「こもる」技術


「ひきこもり」といえばネガティブな用語だが、「こもる技術」はタイムマネジメントの重要なテクニックであると考える。

「こもる」こと自体は、プラスにもなりマイナスにもなるニュートラルな動きである。人生をかけた試験のために家にこもって勉強をしたり、大事な試合の前に「山ごもり」をして集中的に鍛えたりすることは、日常生活から切り離された時空での特別な集中を可能にする
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「こもる」は、作家が通常得意とする技術である。こもることがまったく苦手な人間は、作家の生活スタイルを続けるのは難しい
(斎藤 2001:86)

例えば、日々忙しくアウトプットばかりの人は、どこかでインプット作業を行なわなければならない。しかし、こもる技術がないと、あっというまにスケジュールが仕事で一杯になり、インプットをする機会を逃してしまう。


また、上の例のように、作家は、隔離された状況で集中的に仕事をしなければならない。その場合は、集中力が途切れないように、誰からもコンタクトがとれないところに身をおくのが常である。


意図的に「こもる」と、日常生活で失いがちであるがほんとうはとても大切なことを行なう時間を確保することができる。どこかに隠れてしまって連絡がつかないことがたまにある人というのは、実は「こもる達人」なのであり、タイムマネジメントがうまい人であることが多いのだ。