グッド・バイ
- 作者: 太宰治
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/09
- メディア: 文庫
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戦後から心中するまでの3年間に書かれた短編集。
最後の「グッド・バイ」なんかは未完で終わっている。「人間失格」を書き終えた後に書いたのに、なぜか明るいのに驚いた。もしかしたら「人間失格」の後は明るい路線で行こうとしてたんじゃないかと思わせる。内容も面白くて、本当に未完なのが残念。
他の作品も戦中から戦後の絶望期が書かれていて、生々しい生活や考えが素直に出ている感じが良かった。特に2つの戯曲は新鮮で、よくこんな場面を書き出せるものだと感動する。
懲りもせずに太宰小説を持って行ってしまったタイのゲストハウスでかなり真剣に読んでしまったけれど、以前に「人間失格」をゲストハウスで読んだときのように閉ざされた気持ちになったときとは違って、なぜか明るい爽快感を味わった。