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せいぶきょうそブログ

2008-02-22

seikyourou2008-02-22

[]その24「深刻な失業問題と植民地主義教育?」 06:19

 7月12日付のサンデーメイル紙で次のような記事が出た。ジンバブエの50%ともい

われる深刻な失業率は、一つには教育システムに原因があると主張する記事だ。長く

なるが紹介したい。

 

職業トレーニングセンターが失業問題を解決する

 独立以来、ジンバブエは学校でうまくいかなくなった若者を見下すことによって多

くの人的資源を無駄にしてきた。Oレベル*が5教科とれない人を大学や会社が価値の

ない人間だと見なしてきたことは犯罪であるともいえる。

 しかし、政府も大多数の人々も職業トレーニングの重要性がわかってくるにつれ、

こうしたことはすべて過去のものとなるだろう。このような職業トレーニングが現在

の高失業率に対する答えとなるかもしれない。

 最近、高等教育技術省のイグナチウス・チョンボ氏が示した統計によれば、毎年、

30万人の学校中途退学者が労働者市場に出るがそのうち職が得られるのは約3万人で

ある。45%が小学校教育から脱落、34%が小学校教育を終了する。14%がセカンダリ

ー(中学校)から脱落、そしてたった7%が少なくとも5つのOレベルを獲得する。

 ごく小数の中退者が職に就け、大多数90%は学術的にも技術的にも産業界(フォー

マル・インフォーマルともに)への準備を欠いたままだ。学術的な資格がない人々が

無視されていることは、つまり多くの人的資源が無視されていることだ。高等教育技

術省の事務官ミッチェルマンボ氏は、今日の状況に直面して、政府は「忘れられた

人々」から幅広い技術的素養をつくり出す方法として全国的な職業トレーニングセン

ターを紹介していくことを決定した、と語った。

 

 記事では、現在の学校制度が抱える問題点を次のように説明している。

 

「1980年に政府イギリスから受け継いだ現在の学校システムは、生徒に知識を与え

ることを優先している。その知識は試験に受かるためだけの知識で自己を頼れる(*s

elf-relience)ほどの知識ではない。」

「このシステムを続けることは、アフリカ人をずっと不利な立場に置いて自国への利

益のためにあらゆる資源を奪いたい白人達の植民地主義を繰り返すことにほかならな

い。求められる資格をもった小数のアフリカ人はより高い給料、よりよい労働条件の

ある魅力的な誘因のある都会へ働きに出る以外にない。このシステムは結果としてい

なかの家を忘れ都会で働くというバランスを欠いた発展を引き起こしている。」

政府は主人がいなければ役に立たない植民知的な奴隷をつくることを意図した植民

知的教育を永続させてきた。」

「外国による技術の独占は技術を持つ労働者の不足を長引かせ、外国技術の援助を受

けることによって起こる頭脳流出をも招く。」

 続けて記事の中でマンボ氏は、これからの教育システムはjob seekers(仕事を探

す人)ではなくjob creators(仕事をつくる人)を育てるべきだ、と主張している。

 

 

 失業問題の深刻さ、根の深さにあらためて溜息が出る。特に、45%が小学校教育か

ら脱落、14%がセカンダリー(中学校)から脱落という統計数字は驚きだ。確かに学

校へ行かず路上やバスターミナルでものを売る少年少女を見かけるし、綿花やコーヒ

ーなどのプランテーション(大農場)ではチャイルドレーバー(児童労働)が問題に

なっている。 

 教育を受けないと当然仕事はない。でも最近、教育を受けても仕事がない、という

。職業トレーニングセンターは一つの助けにはなるだろうけど、外国の安い工業製品

が大量に入ってきている社会にどこまで国内産業で太刀打ちできるかちょっと疑問で

ある。

 難しい経済問題はここでは深入りしない。教育システムに的をしぼろう。

 ジンバブエも日本に負けないくらいの厳しい学歴社会だ。家庭の経済的豊かさがて

きめんに学歴へ反映されるので、日本よりもはるかに厳しい社会環境だと思う。新聞

求人広告には、Oレベルが5つ以上とか、Aレベルが3つ以上など応募の条件がよく

ついている。

 Oレベルとはオーディナリィレベル(Ordinary Level)のこと。セカンダリースク

ール4年時(日本で言うと高校1年生)を終了した時点で受ける全国共通テスト。英

語、ショナ語、数学地理、理科、商業、宗教、家庭科、フランス語、など多くの教

科があり5つの教科を合格することが社会へ出るに当たって必要とされる。Aレベル

はアドバンスレベル(Advance Level)といい、高校卒業時(日本と同じ、順調にい

けば18歳)に行われる。これらの試験問題の作成、印刷、採点はイギリスのケンブリ

ッジ大学が責任をもってやっている。飛行機に乗って試験用紙がやり取りされるのだ

。もとのご主人にいまだにたよらざるを得ない現実がある。ショナ語など一部の教科

やOレベルは国内での採点が始まりつつあるらしい。

 小学校を卒業する時点でも全国共通テストがある。この記事でいう「小学校終了」

とはテストの合格者を意味するのかはっきりしないが、それにしても小学校終了者が

たったの34%とは!。ちなみに識字率は90%と言われている。

 市役所のある同僚は、小学校終了の証明がもらえなかったので、小学校6年生と7

年生をもう1度繰り返したんだそうだ。学年は同じでも年齢が違うということはよく

あることなのだ。学校間の陸上やサッカーの大会では、年齢によってイベントをわけ

るのが一般的だ。「小学校の大会」だけに限定すると高校生のような大きい小学生が

出てきてしまうのだ。

 教育委員会みたいな事務所に行ったとき、各学校のOレベルの成績がグラフになっ

ているのを見つけた。学校によってかなり違う。90%の生徒がOレベルをとれる学校

もあれば、だれもとれないという0%の学校もある。平均すると10%くらいだったよ

うな・・・。

 学校への批判は痛烈だ。植民地主義教育かどうかは疑問だが、知識偏重教育は日本

でも批判されていて、よく似た問題を抱えているといえるだろう。しかし就学率や進

学率をみれば、日本の方が教育を受ける機会に恵まれていることは確かだ。さらにジ

ンバブエではほんの一部の学校でしか行われていない、体育、音楽、美術といった教

科がある。ジンバブエでは指導者がいないし、試験科目でない教科は軽視されるのだ

。子供が活躍できる、評価されるいろいろな機会がジンバブエよりはるかに多い。こ

れだけでも日本の子供ってしあわせだぞぉ!と思うのだ。

 ついでにもう一つ日本が優れていると思うのは、教師の「質」である。もちろん日

本にだってしょうもない教師はいる。そういうレベルじゃない。いや、ジンバブエ

会の大人全体にいえることなのだが、・・・(う〜ん、ここでしばらく考え込むが適

当な表現ができない・・・何ていっていいのか、う〜ん)何かが違うのだ。具体的な

ことを話そう。

 学校で体育や音楽を教える隊員から聞いたところによると、

・体罰はあたりまえ。むちや棒をもつのはあたりまえ。特に小学校1、2年はひどい

らしい。体罰や労働、壁にむかって立て膝など無意味な行為等をパニッシュメント(

罰)として子供に課す。日常茶飯事という。

・教室で授業中、子供の前で食べ物を食べるのはあたりまえ。

・生徒をレイプ、という記事がよく新聞に載っている。

・教師自身が「私は学校で2番目にえらい」などと自分を権威づけようとする。

もちろんすべての教師がこうだ、とは言えない。でも日本ではあまりお目にかかれな

い教師像である。

 教員になるには、3年間のカレッジでの勉強が必要。学校次第で資格のない人を教

師として雇う場合があり、教員といっても十分な教育を受けているとは言いがたい。

 こうみてくると、じゃあ、日本の学校の方が優れているのね!と理解されたら、ち

ょっと待って、と言いたい。自分の子供を日本の学校とジンバブエの学校とどっちに

入れたいか、って問われたら、「ジンバブエ」って答える・・・かなぁ???この辺

の説明は別の機会に。

 

 7月24日マニカポスト紙にこんな投書が載っていた。

働かせて

コーヒー農園で児童が働かされていて問題だというラジオ放送があり、

一言いいたい。子供達が学校に行けるというなら「児童労働禁止」の動きは歓迎すべ

き事だ。しかし一方で、生活にかかる費用はもらっている給料ではとてもまかなえな

い現実があるのだ。もし子供達の労働が禁止されたら、絶望的な生活がまっている。

そして子供達は授業料がはらえず学校を追い出されるのだ。

 

 どう考えたらいいのだろうか???