ただし非自民政権を倒閣に追い込むための情報漏洩は除く、的な。

この話。

<秘密保護法案>森担当相「処罰対象は西山事件に匹敵」
毎日新聞 10月22日(火)23時20分配信
 特定秘密保護法案の国会審議を担当する森雅子少子化担当相は22日の記者会見で、沖縄返還に伴う密約を報じて記者が逮捕された西山事件は同法の処罰対象になるとの認識を示した。これに対し、密約を報じた元毎日新聞記者、西山太吉氏は「森担当相の発言は全体的な捉え方をしておらず、的外れだ」と指摘した。
 法案は機密を漏らした公務員らへの罰則強化を盛り込んでおり、森担当相は、罰則を科す取材活動に関し「西山事件に匹敵するような行為と考える」と述べた。
 ◇西山氏「違法な秘密を『秘密』にするのか」
 これに対し、西山氏は「沖縄密約は憲法違反の重大な政治犯罪。政府高官が保護されるべきではない違憲、違法な秘密を『秘密』としたことは法治国家を根底から覆すことだ。政府に都合の悪いものを全部隠せる法律を認めてはならない」と話した。【内田久光】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131022-00000121-mai-pol

沖縄密約問題は日本政府が米国に支払う3億ドル以上の負担を国民に隠した事件(参照)で、ある意味、日韓基本条約時の独立祝賀金を上回る金額を極秘裏に米国様に上納したという日本政府による日本国民に対する背信事件だと言えます。
このような情報が秘密扱いされること自体が不当なわけですが、現安倍政権はそのような政府の背信行為のような不当な国家機密を暴くことすら違法として処罰する方針のようです。しかしながら、おそらく元海保の右翼・一色氏が犯した菅政権倒閣目的の政治的な情報漏洩事件に関しては不問に付すのでしょうね*1。右翼による情報漏洩、自民党のための情報漏洩はキレイな情報漏洩だということでしょう。
まあ、どうせ当面、おそらく今後10年以上は自民党政権が続くでしょうから、国家機密=自民党の党益を損なう秘密、という状況になることは確定でしょうし、そのような党国一致の情報統制国家で(日本の隣国にもそのような国家がありますが)、政権交代が起こるようなことも考えにくいでしょうね。
中国に民主化を求める一方で、日本は自ら非民主化していこうとしているわけですから、なんという皮肉な状況かと慨嘆せざるを得ません。

*1:もっとも、一色氏が漏洩させた映像は菅政権の当時の説明と何ら異なる点はなかったわけですが、右翼的空気が日本全体を狂わせたという効果はあったと言えるでしょう。