ヴァイオリン教室#28

「新しいバイオリン教本」第1巻50〜53番の音階とスラーの復習をしてから、57番「郵便屋さん」と55番「雨だれ」をさらった。57番にはスラーでつながれた2つの8分音符が出てくるが、直前の4分音符から8分音符になった途端、走ってしまう人が結構いた。先生はイン・テンポをキープするよう注意されてはいたが、走る人は(かなり弾ける人でも)コロコロと走った。

スラーは音を滑らかにつないで弾くイメージがあるが、滑らかさを意識し過ぎてダラーっと2つの音をつなげて平板に弾くと具合が悪い。リズムの刻みが曖昧になり、ズルズルと走りやすくなるのだ。スタカート気味にして弾く必要はないけど、異なる音が並んでいて、それらを一弓で弾くだけのこと。とすれば、音符と音符の間の音の切れ目に若干、カク・カクというか、ちゃんと刻む感じを込めながら、2つの音を一弓で弾くのがいいのでは?と質問した。先生には想定外の問いだったようで、一瞬、ポカ~ンとした顔をされた。

そこで、わざとリズム感を曖昧にしたベタ弾きをし、次にスラーの途中で音符を1つずつ区切るカク・カクというニュアンスを加えたボーイングで弾き、実際の音の違いを聞いてもらった。私が先生に何を相談しているのか、話の内容が他の生徒さんらに正確に伝わったかどうかはわからない。

その後、先生はスラーを取った弾き方とスラーをつけた弾き方の両方を生徒に試させ、走らずに正確にリズムをカウントするための練習方法を教えられた。スラーを外してしまえば弓のアップダウンの繰り返しだから、必然的にリズム感がしっかり出てくる。その感じを忘れずにスラーが付いた複数の音符を弾くと、むやみに走らないで済むのである。スラーがついた箇所のリズムの刻みをどう考えるかは初歩的な問題だが、最初からきちんと押さえておく必要があるポイントだろう。





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