ホウ・シャオシェン『悲情城市』(1989)

(1989年 台湾 159分)■監督 ホウ・シャオシェン ■脚本 ウー・ニェンツェン/チュー・ティエンウェン ■出演 トニー・レオン/シン・シューフェン/リー・ティエンルー/チェン・ソンヨン/カオ・ジエ
80年代初頭、エドワード・ヤンらを中心に、台湾映画界に新風が巻き起こった。/娯楽映画からの脱却、高い写実性、ありふれた日常の描写、禁止されてきた台湾語の使用・・・。/87年に、言論弾圧が強化された戒厳令の廃止され、その勢いに益々拍車がかかった。/自由、歓び、そして真実。それまで許されなかった作品たち。/新たな力を手に入れた監督たちは、それまで台湾に、世界中になかったものを多く生み出した。/台湾ニューシネマと称されたそれらの作品の最高峰、/エドワード・ヤンの「クーリンチェ少年殺人事件」。/そして/ホウ・シャオシェンの「悲情城市」。
ニ・ニ八事件。/1947年2月28日、中国国民党官憲の横暴に対し、市民の怒りが爆発。/抗議行動、暴動といった大規模な抵抗は、瞬く間に台湾全土に発展。/第二次大戦後、日本から国民党に行政が引き継がれていく中で、民主主義を求めつづけた市民たちの運動。/最終的には、鎮圧という名の大弾圧により2万人以上の犠牲者を生み、先述の戒厳令が発令された。/今では公に評価されているこの戦いも、長い間タブー視されていた。/本作は、その二・二八事件を描いた初めての映画である。/台湾の歴史を描いた映画でありながら、本作が制作されたこと自体が歴史そのものといえる。
1945年の終戦、ニ・ニ八事件、そして1949年の国民党政権樹立までの、正に激動の時代。/台湾市民たちは何を考え、いかに生きていたのか。全てとはいわないが、少なくともその一部がリアルに繊細に描かれている。/そして「映画」が、人の心をここまで揺り動かすものであるということを改めて実感できる。…

やはりダメ映画だった。歴史物だからややマシだったが、なんでこれがヴェネチア映画祭金獅子賞なの?他人の評価は信頼出来ません。登場人物が多くて焦点が絞られていないうえに、脚本の編集センスも最悪で、この監督の世界観がまったく希薄でしかないのが何よりの欠点。この監督は時間泥棒か?