休日 Parc régional du Poisson Blanc canoe&kayak-camping 二日目

朝6時半ごろにようやく起きる。いい天気だ。夜明け前の湖が美しい。

朝飯前の運動にと、SUPに乗って泊まっているサイトNo.20のある島を一周する。湖面には靄がかかって美しい。島の裏側(北側)で湖面を泳ぐビーバーに遭遇。

こちらに気がついて尻尾を立ててドボンッと大きな音を立てながら水の中に潜る。この大げさ感がなんとも言えず素敵だ。湖面の上に立ち、去っていくビーバーを眺めていた。
サイトに戻ってきてガスバーナーに火をつけ、お湯を沸かす。Nicoが起きてきて雑談する。時刻は7:25。

湖面のハシグロアビを眺めていたら、何か大きな物体が湖面にあることに気がつく。慌てて双眼鏡、そしてズームカメラを持って湖面を凝視する。その姿を見て、鳥肌がたった。

ムースだ!ずっと見てみたくて、でも一度も出会えなかった大きな大きな草食動物が湖面を泳いでいる。やがて約600m離れた対岸の小さな島に上陸した。
トイレから戻ってきたNicoに告げる。よし、カヌーに乗って見にいこう!となり、まだ寝ていたNicoの子供たちを起こして皆でカヌーに乗り込む。同じく起きてきたTanyaは後からカヤックで追いかけてきた。
ムースの上陸した小さな島に到着。茂みの中に、いた!静かに漕いでじっくりと眺める。

こちらに気がついて島の反対側に去って行ったので、反対側に回り込む。まだツノがそれほど大きくはない若いオスだ(2歳のオスとのこと)。でも既に十分に大きくて迫力がある。感動!

やがて、ムースは人がいることが気に入らなかったのか、再び水の中へと入り、別の大きな島に向かって泳いでいく。その後を静かに追いかける。靄がかかる湖面を泳ぐムースの姿は素敵。

再上陸して走り去っていくムース時刻は8時過ぎ。とても素敵な30分間だった。
その後は朝食の準備。お湯を沸かして、オートミールをいただき、お茶を飲んだ。さらに焚き火をして、ピザを焼く。

その後は各々自由に過ごす。SUPをしたり、カヤックをしたり、カヌーをしたり、焚き火の前でのんびり過ごしたり、本を読んだり、釣りをしたり、フリスビーをしたり、ザリガニを眺めたり。



Mariekeが浮き輪にロープをつけて、それを僕がカヤックで引っ張るという水上スキー(?)のような遊びを始める。子供たちはつくづく遊びの天才だと思う。
昼前から風が強くなり、少し白波が立ち始めた。SUPで出かけて行ったTanyaがかなり時間が経つのに戻ってこないので、カヤックに乗ってToonと一緒に探しにいく。Toonはまだ10歳とはいえ男の子だ。Tanyaが心配なので探しにいく、と言うと僕も行く、とのこと。男らしいなぁ。島の反対側に向かうと、沖合いにTanyaを発見した。別の島まで出向いていたらしい。ほっとして戻る。
その後はNicoがMariekeと一緒に遠くまでカヤックで出かけていく。白波立つ中、カヤックを漕いで、時々近づいて話をしている父・娘の様子はなかなか素敵だった。

Toonは波が立つ中でSUPに乗ってみたい、と話をして、遥か遠くまで出かけて行った。
楽しい時間はあっという間に過ぎて、片付けを始める。火の粉が飛んだのか、愛用の折りたたみ椅子に穴が空いていることに気がついたが、まぁ仕方がない。片付け中、Mariekeが砂浜に座り込んで砂をいじりながら考え込んでいる。Nico曰く、アウトドア大好きな彼女は、ここを去りがたく、拗ねているのだという。
荷物をカヤック・カヌー・SUPに積み込んで14時半にサイトを出発。

ちょうど今日からここに泊まるご夫妻+犬一匹が二艇のカヤックでやってこられて、焚き火を残しておきました、と話をする。
SUPを牽引しながらカヤックで漕ぎ出す。波が立っているので少々パドリングが重い。Nico、Marieke、Tanyaの乗ったカヌー、Toonの乗ったカヤックと共にまっすぐ出発地点を目指して漕ぐ。島の陰にはいると波は弱まった。
15時前に無事出発地点に到着。桟橋にカヤック・カヌーをつけて荷物を引っ張り出す。僕はカヤック・SUPを素早く片付ける。

風が強くて、陸に上げたカヤックが転がっていったので慌てて押さえ込む。
レンタルしたバレルを返却し、カヌーをNicoの車の上に乗せて、折りたたんだカヤック等を車に積んでひと段落。
楽しかったですねー、では気をつけて帰りましょう!と、それぞれの車に乗って16時前に出発。
心なしか、昨日よりは色づいた気がするのんびりとした309号の道路をひたすら走る。その後はハイウェイ50号に乗って東に向かう。往路は爆睡していたTanyaだけど、帰りはのんびりと景色を楽しんでいる。今の職場にたどり着いた経緯やカナダの政治の話等を聞きながら進む。ハイウェイ15号に合流すると渋滞していて、ポップコーンを頬張りながら、ゆるゆると進む。19時を過ぎて、モントリオール市内に到着して、Tanyaを家まで送り、その後、自宅に戻ってきた。車を返して荷物を運ぶと既に20時前。残念ながら相方とのSkypeコールはできなかった。

今回のカヌーキャンピングをまとめた動画はこちら(YouTube、6分弱)

当初は一人で来ようと思っていた広大なポアソンブラン湖。最初予約した島までは15km程の距離があって、到着するのにそれなりに時間がかかることを覚悟していたのだけど、人数が増えて予約を取り直した島は2km程しかない、ということで、実にのんびりしたプランになった。でも、その分のんびりといろいろな遊びができて満足この上なし。特に、Nicoの子供たちにSUPという素敵な水上散歩の遊びを伝えられたのが嬉しい。そして何よりムースに出会えたのが本当に嬉しかった。ラッキーだった。湖の北側には家もあり、原生的な雰囲気はそれほどないけど、いろいろなサイトがあって、レベルが選べ、さらにプライベートも保たれるので、単独・大人数のどちらでも楽しめる場所だ。ただ場所がオタワに近いだけに、ハイシーズンの直前の予約は困難なので結構前(1−2ヶ月前)から予約しておく必要がある。楽しい湖だった。