Gatsbyの舞台

 演習でThe Great Gatsbyの出だしを原文で、残りを翻訳で読んで、小説について話してみようと思っている。
 がその舞台が少々分かりずらい。ニューヨークのLong Island にあるEast EggとWest Eggが小説上のロケーション。
 イースト・エッグには語り手ニック・キャラウェイの月額80ドルの借家とギャッツビーの豪邸があり、ウェスト・エッグにデイジーとトム・ブキャナン夫妻が住む。
 ロング・アイランドの西側はニューヨーク市に属するクィーンズ区とブルックリン区がある。その東部分、Long Island Sound(入り江)に面しているNorth Shoreが2 Eggsのモデルのようだ。マンハッタンから20マイルのこの地域はGold Coastと呼ばれた高級別荘地だった。この卵にはマザー・グースハンプティ・ダンプティのイメージも込められているらしい。
 ギャッツビーが毎晩ウエスト・エッグでパーティを開くのも、いつか対岸に住むデイジーが現れるかも知れないという期待のせいだし、ニックが夜にギャッツビーがデイジーのいるイースト・エッグの方に、渇望するように手を伸ばしているのを見る場面も印象的だ。しかもギャッツビーの憧れのデイジーが美しいけれど、我儘な女性にしか過ぎないというのも、「アメリカの夢」をアイロニカルに提示している。
画像はBSで放映されDVD化されているミラ・ソルヴィー版のギャツビー。