中国の通貨スワップ外交(続き)(追記2012/2/23)

以前「中国の通貨スワップ外交」というエントリーを上げました。
それ以降も中国は着々と通貨スワップ協定の締結・拡充を進めています。

2012年1月18日(対UAE締結)

中国とUAE、通貨スワップ協定締結
2012年 01月 18日 01:05 JST
 [北京 17日 ロイター] 中国とアラブ首長国連邦(UAE)は17日、350億元(55億4000万ドル)相当の通貨スワップ協定を締結した。中国人民銀行がウェブサイト上(www.pbc.gov.cn)で明らかにした。
 期間は3年間で、UAEの通貨では200億ディルハム相当。双方の貿易および投資の拡大が目的とした。
 温家宝首相は、同国首相として20年ぶりに中東を歴訪している。
 中国の通関統計によると、2011年1─11月期の対UAE貿易は320億ドルと、前年同期比で約4割拡大。中国からUAEへの輸出は243億ドルとなっている。

http://jp.reuters.com/article/forexNews/idJPJT806045220120117

アラブ首長国連邦との通貨スワップ協定締結です。インドと日本が通貨スワップ協定を締結して、”中国包囲網だ!(ニコ)”的な子どもじみた反応をしていた連中はどのように反応するのでしょうかね?
もっとも、中国とUAE間の300億ドル規模の貿易額に比べれば、55.4億ドル相当の通貨スワップ協定は小規模と言えるかもしれませんが。

2012年2月8日(対マレーシア拡充)

中国、マレーシアとの通貨スワップ協定の規模拡大
2012年 02月 8日 19:08 JST
[北京 8日 ロイター] 中国人民銀行中央銀行)は8日、マレーシア中央銀行との通貨スワップ協定の規模を800億元から1800億元(285億5000万ドル)に拡大することで合意したと発表した。
中国は、貿易・投資で人民元の利用を促進する取り組みの一環として海外諸国と一連の二国間通貨協定を結んでいる。

http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTYE81K2SL20120208

こちらはマレーシアとの通貨スワップ協定を従来の800億元から1800億元への拡大。2011年10月の日韓通貨スワップ協定の拡大で、ネトウヨがバカ騒ぎし、片山さつきが便乗して政権誹謗に利用している日本に比べて、中国は着々と人民元の国際化に向けて進めています。ここには中国の狙いが明確に書かれています。

中国は、貿易・投資で人民元の利用を促進する取り組みの一環として海外諸国と一連の二国間通貨協定を結んでいる。

実際、中国の通貨スワップ協定は米ドルを介さない現地通貨同士の協定です。これに対して日本は日韓通貨スワップ協定の一部が日本円/ウォン建ですが、基本的に米ドルを介する協定です。この意味で、日本の通貨スワップ協定は、中国に比べて戦略性に欠けているとも言えます。

*1

2012年2月21日(対トルコ締結)

中国とトルコ、通貨スワップ協定に署名−期間3年、1300億円規模
 2月22日(ブルームバーグ):中国人民銀行中央銀行)とトルコ中央銀行は、期間3年間で100億元(約1300億円)規模の通貨スワップ協定に署名した。
  トルコ中銀が21日、電子メールで配布した資料で明らかにした。期間は延長される可能性があるという。
  今回の合意は、習近平・中国国家副主席のトルコ訪問中に発表された。習副主席は21日、トルコのギュル大統領と会談した。

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-LZRZBD1A74E901.html

もう立て続けですね。

*1:2012/2/14 誤記訂正