蜘蛛の糸

たまに、蜘蛛の糸を読みたくなります。
とても短い文章ですが、とてつもなく大きな世界を感じます。
文章に完璧というのがあるのであれば、このような文章ではないかと私は思います。
 
今回は、時間。
お釈迦様が蓮池のふちをぶらぶら御歩きになっている朝から
かんだたが暗の底へまっさかさまに落ちていく午近くには、短くない時間が存在する。
その時は、どういう状態だったのだろう?
 
永遠の時間とまばたきのような一瞬
永遠に続くように思われる想いとゆらめく気分
悪のようなものとそれと対局にあるもの、あるいはないもの。
 
蓮の花の何ともいえない好い匂いが絶間なくあたりへ溢れている極楽にはそもそも時というものがあるのだろうか?

蜘蛛の糸・杜子春 (新潮文庫)

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