ミュージカルについて

朝起きたら外は真っ白。今年初めて雪かきをしました。そしてこのブログをアップしたら、朝風呂〜朝酒に。
 という訳でまた「アメリカ文化論」の講義の準備の一環です。というのは今までの「アメリカの都市と郊外」というコンセプトでは、研究的にはよくても学生には理解し難い≒面白くないとなる訳で、幾つか補強するサブ・テーマを検討中なのです。思いついたのが、アメリカ建国期の物語を有色人種の俳優で「語り直した」『ハミルトン』がヒットしているようなので、「ミュージカル」で1回分やってみようかと。映画化も多いし、ミュージカル以外のストレート・プレイとパフォーマンス(『ブルーマン・テューブ』のような)にも少しふれて。
そういえば『キンキー・ブーツ』という靴屋工場の父と息子、そして多様な性的志向を持つ人々の差別と共感を描いた作品も日本版が上演されるそうな。
日本でも有名になったトニー賞のミュージカル部門(Tony Award for Best Musical)は最初の受賞作品は1949年の『キス・ミー・ケイト』(Kiss Me, Kate)で、音楽はコール・ポーター、そしてシェイクスピアの『じゃじゃ馬ならしが下敷きになっているので、いきなり英文学が原作かと思いましたね。でもシェイクスピアの翻案は『ウエスト・サイド物語』だけで、文学作品を原作とするものは、『レ・ミゼラブル』(1987年)、『オペラ座の怪人』(1988年)、『ザ・ウィズ』(1975年)、『アニー』(1977年)、(『蜘蛛女のキス』(1993年)です。
 あと映画のミュージカル化もけっこうありますが、ブロードウエーのヒット・ミュージカルを映画化した例の方がずっと多いです。
 『ハミルトン』と並ぶ建国期ものは『1776』(1969年)で、独立宣言を書こうとしている時期のジョン・アダムズ(後の第2代大統領)が主人公。もちろん日本では独立宣言の執筆の中心人物とされている後の第3代大統領トーマス・ジェファーソン、建国期の偉人ベンジャミン・フランクリン、そして「署名」を意味する言葉にもなったジョン・ハンコックなども登場します。アメリカ人は「アメリカの物語」を求め続け、作家も語り続けているんですね。