どんより。身体が重い。世界が灰色。
ポパーを読み始めたのだが、すこぶる面白い。これだけプラトンを意地悪く描くこの人は、きっと意地悪な人であったに違いない。私も意地悪な人間であることはこのブログの読者ならお分かりだろうが、ポパーに比べれば足元にも及ばないだろうと感じる。
福田康夫(71)がテレビ出演。shou氏も「総理の器」とのことだが、私もこの人の話し方は大好きである。期待したい。
今日は古本屋で、宮澤喜一『東京−ワシントンの密談』(中公文庫)、中島岳志中村屋のボース』(白水社)、江川達也日露戦争物語1〜5』(小学館)を買った。昨日は小林信彦『おかしな男 渥美清』(新潮文庫)を読んだ。渥美清の嫌なところを粘着質に描く小林信彦も、意地悪で偏狂な人間だろうと思う。

ぼくは沈黙した。/アルコールが好きでないぼくは〈セコ〉ではないだろう。しかし、渥美清はそんな風に誤解しているかも知れない。金や酒と関係なく芸事が好きな人間が、この世に存在すること自体、渥美清には理解できないのかもしれない。――そうだとすれば、この男に入れ込むのは、ほどほどにすべきだろう。いや、この男の性格そのものを考え直さなければならないのではないか。/今にして思えば、当時の渥美清内面も過渡期だったのである。頭は〈さしずめ、インテリ〉に近くなっていたが、爪先に、ある種の下品さ、卑しさをひきずっていた。フランキー堺が鋭く反応したのは、そうした卑しさに対してだったのかも知れない。(103)

おかしな男 渥美清 (新潮文庫)

おかしな男 渥美清 (新潮文庫)