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楽しむための読書

 

2012-01-29 受け継がれない意志

受け継がれる意志もあれば

受け継がれない意志もある。


前者は美談として取り上げられ、

後者は悲劇として取り上げられる。


親の思い通りにならない子ども

親の思い通りになる子。


大抵の子どもが親の思い通りにならないらしいから

受け継がれない意志のほうが多いのかもしれない。


親の心、子知らず。


なぜ、意志を受け継がせるのか?

自分でその意志を完結させられなかったから?


受け継がれる意志といっても、せいぜい2〜3世代。

価値観も常識も意志の意味づけすらも変わる。


人の夢と書いて、儚い。


それなら、人の意志と書いて、何と読もうか?

げんえい・・・かな?


”げんえい”のその先に何がある?

虚無、現実、希望


”げんえい”のなかには何がある?

願望、錯覚、希望




今日の思考を引き出してくれた本。


大地 (2) (岩波文庫)

大地 (2) (岩波文庫)


パール・バック「大地」

第二部:息子たち



かつては夢だったものも、

長いあいだあたためていたために

いまでは確信となって、

この夢は天が彼の運命として定めたものだ、

待ってさえいればやがて時が来る、

そのとき運に乗ればいい、

と信ずるようになっていたからだった。


領地ができれば好きなように税金がとれる。


人間というものは意識せず喋っているときに

大事なことを言うのを知っていたので、

勝手に喋られせておいたのである。


こうして彼の頭にはふたたび雲がかかり、

くっきりと物が見えた瞬間は過ぎ去った。


軍司令官は文官に頭をさげなければならない

ということになってはいる。

だが権力が武器を持った軍人の手に帰するというのは、

誰もが知っている証明ずみの事実なのだ。


いかに権利があろうと、武器を持たない人間が

同じ土地にいる軍人に逆らうことなどできるものではない。


王虎はようやく口にあてていた手を離し、

矢も楯もたまらないたまらないように杯をつかむなり、

唇にあてて一気に飲み干した。

いい酒だった・・・

熱い酒が喉にしみた。

かれはまた杯をつきだすと、ささやくように言った。

「もっとくれ」・・・・

何としても、泣きたくはなかったのだった。


こんなときでさえ

酒に慰めをもとめることしか考えていない、

ただの老人でしかなかった。


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