駒寄り イノチ

先日のヴァイオリンのグループレッスンで、私の弾き方を見ていたI先生から「もっと駒と指板の中間を弾きなさい」と注意を受けた。そうなのだ。私は弓を駒に接近させて弾くのが好きなのだ。

「駒寄りを弾くのが好きなのです。大きな音量とブリリアントな音色が欲しいので」とお答えした。先生は困ったような顔をして、ムムム・・・と黙ってしまわれた。

下手に駒近くを弾けば音がガサつくけど、そうならないようにボーイングを加減すればいいのである。右手の柔軟性、弓のデリケートなコントロールが求められるちょっと難しい芸当だ。運弓がままならない人には無理だから先生が注意したくなったのも分かる。

でもね。駒寄りを恐れていると、いつまでたっても芯の弱いヘナチョコバヨリンから卒業出来なくなるのだよ。チェロでも同じ。トルトゥリエは、1日、1日、1ミリでも駒に寄せて、駒寄りを弾けるようになれ〜と心がけていたとか。

駒に接近するほど弦の反発が強まり、弓毛が噛みつく時の抵抗が増すから音が荒れて弾きにくい。弓が弦の上で滑ってしまうか滑ってしまわないかのギリギリの線まで追い込み、なおかつ、ガサガサしないなめらかで輝かしい音を出す訓練は弦楽器には絶対必要である。イメージ的には左官職人さんのコテさばき。ベターっとコテを押し付けながら壁を平滑に塗りあげてゆく動きだろうか。弦と毛の間に発生する摩擦抵抗の意味とその処理方法について、なぜレッスンの最初から教えないのか不可解に思う。レイトスターターの多くが、こじんまりとした平板な演奏しか出来ないのは、音の幅、ダイナミックレンジが狭いから。それを解消するためには

・・・とここまで書いたら、同じ内容を去年の5月15日の日記でも書いていた。まったく進歩がない。



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