司法修習生給費制維持に向けて★最終章★
この記事は,
司法修習生給費制維持に向けて★1★
司法修習生給費制維持に向けて★2★
司法修習生給費制維持に向けて★3★
司法修習生給費制維持に向けて★4★
の続きです。
8月に入り,最高裁のwebサイトに,貸与制に関する記事がアップされました。
http://www.courts.go.jp/saikosai/sihokensyujo/taiyo.html
ここに,驚くようなことが書かれています。
・貸与を受けたい修習生は,連帯保証人として,
150万円以上の収入or300万円以上の資産を有する保証人を2名立てるか,
指定金融機関に保証料2.1%を払って委託しなければなりません。
この資力要件は2人それぞれに充たされる必要がありますので,
「しょうがない,父と母に頼もう」という手段が取りにくいです。
司法試験の合格者の平均年齢は28歳を上回っていますが,
その親世代で両親それぞれが150万円以上の収入を得ている家庭がどのくらいあるでしょうか。
・さらに厳しいことには,「期限の利益喪失」規定です。
たとえば,病気や出産で司法修習生を罷免された場合で,
司法修習生への再採用を希望しない場合には, 期限の利益は当然に喪失します。
本人の傷病の場合は返還の猶予や免除制度はあるそうですが,
再採用を希望できないほど重篤な傷病のときに
返還猶予・免除の手続きをするのは困難ではないでしょうか。
・ 機関保証として最高裁が指定する金融機関は,
(株)オリエントコーポレーションです。
http://www.courts.go.jp/saikosai/sihokensyujo/pdf/syorui_set/1-3.pdf
多重債務者の法律家を多数生み出す一方で,
このように,利益を得る会社があります。
仮に司法修習生が2000人とし,約5割が機関保証利用とすると,
基本的な貸与額は月額23万円(13か月で299万円)ですから,
貸与金額の総額は,
299万(円)×(2000(人)×0.5)=29億9000万(円)
となります。
この2.1%が保証料ですから,
29億9000万(円)×0.021=6279万(円)
がオリコに入っていくということになります。
機関保証利用者の数を少なく見積もってもこの金額です。
さらにさらに,最高裁webサイトには,
「金融機関の審査の結果,…保証の承諾が得られない場合には,
司法研修所からその旨をお知らせしますので,
自然人の保証人を立ててください。」
と書かれています。
自然人の保証人を立てられないからこそ
機関保証を利用せざるをえないのに,です。
ちなみに,審査基準は公表されていません。
オリコの審査が通らなければ,貸与さえ受けられないことになります。
この現実を,皆様どのように思われますか。
最後にもう一度。
給費制維持の署名にぜひ,ご協力をお願いします。
http://www.nichibenren.or.jp/ja/special_theme/data/kyufu_syomei.pdf