自分の足で歩く

夕方まではずっと新宿展用の値つけと、ちょっぴり原稿書き。5時少し前にお出かけする。神保町へ。書肆アクセスへ行く。畠中さんと、西川さんが店番。最近は見た目、しゃべり方共にかわいらしい西川さん目当ての客も多いという。畠中さんの「私が店番してるとガッカリする人がいるのー」発言が。そんなことないって。


右文書院の青柳さんが来て「伯剌西爾」へ移動。単行本の前半エッセイ部分のゲラ戻し。いろいろ話して別れる。堀切直人さんの右文書院からの最新刊『浅草 戦後篇』をいただく。四部作、ついに完結。唐十郎さんとの対談も収録。来週頭には並び始めるか。その後、東京堂三省堂をウロウロ。三省堂に行列が。なんだろうと見てみると大鶴義丹のサイン会。並んでいる人はともかく、パンダでも見るようにボーッと立って遠くから見ている人達の視線が恥ずかしそうだ。先日は、あのマンガ「暴れん坊本屋さん」の著者である久世番子さんのサイン会が開かれたという。畠中さんは偶然その場を見たらしく、「全然自画像似てないわよー、小さくて可愛い子なの。あの絵だったらむしろ私の方が似てるわー」との衝撃発言が。

浅草 戦後篇

浅草 戦後篇

暴れん坊本屋さん (1) (ウンポコ・エッセイ・コミックス)

暴れん坊本屋さん (1) (ウンポコ・エッセイ・コミックス)


7時少し前に東京堂ふくろう店向かいの〈五大陸〉へ。今日は倉敷の古本屋「蟲文庫」さんを囲む会。行くと、岡崎武志さんがポツンと一人。いろいろ話していると、浅生ハルミンさんが来て、海月書林の市川さんが来る(帽子がかわいい)。で、いよいよ蟲文庫さんが来て乾杯。畠中さんは店が終わってから合流だ。蟲さんと、海月さん、ハルミンさんは初対面なのだが、猫やら古本やらをキーワードにすぐ打ち解けて笑い話になる。蟲文庫さんは店をはじめて十二年になるという。若者が次から次へと「古本屋になりたい」という現在と違い、その頃は、本は売れていたかもしれないが、若者が古本屋になりたいという事は少なかっただろう。聞いたら蟲さん、同い年じゃないですか(学年はひとつ上になる)。「わたし、お店番大好きなんです。嫌と思ったこと一回もないです」。早稲田の店主に聞かせてやりたい。お菓子のお土産いただいたり、岡崎さんが新風舎取材でもらってきた和田誠グッズを見たりしてワイワイと飲む。あっという間に9時になりお時間。


目の前の〈和民〉へ移動。こちらも予約済みなのだ。忘年会シーズンで、時間制限がどこにもあり、2軒またぎになったのだ。この間の徹夜カラオケになった時と同じ席だ。ていうかこの店に来たここ3回はずーっとこの席だ。指定席? ここでも2時間楽しく話す。「明日五反田だー」「本当だー」という発言も。目を輝かせながら五反田の南部古書会館に思いを馳せる女性たち。ステキだ。


蟲文庫さんは、古本屋という仕事が日々の暮らしと一体化していて、たくさんの人が憧れるのもよくわかるなぁ。話を聞いていて「行きたいなぁ」と思う、やっぱり。ハルミンさんも仕事がどんどん増えているし、海月ちゃんは来年、先日イベントを開催していた荻窪の〈ひなぎく〉内に常設棚を作る。みんなの来年の飛躍が楽しみになったところでお開き。東西線で途中まで蟲文庫さんと帰ってくる。


楽しかった、というかいろいろ勉強になりました。みんな、模索しながら次の展開を考えているんだ。今日来た人たちはみんな浮ついた所が全く無い。みんな、気の向くままに自分の足だけで歩いている。それは当たり前に思えてとても難しく、大変な道なのだが。また、明日から地道に行こう。地道に仕事したいけど明日も飲み会だったよ・・・。


最後に。先日の日景忠男逮捕を見て向井を思い出したとメールをくれた旧友が3人。なぜ、俺を思い出すんだ! まぁ、ああいう面白い人好きだけど(あちらじゃないですよ、ノンケっすよ)。昔、2丁目にあったビルの2階の喫茶店に行ったことある。で、日景さんがいて話した。気さくな人だった。まだ自分も二十歳くらいだったかしら。


お知らせ
スムース文庫最新刊 生田誠山田俊幸著『明治美術絵葉書』入荷しました。500円。