2007-10-29
■[健康]労働安全衛生活動とは(基礎編)
全教・生活権利局編
労働安全衛生活動とは教職員にとって、「安全と健康」は、働いていくための基盤として何より大切なことです。そしてまたそれは、子どもと教育にとっても重要なことです。しかし長年にわたって教職員の過労死ラインを超える長時間過密労働が野放しにされてきたことにより、教職員の精神疾患は10年間で3.3倍に増え、過労死も増えています。
今日、学校での教職員の安全と健康を守るための労働安全衛生活動(以下、労安活動)は、緊急で重要な課題となっています。
労働安全衛生法とは
労安法は、1972年に労働基準法から独立して制定された法律で、その第1条には「労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進すること」と、目的が謳われています。労安法は、労働者が安全に健康に、そして快適な職場生活を送るための法律です。そのため、労安法のほと
んどの条文に罰則がついており、違反には厳しい措置がとられる、「行政取締法」といえる法律です。
学校での「労安体制」は
教職員が知人以上の学校
労安法第18条1項では、知人以上の事業場(学校)には、「次の事項を調査審議させ、事業者に対し意見を述べさせるため、衛生委貞会を設けなければならない」と定められています。
調査審議事項は、
1 労働者の健康障害の防止、
2 労働者の健康の保持増進、
3 労働災害の原因及び再発防止対策、
4 その他、
となっています。
労安法18粂2項では、衛生委員会の構成を、
1 総括安全衛生管理者、
2 衛生管理者、
3 産業医、
4 衛生に関し経験を有する者、と定めています。そして、総括安全衛生管理者以外は、「委員の半数については、当該事業場に労働者の過半数で組織する労働組合があるときにおいてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときにおいては労働者の過半数を代表する者の推薦に基づき指名しなければならない」(第17条4項)としています。
また、衛生委貞会は毎月1回以上開催すること、議事録を作成し、3年間保存しなければならないことも、労働安全衛生規則(以下、労安規則)に定められています。
さらに運営については、「問題のある事項については、労使の納得の行くまで話し合い、労使の一致した意見に基づいて行動することが望ましい」(「労働事務次官通達」1972年9月18日)、活動時間については「衛生委員会の活動は労働時間内に行うことを原則とする」(「労働基準局長通達」
1972年9月18日)という通達を活用することが大切です。
教職員50人未満の学校
労安法第12条2項で、ほとんどの小・中学校が該当する教職員が50人未満の学校には、衛生推進者を選任・配置するとしています。そして、教育委員会はその氏名を学校の見やすい場所に掲示する等により、教職員に周知しなければなりません(労安規則第12粂4項)。
また、教育委員会は教職員からの安全または衛生に関する事項について、意見を聴くための機会を設けるようにしなければならないとしています(同第23条2項)。
このように、教職員が50人以下の学校でも、衛生推進者を中心に労安活動をおこなうことができるよう、条件が整備されています。
なお、区市町村によっては、区市町村段階で衛生委員会を設置し、労安活動をすすめています。
衛生委員会の積極的な活用を
このように、教職貝の安全と健康の確保、快適な職場環境づくりにかかわって、衛生委員会は重要な役割を果たしますし、活動のための条件が労安法等で整備されていますので、各職場で積極的に活用することが重要です。衛生管理者は、「保健体育若しくは保健の教科についての中学校教諭免許状若しくは高等学校教諭免許状又は養護教諭免許状を有する者」が資格を有すると定められ(衛生管理者規程第1粂)、衛生推進者は労働基準協会などが開催する資格取得講習会に参加することで資格を得ることができます。教職員が、積極的に衛生管理者や衛生推進者を引き受けるなど、労安活動を活性化させることが大切です。
また、東京都は2006年4月より、教職員が30人以上の都立学校に安全衛生委員会の設置をすすめています。さらに、埼玉の越谷市ではすべての小・中学校に衛生委員会を設置しています。教職員50人以下であっても、積極的に衛生委貞会を設置して、労安活動をすすめていくことが求められています。
安全・衛生委員会における調査審議事項
労安法第17条1項、第18条1項
1.労働者の危険及び健康陣書を防止するための基本となるべき対策に関すること。
1 安全衛生管理計画(方針、事業計画等)
2 安全衛生管理体制の整備
3 安全衛生基準(作業標準、VDT作業基準、分煙実施基準等)等
2.労働者の健康の保持増進を図るための基本となるべき対策に関すること。
1 作業環境管理(事業場の作業環境測定、執務環境の整備・改善等)
2 作業管理(作業施設・投債の整備・改善、作業方法の改善等)
3 健康管理(健鷹診噺、嘉後措置等)
4 健康教育
5 健康保持増進の措置
(健康測定、運動指導、メンタルヘルスケア、栄養指導、保健指導)
3.労働災害の原因及び再発防止対策で、安全・衛生に関すること。
1 公務災害の原因調査
2 再発防止対策
3 業務上の負傷又は疾病を未然に防ぐ諸施策
4.1、2及び3に掲げるもののほか、労働者の危険及び健康障害の防止並びに健康保持増進に関する重要事項
1 安全・衛生に関する規定の作成
2 安全・衛生教育の実施計画の作成に関すること。
3 新規に採用する機械、器具その他の設備又は原材料に係る危険及び健康障害の防止に関すること等、安衛則第21条及び同第22条に示されている事項
(クレスコ2007年11月号から)
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