BIGBOX最終日

いよいよ最後の日。朝、ビニールシートを取り除き、いつもならキチンとするところ、やや無造作に畳む。これは廃棄になるからだ。朝、備品の仕分け。他の催事で使えるもの、捨てるもの。地下の備品置き場も整理する。その後、事務室へ行き、今月の売り上げ振込みについてのお願い。いろいろルールがあって、通常だと今月の開催は来月振込みになってしまう状況なのだが、それを今月末にしてもらうお願いである。


昼は新井書店さんと9階の〈ニューヨーク〉でバイキングを食べることに。1200円で食べ放題&ソフトドリンク飲み放題。前は1400円だったと思う。それなりの味だしうれしい(中にはかなりおいしいものもあるのだ)。山手線や西武線が下を走っていくのをながめながら・・・食べ過ぎたよ・・・。社員割引にしていただいた。ひゃっほー。今月末まで毎日バイキング営業。


2時から3時間休みで自宅。寝る。5時、最後の帳場。それなりに忙しく。6時、帳場を出る。もうレジ打ちできません。この会場のまわりには面白い人がたくさんいて、レジからの眺めはとても楽しかった。


7時、いよいよ終了。次々と運び出し。最後の原町文庫さんの荷物を車につんで解散。交番と駅に挨拶して終了。まぁ、なんというか、それほど感慨もないんですよね。長くやってきたからこそ、なにか変わったことをするでなく、ものすごく当たり前になにも無く終わったことが、それがなんだかうれしかったけど。ターミナル駅だし、大学関係者もくるしで、硬軟関係なくなんでも売れる場所だった。この場所が自分の感覚、つまり自分で「いい本」というのを強烈に定義しない、評価はお客さんの側にしてもらうもの、という感覚がつくられたのは間違いない。世の中には、いろんな人がいて、いろんな価値観があって、そういうものを間近で見ることができて良かった。ベストセラーのようなものしか読まない人にだって、その人にはその人なりの本への愛、というほどじゃないけど個人的な「関係」があるものなのだ。そういう会話を、何百回とこの場所でしてきたのだ。


BIGBOXは今月末まで営業。6月から全館休業して改装に入る。10月中旬にはリニューアルオープンとか。2階にある三省堂は閉店だそうだ。改装して、BIGBOXはまだ数十年この場所に残る(もしかして、色変わるのか?)。どんな景色が、秋に現れるのだろうか。帰り、通りの向こうからBIGBOXをながめた。すっぽりと幕で覆われた建物は、ウルトラマンに出てきた「ダダ」の顔に似ていた。


魚雷さん、増刷おめでとうございます。あぁ、うれしいなぁ。「古本の本には飽き飽き」という方、ちょっと待った。魚雷さんは「古本」だけじゃないんですってば。まずは立ち読みでもいいから、ちょっと読んでくださいな。

古本暮らし

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