都知事選雑感2

当落については中盤の情勢あたりで予想できた結果でしたね。

自民色・タカ派色を消した女性候補自民党と対立しているかのように偽装したことで無党派層や野党支持層の票を奪われたことが主たる敗因でしょうが、それらの票を取れなかったのは鳥越氏の準備不足と鳥越氏に対するネガキャンが原因ですね。ちなみに準備不足と言っても政策や公約の話ではなく、野党間の政策調整の話です。都知事選自体が突然の辞任で生じた以上、政策や公約に準備期間が無かったのはどの候補も一緒です(鳥越氏の出馬表明と小池氏の出馬表明は2週間弱の差しかありません)。

もちろん宇都宮氏が立候補を取りやめなかったら勝てたかというと、まあ野党が分裂する分、善戦はしたかもしれませんが勝てはしなかったでしょうね。宇都宮氏に統一できていたとしても、準備不足やネガキャン被害は避けられたかも知れませんが、反共産傾向の野党支持層の離反はあったでしょうし小池氏に対して知名度でも劣るので難しかったでしょうし、そもそも民進党が宇都宮氏を野党統一候補としては認めなかったでしょうしね。

結局、可能性としてありえたのは宇都宮氏と鳥越氏の双方が出馬する野党分裂の選挙か今回のような鳥越氏に一本化する野党統一選挙しかなかったでしょうから、前回都知事選で脱原発候補の分裂で敗退していることを踏まえれば、今回野党統一候補で戦ったこと自体は間違いではなかったと思います。

今回の敗北で野党共闘に対する切り崩しと野党内部の不満分子の蠢動が予想されますが、共闘の枠組みを維持できるかどうかが鍵ですね。

とは言え、敗戦時の求心力の維持というのは極めて困難で支持層内でも分裂を主張する動きが強くなりますから、あまり期待はしていません。

私自身、民進党内の右派勢力には出て行って欲しいくらいの思いはありますが、彼等が出て行って自民の補完に加われば戦力差がさらに開くだけで有害無益ですから、自民に利さないためにも右派勢力野党共闘側に引き止めておく必要はあると思ってます。でも、政治家当人にとっても支持者にとっても、なかなかそう割り切れるものでもありませんから、合従が崩壊し、連衡で滅ぼされることになるでしょうね。

しかしまあ、思い通りにいかないから投げ出すというのは無責任ですので、なるべく合従が維持されるように訴えたいと思います。