く他の災害と同レベルの対応に終始していた安倍政権ですが、即応予備自衛官の招集だけは前のめりに行っているわけです。

熊本地震に投入した自衛隊の規模は東日本大震災時の4分の1から3分の1程度ですから、即応予備自衛官の招集自体必要だったのかどうかも不明です。この辺の対応を見ていると安倍政権震災対応は色々とちぐはぐに思えますね。


結局、大震災なのかそうじゃないのか、はっきりしない

官房長官震災に当たるか「判断する余裕ない」

4月27日 15時46分

官房長官衆議院内閣委員会で、今回の熊本地震が、安倍総理大臣が来年4月の消費税率の引き上げを見送る場合の判断材料として例示している「大震災」に当たるかどうかについて、「復旧、捜索に全力で取り組んでおり、判断する余裕はない」と述べ、言及を避けました。

この中で菅官房長官は、熊本地震を受けて、来年4月の消費税率の引き上げに関する政府方針に変わりがないか質問されたのに対し、「安倍総理大臣が答弁しているが、リーマンショックや大震災のような重大な事態が発生しないかぎり、予定どおり実施する方針は変わりない」と述べました。

一方で菅官房長官は、熊本地震が「大震災」に当たるかどうか質問されたのに対し、「今まさに復旧、救助、捜索に全力で取り組んでいるので、『当たる』『当たらない』という判断をする余裕は全くない」と述べ、言及を避けました。

官房長官は今月20日の記者会見で、同様の質問をされた際に「経済の好循環を力強く回していくということに全力で取り組んでいるわけで、そうした状況ではないと判断している」と述べ、「大震災」には当たらないという認識を示していました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160427/k10010500501000.html

緊急事態条項という改憲文脈即応予備自衛官招集の文脈では大震災扱いし、激甚災害指定や消費増税に関わる文脈では大震災ではない、判断する余裕がないといった扱いをしているわけです。

結局、安倍政権熊本地震を政治利用することしか考えていないのでしょうね。

2016-04-30

台湾の「沖ノ鳥島は岩」という主張は2009年からあったはずですが。

この件。

2016.4.26 20:09

台湾沖ノ鳥島は岩」 漁船拿捕問題 中韓と同様の主張に転換か

 【台北=田中靖人】海上保安庁沖ノ鳥島周辺の排他的経済水域(EEZ)で違法操業していた台湾漁船1隻を拿捕(だほ)した問題で、台湾馬英九政権が、沖ノ鳥島国連海洋法条約でEEZを設定できる「島」ではなく、設定できない「岩」だと主張し始めた。台湾は従来、日本への配慮から沖ノ鳥島を「島」か「岩」かは「定義しない」としてきたが、「岩」だとする中国韓国と同様の立場に転換したとみられる。

 台湾外交部(外務省に相当)は、逮捕された船長や漁船返還を求める25日の抗議声明で、沖ノ鳥島を「沖ノ鳥」と表記し、同島の地位が「国連大陸棚限界委員会の審査で完全に確定していない」との理由で、漁業権などの「尊重」を求めるにとどめた。

 漁業署(水産庁)は2012年と14年、同島周辺200カイリ内での操業を避けるよう漁協などに通知している。

 だが、馬総統は25日夕に招集した「国家安全会議」で、岩を意味する「沖ノ鳥礁」と呼び、「卓球台2台の広さで島の定義に適合するかは極めて大きな論争がある」と主張。出席した張善政行政院長(首相)は26日、記者団に「絶対に岩で、島ではない。経済水域はない」と断言した。

 ただ、外交部の報道官は同日、「従来の立場に変化はない」と述べるなど、政権内部で方針が統一されていない可能性もある。

http://www.sankei.com/world/news/160426/wor1604260047-n1.html

台湾は周辺の領土問題に対しては対話での解決を主張していますが、だからと言って別に日本に譲歩しているとかいうわけではありません。

尖閣諸島(釣魚台列島)に関しては、国民党民進党も「釣魚台は台湾のもの」という認識を明確にしていますし*1フィリピンとも領土問題を抱えており、2013年にはフィリピン沿岸警備隊により台湾側漁民が射殺される事件も起きています(日本ではほとんど報じられていませんけどね)*2

陳水扁時代(2006年)

本部單位主管新聞說明會紀要---日本事務會

日期:2006/04/25 資料來源:公眾外交協調會

二、日本主張沖之鳥島是日本領土,你們的看法?(日本共同通信社台北支局森保裕先生)

答:我方一貫主張沖之鳥島以及其周邊海域屬於爭議地帶,日方不應該驅趕或逮捕在此海域作業台灣船隻;我方將持續與日方積極協商,在雙方可以接受的方案達成前,日方不能驅趕、逮捕台灣船隻。

http://www.mofa.gov.tw/News_Content_M_2.aspx?n=70BCE89F4594745D&sms=700DE7A3F880BAE6&s=81A9381D11573C0C

陳水扁民進党政権時代の2006年ですが沖ノ鳥島は係争海域であると主張し、この海域での日本の警察権行使を認めない旨の発言をしています。

馬英九時代(2009年・2010年)

このときは、明確に沖ノ鳥島は島ではなく岩礁であると主張したようです。

外交部:沖之鳥島不符經濟海域劃分基準

http://news.sina.com 2009年11月08日 04:54 中央社即時

  (中央社記者施馨堯台北8日電)日本媒體報導,日本政府將在「沖之鳥島」建造港灣設施,主張領土主權。外交部亞東關係協會秘書長陳調和今天說,沖之鳥島只是礁石,不能作為劃分200浬經濟海域基準。

 「產經新聞」7日報導,日本政府將在位於東京都南方約1700公里處的無人島「沖之鳥島」建造港灣設施,以強調擁有領土主權,確保資源開發和漁業等經濟利益。

  陳調和說,如果主張「沖之鳥島」是島嶼,必須向聯合國提出相關資料,聯合國會知會周邊國家;目前包括台灣、中國大陸與韓國,都認為「沖之鳥島」不能稱為島嶼,而是一座礁石。依「聯合國海洋法公約規定,礁石不能作為劃分200浬經濟海域的基準。

  陳調和說,這是日本宣示主權的動作,中華民國政府認為會影響相關國家利益,也關注到日本有此舉動。

  中國大陸已於今年8月向聯合國大陸棚界限委員要求認定日本主張的沖之鳥島,只是「人無法居住且無法維持經濟生活的岩石」,不能設定專屬經濟水域。981108

http://dailynews.sina.com/bg/tw/twpolitics/cna/20091108/0454850549.html

2010年には、「沖之鳥島」ではなく「沖之鳥」表記を使っています。

本部單位主管例行新聞說明會紀要--國合會、NGO委員

日期:2010/05/27 資料來源:公眾外交協調會

四、 日本南端沖之鳥島的地位問題仍有爭議,日本國會已於26日立法確認「沖之鳥」是日本領土的島嶼外交部對此立場為何?(央廣王照坤先生)

答:有關「沖之鳥」是島嶼或礁石,各方認定仍存在爭議。我國希望爭議各方均能以和平理性的方式協商,妥善解決問題,勿使爭議擴大。外交部會全力維護我國漁業及漁民權益。

五、 我國與日本是否已就沖之鳥島的問題展開協商?(蘋果日報陳郁仁先生)

答:我國與日本的協商一直持續進行。去年是台日特別夥伴關係促進年,我國已與日本恢復漁業會談,今年台日間更簽訂了全面性的綜合備忘錄。

http://www.mofa.gov.tw/News_Content_M_2.aspx?n=70BCE89F4594745D&sms=700DE7A3F880BAE6&s=05CBD30B4D3E27E7

いつものことですが、産経新聞はこういった経緯を踏まえているとは言えない記事を書いていますね。

2016-04-29

報道の自由度の妥当性を第三者が判定する簡単な方法

2002年以降の日本の順位です。

表年 順位
2002 26
2003 44
2004 42
2005 37
2006 51
2007 37
2008 29
2009 17
2010-11 11
2012 22
2013 53
2014 59
2015 61
2016 72

評価方法については以下の記事で国境なき記者団のサイトを参照して説明されています。

世界ランク下がり続ける日本の「報道の自由」 評価方法を知っていますか?(自由は測れるものなのか。 )(posted on 2016/04/22 06:31)(Eimi Yamamitsu 山光瑛美 BuzzFeed News Reporter, Japan)

日本の評価が低い場合だけ評価基準を疑う人たち

「どういう基準、判断か全く承知していないが、わが国で表現の自由報道の自由は極めて確保されている」を述べた菅官房長官を筆頭にそういう人たちがいますね、たくさん。

国境なき記者団のサイトによると、ランキングを作るために、180カ国のメディア専門家弁護士社会学者にアンケートが配られている。

アンケートは87の質問から構成されている。

http://www.buzzfeed.com/eimiyamamitsu/houdou-no-jiyuu#.pc6jykq5E

説明されていますが、これに対してこう因縁をつける人たちがいます。

国民の知る権利的には、いったいアンケートが配られている「メディア専門家弁護士社会学者」とは誰なのか? 意外に要点は無い。党派性がかなり反映されているのであれば根深い問題となる。

hagakuressのコメント

2016/04/22 16:19

http://b.hatena.ne.jp/entry/285750369/comment/hagakuress

誰に、何人にアンケートを取っているのか、明確にしないとこの評価自体意味がないとしか言えないんじゃないの。あと、これのランクが高いからなんなのか、という価値も明確じゃない。まずは中国に意見してからね。

yuatastのコメント

2016/04/22 10:22

http://b.hatena.ne.jp/entry/285750369/comment/yuatast

報道の自由度については、例えば中国ロシア評価されており、中国は176位、ロシアは148位です。そういう国が「アンケートが配られている「メディア専門家弁護士社会学者」とは誰なのか?」「誰に、何人にアンケートを取っているのか、明確にしないとこの評価自体意味がない」とか言えば、国境なき記者団は答えるべきでしょうか。

中国政府ロシア政府以外の誰に聞いても、答えは否でしょうね。

理由は言うまでも無く、誰がアンケートに答えているか明白になれば、様々な圧力がかけられること、下手すれば逮捕・殺害すら懸念されるからですね。

日本では露骨な逮捕・殺害は起きにくいかも知れませんが、政府が直接ではなく政府に媚を売る自称ジャーナリスト右翼団体が圧力や脅迫をかけることは普通に起きてますよね。

評価対象である報道の自由というものの性質上、公表できない情報だってあるのは当然です。


妥当性を第三者が判定する簡単な方法

では、妥当性を判定する方法は無いのかと言うと、第三者が簡単に判定できる方法があります。

それは、自国ではなく、他国の評価が妥当かどうかを判定する方法です。

これは自国に対する評価の妥当性を直接的に判断することはできませんが、他国に対する評価が概ね妥当と判断できるならば、自国に対する評価も妥当であろうと考えることができるわけです。

もちろん、他国に対する評価が妥当であっても自国に対する評価だけは妥当でないと考えることも出来なくはありませんが、まあ、それは世界中が俺を陥れようとしているという妄想とあまり区別できませんね。

国名順位スコア
ベルギー1314.18
ドイツ1614.80
オーストラリア2517.84
イギリス3821.70
アメリカ4122.49
フランス4523.83
台湾5124.37
香港6928.50
韓国7028.58
日本7228.67
イスラエル10132.58
ブラジル10432.62
ウクライナ10732.79
インドネシア13041.72
パレスティナ13242.93
インド13343.17
タイ13644.53
フィリピン13844.66
ビルマ14345.48
ロシア14849.03
トルコ15150.76
シンガポール15452.96
サウジアラビア16557.89
キューバ17170.23
ベトナム17574.27
中国17680.96
北朝鮮17983.76

上表はイメージできそうな国をピックアップしたものです。

まあ強いて言えば、アジア中東、共産圏について低い評価がされている傾向*1が見受けられますが、それを踏まえても個人的には概ね妥当に思えます。

皆さんは違いますかね。

ちなみに個人的には順位よりスコアで見たほうが良いように思ってます。

スコア(カテゴリ)国名
<=15ベルギードイツ
15< <=20オーストラリア
20< <=25イギリスアメリカフランス台湾
25< <=30香港韓国、日本
30< <=35イスラエルブラジルウクライナ
35< <=40---
40< <=45インドネシアパレスティナインド、タイ、フィリピン
45< <=50ビルマロシア
50< <=55トルコシンガポール
55< <=60サウジアラビア
60< <=65---
65< <=70---
70< <=75キューバベトナム
75< <=80---
80< <=85中国北朝鮮

*1アフリカはピックアップしてないだけで同様に低い評価が目立ちます